【やさしいケダモノ】-大好きな親友の告白を断れなくてOKしたら、溺愛されてほんとの恋になっていくお話-

星井 悠里

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第2章

「あーもー」

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 皆で魚釣りを楽しんだ。まあオレは、虫とはずっと戦ったけど……。
 釣れなかった奴も居たけど、いっぱい釣れた奴も居て、人数分は確保できたので、その魚を、食べるお店に持って行く。そこでさばいてくれて、焼いてくれて、焼き魚定食として、食べられるんだって。すごいー! 

 今までで一番、わくわくする、焼き魚定食。
 お店の中に入って、適当に散って座った。今回は、啓介、隣に座った。

 目の前に運ばれてきた定食は、塩焼きにした魚と、ごはんとみそ汁とお新香。すごくシンプルなんだけど。皆、おー、と嬉しそう。魚もなんだかすごくこんがり焼かれてて、美味しそうだし。

「――――……」

 魚に、なんだかいつもよりもちゃんと、手を合わせてしまう。

 だってついさっきまで生きてたんだもんな。
 いつも食べてる魚とかもこうやって獲られてるんだろうけど、でも、なんか、いつもよりももっと、命、みたいなのを実感するなぁ……。

 なんとなく目をつむって、いただきます、と言ってから目を開けたら、ふ、と隣から笑う雰囲気。

「……ん?」
 啓介を見ると、口元に、軽く握った手を当ててる。

「なに?」
「……お魚さん、ごめんね、ありがとう、みたいなこと、今思った?」
「いや……んー。まあ、似たようなこと思った」

 言うと、ふ、とまた笑う。

「何で笑うんだよ」
「いやもうなんや……ほんまかわええなーと思うて」

 わーバカバカ、皆の前でかわええとか言うなー!!
 と思った瞬間。一緒のテーブルに居た皆が、わっと笑った。

「ほんと先輩可愛い……」
「まあ気持ちは分かるけど。オレらが釣ったんだし」
「にしても、なんか雅己って……素直に育ってるよなー」

 なんか知らないが、めちゃくちゃ可愛いと言われて、クスクス笑われる。
 啓介の可愛いに焦ったオレなのだけど、誰もそれを気にはしていなかった。

「つかなんなんだよもう、皆もちゃんと手ぇ合わせろよ」
「……お魚さんに?」

 クスクス笑う啓介。

「そーだよ!もう」
「ん。せやなー」

 なんか知らないがすーごくふんわり微笑んでから、ちゃんと手を合わせて、いただきます、と啓介も言って、それから皆もそうした。

 なんだかすごくワクワクしながら魚を口にすると。
 皮はパリパリに焼けてすごく香ばしいし。身はすごくふっくらしてるし。塩味ですごく素朴なんだけど、ほんとおいしい。

 啓介を見ると、ふ、と笑って、「うまいな」と言う。うんうん頷く。
 新鮮だからなのかな。頑張って釣ったから?

 命をいただきますって、ほんとこういうことだよね。
 もう全人類、これ経験した方がいいよな。うん。

 とか、良く分からないことを思いつつ、夢中で食べ終わった。

「おいしかった。ごちそうさまでした」

 手を合わせてそう言うと、啓介がまた、ふ、と笑う。

「また来たいな?」
「うん。また来よって……今終わったばっかりなのに」

 クスクス笑ってそう言うと、せやな、と啓介は笑う。

 皆が食べ終わって、店を出ると、啓介が、くい、とオレを引いた。


「ん?」
 振り返って見あげると。

「また来たい言うたんはさ」
「うん?」

「お前がめっちゃええ笑顔やから。そう思うたんやで?」
「――――……」

「ほんま。可愛えし」

 クスクス笑った啓介に、ぽんぽん、と頭を優しく叩かれる。


「あーもー。ほんま、キスしたい」

 ぼそ、と耳元で囁いて、オレの横を歩き去る。
 ぼっ、と熱くなる。もうなんか、いっぱいキスしてるのに、なんかこういう、不意打ちのとかは。全然慣れない。


 あーもー。って。オレのセリフだし!! もうもう!


「雅己ー行こうやー?」

 クスクス笑いを含んだ声でオレを呼ぶ啓介に、もー、と照れ隠しで怒りながら、歩き出した。 
 




(2024/3/6)



あとがき。

今気づいたんですけど、何の魚か種類書かずに来てしまった(笑)
日本の川ですぐ食べられる魚って……アユかなあ? ヤマメかなあ??
……(´∀`*)ウフ

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