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第2章
「やさしく?」
しおりを挟む「こっちには居そうもないな。戻るか」
ルカがそう言って、町はずれの奥の小屋から戻ってくる。
何となく返事をせずに、町の方に足を向けた瞬間。
腕をぐい、と引かれた。
「わ」
腕の中から、ふわ、とミウが抜けて、頭上に浮いた。
「みゃ」
可愛い顔して、ふわふわ浮いていく。
小屋の隣の大きな木に、背を押し付けられた。
「何、怒ってんだ、ソラ」
じっと、見つめられる。
「怒ってなんか……」
「返事しねーし、顔も可愛くねえし。何だよ?」
別にいつも可愛くないし。
そんな風に思いながら。オレはルカをじと、と見上げた。
「――――……だって、なんでオレにだけきつくすんの?」
そう言ったら、ルカは、それかよ、と苦笑い。
「何でそれで怒るんだ?」
「……だって女の子には優しくしてるって事だろ?」
「ああ。――――……なるほど、そういう事か」
「……なに?」
「……ちげーよ。お前にする時は、我慢できねえからそーしてるだけ」
「……ん?」
「お前は、どんなにしても、受けてくれるじゃんか」
「――――……」
「すげえ、そそるんだけど。 オレにめちゃくちゃキスされてる時の、お前」
ん??
……そういう事なの???
オレには優しくなくて、女の子には優しくしてるって事じゃなくて?
「……ルカって、オレにああすんのが、好きなの?」
「つーか、お前は、オレにああされんのが、嫌いなの?」
「――――……」
「――――……」
なんか2人して、黙る。
何て答えればいいのかすら、もはやよく分からない。
「――――……」
ルカに顎を捕られて上向かされて。すると、優しく、唇が重なってくる。ゆっくり舌が触れて、優しく、絡む。しばらくの間、優しいまま、キス、される。
「……ん……ふ――――……」
なんか。
ゆっくりと。
ゾクゾク、する。
「こういうキスが好きって言ってたけど」
「――――……」
囁かれて、かと思ったら。
後頭部に回ってきたルカの手が、オレを自分の方に、引き寄せて。
「……っんっ――――……ぅ……」
深く重なって、舌が、めちゃくちゃ乱暴に、オレの口の中、うごく。
「ん、ンっ……っは……」
頭がぼうっと白くなって。がく、と膝が、抜ける。
何の問題もなく、オレを支えて、思うまま、キスしてきて。
「……んぅ、……ン……っ」
キスが外れて。
首筋にルカが舌を、這わす。
「ん、ふ……っ」
「――――……こっちのキスも、好きだって、お前言っただろ」
囁かれた言葉を、真っ白な、頭の中で、理解しようと頑張って。
「お前に、めちゃくちゃキスすんの、好きだからしてんだけど」
「――――……」
「それ、嫌ってこと?」
かぷ、と首筋に噛みつかれて、びく、と体が震える。
「ソラ、どっち? 優しいのだけが良いのかよ?」
「――――……っ」
「ほら。どっちか答えろ」
首筋から顔を上げて、オレをまっすぐに、見下ろす。
「……たまには」
「ん?」
「……優しくしてよ」
ルカは、オレをじー、と見つめて。
それから、ぷ、と笑った。
「オレ、いつも優しくしてると思うんだけど」
……ほぼ9割、激しい方ですけど。
心の中でそう突っ込んでいると。
ルカの手がまた頬にかかって。
――――……楽しそうに微笑んだまま、オレをじっと見下ろした。
「ソラ」
くす、と笑いながら。
名を呼ばれる。
「――――……ソラ」
もう一度。なんだか、ゆっくりと。大事そうに、名を呼んで。
オレに、口づけてくる。
「――――……」
何だか。
心臓が。ぎゅ、と締め付けられるみたいに。きつくて。
顔に、かあっと、血が集まる。
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