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辺境の三大貴族
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貴族の学校に通い始めて一週間が経過した。出だしは普通というべきである。だけど、やっぱり、妖精憑きキロン同伴は、目立つし、敬遠される。結果、今だにお友達らしきものはいない。いいんだけどね。どうせ、一生を領地で過ごすから。社交なんてどうだっていいや。
学校がお休みの日も、私は忙しい。領主としての仕事がある。その日も、普通に仕事である。領地の大まかな計画を領主代行と眺めていた。
「今年も大豊作ですから、これでいいでしょう。あと、禁則地周辺の人手をどうにか確保しないと」
「あそこは、皆、嫌いますからね」
「だから、貴族なのに、子爵家の持ち場なんですよねー」
溜息が出る。辺境の食糧庫と呼ばれるほど、この領地は、重要なんだが、面倒くさいことが多い。
最果ての辺境は、ともかく、実りが得られない不毛地帯である。鉱山が主流なので、それで収入を得ているのだが、食糧が得られる手段がないため、どうしても、食糧のほうが高額となってしまう。ほら、他所から買わないといけないから。最果ての辺境は、ともかくデカいし、人も多い。だけど、他だって、人も多いのだ。辺境まで支えられるような実り、実はないのだ。
しかし、妖精の安息地である禁則地周辺だけは、辺境を支えられるほどの実りを生み出すことが出来る。禁則地は、妖精のための領地である。あそこは、人も、妖精憑きでさえ、足を踏み込むと、ただでは済まない、危険な場所だ。しかし、禁則地には、とんでもない実りがあると言われるから、心得違いの悪者が侵入しては、酷い目にあって、禁則地の入口で保護される、ということはよくある。
そんな危険な禁則地を抱えているからか、実りが豊かだ。そのため、辺境の食糧庫、と呼ばれるのだ。
農業ときくと、皆、力仕事、と思うのだ。だけど、魔道具や魔法具があるので、大変ではない。まあ、収穫物を運んだり、細かい作業は人の手だけどね。だけど、種一つで、大豊作である。肉体労働だけど、物凄くお金になるのだ。
そんな領地の中で、誰もが嫌うのが、禁則地周辺の農地である。あそこは、禁則地に近すぎて、妖精が悪戯するのである。しかも、魔道具や魔法具が使えない。完全な肉体労働なのだ。
禁則地周辺の農地だけは、帝国でも特別扱いである。本来は税として数えられなければならないのだが、あそこは、安定した収穫が困難なのだ。ほら、妖精憑きだって危ない目にあうことがあるのだ。だから、あそこは負債計算である。
だったら、何もしなければいいじゃないか、と考えるのだ。だけど、そう簡単な話ではないのだ。
「また、あなたの家族にもお手伝いを頼みます。私も、学校が休みの時には、一緒に働きます」
「いえ、本来は、領主代行が行うべき場所なんです」
「仕方ありません。子爵家は都落ちしたんです。責任は、子爵家にもあります。領主代行に全て押し付けておいて、失敗したら責任をとりたくない、なんて子どもの我儘ですよ。我が家も、しっかり働きます。それに、ここをやらないと、領地全体に、妖精の悪戯がされてしまいます」
禁則地周辺を手つかずにすると、なんと、妖精の悪戯で、領地全体が大変なこととなるのだ。過去にあったという。そうならないために、わざと、禁則地周辺に作物を育て、妖精たちに悪戯させて、満足させるのである。
領主代行は額に手をあてて、深いため息をついた。
「アーサー様はこんなに立派だというのに、俺の孫は、どうして、あんなに駄作なんだ」
「今年も、手伝わせましょう。騎士団に入団するんだ、と義兄が張り切って、無駄に剣術と体術の教師を呼び寄せました。ぜひ、その実力を披露してもらいましょう」
「エリザはどうしますか?」
「義母が、日焼けで嫁ぎ先が、とか言っているので、放置です。まず、嫁ぎ先が見つかるかどうか。片親が平民で、大した見た目ではないエリザを、誰が引き取ってくれるのやら」
「………」
「いえ、あの胸には価値がありますね」
「アーサー様!!」
私のエリザの評価を最初こそ、領主代行は無言を貫いたが、最後の評価には、批難するように叫んだ。
