32 / 42
第2章 迷子の仔猫
来客
しおりを挟む
鳥居に抱かれたまま寝てしまった猫を見て九条は話しを続けた。
「まずその猫のことから話そうか。その猫の目がダイクロイックアイと言って千匹に一匹産まれるか生まれないかと言われるほど珍しいものなんだ。ましてやオッドアイだしその手のマニアだったら喉から手が出るほど欲しいものなんだそうだ。猫にしてみたら迷惑この上ない話なんだけどね。
それで、今回何故こんなことになったかというと、どこかの馬鹿な金持ちがこの猫を手に入れて飽きたら剥製にするって言い出したんだよ。『一番美しい時を残しておきたい』とかほざいていたらしいんだ。全く命をなんだと思っているんだか。
一般人のお宅で飼われている些か変わった猫ってだけで、それ以外は全く他と同じようにただのペットなんだ。藤原ご夫妻も商売をやっているからってどんな情報網を持っているのかどこかから情報が入ったらしくてね。すぐにシークレットエージェントの元締めのところに相談したそうなんだ。
ご夫妻と元締めは学生時代の友人でお互い今でも連絡を取り合っているんだって。世の中狭いよね」
「あの元締めにも友達がいたんですねー」
『いつも怖い顔してるけど、本当は優しいところもあるからなー』
蒼井は鳥居から聞こえてくる声や態度から、どうしてシークレットエージェントなんかにいたのかと不思議に思っていた気持ちが益々強くなっていった。
「そこで、元締めと藤原さんは今回その馬鹿な金持ちが動く前に先手を打って猫が行方不明になったことにしたんだ。動物看護師として病院に潜り込んだ向井有紗、通称シェリーと呼ばれる女と門脇探偵事務所は勿論このことは知らないよ。
シェリーが猫欲しさに陰から手を回していたことに関しては裏も取れている。彼女は真っ黒黒だよね。他にも余罪がありそうだし今頃どうしてるんだろうね」
意見を求められたところで二人には向井有紗がどうなったかなんて分からないし、ある意味どうでもよかった。
「それでこれからのことなんだけど、鳥居君とその猫はブルーローズのあるこのビルの上の居住スペースに入ってもらおうと思うんだ。このビル、上はマンションみたいになっているけど関係者しかいないから安心して。ところで鳥居君は高いところ大丈夫?」
「はい、大丈夫でーす。仕事も紹介してもらって部屋まで用意してもらっちゃっていいんですかー。あっ、この猫はどうすればいいですかー」
「取り敢えず一緒に住んでくれると助かるんだけど、大丈夫かな。その猫今まで20畳くらいある部屋にいたんだっけ。この上のマンションは一人でワンフロアー使う仕様になってるんだ。
先に猫用に少し模様替えをするからそれまではゲストルームを使ってくれるかな。猫の餌とか必要なものはこちらで揃えるから安心して。それと君が厨房で仕事している時は私がその猫と一緒にいるつもりだから。猫にもここに慣れてもらわないとね」
「ありがとうございまーす。猫も喜ぶと思いますー」
蒼井は目の前で勝手に進んでいく話を聞いて、大事なことを思い出した。
「九条さんその猫、藤原ご夫妻の飼い猫ですよね。ご夫妻に返さなくていいんですか」
「それなんだけど、さっき馬鹿な金持ちが居るって話ししたこと覚えてる? そいつら猫が行方不明になったのを知って今、血眼になって探しているらしいんだ。
そいつらから守れたとしても、これから先同じような輩が出てこないとも限らない。だから藤原夫妻と話し合ってうちでその猫を預かることにしたんだ。幸い鳥居君とは相性もいいみたいだから藤原夫妻も安心しているしね。
初めは週末だけ藤原家に返すことも考えたんだ。だけど今回の件も含めて短期間に何度も環境が変化するのは猫にとっても負担になってあまり良くないってことで、ご夫妻がブルーローズに遊びに来ることになったんだ」
「門脇には何て伝えればいいのか…… 」
蒼井は本格的に頭を抱えだした。
「馬鹿な金持ちの話は門脇君も知っているでしょ。そいつらのせいにしてうちで預かることになったって話を藤原夫妻も交えて話せばいいんじゃない。それに鳥居君の髪の色この前と違うでしょ? もしあの時の魔法使いに似てるとかなんとか言っても別人だって言い切っちゃえばいいんだし」
「なんだか門脇を騙すようで嫌なんですけど…… 」
「蒼井君、初めに言った約束覚えてる? あれ、冗談じゃないからね。おしゃべりさんは本当に命の保証はできないよ」
