【好きと言えるまで】 -LIKEとLOVEの違い、分かる?-

星井 悠里

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第2章◇再会

「答える必要」

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「……ちょっと、恥ずかしいんだけど」

「――――……だって、すっげえ会いたかったし」


 快斗は、すごく嬉しそうに、そう言う。


 快斗を意識してしまうのは。 快斗の、「好き」という言葉。



 それから。

 ……それから――――……。


 自分が、快斗を、好きなのかもしれないと、
 本当にほんの少しだけ、そう想っているから。


「――――……快斗」
「ん?」


 前言ったの――――……今もそう想ってる?
 オレ、今も 答える必要、ある? こうして考えてる意味、ある?

 そう聞こうとした瞬間。

 大きな音ともに、花火が打ち上がった。
 はた、と我に返る。

 ――――……こんな所で。 
 こんな周りに人のいっぱいいる所でする話じゃなかった……。


 何考えてんだ、オレ。


 内心慌ててるオレの腕をちょっと掴んで、快斗はくい、と引いた。


「始まった、愁。 どうする? 場所、動く?」

「ここから見えるし。立ち止まっても平気そうだからここで良いかな」
「んじゃここで 見よ」

 2人でその場で落ち着いて。
 空を、見上げる。

 大きな花火が上がるたびに、周囲から歓声が上がる。






 花火が始まった時、立ち位置的には、真正面というより少し左上の夜空で。花火を見上げると、オレの左側に立ってる快斗が、視界に入る。

 快斗の真横に並べばいいのだけれど、何となく快斗を見たくて、少し引いた所で、快斗越しに花火を見る位置で落ち着いた。

 当然快斗も花火を見てるから、顔は、オレの方を向いてはいない。それを良い事に、後ろ姿を見つめてしまう。

 ――――……3か月だけど……背、伸びたかな? 差が開いたような気がする。

 なんか、ちょっと、後ろ姿の雰囲気違うような……。
 あ、髪が、前よりちょっと短い、かな…?


 ちょっと、大人っぽくなった、気がする。
 でもまだ3か月か。……気のせい、かな?



「――――……」


 ――――……さっき聞けなかった、言葉。

 今からでも。
 答える必要が、あるのか。


「――――…」


 花火は目に入っていたけれど。
 ちゃんと綺麗だとは思っていたけれど。 

 気になるのは、快斗の事ばかり。


「――――……」


 どうしても花火よりも、快斗を見てしまっていたオレを。
 快斗が、いきなり、くるっと振り返った。


「!」

 ちょっとびっくりしたまま。
 まっすぐ見つめ合ってしまう。

 あきらかに、快斗の後頭部を見つめていなければあり得ない、視線の合い方をしてしまって。今更逸らす事もできず。

 何にも言わない快斗に、オレも何も言えずに、ただ見つめ返す。


「――――……」

 快斗は何も言わずに。
 くるっと、花火の方向に向き直る。

 ドキドキ、するのは。

 ――――……その理由は、至極簡単で。

 考えれば……。

 ――――……いや、違うな。
 考えなくても、すぐ、 分かる。


 男に好きだと言われて。
 すぐ嫌だと言えない時点で。


 相当オレは、

 快斗の、事が――――……。





 それきり。快斗は、花火が終わるまで振り返る事は無かった。

 「キレイだな」とか、そういう言葉だけがたまにかかるので、オレも返事をして。 会話は、そんな感じのものだけだった。

 オレは、快斗の後ろ姿と花火を、両方ずっと見てるような感じで。
 何だかドキドキしながら――――……その時間を、過ごした。

 最後の花火。一際大きな音と共に、何発も続けて打ち上げられて。
 周囲から拍手と歓声があがる。

 打ち上がる音が消えると。 
 すごく明るかった、空が。 花火の煙を残して、暗くなっていく。




 この瞬間。
 何となくいつも、切ない気持ちが沸き起こる。



 何だか今日は、余計だった。





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