「む、胸を気にするなんて、アーサー様はほら、栄養状態がよくないからですよ。きちんと食べて、もっと動けば」
「私も毎日、剣術と武術をこなすくらいの体力はあるのですが、この胸は、平たい筋肉がつくだけで、成長の兆しもありません。亡き母も、立派なものでしたのに。お陰で、男装しても、女だとバレませんでしたけどね。私が半裸で農作業しても、誰も何も言いませんでしたね」
「もう、やっちゃダメですよ!!!」
「えー、胸ないのにー」
男だと偽っていた時は、農作業、半裸で平然とやっていたのだ。いや、母が生きている内は、ものすごく叱られたな。母亡き後は、私は半裸で農作業したけど。
「まあまあ、エリザの胸は価値があるので、そういうのが好きそうな人が見つかるといいですねー。せっかく貴族の学校に通っているのですから、運命の出会いがあるといいですが」
「アーサー様は、これという人はいましたか?」
「婚約解消してしまったヘリオスが髪をばっさり切ったのですが、物凄い美男子になってましたよ。惜しかったなー。ヘリオスを見た後では、どの男も、不格好に見えますね」
「………」
「ヘリオスは本当に惜しかったなー」
婚約解消、もうちょっと後でも良かったなー。ヘリオスとの婚約解消、ちょっと後悔していた。
そんな無駄話をしつつ、領地の一年計画は終了だ。一年計画といったって、農作業で年中無休である。こんな計画を立てるのは、領主として仕事していますよ、という姿を見せているだけである。
毎年、同じことの繰り返しだ。誰だって出来る。収穫後の計算が大変なんだよねー。その時は、さすがに学校休もう。私一人でも、貴重な労働力だ。
話がついたと判断した妖精憑きキロンは動き出した。私と領主代行が話し合っている間は、気配を断ち、沈黙していた。黙っていれば、立派な家令であり、執事であり、側近なんだけどなー。
茶と菓子を給仕すると、また、妖精憑きキロンは気配を消す。その間、領主代行は無言で、キロンの動きを目で追った。
「あの子どもが、こんなに立派になるとは」
「黙っていれば、立派なんですけどね」
いや、口を開いても、立派な時もある。だけど、すぐに素が出るのだ。だから、すーぐーに、残念になる。
元は、領地で迫害を受けていた妖精憑きキロンだが、亡き母が保護してから、人並の生活を受け、神殿で教育を受けて、今では、私よりも高い能力で、面倒臭い作業を片手間にこなすだけでなく、私の側にいるために、私の身の回り全てをキロン一人がこなしているのだ。
私は給仕された茶と菓子を見る。こいつ、この茶と菓子の材料まで、作ってるのだ。見方によっては、気持ち悪い奴だな。
そんなこと知らず、ちょっと顔を緩めて口にする領主代行。それ、材料から全て、キロンが手がけたんですよー。知ったら、どんな顔になるのやら。知らないって、ある意味、幸福だね。
そんな新たな幸福の種類を見つけつつ、別の話を持ち出した。
「義母はどうしていますか? あれから、義母の扱いは、父親であるあなたに任せましたが」
ちょっと前、領地内で内乱があった。父、義母、義兄、義妹が領地を乗っ取り返そうと、領地民を扇動して、この屋敷を強襲したのである。だけど、結局、私は領地民とは和解し、領地民も心を改め、父たちを捕縛して、内乱は終結したのである。
領地民は父たちに扇動されただけなので、私は許した。我が家にも悪いところはあったから。ほら、子爵家の借金を領地民にも払わせていたから。だけど、父たちは、そんな領地民の上に立ち、悠々自適に暮らしていたのだ。それなのに、気に食わないから、と私が持っている領主の権限を奪おうとしたわけである。さすがに、これを許すわけにはいかない。
まだ未成年の義兄と義妹は、再教育で許した。教育したのは、義母だから、それが間違いだったということだ。
父は、いい加減、他所に種を巻いて、問題を大きくするかもしれないので、去勢した。そのせいで、浮気した実の父を去勢する女、なんて悪名が広がった。
そして、義母は平民であるため、貴族とは違って、罪は重い。犯罪奴隷として、犯罪者の焼き鏝を押され、奴隷の契約により、領地から出られず、領地民たちの奴隷となったのである。
