【Stay with me】 -義理の弟と恋愛なんて、無理なのに-

星井 悠里

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◆Stay with me◆本編「大学生編」

「仁と」

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「……彰はさ」

  しばらくして、仁が、言った。

「……彰はさ、考えてる事おかしすぎるから……」
「――――」
「もうオレ遠慮しないから。彰が変な事を考えられないようにしてく」
「……仁……」

 強い、まっすぐな瞳。どく、と心臓が弾む。
 なんか……オレ。仁のこの瞳が、好きなのかも。

 何なんだもう。

 カッコよく、育ちすぎ、なんだけど……。
 ……何なんだ、ほんとに……。

「……彰……」 
 
 名を呼ばれて、唇が、重なって。
 舌がぬる、と挿しこまれる。

「……っ、ん……」

 ……でも、ほんとに…… いいのかな。
 このまま進んで……やっぱり男無理とか……なんないのかな……。

「……抱くよ、彰」
「――――」

 仁を見上げて、頷けずに固まる。

「……頷いてよ」

 触れそうな位近くで、仁が見つめてくる。

 どうしよう。
 ……こんなにキスしちゃったけど。

 ほんとにいいのかって……。
 ……ほんとに、男同士で、いいのかって……。
 仁にそんな事させて、いいのかって、
 そんな気持ちが、また最大限に膨れ上がってくる。

 どう、しよう。
 キスだけならまだ戻れるかな。

 でもオレ、仁と離れたくないって思ってるし。
 だけど……体、繋いでしまっていいのかなって、思うし……。
 ていうか、仁、ほんとにオレと、できるのかなって心配にもなるし。

 自分の中の、ぐちゃぐちゃで、まとまらない思いがひどすぎて、仁に何も答えられずにいると。不意に仁が体を起こして、オレをまたぐようにしたまま、じっと見下ろしてくる。

「……何考えて、黙ってるのか知らないけどさ」

 言いながら、仁は、着ていたTシャツを、脱ぎ捨てた。

 綺麗についた筋肉。良い体してるのは服の外からでも分かってはいたけれど、こんな風に下から見上げると。ほんとに、ドキドキしてしまう。心臓の音が、うるさすぎる。

「……頷かなくてもするから。オレがどんだけ彰を好きか、分からせる」

 言いながら、頭の横に両手をついて、仁はオレを囲う。

「……っ」

 もう、かけらも可愛い弟じゃない、完全に男の顔でそう言われて。
 瞬間的に、体が、熱くなる。

 ……やば……。
 心臓のドキドキが、半端ない。


 ゆっくりキスされて。
 そのキスを外しながら、仁の手が、オレのTシャツの裾にかかった。

「……脱がせるよ」

 言われるがまま、抵抗せずに脱がされて。
 見下ろされて、胸に手を置かれた。

「あのさ……彰が頷かなくてもするけどさ……でも……」

 まっすぐ、見つめられる。

「……やっぱり、オレとしたいって聞きたい」
「……っ……」

「……オレとしたいって、言えよ、彰」

 そんな言葉に。胸が締め付けられて。
 ぎゅ、と瞳を閉じてしまう。

 なんかもうオレ……。

「……仁……」

 仁の首に手をかけて、ぎゅ、と抱き付いた。




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