【やさしいケダモノ】-大好きな親友の告白を断れなくてOKしたら、溺愛されてほんとの恋になっていくお話-

星井 悠里

文字の大きさ
88 / 255
第1章

「目覚めると」

しおりを挟む


「雅己……雅己?」

 優しい声がして、優しい手が、頭を撫でる。

「――――……ん……?」

 ゆっくり目を開けると、啓介が立ってて、オレをのぞき込んで、ふ、と笑った。

「はよ」

 頬に、ちゅ、とキスされる。

 ……だるくて。動けない。

「……ん……啓介、何時……?」
「7時」

 言いながら、啓介が、カーテンを開ける。

「シャワー浴びるやろ?」
「……ん……」

 浴びたいけど…… だるすぎる。
 ――――……動けない……。

 啓介を見ると、もうすっかり、着替え終わって、すっきり目覚めてる感じ。

「……もうシャワー、浴びた……?」
「ん、先浴びた」

「――――……元気だね……啓介……」

 思わずそう言うと、啓介がぷっと笑って、ベッドの端に腰かけた。
 手が伸びてきて、また、頭を撫でられる。

「……昨日無理したから、お前は、しゃあないな……」

 よしよし、と撫でられて。

 ……昨日無理した、の一言に、昨日の事を思い出して。


「……っ……」

 ごろんと転がって、枕に突っ伏した。
 そのまま、沈んだまま起き上がれない。


 そしたら、頭の横でギシ、と音が鳴って。
 ふわ、とシャンプーの香りがする位、近づいてきて。

 啓介がうなじに、キスしてきた。


「――――……っ……」

 ちゅ、と吸いつかれて。
 びく、と体が揺れた。


「――――……っ……啓介……」

 吸い付かれたそこを手で押さえて、がば、と起き上がる。
 真っ赤になった、と思う。

 啓介は、クッと笑って。くしゃくしゃ、と髪を撫でてきた。


「シャワー浴びて来いや。朝用意しとくから」


 クスクス笑いながら、啓介が出て行った。


 ……つか。
 ――――……ほんとに……。

 なんな訳。
 ………ベタベタに甘すぎ……。


「――――……っ……」

 朝からついていけない……。

 今まで、加減してたのかな……。
 ……してるとは、思ってなかったけど……。

 ゆっくり起きて。
 バスルームに行って。シャワーで目覚める。


 ――――………。

 なんか。 
 オレ。

 昨日、完全に……自分の気持を、認めたというか。
 ……啓介を、受け入れた、というか。


 ――――……やけくそで、もう分かった、とかじゃなくて。
 ちゃんと、啓介と。付き合う事に、したんだ、よな。


 うわ……。
 ……はずかしすぎ……。

 ……何でこんな事になったんだろ。

 どう考えたって、啓介は、大好きな、ただの、友達。だったのに。

 悩みながらバスルームを出て、タオルで拭いてから、服を着た。
 髪の水滴を拭きながら。鏡の前に立つ。

「――――……」

 なんか。
 惚けた顔、してる気がする。

 ぴしぴし、と頬を叩いて、引き締める。


 うー……。
 ……あんま、オレを、甘やかさないでほしい、かも……。





しおりを挟む
感想 74

あなたにおすすめの小説

こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡

なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。 あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。 ♡♡♡ 恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

溺愛前提のちょっといじわるなタイプの短編集

あかさたな!
BL
全話独立したお話です。 溺愛前提のラブラブ感と ちょっぴりいじわるをしちゃうスパイスを加えた短編集になっております。 いきなりオトナな内容に入るので、ご注意を! 【片思いしていた相手の数年越しに知った裏の顔】【モテ男に徐々に心を開いていく恋愛初心者】【久しぶりの夜は燃える】【伝説の狼男と恋に落ちる】【ヤンキーを喰う生徒会長】【犬の躾に抜かりがないご主人様】【取引先の年下に屈服するリーマン】【優秀な弟子に可愛がられる師匠】【ケンカの後の夜は甘い】【好きな子を守りたい故に】【マンネリを打ち明けると進み出す】【キスだけじゃあ我慢できない】【マッサージという名目だけど】【尿道攻めというやつ】【ミニスカといえば】【ステージで新人に喰われる】 ------------------ 【2021/10/29を持って、こちらの短編集を完結致します。 同シリーズの[完結済み・年上が溺愛される短編集] 等もあるので、詳しくはプロフィールをご覧いただけると幸いです。 ありがとうございました。 引き続き応援いただけると幸いです。】

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~

柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】 人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。 その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。 完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。 ところがある日。 篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。 「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」 一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。 いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。 合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)

処理中です...