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◇ライブ準備
「美容にいい?」*優月
◇ ◇ ◇ ◇
大学から、そのまままっすぐ教習所に向かった。徒歩で二十分位。
教習所の建物に入り、新規受付のところで色々な説明を聞いた。
ロビーは広くて雰囲気もいいし、教習を待つ待合室を案内される。
「カフェとかもあるんだ。すごいね」
玲央を見ながら言うと、係りの女の人もにっこり笑った。
「待ち時間に食事を取って頂けるので好評なんですよ」
「いいですね」
実際授業を受けてる教室を見せてもらったり、教習中の車を窓から見たりしてから、料金プランの説明を受けた。学生キャンペーンをやってて、今入ればいろいろお得みたい。
入校の手続きは、ホームページから予約をして必要書類とかを持って手続きをすることになるので、今日のところは話を聞き終えた時点で終了。
案内してくれた係りの人にお礼を言って、詳しいパンフレットを貰って、教習所を出た。
「ありがとね、玲央、付き合ってくれて」
「ん。どうだった?」
「うん。良さそうだから、もうここにしちゃおうかな。玲央はどう思う?」
「予約もとりやすそうだったし、近いから迎えにもすぐ来れるし。優月がいいならいいと思う」
「ん。ていうかお迎え……いいの?」
「来るから」
ありがと、というと、玲央は、ん、と優しく微笑む。一人でときめいていると。
「イメージできた? あそこで自分が運転するの」
歩き出しながら、玲央が聞いてくる。
「うん。なんかちょっと、こうやって取るんだなぁってのは分かったかも。実際乗るとことか見れたし……ほんとに車に乗るんだなーって思っちゃった! すっごいドキドキする」
「――そっか」
玲央はクスッと笑うと、オレを見ながら、楽しそうな顔をする。
「オレはドキドキとかそんなの感じずに、さらっと終わった気がするなぁ……」
「そうなんだぁ……ていうか、ドキドキしないのがすごいと思う。オレも緊張しないでやりたいなぁ」
「そう? オレは、優月みたいに生きてた方が、楽しそうだよなって今思った」
「んー……そう?」
そう言われてみると、ドキドキしたり、緊張したり、オレは色々騒がしいかもしれないなぁ、と苦笑してると、玲央はぽんぽんと背中に触れてくる。
「そうだよ。最近、よくそう思う」
「んーでも玲央も普通に楽しんでると思うんだけど。ただ騒いでないだけかなーて気がする」
カッコいいけど、そういうところ。
そう思いながら、ふふ、と笑っていると。
「優月みたいに、ウキウキする、とか、ドキドキする、とかさ。きっとそれって、気分が上がるだろ? いいことな気がする」
「いいことかな?」
「いいと思う」
優しく笑ってくれる玲央に、そうなのかなとちょっとご機嫌になっていると、ふと思った。
「玲央が、すっごくドキドキするのってどんなこと?」
「んー……」
「緊張するとかさ、ドキドキして、手が震えそうとか。一番最近だとどんなこと?」
続けて聞いていると、玲央は少しの間、そうだな、と考えていたのだけれど。あ、となんだか嬉しそうな顔をした。
「ライブとか?」
何て言うんだろ、とワクワクしていると。
「――優月といるようになって、ドキドキしてるよ」
「え」
「本気で恋するっていいよな」
「……っふ……っ」
えほえほっ。
へんな風に息を吸ったせいで、また咽せてしまった。
面白そうな顔してオレの背中をすりすりしながら、オレを見てる玲央。
「か……からかってる……?」
「んー? それは心外」
「……」
「からかってないよ。マジで言ってる」
……この世で一番カッコいいと思っている人が。
そんな真剣な顔でそんなこと言ってくれちゃうと。
もう、あれ、何の話してたんだっけ? とそれすら分からなくなる。
二人でまた歩き出しながら、玲央がクスクス笑う。
「ドキドキしてると、美容にも良さそうだよな?」
「美容……? 正直、玲央はそれ以上磨かなくていいような…?」
オレの息が止まっちゃうかもしれないから……と本気でちょっと思ってると。
「そうか? 磨いた方がいいだろ?」
「んー……? ……ううん。それ以上磨かなくても、絶対大丈夫」
「劣化してっちゃうかもよ?」
「んー少しくらい……ていうか、大分劣化しても、普通レベルだと思う」
「そう?」
楽しそうにクスクス笑う玲央。
「逆に玲央に釣り合うように、磨いた方がいいのはオレじゃない?」
「――――」
ふ、と玲央がオレを見る。
不意に伸びてきた手に頬に触れられて、ぷにぷに触られる。
「……え、なに……なに??」
至近距離で見下ろされて、ドキドキしながら見つめ返すと。
「ぷにぷにしてるし、瞳ぇくりくりしてて可愛いし、全部、すげー可愛いから、それ以上磨かなくていいよ」
「……っ」
カッと顔が一気に熱くなる。
「それ以上可愛くして、他の奴に目、つけられたら困るし」
肩を抱き寄せられて、そのままで居て、と囁かれる。
ドキドキするのが美容にいいなら。
玲央と居ると、オレってば、もしかしたら綺麗になっちゃうかもしれないな……なんて思いつつ。
すぐ近くでオレを見つめてる玲央に。
なんだか嬉しくて、ふふ、と笑ってしまった。
(2025/6/26)
優月がピチピチに(っ´ω`c)🩷
大学から、そのまままっすぐ教習所に向かった。徒歩で二十分位。
教習所の建物に入り、新規受付のところで色々な説明を聞いた。
ロビーは広くて雰囲気もいいし、教習を待つ待合室を案内される。
「カフェとかもあるんだ。すごいね」
玲央を見ながら言うと、係りの女の人もにっこり笑った。
「待ち時間に食事を取って頂けるので好評なんですよ」
「いいですね」
実際授業を受けてる教室を見せてもらったり、教習中の車を窓から見たりしてから、料金プランの説明を受けた。学生キャンペーンをやってて、今入ればいろいろお得みたい。
入校の手続きは、ホームページから予約をして必要書類とかを持って手続きをすることになるので、今日のところは話を聞き終えた時点で終了。
案内してくれた係りの人にお礼を言って、詳しいパンフレットを貰って、教習所を出た。
「ありがとね、玲央、付き合ってくれて」
「ん。どうだった?」
「うん。良さそうだから、もうここにしちゃおうかな。玲央はどう思う?」
「予約もとりやすそうだったし、近いから迎えにもすぐ来れるし。優月がいいならいいと思う」
「ん。ていうかお迎え……いいの?」
「来るから」
ありがと、というと、玲央は、ん、と優しく微笑む。一人でときめいていると。
「イメージできた? あそこで自分が運転するの」
歩き出しながら、玲央が聞いてくる。
「うん。なんかちょっと、こうやって取るんだなぁってのは分かったかも。実際乗るとことか見れたし……ほんとに車に乗るんだなーって思っちゃった! すっごいドキドキする」
「――そっか」
玲央はクスッと笑うと、オレを見ながら、楽しそうな顔をする。
「オレはドキドキとかそんなの感じずに、さらっと終わった気がするなぁ……」
「そうなんだぁ……ていうか、ドキドキしないのがすごいと思う。オレも緊張しないでやりたいなぁ」
「そう? オレは、優月みたいに生きてた方が、楽しそうだよなって今思った」
「んー……そう?」
そう言われてみると、ドキドキしたり、緊張したり、オレは色々騒がしいかもしれないなぁ、と苦笑してると、玲央はぽんぽんと背中に触れてくる。
「そうだよ。最近、よくそう思う」
「んーでも玲央も普通に楽しんでると思うんだけど。ただ騒いでないだけかなーて気がする」
カッコいいけど、そういうところ。
そう思いながら、ふふ、と笑っていると。
「優月みたいに、ウキウキする、とか、ドキドキする、とかさ。きっとそれって、気分が上がるだろ? いいことな気がする」
「いいことかな?」
「いいと思う」
優しく笑ってくれる玲央に、そうなのかなとちょっとご機嫌になっていると、ふと思った。
「玲央が、すっごくドキドキするのってどんなこと?」
「んー……」
「緊張するとかさ、ドキドキして、手が震えそうとか。一番最近だとどんなこと?」
続けて聞いていると、玲央は少しの間、そうだな、と考えていたのだけれど。あ、となんだか嬉しそうな顔をした。
「ライブとか?」
何て言うんだろ、とワクワクしていると。
「――優月といるようになって、ドキドキしてるよ」
「え」
「本気で恋するっていいよな」
「……っふ……っ」
えほえほっ。
へんな風に息を吸ったせいで、また咽せてしまった。
面白そうな顔してオレの背中をすりすりしながら、オレを見てる玲央。
「か……からかってる……?」
「んー? それは心外」
「……」
「からかってないよ。マジで言ってる」
……この世で一番カッコいいと思っている人が。
そんな真剣な顔でそんなこと言ってくれちゃうと。
もう、あれ、何の話してたんだっけ? とそれすら分からなくなる。
二人でまた歩き出しながら、玲央がクスクス笑う。
「ドキドキしてると、美容にも良さそうだよな?」
「美容……? 正直、玲央はそれ以上磨かなくていいような…?」
オレの息が止まっちゃうかもしれないから……と本気でちょっと思ってると。
「そうか? 磨いた方がいいだろ?」
「んー……? ……ううん。それ以上磨かなくても、絶対大丈夫」
「劣化してっちゃうかもよ?」
「んー少しくらい……ていうか、大分劣化しても、普通レベルだと思う」
「そう?」
楽しそうにクスクス笑う玲央。
「逆に玲央に釣り合うように、磨いた方がいいのはオレじゃない?」
「――――」
ふ、と玲央がオレを見る。
不意に伸びてきた手に頬に触れられて、ぷにぷに触られる。
「……え、なに……なに??」
至近距離で見下ろされて、ドキドキしながら見つめ返すと。
「ぷにぷにしてるし、瞳ぇくりくりしてて可愛いし、全部、すげー可愛いから、それ以上磨かなくていいよ」
「……っ」
カッと顔が一気に熱くなる。
「それ以上可愛くして、他の奴に目、つけられたら困るし」
肩を抱き寄せられて、そのままで居て、と囁かれる。
ドキドキするのが美容にいいなら。
玲央と居ると、オレってば、もしかしたら綺麗になっちゃうかもしれないな……なんて思いつつ。
すぐ近くでオレを見つめてる玲央に。
なんだか嬉しくて、ふふ、と笑ってしまった。
(2025/6/26)
優月がピチピチに(っ´ω`c)🩷
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