【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇同居までのetc

「初、恋人」*優月

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 なんか言いすぎちゃったかなと困ってるオレを見て、智也がクスクス笑う。

「色んな玲央が、全部。……何?」
 目が合うと、なんだかすごく楽しそうに微笑まれて、なんか顔が熱くなってきた。

「そうだよ、優月、色んな玲央が、なぁに?」

 ふふ、と美咲も笑う。
 もう、ふたりとも面白がってるし……。

「……バレバレって言ったじゃん、美咲。分かってるんでしょ」

 オレかそう言うと、美咲はクスクス笑いながら、「でも違うかもしれないしね? 言ってくれないと分かんないかも」とか言って、じーと見つめてくる。黙ってても話が進んでくれそうもないので、仕方なく。

「……全部……大好き、て……」

 うう。恥ずかしいな。何言ってんだ、オレってば。
 そう思いながら言うと。頑張って言ったのに、二人はまた顔を見合わせて、クスクス笑い出す。

「ていうか、好き、じゃなくて、大好き、だもんね」
「恥ずかしがってるくせに、大好きって言っちゃうんだな、優月」

 可笑しそうに笑われながら言われて、確かに、と気づいて、なんか余計に恥ずかしい。

「なんかごめん……」

 なんかオレ、すんごく惚気てるような気がしてきたような……。
 なんだかすごく顔が熱いので、手の甲で冷やしていると。

「……まあでもなんか、今んとこ全然大丈夫っていうか……なんかどこのカップルより、甘々で過ごしてそうな気がしてきた」

 美咲が呆れたように。でも、楽しそうに言って、笑う。

「いつか私も、神月と優月が一緒にいるとこに行きたいな」
「え。あ、ほんとに?」
「見てみたいよ。あほみたいに、ラブラブなとこ」
「え。あほみたい……じゃないよね??」
 智也に救いを求めるけど、ぷ、と笑った智也が、さぁ……と明後日の方向を見てしまう。

「冗談よ」
 楽しそうに笑う美咲が、オレをまっすぐに見つめる。

「はい、優月」

 美咲は、ジュースの入ったグラスを持って、オレの方に差し出した。
 自然とオレも自分のグラスを持って、美咲の方に。
 でも、なんのつもりなのか分からなくて、少し首を傾げたら。

「改めておめでと。良かったね、初、恋人」
「――――……」

 美咲がちょっと照れ臭そうに、でもすごく、綺麗な笑顔で言うものだから。
 ありがと、と言いかけて。……なんだか視界がにじんだ。

「あ、りがと」
 でもなんとかそう言うと、美咲は苦笑いを浮かべながら、手を少し伸ばして、カチンとグラスを合わせてくれた。
「ほんと。おめでと、だよな?」
 智也も隣から、グラスを合わせてくれたのだけど、すぐに笑いながら、オレの髪をぐしゃぐしゃに撫でた。

「また泣いてるし。いつまでそんな素直に泣くのかな、優月」
「……泣いてないよ」

 ちょっと、滲んだだけだもんね。
 浮かんだ涙を、瞬きをしてごまかすと、二人は顔を見合わせてる。

「玲央の前でも、泣いちゃう?」
 智也にそんな風に聞かれて。

「う。……た、たまに……ちょっとだけ……」
「嘘だろ。この感じで、ちょくちょく泣いてるのかなって気がする」
 智也に突っ込まれて、否定しきれないでいると。あー、分かる、と美咲が笑う。
「そういうの、あーいうタイプには、すごーく珍しくて可愛く見えるのかもね」
「そうかも。だってあいつの周りに居た女子って、綺麗な感じだったけど……こんな風に泣く優月みたいなのは、居なかっただろうし」
「まあね、優月を可愛いって思ってくれてるなら、いいけど」
「あ、かなり、デロデロに甘いよ、玲央。周りの仲良したちがちょっと引きながらからかってた」

 クスクス笑いながら、智也が言うと。

「そうなの? なんかほんとに、想像ができないなぁ、ますます一緒のとこ、見たいかも」

 言いながら、美咲がオレを見つめる。






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