【好きと言えるまで】 -LIKEとLOVEの違い、分かる?-

星井 悠里

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第4章◇なんで?

「くっつく」

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「ただいま」
「おかえり、愁」

「返事終わった?」
「ん、ちょうどいま終わった」

「はいお茶ね」
「ん。ありがと」

 冷たいペットボトルを、受け取る快斗の笑顔を見ながら。

「やっぱ快斗は人気者だよねー」
「久しぶりだから余計。……でも、今回は皆には会わなくていいやと思ってきたから。ほんとによかったんだけどな……」

「でも会っちゃったし、皆も会いたいだろうからしょうがないよね」
「そーだけど……」

 ぶつぶつ言ってる快斗に、苦笑いしつつ。
 あ、じゃあとりあえず今日は暇なんだ、と思って。

「……今日午前中は勉強するんだよね?」
「ん、そうするんだろ?」

「うん。午後は? 快斗、何したい?」
「愁は何かしたいこと、あんの?」

「快斗が何もしたいことなかったら……」
「うん。別にないよ」

「じゃあ、オレの部屋行って、一緒に映画みよ?」
「――――……いーよ」

 くす、と笑って、快斗が頷く。
 快斗がこっちにいた頃は、よく2人で色んな映画を見てたのを、快斗も多分思い出してくれてるのだと思う。

「あとで、借りにいこ。愁、カード持ってる? オレ置いてきちゃったから」
「うん。持ってる」

「じゃあ、昼までは勉強頑張ろう」
「うん」

 途端にやる気になって、2人で、テーブルに勉強道具を広げた。
 

 昼まではちゃんと集中して勉強して、うちで昼ご飯を食べて。
 それからDVDを借りてきた。

 オレの部屋、ベットの上に座って、壁に寄りかかる。
 いつも、この位置で、快斗と映画、見てた。

 借りて来たのは、アクション映画とホラー映画の2本。
 先に、アクション映画を見ることにした。


「――――……」

 快斗と、並んで、映画。
 ――――… そういえば。

 快斗が居なくなってから、DVDも借りに行かなかった。
 2人で見てたのが楽しかったから、1人で見る気がしなくて。

 隣の快斗を、ちら、と見つめる。


「――――……」

 ああ、なんか――――……すっごく、落ち着く。


 なんて思っていたら。
 なんだか、すごーく、ふわふわしてきて……。



「な――――……愁?」

 快斗に呼びかけられて、ん……?と振り返る。


「……愁、寝てたね」

 クスクス笑う声が、聞こえる。


「――――……あ。寝てた、かも……」
「うん。かも、じゃないね」

 快斗の肩にすっかり寄っかかってたオレ。


「――――……巻き戻そうか?」
「……快斗は見てた?」
「……んー。うとうとしてる愁を見てたから、ちゃんと見てない」
「ん? オレを見てたの?」
「寝顔可愛いからさー。 最初は壁によりかかってたけど、すぐこっちに倒れてきてさ。ずっと愁見てた」

「…………っ…」

 オレを可愛いっていう奴、絶対快斗しか居ないと思うんだけど。
 恥ずかしすぎる……。


「いまいちだったよな、これ。2までは面白かったのにな。眠っちゃうのも分かる気がする」

 快斗はクスクス笑いながら、そう言う。

「愁が見たいなら最後まで見るけど、どーする?」
「もういいかな……」

 なんで快斗って――――…… こんなに、オレに優しいんだろう。
 オレが見たいって言ったのに。寝ちゃったのに。

 ていうか。今だけじゃなくて。…もう、ずっと、快斗は優しかったけど。



「――――……快斗、あのさ……」
「うん?」

「――――……くっついても、いい?」
「いいけど。……どういう意味?」

「意味わかんないのに、いいって言っちゃうの?」
「――――……どうくっつきたいのか分かんないだけで、愁とくっつくってことが嫌な訳ないだろ」

「――――……」

 今、もたれかかって寝てたのと同じ感じで、背中で少し快斗に寄りかかって。ぴた、とくっついてみた。

 ――――……思えば、昔から、よく、よりかかってたなあ。

 背中合わせだったり。 隣でだったり。
 寒い時とかも、よく、くっついてた。
 あの時は、何も、考えてなかったけど。

「くっつくって、これ?」

 クスクス笑いながら、快斗は少し下にあるオレの頭に、頬で触れた。


「――――……うん。 これ」
「もっと、抱き付いてくれるかと思った。これは、前からやってるやつじゃん。これなら聞かなくていーのに」


 快斗は笑いながら言うけど。

 もっと抱き付くとか。
 それは恥ずかしいから無理。





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