【やさしいケダモノ】-大好きな親友の告白を断れなくてOKしたら、溺愛されてほんとの恋になっていくお話-

星井 悠里

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第1章

「密着」

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 啓介にぐいと引かれて、気づいた時には、啓介の腕の中。
 背中には、啓介の胸。後ろから、きつく、抱き締められていた。

 っ密着感、すごすぎ……。
 

「ええよ、寝て」

 ……こんなべったり張り付かれてると、恥ずかしくて寝れる気がしない……。

 ……ついさっきまでもっとすごい事してたけど……。

 あれはあれでくっつかないとできないから、しょうがないけど……。
 寝るのにこんなに密着しなくても……。こんなんじゃ……。

 胸の前で組まれてる啓介の手が、する、と胸に触れた。

「めっちゃドクドクしてる?」
「……っ……っくっつきすぎなんだよ」

「……はは。……可愛ぇ、雅己」

 またぎゅ、と抱き締められる。


「――――……こっちまで照れるし……」

 クスクス笑って、啓介がそんな事を言う。

「……少し離して」
「……無理や」

「……暑いし」
「無理やて」

「……苦しいし」
「――――……」
 

 ふ、と息をついた啓介に腕を取られて、くるん、とひっくり返されて。
 今度は、完全腕枕の状態で、抱き寄せられた。

「……っ」
「――――……おやすみ……」

 額にキスしてきた啓介に見つめられる。


「……っ……」


 こっちのが、顔見られてて、恥ずいし……。


「――――…… っ」

 反応してると長くなる。

 ……もう寝よ。

 目をつむって少し啓介に近付いて、真正面で見つめてくる視線からは隠れた。オレの頭を抱え込んでるみたいにしてた手が、よしよし、と頭を撫でてくる。

 優しい手つきに、あっという間に、うとうとして。
 啓介の腕のなかで、 眠ってしまった。



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