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奇跡の章
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先輩はこの場所に興味を持って、長い間調べているらしい。あの紙の日付は先輩が来ている日付だそうだ。
先輩は、リシンが眠っていた祠の近くにある穴に興味津々だ。
フラフープ程度の大きさにポッカリとある穴。手を入れても平気だが、何も感じない。元から此処には何も無かったように見える。
先輩は穴を見つめて本を開く。
「それにしてもこの空間は不思議です。調べていますが何もわかりません。ただ、この場所は本当に焼かれたんでしょうか?」
「どういう事ですか?」
先輩はパタンと本を閉じて、境界線の草木に触れる。
「焼かれたにしては境界線がはっきりしすぎているんですよ。この草木もそうです」
「草木?」
「普通は火事や、火で焼かれると、もっとまだらに焼かれます。なのにここは真っ黒で何も無いんです。おまけに灰もありません」
「時間経ってるんですよ?灰なんて風で飛ばされたんじゃ?」
「ではこの境界線は?この草木、これは明らかに変です。まるでこの部分がなかったように切り口のようなものを再生してないんですよ」
「再生してないってどういう事ですか?」
「・・・そうですね。マオ君は骨折した事ありますか?」
「無い・・・ですね」
ゲーマーなので私はインドア派だ。
「そうですか。通常、骨折したらその箇所を固定して自然にくっつくのを待つしかありません」
「ピンと来ないです・・・」
「では、骨折じゃなくても怪我したら痛いですよね?」
「そうですね」
「でも、境界線にあるこの草木は再生してない。むしろ、何も感じてないみたいなんですよ。まるで・・・そこにいた事を忘れているみたいです」
感じてない?忘れている?
リシンが口を挟む。
「うーん。これは魔法じゃないか?おいらと同じ闇の力だと思うぜ」
「やはりそうでしたか・・・」
「え!?リシンあの時は何も言わなかったじゃんか!」
「オイラも力が無かったから。感じとれなかったんだと思う。オイラ寝てただけなのに変だけどな・・・」
「で、リシン!!君が眠っていた祠というのはここですか!?」
「え?うん。何か気づいたら出られるようになってて記憶もぼんやりとしてる・・・」
「これが君の眠っていた祠・・・」
「フィック先輩?」
「どうしてでしょう?君から壊れてしまったと聞いてから、僕は全壊していると思っていました」
「たしかに壊れてると言いました。でもそれがどうしたんですか?」
「たしかに壊れてしまっているけど、土台は残っている。どんな祠だったのか用意に想像ができます!」
「そうですね」
祠は一部が欠けているだけで、全体的な図が容易に想像出来る。
「何故だかわかりません。でも、今この祠がこの状態で存在しているのが奇跡にしか思えないんです」
「奇跡?」
「はい!素晴らしい巡りあわせです!本来なら見る事が出来ないものですよ!」
「巡りあわせ?ホンライナラ、ミレナイ・・・?」
先輩は、リシンが眠っていた祠の近くにある穴に興味津々だ。
フラフープ程度の大きさにポッカリとある穴。手を入れても平気だが、何も感じない。元から此処には何も無かったように見える。
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「それにしてもこの空間は不思議です。調べていますが何もわかりません。ただ、この場所は本当に焼かれたんでしょうか?」
「どういう事ですか?」
先輩はパタンと本を閉じて、境界線の草木に触れる。
「焼かれたにしては境界線がはっきりしすぎているんですよ。この草木もそうです」
「草木?」
「普通は火事や、火で焼かれると、もっとまだらに焼かれます。なのにここは真っ黒で何も無いんです。おまけに灰もありません」
「時間経ってるんですよ?灰なんて風で飛ばされたんじゃ?」
「ではこの境界線は?この草木、これは明らかに変です。まるでこの部分がなかったように切り口のようなものを再生してないんですよ」
「再生してないってどういう事ですか?」
「・・・そうですね。マオ君は骨折した事ありますか?」
「無い・・・ですね」
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「ピンと来ないです・・・」
「では、骨折じゃなくても怪我したら痛いですよね?」
「そうですね」
「でも、境界線にあるこの草木は再生してない。むしろ、何も感じてないみたいなんですよ。まるで・・・そこにいた事を忘れているみたいです」
感じてない?忘れている?
リシンが口を挟む。
「うーん。これは魔法じゃないか?おいらと同じ闇の力だと思うぜ」
「やはりそうでしたか・・・」
「え!?リシンあの時は何も言わなかったじゃんか!」
「オイラも力が無かったから。感じとれなかったんだと思う。オイラ寝てただけなのに変だけどな・・・」
「で、リシン!!君が眠っていた祠というのはここですか!?」
「え?うん。何か気づいたら出られるようになってて記憶もぼんやりとしてる・・・」
「これが君の眠っていた祠・・・」
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「たしかに壊れてると言いました。でもそれがどうしたんですか?」
「たしかに壊れてしまっているけど、土台は残っている。どんな祠だったのか用意に想像ができます!」
「そうですね」
祠は一部が欠けているだけで、全体的な図が容易に想像出来る。
「何故だかわかりません。でも、今この祠がこの状態で存在しているのが奇跡にしか思えないんです」
「奇跡?」
「はい!素晴らしい巡りあわせです!本来なら見る事が出来ないものですよ!」
「巡りあわせ?ホンライナラ、ミレナイ・・・?」
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