九条の口調はいつもと変わらないのだが、目が少しも笑っていなかった。
「そうでした、門脇を巻き込まないよう気をつけます」
「そうだね、その方がいい」
少しの沈黙の後、蒼井は疑問に思っていることを鳥居に聞いてみた。
「あのー、君の髪色ってどっちが本当の色なの?」
「今の金髪が本当の色だよー。シークレットエージェントにいる時はちょっと魔法で変えてたんだー。あの強欲女とか、割とうるさいんだー」
「君、本当に魔法使いなの?」
「そうだよー、魔法使いに会ったことない?」
「初めてだからいまだに信じられないよ」
すると九条が怖いほどの笑顔を二人に向けて話し出した。
「蒼井君は少し前からだけど、これからは二人とも次元監視者としても働いてもらうから。まだ見習いだから天ヶ瀬から必要なことを教わって早く一人前になれるように頑張ってね。一緒にいればそのうち魔法に驚かなくなるから大丈夫さ」
「えーーー見てれば慣れるんですか魔法って。僕、魔法使えるわけじゃないし……」
「蒼井君だって特殊能力みたいなのあるでしょ、蒼井君だけ隠しているのはフェアじゃないから後で鳥居君には話した方がいいと思うよ」
「分かりました。九条さんがいない所で話します」
「そうなんだー、ちょっと楽しみー。そう言えばなんで俺が黒髪だったって知ってるのー?」
蒼井は九条の方を見て少しバツが悪そうにしていた。
「九条さん、話しても大丈夫ですか?」
「問題ないよ」
九条は間髪入れず何故か嬉しそうに答えた。
「信じてもらえるかどうか分からないけど、実は藤原邸から鳥居君が魔法陣を描いて猫を連れて逃げたところを異次元から見ていたんだ」
「それが、次元監視者の仕事なのー?」
「厳密には少し違うんだけど、だいたいそんな感じかな」
「そうなんだー、全然見られてた感じしなかったけど…… 」
「それが分かったら、別の仕事ができると思うよ。普通は分からないはずだから」
「魔法を使えば何か分かったのかなー、でもいつ見られてるかなんて分かんないし…… 」
そんな二人の会話を聞いていた九条が優しい眼差しで見守っていたことを二人は知らない。
そして人見知りをするはずの猫は鳥居の腕の中が気持ちいいのか九条と蒼井に対しても警戒心を見せる素振りはなかった。
「まずその猫のことから話そうか。その猫の目がダイクロイックアイと言って千匹に一匹産まれるか生まれないかと言われるほど珍しいものなんだ。ましてやオッドアイだしその手のマニアだったら喉から手が出るほど欲しいものなんだそうだ。猫にしてみたら迷惑この上ない話なんだけどね。
それで、今回何故こんなことになったかというと、どこかの馬鹿な金持ちがこの猫を手に入れて飽きたら剥製にするって言い出したんだよ。『一番美しい時を残しておきたい』とかほざいていたらしいんだ。全く命をなんだと思っているんだか。
一般人のお宅で飼われている些か変わった猫ってだけで、それ以外は全く他と同じようにただのペットなんだ。藤原ご夫妻も商売をやっているからってどんな情報網を持っているのかどこかから情報が入ったらしくてね。すぐにシークレットエージェントの元締めのところに相談したそうなんだ。
ご夫妻と元締めは学生時代の友人でお互い今でも連絡を取り合っているんだって。世の中狭いよね」
「あの元締めにも友達がいたんですねー」
『いつも怖い顔してるけど、本当は優しいところもあるからなー』
蒼井は鳥居から聞こえてくる声や態度から、どうしてシークレットエージェントなんかにいたのかと不思議に思っていた気持ちが益々強くなっていった。
「そこで、元締めと藤原さんは今回その馬鹿な金持ちが動く前に先手を打って猫が行方不明になったことにしたんだ。動物看護師として病院に潜り込んだ向井有紗、通称シェリーと呼ばれる女と門脇探偵事務所は勿論このことは知らないよ。
シェリーが猫欲しさに陰から手を回していたことに関しては裏も取れている。彼女は真っ黒黒だよね。他にも余罪がありそうだし今頃どうしてるんだろうね」
意見を求められたところで二人には向井有紗がどうなったかなんて分からないし、ある意味どうでもよかった。
「それでこれからのことなんだけど、鳥居君とその猫はブルーローズのあるこのビルの上の居住スペースに入ってもらおうと思うんだ。このビル、上はマンションみたいになっているけど関係者しかいないから安心して。ところで鳥居君は高いところ大丈夫?」
