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故郷の章
しおりを挟む荷物を取りに寮に向かう。ペイストとシェールと並んで歩くと、ラルとオルドルが待っていた。
「先輩方、卒業おめでとうございますッス!」
「おめでとうございます」
「あーでも先輩卒業しちゃうの寂しいッスよ~」
「ありがとうラル、オルドル」
「に、兄さんも、たまには僕の故郷に遊びに来て下さい」
「ん~今度な」
「今度って、いつですか!」
「お前が卒業した日。そしたらココで待ち合わせて、一緒に行く。今行ってもお前居ないし」
「兄さん・・・!」
オルドルの眼が潤む。
「泣くなよオルドル!また稽古しような!」
「うん!・・・!た、楽しみにしてます!僕も騎士団に入って兄さんより強くなってやりますから!精々頑張ってください!」
ペイストが頭をガシガシ撫でて、オルドルも嬉しそうだったけど、照れ隠しなのか言い終わるやいなや、オルドルはスタスタと早足で行ってしまった。
「あ、ちょっとオルドル!?言い逃げするなッス!素直に言えて良かったッス~!」
「あ、ラル」
「はい!何すか!?マオ様!」
「・・・バレなきゃいいってモノでもないからね?」
「・・・え?」
「マオどした?」
「何かあったんですか?」
「ううん、なんでもない。じゃあね」
「あ・・・ハイ!いつかお役に立ちに行くッス!」
学校を後にして歩く。分かれ道まで一緒だ。
「マオ、本当にありがとう!卒業出来たのはお前のおかげだ!」
「大袈裟だよ。ペイストが頑張ったから!」
「・・・俺、お前のとこの騎士になりたい!」
「いきなり何?気持ちは嬉しいけどそれは駄目!ウチは誰も剣を持たない平和でのほほんとしたとこなの。ペイストの仕事はありません!」
「じゃあパトロール・・・」
捨てられた子犬みたいな目をするな!
「他に、助けを求めている人がたくさんいるから、そっちを助けてあげて?」
「ちぇっわかった!・・・なら、住むとこ迷ってる奴に勧める!マオの国自慢は何だ?」
「え?」
「え?ってなんだよ!これから勧めていくんだから、知らないとダメだろ?ちなみにオレんとこは雪がスゲ~んだ!冬場は埋もれて動けね~ぞ!」
「素敵ですわ!」
「いや、雪かき大変だぞ?・・・あー思い出したらへぎそば食いたい!」
「え?そば?あったかいの?」
「いや、へぎに乗せるんだから冷たいな」
「へぎ?」
「もとは剥いだ木の事だな!海藻入っているからちょっと緑色のそばなんだ」
「へー!」
「なんだか気になりますわ!」
「で!マオのとこは?」
「そうだね、だるまが有名かな?」
「だるま?」
「そう、親子だるま。カンガルーみたいに抱っこしてるみたいなだるま。繭とか綿の豊作を願って作られたみたい。子孫繁栄とか、出世とかの置き物だよ」
「きっと可愛らしいんでしょうね」
「あはは、子供も結構親父っぽい顔してるけどね」
「へーちっこい親父と大きい親父かー見てみたいなぁ!」
「ふふっ。1日の気温差が大きくて、日照時間が長くて、雨が少ないんだ。どうやら果物の栽培とか向いてるみたいだから、早速伝えたい」
「素敵ですね!私のところは、海産物が有名ですわ!高級な海の幸が多くて、大きな海老にあわび、はまぐりとか」
「へー、お茶とかパール。あとあおさも?」
「は、はい。あおさをご存知ですか?」
「ううん。聞いた事あったから・・・」
「それって青のりか?」
「違いますよ!お味噌汁に入れたり玉子焼きに入れたりする海藻で・・・。ペイストにも食べてもらった事ありますわよ?」
「あはは、青のりと思って食ってた」
「んもう!」
たしかに、一般的には青のりの方が有名だよね?あわびとはまぐりってお茶やパールと同じだって聞いた事ある気がしたんだけど、どこでだろ?行ったことあるのかな?
「おっと、俺はあっちだ」
「私はあちらです」
「僕はこっちだから。じゃあね」
「お元気で」
「いつか絶対逢いに行くからな~!」
ペイストは北、シェールは西、私は北西に向かって、一番栄えている大国から故郷に帰っていった。
学園編終了
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