【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇同居までのetc

「お兄さんみたいに」*優月

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 春さんと待ちあわせた正門。

「優月くん、ごめんね」
「あ、春さん。こんにちは」

 いつも通りの笑顔の春さん。特別困ったこととか、そんなんじゃなさそう。何だろう?

「オレどこでもいいんですけど……どこ行きますか? 学食で話せますか?」
「オレはいいんだけど……あーでも、あっちに、喫茶店あるから、そっち行こっか。奢るから」
「良いですよ、奢りじゃなくて。むしろメロンのお礼します」
「オレが誘ったし」

 そんな会話をしながら、喫茶店に向かう。
 大学の人達も結構来るここは、音楽が流れてて、いい雰囲気。隣と少し離れるから、話をするはちょうどいいと思う。オレは食堂に行くことが多いからあんまり来ないけど、女の子とかは、時間を潰す時に結構利用してるみたい。

「優月くんは、ここ、来たことある?」
「前に何回か……」
「そっか。とりあえず食事、頼んじゃおう」
「はい」

 メニューを見て、サンドイッチとコーヒーを頼んで、お水を一口。
 春さんがオレを見つめて、「ごめんね、急に」と笑った。

「全然いいです。でも、どうしたんですか?」

 何だか神妙な顔をしている春さんを見つめると。

「オレ、昨日飲み会だったんだけどさ」
「はい」
「……神月玲央くんがたまたま話題にあがって」
「玲央? ですか……??」

 不意に上がった玲央の名前に首を傾げた。

「優月くんって、彼のこと知ってはいるんだろうけど……」
「えーと……はい、知って、る……と思うんですけど」
「でももしかして、あんまり知らなかったりもするんじゃないかなって思って」

 あ。
 なるほど……。

 玲央の今までの色んな噂、聞いちゃったのかな?
 それで、心配して……。

「昨日も一緒だったし、また今日は玲央くんの家なのかなとも思って、だとしたら、学校に居る間しか話せないかなと思ったんだよね」
「あ、なるほど、です。急にどうしたんだろうって思ったので……」

 クス、と笑ってしまう、と、春さんはじっとオレを見つめた。

「優月くんが、一緒に暮らそうって思ったんなら、大丈夫なのかなとは思ったんだけど、一回聞いておこうと思って」
「はい」
「玲央くんの噂とか、色々知ってる?」
「……えーと……多分」

 頷いてみせると、春さんはとても複雑そうな顔をした。

「言いにくいんだけど……男も対象らしくて、相手も不特定多数というか……恋人は居ないみたいだから、自由ではあると思うんだけど」

 春さんの目を見つめながら、うんうん、と頷く。
 ああ、なんだか分かってきた。

「優月くんは、ノーマルだったよね?」

 ……やっぱり。そこらへんかなと、思った。
 覚えてる。いつか、可愛い女の子と、可愛い子供たちに囲まれて暮らしたいなあとか、ぼんやりな将来の夢の話なんかを、春さんとしたのも。

「友達として一緒に暮らすにしても……うーん、どうなんだろって思って。ごめんね、要らない心配かもしれないけど、一応話したくて」
「……えっと……春さん、あの」
「うん」
「……ありがとうございます、心配、してくれて」
「心配するよ、優月くんは、なんか弟みたいに思ってるし」
「うん。オレも。お兄さんみたいに思ってます」

 優しい言葉に、ふ、と笑んでしまう。

「……だから、正直に、言いますね」
「うん?」

 春さんが少し不思議そう。


「あの……友達として、じゃなくて……付き合ってる、んです」
「え?」
「……付き合ってるから、一緒に暮らそうって言ってて」
「……ん?」

 わりとすごくはっきりと言ってると思うのだけど、春さんの中に、その考えはないみたいで。
 なんだかものすごく不思議そうに、オレを見てくる。

 どう言ったらいいんだろ??
 思わず苦笑い。




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