「はい、大丈夫でーす。仕事も紹介してもらって部屋まで用意してもらっちゃっていいんですかー。あっ、この猫はどうすればいいですかー」
「取り敢えず一緒に住んでくれると助かるんだけど、大丈夫かな。その猫今まで20畳くらいある部屋にいたんだっけ。この上のマンションは一人でワンフロアー使う仕様になってるんだ。
先に猫用に少し模様替えをするからそれまではゲストルームを使ってくれるかな。猫の餌とか必要なものはこちらで揃えるから安心して。それと君が厨房で仕事している時は私がその猫と一緒にいるつもりだから。猫にもここに慣れてもらわないとね」
「ありがとうございまーす。猫も喜ぶと思いますー」
蒼井は目の前で勝手に進んでいく話を聞いて、大事なことを思い出した。
「九条さんその猫、藤原ご夫妻の飼い猫ですよね。ご夫妻に返さなくていいんですか」
「それなんだけど、さっき馬鹿な金持ちが居るって話ししたこと覚えてる? そいつら猫が行方不明になったのを知って今、血眼になって探しているらしいんだ。
そいつらから守れたとしても、これから先同じような輩が出てこないとも限らない。だから藤原夫妻と話し合ってうちでその猫を預かることにしたんだ。幸い鳥居君とは相性もいいみたいだから藤原夫妻も安心しているしね。
初めは週末だけ藤原家に返すことも考えたんだ。だけど今回の件も含めて短期間に何度も環境が変化するのは猫にとっても負担になってあまり良くないってことで、ご夫妻がブルーローズに遊びに来ることになったんだ」
「門脇には何て伝えればいいのか…… 」
蒼井は本格的に頭を抱えだした。
「馬鹿な金持ちの話は門脇君も知っているでしょ。そいつらのせいにしてうちで預かることになったって話を藤原夫妻も交えて話せばいいんじゃない。それに鳥居君の髪の色この前と違うでしょ? もしあの時の魔法使いに似てるとかなんとか言っても別人だって言い切っちゃえばいいんだし」
「なんだか門脇を騙すようで嫌なんですけど…… 」
「蒼井君、初めに言った約束覚えてる? あれ、冗談じゃないからね。おしゃべりさんは本当に命の保証はできないよ」
九条の口調はいつもと変わらないのだが、目が少しも笑っていなかった。
「そうでした、門脇を巻き込まないよう気をつけます」
「そうだね、その方がいい」
少しの沈黙の後、蒼井は疑問に思っていることを鳥居に聞いてみた。
「あのー、君の髪色ってどっちが本当の色なの?」
「今の金髪が本当の色だよー。シークレットエージェントにいる時はちょっと魔法で変えてたんだー。あの強欲女とか、割とうるさいんだー」
「君、本当に魔法使いなの?」
「そうだよー、魔法使いに会ったことない?」
「初めてだからいまだに信じられないよ」
すると九条が怖いほどの笑顔を二人に向けて話し出した。
「蒼井君は少し前からだけど、これからは二人とも次元監視者としても働いてもらうから。まだ見習いだから天ヶ瀬から必要なことを教わって早く一人前になれるように頑張ってね。一緒にいればそのうち魔法に驚かなくなるから大丈夫さ」
「えーーー見てれば慣れるんですか魔法って。僕、魔法使えるわけじゃないし……」
「蒼井君だって特殊能力みたいなのあるでしょ、蒼井君だけ隠しているのはフェアじゃないから後で鳥居君には話した方がいいと思うよ」
「分かりました。九条さんがいない所で話します」
「そうなんだー、ちょっと楽しみー。そう言えばなんで俺が黒髪だったって知ってるのー?」
蒼井は九条の方を見て少しバツが悪そうにしていた。
「九条さん、話しても大丈夫ですか?」
「問題ないよ」
九条は間髪入れず何故か嬉しそうに答えた。
「信じてもらえるかどうか分からないけど、実は藤原邸から鳥居君が魔法陣を描いて猫を連れて逃げたところを異次元から見ていたんだ」
「それが、次元監視者の仕事なのー?」
「厳密には少し違うんだけど、だいたいそんな感じかな」
「そうなんだー、全然見られてた感じしなかったけど…… 」
「それが分かったら、別の仕事ができると思うよ。普通は分からないはずだから」
「魔法を使えば何か分かったのかなー、でもいつ見られてるかなんて分かんないし…… 」
そんな二人の会話を聞いていた九条が優しい眼差しで見守っていたことを二人は知らない。
そして人見知りをするはずの猫は鳥居の腕の中が気持ちいいのか九条と蒼井に対しても警戒心を見せる素振りはなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる