【やさしいケダモノ】-大好きな親友の告白を断れなくてOKしたら、溺愛されてほんとの恋になっていくお話-

星井 悠里

文字の大きさ
226 / 255
第2章

「卓球☆」

しおりを挟む


 めちゃくちゃ、目玉焼き、美味しかった。
 他のご飯も。
 もうホクホクで、ごちそうさまをして、とりあえず部屋に戻る途中。

 卓球台を発見。昨日から何度か見えてたんだけど、使ってる人達がいたからあえて、やろうとは言わなかったんだけど。今、誰もやってない。

「けーすけ」
 じっと見つめて二ッと笑うと、啓介は呆れたようにオレを見つめる。

「腹いっぱいて言うてなかった?」
「だから、動きたいだろ?」
「……気持ち悪うならん?」
「なんないよー。卓球ってそんなに動かないだろ?」
「はいはい。フロントに聞いてこよ」
「うん!」
「オレ言ってくるから、お前は、卓球やりたい奇特な奴集めとけや」
「えー、啓介やんねえの?」
「やるわ。他に、や」
「はーい」

 はは。やってくれるんだな、……嫌そうだけど。
 ぷ、と笑いながら、通りかかる皆に声をかける。

「食べたばっかで卓球なんて無理ー」ていう奴もいるけど、「やろやろ」ていう奴もいる。
 啓介が、ラケットが入ったカゴを借りて帰ってくる頃には人も集まってたし、ギャラリーは卓球台の近くの椅子に座ってこっちを向いてる状態。

「ダブルスでやろうよ」
「ええよ」
「じゃあぐーばーで!」

 言ったら、啓介とオレはグーで同じチーム。

「やるからには、勝つからな」
 啓介がニヤ、と笑ってオレを見るので、当たり前じゃん、と言うと、周りのみんながどっと笑う。

「啓介と雅己、超本気だぞー、負けんなよー」
 相手の先輩たちに、皆が口々に声をかけている。

 フロントから少し奥まった広いスペースの中央に二台の卓球台が設置されている。オレ達の台はダブルス。隣の台では一対一で戦うみたいで、二台とも、妙に盛り上がっている。

 勝負スタート。
 オレのサーブから。久しぶりに打ったボールは、勢い良すぎて、ポーンと飛んで行った。皆が歓声や笑い声をあげてくるので、苦笑い。

「ごめん、啓介―」

 言うと、啓介が可笑しそうに笑う。
 次はラリーになった。

「あれっ、これって啓介とオレって、交互に打つんだっけ?」
「どっちでもええんちゃうの?」
「えっあ、うわ!!」

 いい勝負だったのにへんなこと気になったせいで、ボールがまためちゃくちゃ飛んで行ってしまった。取りに行こうとしてくれた啓介に気づいて、走り出す。

「啓介、いい、オレ取ってくる!」

 なんか卓球って意外と動くかも。ていうか、啓介も皆もかなり真剣だからな、なんて可笑しくなりながら、ダッシュでボールを追いかけていくと、ちょうどフロントに、団体さんが到着したところみたい。卓球ラケットを持って駆け寄るオレを、その人達は何気なく見てくる。

 ……あ。なんか、バスケチームっぽい人達……。別にバスケの道具とか持ってるわけではないんだけど、何だかそれっぽいなと感じる。
 もしかして、この人達が今日、試合を申し込もうとしてる人達かな?
 と、思ってオレが足を止めた時。
 オレの追っかけてたボールをひょい、と拾った一人の男が、オレに近づいてきた。

「はい。これだよね?」

 背が高い男が、オレにボールを差し出しながら、笑顔でそう言った。

「あ、うん。ありがとう」

 受け取りながら、今話せそうかな? と顔を見上げる。

「あの」
「はい?」

「今日って、バスケ、したりしますか?」
「え。あ、うん、体育館でするけど」


 あ、やっぱり。啓介、呼ぼ。
 ボールを握り締めたまま、啓介を振り返る。





しおりを挟む
感想 74

あなたにおすすめの小説

従僕に溺愛されて逃げられない

大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL! 俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。 その傍らには、当然のようにリンがいる。 荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。 高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。 けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。 当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。 居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。 さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。 主従なのか、恋人なのか。 境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。 従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

過保護な義兄ふたりのお嫁さん

ユーリ
BL
念願だった三人での暮らしをスタートさせた板垣三兄弟。双子の義兄×義弟の歳の差ラブの日常は甘いのです。

こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡

なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。 あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。 ♡♡♡ 恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!

またのご利用をお待ちしています。

あらき奏多
BL
職場の同僚にすすめられた、とあるマッサージ店。 緊張しつつもゴッドハンドで全身とろとろに癒され、初めての感覚に下半身が誤作動してしまい……?! ・マッサージ師×客 ・年下敬語攻め ・男前土木作業員受け ・ノリ軽め ※年齢順イメージ 九重≒達也>坂田(店長)≫四ノ宮 【登場人物】 ▼坂田 祐介(さかた ゆうすけ) 攻 ・マッサージ店の店長 ・爽やかイケメン ・優しくて低めのセクシーボイス ・良識はある人 ▼杉村 達也(すぎむら たつや) 受 ・土木作業員 ・敏感体質 ・快楽に流されやすい。すぐ喘ぐ ・性格も見た目も男前 【登場人物(第二弾の人たち)】 ▼四ノ宮 葵(しのみや あおい) 攻 ・マッサージ店の施術者のひとり。 ・店では年齢は下から二番目。経歴は店長の次に長い。敏腕。 ・顔と名前だけ中性的。愛想は人並み。 ・自覚済隠れS。仕事とプライベートは区別してる。はずだった。 ▼九重 柚葉(ここのえ ゆずは) 受 ・愛称『ココ』『ココさん』『ココちゃん』 ・名前だけ可愛い。性格は可愛くない。見た目も別に可愛くない。 ・理性が強め。隠れコミュ障。 ・無自覚ドM。乱れるときは乱れる 作品はすべて個人サイト(http://lyze.jp/nyanko03/)からの転載です。 徐々に移動していきたいと思いますが、作品数は個人サイトが一番多いです。 よろしくお願いいたします。

ヤンデレ執着系イケメンのターゲットな訳ですが

街の頑張り屋さん
BL
執着系イケメンのターゲットな僕がなんとか逃げようとするも逃げられない そんなお話です

処理中です...