124 / 255
第2章
「不純?」
しおりを挟む「とりあえず英語は範囲まで終わった」
「ん。オレも一応終わったと思うわ……あ、雅己、さっきのチョコ、食べるか? 持ってくる?」
「んーいい、一緒に行く。なんか飲もうよ」
「ん。せやな」
空いたグラスとコースターを手に2人で立ち上がって、キッチンに向かう。
「なんかオレってさ」
「ん?」
「高校で啓介と会ってからさ」
「ん」
「ずーっと、一緒にテスト勉強してきた気がする」
「あー。せやな」
「啓介が誰かと付き合ってても、テスト勉強だけは何か、2人でしてたっけ?」
「……まあ。せやな」
流しにグラスを置いてから、ふと、啓介を見上げる。
「……ていうか、ほんとに全部のテスト勉強一緒にしてたような気がしてきたような……」
「――――……まあ。しとったよ」
ぷ、と啓介が笑う。
「ような、やなくて。 絶対全部してた」
「あれ、そうなの? って、それって、何で?」
聞くと、啓介はますますおかしそうに笑って。
「最初に、一緒に勉強しようみたいな事、言うたんは、お前なんやけど、覚えとる?」
グラスを、洗剤のついたスポンジで洗いながら、「覚えてる。数学とか嫌いだから、教えてって言った」と、オレが答えると。
「んで、一緒に勉強したんやけど……雅己って教えればできるんやけど、あれ、1人でやっとったら、分からない所で挫折して勉強しなくなる奴やなーって、思うて」
「――――……」
よくお分かりで。
「うちの高校、附属やけど、内申とってないと大学進めなかったやろ。結構条件、厳しかったやんか」
「うん」
「せめて大学、一緒がええって、思うてたから」
「あ、それで毎回、一緒に勉強してくれてたの?」
オレの洗った泡のついたグラスを水で流しながら、啓介が笑う。
「そ」
「啓介居なかったら、オレ、この大学じゃなかったかもしれないね」
クスクス笑うオレに。
「オレ居なくても、どこかで気づいて、雅己は1人でも頑張ったかもしれへんし、それは分からんけどな?」
「そうだなあ……してないかも。啓介居なかったら、なんかもっと適当にして、他の大学いってたかなあ……」
グラスを洗い終えて、タオルで手を拭く。
「啓介、何飲みたい? 次は紅茶にする?」
「ん。ええよ」
「じゃあお湯沸かすね」
電気ケトルに水を入れて、スイッチを押す。
「……まあ。でもテスト勉強って名目で――――……」
「――――……?」
啓介はクスッと笑いながら、オレの両頬を挟んだ。
「一緒に居たかっただけかもしれへんけど」
「――――……」
「テスト勉強って言えば、雅己が連泊しててもどっちの親も、何も言わんし」
言いながら、ちゅ、とキスされる。
「うわー。動機、不純ー、啓介」
「でも別に手ぇ出してへんし。偉かったやろ、オレ」
「それ偉いの?」
「偉いやろ」
クスクス笑う啓介の唇が、また重なってくる。
119
あなたにおすすめの小説
こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡
なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。
あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。
♡♡♡
恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
溺愛前提のちょっといじわるなタイプの短編集
あかさたな!
BL
全話独立したお話です。
溺愛前提のラブラブ感と
ちょっぴりいじわるをしちゃうスパイスを加えた短編集になっております。
いきなりオトナな内容に入るので、ご注意を!
【片思いしていた相手の数年越しに知った裏の顔】【モテ男に徐々に心を開いていく恋愛初心者】【久しぶりの夜は燃える】【伝説の狼男と恋に落ちる】【ヤンキーを喰う生徒会長】【犬の躾に抜かりがないご主人様】【取引先の年下に屈服するリーマン】【優秀な弟子に可愛がられる師匠】【ケンカの後の夜は甘い】【好きな子を守りたい故に】【マンネリを打ち明けると進み出す】【キスだけじゃあ我慢できない】【マッサージという名目だけど】【尿道攻めというやつ】【ミニスカといえば】【ステージで新人に喰われる】
------------------
【2021/10/29を持って、こちらの短編集を完結致します。
同シリーズの[完結済み・年上が溺愛される短編集]
等もあるので、詳しくはプロフィールをご覧いただけると幸いです。
ありがとうございました。
引き続き応援いただけると幸いです。】
陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。
陽七 葵
BL
主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。
しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。
蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。
だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。
そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。
そこから物語は始まるのだが——。
実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。
素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪
相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~
柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】
人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。
その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。
完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。
ところがある日。
篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。
「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」
一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。
いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。
合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる