109 / 130
◆Stay with me◆本編「大学生編」
「大好き」※
しおりを挟む「――――すげー、オレの、離したくなさそう」
「……っ……じん、嫌だ……」
恥ずかしい事、言わないでよ。
知らずに滲んだ涙目で仁を見上げると、仁が、ふ、と瞳を細める。
「かわいー、彰のここ……」
「……や……っ……」
一度少し抜かれて。また突き上げられる。
慣らされる時に嫌と言うほど触れられた、気持ちイイ所を擦られながら突かれると、その度に軽く達してしまう。
「ん、ふ……あ……っ」
「……何?……ここ突くと、イっちゃうの?」
「……っわかんない……かって、に……」
耐えられなくてきつく締めると、仁が少し顔を歪める。
それがやたらに色っぽくて――――余計に、ゾクゾクする。
「……あっ……! ……ん、あ……ッ」
気持ちイイとこばかり責められて、小刻みに声が上がる。
「そこ、されると……オレ……待って、ちょ……やめ――――」
「……無理」
短く言った仁に、奥を突かれて、喉が反った。
「……んっ、ぁ!……っん、ぅ……」
自分でも意図せず、少し上に逃れようとすると。
「逃げちゃダメだよ、彰……」
低くそう言った仁に、両脚をグイと持ち直され、開かされて焦る。
「待っ……」
静止は聞かれず、今までよりも少し激しく奥まで突かれた瞬間。
頭が真っ白になって。
「は……っ……ぁ……っ」
その数秒後、自分が達したのを認識した。
全然、前に触られてなかったのに。
「……っ……っ」
仁が、荒い息の中で、くす、と笑って。
ちゅ、と首筋にキスしてくる。
される事が全部、辛い程に気持ちよくて、ただ軽いキスなのに体が震える。
「……奥、気持ち、いい?」
「――――っん……」
……もう、よく、分かんない位、気持ちイイ。
小さく頷くと、仁がまた低く笑う。
「中、ビクビクしてる……すげえ、気持ちイイ……」
そんな風に、濡れたみたいな、普段聞かない声で。
仁が、耳元で囁いてくる。
それだけで、全身、痺れていくみたいで、どうしようもなくなってくる。
「……じ ん……」
仁にぎゅと抱きつくと。思っていたよりも、ずっと逞しくて。
何だか、たまらなくなって、きつく瞳を閉じた。
いつの間に、こんなに逞しく、なってたんだろう。
会った時は、大きな瞳の、可愛い顔の、小さな弟、だったのに。
……可愛い、弟だった。
「……仁」
「ん……?」
呼ぶと、仁がふ、と顔を上げてオレを見つめた。
大好き。仁。
……ごめん。
ほんとは今だってすごく迷う。ほんとに、いいのかって。
でも、もう……無理みたいで。
自分にも仁にも嘘ついて、離れてること、もう出来そうにない。
仁が嫌だって、言わない限り……そばに居てしまうと、思う。
「……大好き、仁……」
言った瞬間、涙が、目の横を伝って、流れ落ちた。
それを見ていた仁が、一瞬、固まって。
それから、めちゃくちゃ、苦笑いを浮かべた。
「……はーもう……何で泣くんだよ……」
仁が少し苦笑いして。
「っしょっと……」
「……ん……っ……」
抱えていたオレの脚を離して、オレの顔の近くに手をついて、体を押し上げてきた。
余計に深く押し込まれて。ぎゅ、と目をつむる。
「泣くなっつの……」
目尻に唇を当てて、涙をぺろ、と舐めとられる。
「……しょっぱい」
両方舐めとって、くす、と笑うと。
唇にキスされる。
「……泣かないでよ。もうこれからずっと一緒にいるから」
「――――」
両頬を、仁の大きな手で挟まれて。
真正面から、じっと見つめられる。
凛とした、まっすぐ瞳に見惚れていると、それが、ふっとこの上なく優しく緩む。
「……っ……」
どれだけ、好きって思ってくれているか、嫌という程伝わってきて。
……どれだけ長い間、それを拒否してきたかと思うと、胸が痛くなる。
「あ、また泣いてる……何で?」
クスクス笑った仁が、顔に触れてる指で、涙を拭う。
「あのさ、彰」
「…………」
「……大好きっていうのは、笑って言えよ」
そう言った仁が、ちゅ、と唇を重ねてくる。
「分かった?」
「……ん」
何度も角度を変えて深く絡んでくるキスに応えながら、頷く。
111
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
《完結》僕が天使になるまで
MITARASI_
BL
命が尽きると知った遥は、恋人・翔太には秘密を抱えたまま「別れ」を選ぶ。
それは翔太の未来を守るため――。
料理のレシピ、小さなメモ、親友に託した願い。
遥が残した“天使の贈り物”の数々は、翔太の心を深く揺さぶり、やがて彼を未来へと導いていく。
涙と希望が交差する、切なくも温かい愛の物語。
陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。
陽七 葵
BL
主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。
しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。
蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。
だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。
そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。
そこから物語は始まるのだが——。
実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。
素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます
猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」
「いや、するわけないだろ!」
相川優也(25)
主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。
碧スバル(21)
指名ナンバーワンの美形ホスト。自称博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。
「絶対に僕の方が美形なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ!」
「スバル、お前なにいってんの……?」
冗談?本気?二人の結末は?
美形病みホス×平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。
※現在、続編連載再開に向けて、超大幅加筆修正中です。読んでくださっていた皆様にはご迷惑をおかけします。追加シーンがたくさんあるので、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした
天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです!
元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。
持ち主は、顔面国宝の一年生。
なんで俺の写真? なんでロック画?
問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。
頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ!
☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
二日に一度を目安に更新しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる