89 / 130
◆Stay with me◆本編「大学生編」
「無理」 ※
しおりを挟む「……っ……ふ……っ……」
……無理……。
――――これ以上、無理。
「……仁、苦し――――ぅ……」
本当に息が、苦しくて。
でも、仁は離してくれない。
「……ん ……ン、…… ッ……」
こんな深く、荒々しいキスを受けた事ない気がする。苦しい。
息、できない。
舌が奪われて舐めつくされて、噛まれて、体が震える。
ぞくん、とした感覚が腰を駆け上がる。
「……っ……ん……っ」
口の中をめちゃくちゃにされてるような。
苦しすぎて、がく、とひざから力が抜ける。
抱きとめられて、そのまま、壁に押さえつけられた。
「――――ぅ、ん……」
再び覆いかぶさってくるキス。
止めようと、藻掻く手にも、力が入らない。でも。
「……ん、……っ……!?……っ……じん、やめ……」
不意に下半身を滑った手に、声が上がった。
太ももを撫でられて―――― そのまま、中心を、撫でる。
ゾクゾクした感覚に、全身が震えた気がした。
「――――感じてるンだ……」
「……っ触られたら、当たり前…… っ……マジで、やめ……て……」
「――――あいつには、触らせたんだろ?」
「――――っ……」
……涙が滲む。
「……触、んないで、仁―――― っ……」
「――――嫌だ」
「……っ……」
抗おうとした手首をつかまれ、押さえつけられる。
器用にベルトを外されて、ズボンを下ろされる。
「……っ……仁、待っ――――っ」
必死で振り仰いだ瞬間、また唇をふさがれた。
「……っ……っ……う……んっ……」
抗う手をものともせず、 仁の手が、直に、そこに触れた。
「……っあ……っ」
握りこまれてしまって、その手の熱さに腰を引くけれど、背後は壁で、逃げようもない。
「嫌だ、仁…… や……――――ぅ……」
振り解いた唇を塞がれて、また深くキスされる。
後ろに押し付けられるようにされて。
深く深く舌を絡められながら、下を直接愛撫されて、もう、どうにもできなくなっていく。力が、入らない
「……っ……や……だ、……っあ……―――― ん、ぅ……」
「……そんな顔、見せたのかよ……そんな声――――」
「……や……っ いや、だ……っじん……!」
唇を振りほどいて、首を振る。はずみで、涙が溢れ落ちた。
「……や……っ……っ」
どんどん追い立てられる。
ぶる、と震えて―――― 喘ぎは、また、仁のキスに塞がれた。
「――――ん……っ……く……るし……」
――――息、ほんとに、できない。
何の涙か分からないけれど、溢れ落ちてくるのを隠すこともできない。
いつのまにか――――泣きじゃくっていた。
「……も――――はな、して…… ねが……っ」
懇願するように告げた言葉も、聞き入れられる事はなくて――――。
「……っ……」
押さえつけられたまま、キスされて。
そのまま、仁の手の中で熱を解いてしまった。
――――も、無、理……。
ふっと意識が遠のいて。
がく、と足から崩れた。……気が、する。
そこで、全部が、途切れた。
71
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
《完結》僕が天使になるまで
MITARASI_
BL
命が尽きると知った遥は、恋人・翔太には秘密を抱えたまま「別れ」を選ぶ。
それは翔太の未来を守るため――。
料理のレシピ、小さなメモ、親友に託した願い。
遥が残した“天使の贈り物”の数々は、翔太の心を深く揺さぶり、やがて彼を未来へと導いていく。
涙と希望が交差する、切なくも温かい愛の物語。
陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。
陽七 葵
BL
主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。
しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。
蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。
だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。
そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。
そこから物語は始まるのだが——。
実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。
素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談?本気?二人の結末は?
美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
【完結】君を上手に振る方法
社菘
BL
「んー、じゃあ俺と付き合う?」
「………はいっ?」
ひょんなことから、入学して早々距離感バグな見知らぬ先輩にそう言われた。
スクールカーストの上位というより、もはや王座にいるような学園のアイドルは『告白を断る理由が面倒だから、付き合っている人がほしい』のだそう。
お互いに利害が一致していたので、付き合ってみたのだが――
「……だめだ。僕、先輩のことを本気で……」
偽物の恋人から始まった不思議な関係。
デートはしたことないのに、キスだけが上手くなる。
この関係って、一体なに?
「……宇佐美くん。俺のこと、上手に振ってね」
年下うさぎ顔純粋男子(高1)×精神的優位美人男子(高3)の甘酸っぱくじれったい、少しだけ切ない恋の話。
✧毎日2回更新中!ボーナスタイムに更新予定✧
✧お気に入り登録・各話♡・エール📣作者大歓喜します✧
イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした
天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです!
元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。
持ち主は、顔面国宝の一年生。
なんで俺の写真? なんでロック画?
問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。
頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ!
☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる