【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇希生さんちへ

「気が合うみたい」*優月

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「変なこと、とか思ってないから。ていうか、もう、逆」

 玲央の優しい声が、すぐ近くで聞こえる。
 むぎゅ、と抱き締められたまま。

「逆……?」
「そ」
「でも玲央、今、はー、て言ったし……」

 なんだかとっても、しょんぼりしてしまうと、玲央は苦笑して、オレをまっすぐ見つめてきた。

「優月がそんな風に思ってくれるの、すげー嬉しいし」
「――――……」
「今すぐここで、押し倒したいとこなんだけど」

 くす、と玲央は笑う。

「優月、絶対のぼせるし。――――それにそういうことして色っぽくなっちゃった顔は、誰にも見せたくないから、オレは、我慢する」
「――――……」

 なんだかとっても得意げにそう言って、玲央はオレを見つめる。

「偉いだろ?」

 くす、と笑いながら、玲央がそんな風に言うので、「うん、偉い」と頷きながら、笑ってしまう。でも、ふと。

「ごめん、オレ、偉くなくて」
 そう言ったら、玲央は、ふは、と可笑しそうに笑った。

「何でそんな可愛いの?」
 よしよしと撫でられて、そんな風に言われる。

「大体いつも、オレがその気にさせることが多いだろ」
「ん……」
「優月はそもそも、そういう経験無かったんだから、優月が今その気になってるならそれは全部オレのせいだと思うんだけど」

 そういう玲央に、……確かに、とちょっと思いながらも。

「でも、今は玲央はそんなことしようって思ってないのにさ」
「……思ってるよ。したいって」
「え」
「思わない訳ないじゃんか」
「……そう、なの?」

 玲央に抱き締められたまま、ぽけ、と玲央を見上げていると、ぷ、と笑われる。

「……ひとりで焦って、一人で赤くなって、そんなの可愛くてしょうがないし」
「――――」
「それに」

 言いながら、玲央の手が、する、と両肩に滑る。

「肌白くて……今は上気してて色っぽいし」

 すり、とそのまま優しく胸に手が滑る。意図せず、ぴくんと体が震える。

「なんかもう、水にぬれてる優月、すげー可愛いし」
「――――……」

「したいの、お前だけじゃないから平気。つか、あれだろ。今日オレが、あちこちでキスばっかりしてたから、そういう気になったんじゃないのか?」

 ……そう言われて、うん、確かに、そう……。
 と、またしても思ってしまう。

 オレはそれが顔に出てるのか、玲央は、だよな、と笑う。

「ほんとは責任とってあげたいんだけど……さすがにここでは無理だから……」
「うん……?」
「なんかして気を紛らわすか」
「――――なんか……?」
「そ、なんか」

 少しオレを離して、真正面から見つめてくる玲央にろ、ふふ、と笑ってから。

「……じゃあ、玲央、じゃんけんしよっか?」
「じゃんけん?」
「しりとりでもいいけど」

 玲央は、可笑しそうに微笑みながら少し考えてから。

「……じゃあ、じゃんけん」
「うんうん。十回先に勝った方が勝ちね?」
「OK。じゃあ勝負ついたら出るか」
「うん!」

 頷いて、玲央から少し離れて向かい合う。
 
「……じゃんけん、ポイ!」

 左手で、じゃんけんに勝った回数を数えながら、回数を重ねていくのだけれど。途中で、どちらからともなく、笑い始めた。


「……めちゃくちゃ、あいこ、多いね?」

 クスクス笑うオレの言葉に、ほんとだな、と玲央が笑う。

「そういえば玲央とじゃんけん、あんまり記憶なかいも……」
「そんなにしないよな、じゃんけんって」
「うん。しない」

 クスクス笑いながら、気を取り直してまた、最初はぐーから、始めたのだけれど。また、あいこ。何回しても、なかなか一回が終わらない。

「すっごく気が合うみたいで、嬉しいねー」

 クスクス笑いながら言うと、玲央が、ふ、と笑んで、「もうかけらもへんなこと考えてないな……」と呟いてる。

 


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