【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇同居までのetc

「免許取ったら?」*優月

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 なんだかとってもからかわれながら、準備を終えて家を出て、玲央の車に乗り込んだ。
 いつも通り、カッコいい玲央の運転姿に見惚れていると、少しだけ遠回りをして、飲食店が多い大通りに出てくれた。

「何が良い? 早めに看板見てくれればそこ入る」
「んーんーんー……」

 何が良いだろ。ラーメン、ファミレス、中華……。

「あ、ハンバーグは?」
「りょーかい」

 ハンバーグステーキと書かれた大きな看板を指しながら言うと、玲央が笑いながら言って、駐車場に車を止めてくれた。少し狭いけど、二階の店舗の下に入れてくれたので、雨だけどぬれずに店内に行ける。

「玲央って、運転上手だよね」
「そう?」
 シートベルトを外しながら言うと、玲央がエンジンを切りながらオレを見る。

「駐車とかもさ、すぐとめちゃうでしょ」
「んーまあ……そうかな」
「うちの母さん、苦手でね。こういう狭いとこには絶対入らないよ。広いとこにとめるの」

 車を降りて歩きながら、クスクス思い出し笑い。

「なるほど……優月はどうだろうな」
「うーん……母さんの子だから。おんなじ感じかもね」

 クスクス笑ってそう言うと、玲央が「お父さんは?」と聞いてくる。

「父さんの方が上手。仕事でも車乗るからかなあ」
「じゃあ運転は、お父さんの血引いてたらいいな?」
「うん。そうだね」

 言いながら、お店のドアを開けて中に入ると、店員さんに出迎えられた。

「二人です」
 そう言うと、窓際の席に案内された。

「でも、優月が乗れるようになったら、オレ、隣に乗ってあげるからさ」
「えっ」
 その言葉にはとってもびっくりして、固まってしまうと。

「何でそんなに驚くの。当然乗るだろうと思ってるんだけど……?」
「えっと……」
「あの車、乗っていいよ。オレ、隣で見ててあげるし」
「ええ……」

 しかもあの車で……。
 玲央の好意はありがたいけど……。

「オレ、あの車、初心者で運転、無理」

 ブルブルブルと大きく首を振る。変な片言の返事になってしまう。玲央は少し笑った後、あの車無理? と、オレを見つめる。頷くと少し考えてから、玲央はにっこり微笑むと。
 
「でも実際はそうそうぶつけないだろうし。初心者の時って慎重だし、きっと大丈夫だよ。むしろ慣れてきてからの方がぶつけたり擦ったりって聞くけど」

「いや、でも……あの車に乗って、隣に玲央を乗せたら……」

 ちょっと想像してみる。
 ……容易に想像できて、オレは、また首を横に振った。

「あ、無理みたい。なんていうか……」
「うん。なんていうか?」

「緊張して、そのせいでぶつけると思う」
「緊張?」

 玲央が苦笑いをしながら、メニューを開く。

「別に緊張しなくていいのに」
「……したくなくても、すると思う……」

 玲央に見られてるだけでも、かなりなのに。あの車……。
 ぶつけたら、いくら位……? 車、全然分からないオレでも、高そうって分かるんですけど……。
 
「ん?」
 玲央がオレを見て首をかしげる。

「あの車って、擦っちゃったりしたら修理代高い……よね?」
「まあ車は擦ったら、どんな車でもそこそこ高いとは思うけど。優月に請求したりしないけど」

 そういう問題じゃないのだよう~。

「初心者にあの車はレベルが高すぎる気が……」
「んー……じゃあレンタカーでも借りて、ちっちゃいので練習する?」

 おお、それイイかも。
 と、一瞬でウキウキ気分になったのだけれど。途中ではっと気づく。

「でも、まだ教習所申し込んでも無いから……いつ乗れるんだろ?」
「まあそうだな。ちょっと気が早いか」

 クスクス笑って、玲央も頷く。
 
「でもオレ、優月の運転する車に乗るの、楽しみ」
「オレも早く、上手になって玲央に乗ってほしい」

「ん? オレ、その上手になる練習付き合うってば」
「えええー……」

 最初は父さんとかがいいなあ。
 玲央だと、玲央に見られてるというだけで、かなり余分な緊張が……。

 と思いながら、実際取れてから考えよと決めた。

 メニューを見て注文してから、鞄に入れたままだった教習所のパンフレットを取り出す。


「見て、今日友達がくれたんだけど」
「ああ……ここに行くの?」
「まだ決めてないんだけど、とりあえず、今通ってる友達が居てね、持ってきてもらったの」
「ふーん……」

 パラパラめくって、玲央の目が合宿免許にとまった。 

「こういうのに行きたかった?」
「うん。あ、でも別にもう行きたいと思ってないけど」
「……こういうの参加しようっていうのがすごい」
「え、そう?」
「だって、全然知らない、年とかも全然違う人らと、ずっと一緒なんだろ?」
「そう言われると、そうだね」
「オレ、無理だな」
「えー、玲央はそんなとこ行っちゃったら、モテモテで大変だと思う……」
「いや、無理」

 クスクス笑う玲央。

「……優月は平気そうだな?」

 ふ、と笑って、またパンフレットをめくる。


「オレには絶対無理だけどさ。……そういうの楽しめそうな優月はすごいと思うし。尊敬できるとこだよな」

「――――……」


 なんだかとっても優しい顔でそんな風に言われると。
 え。なんか。嬉しすぎて、何も返せないんだけど。

 ……玲央は。ほんと。
 オレを喜ばせる天才な気がする。







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