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第2章
「のんびりな朝」
しおりを挟む温泉を満喫しきって部屋に戻ると、もうほとんど皆が起きていた。
「風呂行ってたの?」
聞かれて、すっごい気持ちよかったと答えると、ほんとお前ら元気なーと返ってくる。
「元気っていうか、しあわせに浸ってきただけだよなー?」
啓介に言うと、せやな、と笑って頷く。
「朝風呂良かった?」
一人に聞かれたけど、何人かが興味深そうにこっちを見てる。
「めっっちゃ良かった! 明日は行こうよ。もったいないよ。な?」
啓介を見上げると、ん、と頷く。何人かが、明日はいこーっと、と楽しそうなので、うんうん、そーしよ、と色々お薦めポイントを話していると。
「とりあえずそろそろ朝食いこか」
啓介の言葉に皆が動き始める。
皆が準備出来てから、廊下に出て、食事の部屋に向かう。ふと一人が啓介を振り返った。
「あれ、今日ってさ、相手が試合してくれないとしても、あの体育館、半分は使えるんだよな?」
「せやな、使える」
「でもどうせなら全面使って、試合したいよなー」
皆も同じこと言ってる。
やっぱり試合が楽しいよね、うん。
啓介が交渉しにいくとき、絶対ついてって、一ゲームでもってお誘いしてみようっと。
皆で食堂に入ると、今日もバイキング。
和食や洋食の朝食っぽいメニューが色々並んでいる。今朝は一緒に入ったまま、啓介と隣同士で席を取った。
立ち上がって、トレイを持って、箸をのせる。
「雅己、和食?」
「んー……どうしよかなあ。啓介は?」
「今日も動くから、とりあえずご飯は食べといたらええんやない?」
「そっか。そだね。おかずは色んなの取ろ」
言いながらも。
「でも、クロワッサン食べたいー」
「食えや」
クスクス笑う啓介に、うん、とニコニコしてると。
「ほんとお前らは……」
近くに居た要はクスクス笑いながらオレと啓介を見比べてる。
「ん?」
要を見て首を傾げると、いいや、なんでもない、と笑われた。
「なんだよー?」
バイキングの列に並んだ要の隣に並んで、そう聞くと、要はオレを見て、笑いながら首を振る。
「仲よすぎ、と思って」
「そう?」
今の会話のどこにそんな仲良し要素が?
和食か洋食か決めてただけだったような??
オレらのいつもの会話と、人が見て思うポイントって違うのかなぁ、なんて思いながら、食べたいものをトレイに乗せていく。
すると、鉄板が出てきて、周りに油と生卵、鉄板にそのまま置ける蓋が並んでる。
「あ。何これ。目玉焼き焼けるのかな」
「そうみたいだな」
卵の説明が書いてあって、どうやら近所で取れる、かなり高いイイ卵、らしい。
「啓介、目玉焼き焼こ~」
後ろに並んでた啓介を振り返ってそう言うと、へー、と啓介も楽しそう。
「オレ、目玉にしよ」
こんこん、と割って、ふたつ並べて、蓋をした。
要とオレと啓介の。焼けるまでの時間を砂時計で計るみたいなので、くる、とひっくり返して開始した。
ちょっと、微妙な空き時間。
「オレ、目玉焼きこんな風に鉄板で焼くの初めて」
たのしーなー、と笑って、両隣の二人を順番に見つめると、二人ともクスクス笑う。
「雅己は特に楽しそうやけど」
「こんな楽しんでくれてたら、旅館の人達もやりがいがあるよな」
なんて言って、オレの横で、オレを飛ばして会話している。
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