この犯罪奴隷、義母だけではない。我が家の元使用人たちもだ。元使用人たちは、父たちと繋がり、領地民たちを扇動するつなぎ役となったのである。
こうして、犯罪奴隷となった者たちは、それぞれ、実家に戻されたのだ。家族で面倒みなさい、ということである。
その後、犯罪奴隷たちはどうなったのか、定期的に調査している。だいたいは、家族だけでなく、領地民たちからも冷たく見られながらも、人並な生活を営んでいる。ようは、農作業を手伝っているのだ。この犯罪奴隷の期間は、厳密には決めていない。ただ、契約では、従量制である。きちんとこなしていれば、その内、契約が解除されるのだ。逆にいえば、あまり逆らうと、引かれてしまうので、年季が長くなるという。
具体的な数字は犯罪奴隷たちにも、その家族にも教えていない。問題は、皆で解決してもらえればいいのだ。一度は過ちを侵してしまったが、私は、領地民とは仲良くやっていきたいので、犯罪奴隷といえども、きちんと償い、心根を入れ替えるのであれば、年季明け後、何かすることはない。同じ領地民扱いをするつもりだ。
義母リサもそうだ。父と結婚したが、リサもまた、領地民である。年季明けをはやくするといいな、とは思っている。
他の犯罪奴隷と同じように、現状調査のために、リサの父である領主代行に質問しただけである。世間話だよ。
ところが、領主代行は怒りに震えていた。顔まで真っ赤にして怒っている。
「あの女は、もう、悔い改めることもない!! 家のことを手伝えといっても、部屋から出てこない。食事を与えても、こんなもの、と拒否する。その度に、とんでもない罰を受けているというのに、リサは、アーサー様を恨むばかりだ!! もう、リサは生かしておいてはいけません」
「どうして、義母は、あんな風になったのでしょうか」
そこが疑問だ。リサと領主代行は親子にしても、性格が違い過ぎる。母親似なのか? と考えたこともあるのだが、リサの兄弟姉妹は、あそこまで、身の程知らずではないのだ。
リサの兄弟姉妹は、犯罪奴隷とはならなかった。父親である領主代行の裏切りと、その理由を知って、すぐに心根を入れ替えたのだ。そして、リサを強く恨んだ。皆、リサの口車に乗ってしまっただけである。誰だって、ちょっといい思いをしたい。リサが子爵夫人となったので、そのおこぼれが貰える、と考えただけである。
現実を知れば、きちんと反省する。すぐに、リサの兄弟姉妹は、反省して、私に深く謝罪した。今では、私を見ると、笑顔で挨拶して、頭を下げる。
だけど、リサだけは、私に深い恨みを抱いている。態度だって改めない。自分は特別だ、とでもいうように、下働きを拒否する。そうして、年季が伸びていくのだ。
「もしかすると、リサだけ、違うのかもしれない。そういう噂が、流れたことがある。妻が浮気したんじゃないか、と」
それを聞いて、ふと思いつくのは、妖精憑きキロンである。
キロンは長年、領地内にある、妖精封じを施された小屋に閉じ込められていた。後で確認したのだが、あの小屋、鍵なんかされていないのだ。誰もが、あの小屋は出入り出来た。
亡き母と辺境の教皇フーリード様が、領地民一人一人を呼び出し、聞き取り調査したのだ。その結果は、私には伏せられたが、母とフーリード様は、キロンの扱いに、とても悩んでいた。
キロンを保護するために小屋に行った時、父が素っ裸でキロンの上に圧し掛かっていた。キロンは抵抗らしい抵抗をしていなかった。
つまり、そういうことだ。私は、キロンの過去をなんとなく、悟った。発見されたばかりのキロンは、見た目、子どもではあったが、実際は大人なんだ。しかも、百年近く生きていると予想している。もしかすると、キロンの子や孫が、どこかにいるかもしれないのだ。
そこまで考えて、私は口をおさえた。
「アーサー!!」
すぐに私の異変を察知したキロンが私を抱きかかえた。キロンの胸に顔を埋め、胸の鼓動を聞くと、少しだけ、落ち着いた。
「アーサー様、働きすぎです。今日は休んでください」
私が真っ青に見えたのだろう。領主代行は、慌てて、屋敷から出て行った。
有言実行をすることにした。なんだかんだと言い訳する義兄リブロを無理矢理、禁則地付近の農地に連れて来た。体だけは一人前だから、妖精憑きキロンにお願いした。あんなんで、騎士を目指すって、触ってみたけど、ぶよぶよだよ!!
「アーサー様、女性なんですから、わかっていますね」
「………」
返事をしない。まだ、女と知られてなかった昨年は、上半身素っ裸で作業したよ。上半身、こんがり、真っ黒になったね。
とりあえず、日焼けして、見苦しくないように、袖を肩までまくって、作業を始める。今日は、草むしりと土おこしである。
「なんで、貴族の俺が」
「口だけでなく、手も足も動かせー。義兄上はそこ一帯ですからねー。終わるまで、作業ですー」
「こんなに!?」
「女の私も同じだけやるのに、何言ってるんですか。ほら、やる」
もう、ちょっとやっただけで動かなくなる義兄リブロ。どんだけダメなの、こいつ!!
私は、こつとかわかっているので、無駄な体力を使わず、作業する。経験が違うよ、経験が。
二人一組での作業である。私はもちろん、妖精憑きキロンである。キロンは、こういうトコも、器用にこなすんだよ。私が草むしりを半分終わる頃には、土おこしするキロンに追いつかれる。
「アーサー、少し休んだらどうだ? ほら、体調悪そうだし」
「うん、なんか、お腹痛い」
数日前から、気分が悪い感じだ。何か悪いもの食べたかなー? 腐ったものでも、私、お腹壊したことがないのになー。
「先日も、顔色が良くなかったですよ。一人で無理しすぎです。おい、リブロ、アーサー様の分もやれ!!」
「そんなぁー」
領主代行はリブロにとっては、祖父である。いくらリブロが貴族扱いといえども、領主代行は孫だからと厳しい。私の母方の祖父も、昔はこんな感じだったな。孫だから、と世の中全ての祖父が優しくなるわけではない。
キロンは、私を木陰に連れて行ってくれた。シートをひいて、その上に私を座らせてくれる。
「アーサー、無理するな。あれくらい、俺一人であっという間に終わらせる」
「妖精憑きの力を使っちゃいけないんだよ」
「どうにかなるだろう」
こいつ、使うつもりだな。
あまり知られていないが、禁則地周辺では、妖精憑きの魔法を使うことは禁止されている。魔道具や魔法具を使わないのは、そのためである。使えない、と私は言っているが、実際は、使わせないのだ。
禁則地で魔法を使うことは、妖精にとっては無礼なことである。いくら、妖精憑きといえども、禁則地にいる妖精たちは許さない。とんでもない復讐を行うのだ。だから、禁則地周辺では、妖精憑きの力で動く魔道具や魔法具を使わず、手作業なのだ。
キロンは、何かと会話しているようで、宙を見ている。妖精とお話してるんだな。きっと、妖精と交渉してるんだ。
私は痛むお腹に、どんどんと気持ち悪くなってくる。ううう、頭も痛いし、病気なのかな? そんなものがぐるぐると頭の中を回っていると、気づいたら、寝てた。
気づいたら、屋敷で眠っていた。起きるとすぐ、妖精憑きキロンが部屋に入ってきた。
「作業はどうなった?」
「起きてすぐ、領主するのやめてー!!!」
「大事なことだから」
だって、まだ代理だけど、領主だから。体調崩したって、領主の仕事を去勢しちゃった父ネロにやらせるわけにはいかない。
私が倒れたことで、心配だったのか、領主代行と数名の領地民が部屋に入ってきた。
「今日の分は終わらせましたから、心配いりません。それよりも、おめでとうございます」
「聞きましたよ」
「月のものがきたとか」
「………胸がなくても、妊娠出来るのか。授乳はどうするんだろう」
『………』
その場にいる全員が、笑顔のまま沈黙する。え、子育てで胸って、重要だよ!!
「アーサー様は、そのー、貴族ですから、乳母を雇えば」
「そうですよ!! 同じ頃に子を産んだ者たちで、アーサー様のお子様を面倒みますよ」
「でも、成長するかもしれません」
きっと、これまで、体が女の準備中だったからだ。これから、胸が成長するかも、なんて期待して見て、触ってしまう。私の唯一といっていい欠点であり、汚点といえば、この平べったい胸である。
「アーサー、俺が聞いた話だと、揉んでもらうと大きくなるって」
「キロンっ」
「このバカ!!」
「なんて事をいうの!!」
相手は妖精憑きだってのに、全員で、キロンを床におさえこんで、口まで塞いだ。
私は、無言で、領地民たちの下敷きにされるキロンを見下ろした。
「知ってる。さすがに、やってもらうのは無理だから、自分でやってみた。でも、効果なかった」
「だから、誰かに」
「変態」
「っ!?」
「やっぱり、私の側にくる妖精憑きは皆、変態だ!! キロンの変態!!!」
私のトラウマを見事刺激するキロン。とうとう、私は半泣きになって、キロンに手あたりしだい、つかめる物をなげつけた。
目出度いことは目出度いことである。何故か、その日の内に、王都にいるはずの女帝レオナ様がお祝いに、と美味しいケーキを持ってきてくれた。一人で食べきれないくらい大きなホールである。
誕生日とかでも食べたことがない、いや、ケーキって、こんなに綺麗なものじゃないよ!! 大感動で、お祝いの言葉をくれた人たちを呼び寄せて、一緒に食べた。
学校がお休みの日も、私は忙しい。領主としての仕事がある。その日も、普通に仕事である。領地の大まかな計画を領主代行と眺めていた。
「今年も大豊作ですから、これでいいでしょう。あと、禁則地周辺の人手をどうにか確保しないと」
「あそこは、皆、嫌いますからね」
「だから、貴族なのに、子爵家の持ち場なんですよねー」
溜息が出る。辺境の食糧庫と呼ばれるほど、この領地は、重要なんだが、面倒くさいことが多い。
最果ての辺境は、ともかく、実りが得られない不毛地帯である。鉱山が主流なので、それで収入を得ているのだが、食糧が得られる手段がないため、どうしても、食糧のほうが高額となってしまう。ほら、他所から買わないといけないから。最果ての辺境は、ともかくデカいし、人も多い。だけど、他だって、人も多いのだ。辺境まで支えられるような実り、実はないのだ。
しかし、妖精の安息地である禁則地周辺だけは、辺境を支えられるほどの実りを生み出すことが出来る。禁則地は、妖精のための領地である。あそこは、人も、妖精憑きでさえ、足を踏み込むと、ただでは済まない、危険な場所だ。しかし、禁則地には、とんでもない実りがあると言われるから、心得違いの悪者が侵入しては、酷い目にあって、禁則地の入口で保護される、ということはよくある。
そんな危険な禁則地を抱えているからか、実りが豊かだ。そのため、辺境の食糧庫、と呼ばれるのだ。
農業ときくと、皆、力仕事、と思うのだ。だけど、魔道具や魔法具があるので、大変ではない。まあ、収穫物を運んだり、細かい作業は人の手だけどね。だけど、種一つで、大豊作である。肉体労働だけど、物凄くお金になるのだ。
そんな領地の中で、誰もが嫌うのが、禁則地周辺の農地である。あそこは、禁則地に近すぎて、妖精が悪戯するのである。しかも、魔道具や魔法具が使えない。完全な肉体労働なのだ。
禁則地周辺の農地だけは、帝国でも特別扱いである。本来は税として数えられなければならないのだが、あそこは、安定した収穫が困難なのだ。ほら、妖精憑きだって危ない目にあうことがあるのだ。だから、あそこは負債計算である。
だったら、何もしなければいいじゃないか、と考えるのだ。だけど、そう簡単な話ではないのだ。
「また、あなたの家族にもお手伝いを頼みます。私も、学校が休みの時には、一緒に働きます」
「いえ、本来は、領主代行が行うべき場所なんです」
「仕方ありません。子爵家は都落ちしたんです。責任は、子爵家にもあります。領主代行に全て押し付けておいて、失敗したら責任をとりたくない、なんて子どもの我儘ですよ。我が家も、しっかり働きます。それに、ここをやらないと、領地全体に、妖精の悪戯がされてしまいます」
禁則地周辺を手つかずにすると、なんと、妖精の悪戯で、領地全体が大変なこととなるのだ。過去にあったという。そうならないために、わざと、禁則地周辺に作物を育て、妖精たちに悪戯させて、満足させるのである。
領主代行は額に手をあてて、深いため息をついた。
「アーサー様はこんなに立派だというのに、俺の孫は、どうして、あんなに駄作なんだ」
「今年も、手伝わせましょう。騎士団に入団するんだ、と義兄が張り切って、無駄に剣術と体術の教師を呼び寄せました。ぜひ、その実力を披露してもらいましょう」
「エリザはどうしますか?」
「義母が、日焼けで嫁ぎ先が、とか言っているので、放置です。まず、嫁ぎ先が見つかるかどうか。片親が平民で、大した見た目ではないエリザを、誰が引き取ってくれるのやら」
「………」
「いえ、あの胸には価値がありますね」
「アーサー様!!」
私のエリザの評価を最初こそ、領主代行は無言を貫いたが、最後の評価には、批難するように叫んだ。
「む、胸を気にするなんて、アーサー様はほら、栄養状態がよくないからですよ。きちんと食べて、もっと動けば」
「私も毎日、剣術と武術をこなすくらいの体力はあるのですが、この胸は、平たい筋肉がつくだけで、成長の兆しもありません。亡き母も、立派なものでしたのに。お陰で、男装しても、女だとバレませんでしたけどね。私が半裸で農作業しても、誰も何も言いませんでしたね」
「もう、やっちゃダメですよ!!!」
「えー、胸ないのにー」
男だと偽っていた時は、農作業、半裸で平然とやっていたのだ。いや、母が生きている内は、ものすごく叱られたな。母亡き後は、私は半裸で農作業したけど。
「まあまあ、エリザの胸は価値があるので、そういうのが好きそうな人が見つかるといいですねー。せっかく貴族の学校に通っているのですから、運命の出会いがあるといいですが」
「アーサー様は、これという人はいましたか?」
「婚約解消してしまったヘリオスが髪をばっさり切ったのですが、物凄い美男子になってましたよ。惜しかったなー。ヘリオスを見た後では、どの男も、不格好に見えますね」
「………」
「ヘリオスは本当に惜しかったなー」
婚約解消、もうちょっと後でも良かったなー。ヘリオスとの婚約解消、ちょっと後悔していた。
そんな無駄話をしつつ、領地の一年計画は終了だ。一年計画といったって、農作業で年中無休である。こんな計画を立てるのは、領主として仕事していますよ、という姿を見せているだけである。
毎年、同じことの繰り返しだ。誰だって出来る。収穫後の計算が大変なんだよねー。その時は、さすがに学校休もう。私一人でも、貴重な労働力だ。
話がついたと判断した妖精憑きキロンは動き出した。私と領主代行が話し合っている間は、気配を断ち、沈黙していた。黙っていれば、立派な家令であり、執事であり、側近なんだけどなー。
茶と菓子を給仕すると、また、妖精憑きキロンは気配を消す。その間、領主代行は無言で、キロンの動きを目で追った。
「あの子どもが、こんなに立派になるとは」
「黙っていれば、立派なんですけどね」
いや、口を開いても、立派な時もある。だけど、すぐに素が出るのだ。だから、すーぐーに、残念になる。
元は、領地で迫害を受けていた妖精憑きキロンだが、亡き母が保護してから、人並の生活を受け、神殿で教育を受けて、今では、私よりも高い能力で、面倒臭い作業を片手間にこなすだけでなく、私の側にいるために、私の身の回り全てをキロン一人がこなしているのだ。
私は給仕された茶と菓子を見る。こいつ、この茶と菓子の材料まで、作ってるのだ。見方によっては、気持ち悪い奴だな。
そんなこと知らず、ちょっと顔を緩めて口にする領主代行。それ、材料から全て、キロンが手がけたんですよー。知ったら、どんな顔になるのやら。知らないって、ある意味、幸福だね。
そんな新たな幸福の種類を見つけつつ、別の話を持ち出した。
「義母はどうしていますか? あれから、義母の扱いは、父親であるあなたに任せましたが」
ちょっと前、領地内で内乱があった。父、義母、義兄、義妹が領地を乗っ取り返そうと、領地民を扇動して、この屋敷を強襲したのである。だけど、結局、私は領地民とは和解し、領地民も心を改め、父たちを捕縛して、内乱は終結したのである。
領地民は父たちに扇動されただけなので、私は許した。我が家にも悪いところはあったから。ほら、子爵家の借金を領地民にも払わせていたから。だけど、父たちは、そんな領地民の上に立ち、悠々自適に暮らしていたのだ。それなのに、気に食わないから、と私が持っている領主の権限を奪おうとしたわけである。さすがに、これを許すわけにはいかない。
まだ未成年の義兄と義妹は、再教育で許した。教育したのは、義母だから、それが間違いだったということだ。
父は、いい加減、他所に種を巻いて、問題を大きくするかもしれないので、去勢した。そのせいで、浮気した実の父を去勢する女、なんて悪名が広がった。
そして、義母は平民であるため、貴族とは違って、罪は重い。犯罪奴隷として、犯罪者の焼き鏝を押され、奴隷の契約により、領地から出られず、領地民たちの奴隷となったのである。
この犯罪奴隷、義母だけではない。我が家の元使用人たちもだ。元使用人たちは、父たちと繋がり、領地民たちを扇動するつなぎ役となったのである。
こうして、犯罪奴隷となった者たちは、それぞれ、実家に戻されたのだ。家族で面倒みなさい、ということである。
その後、犯罪奴隷たちはどうなったのか、定期的に調査している。だいたいは、家族だけでなく、領地民たちからも冷たく見られながらも、人並な生活を営んでいる。ようは、農作業を手伝っているのだ。この犯罪奴隷の期間は、厳密には決めていない。ただ、契約では、従量制である。きちんとこなしていれば、その内、契約が解除されるのだ。逆にいえば、あまり逆らうと、引かれてしまうので、年季が長くなるという。
具体的な数字は犯罪奴隷たちにも、その家族にも教えていない。問題は、皆で解決してもらえればいいのだ。一度は過ちを侵してしまったが、私は、領地民とは仲良くやっていきたいので、犯罪奴隷といえども、きちんと償い、心根を入れ替えるのであれば、年季明け後、何かすることはない。同じ領地民扱いをするつもりだ。
義母リサもそうだ。父と結婚したが、リサもまた、領地民である。年季明けをはやくするといいな、とは思っている。
他の犯罪奴隷と同じように、現状調査のために、リサの父である領主代行に質問しただけである。世間話だよ。
ところが、領主代行は怒りに震えていた。顔まで真っ赤にして怒っている。
「あの女は、もう、悔い改めることもない!! 家のことを手伝えといっても、部屋から出てこない。食事を与えても、こんなもの、と拒否する。その度に、とんでもない罰を受けているというのに、リサは、アーサー様を恨むばかりだ!! もう、リサは生かしておいてはいけません」
「どうして、義母は、あんな風になったのでしょうか」
そこが疑問だ。リサと領主代行は親子にしても、性格が違い過ぎる。母親似なのか? と考えたこともあるのだが、リサの兄弟姉妹は、あそこまで、身の程知らずではないのだ。
リサの兄弟姉妹は、犯罪奴隷とはならなかった。父親である領主代行の裏切りと、その理由を知って、すぐに心根を入れ替えたのだ。そして、リサを強く恨んだ。皆、リサの口車に乗ってしまっただけである。誰だって、ちょっといい思いをしたい。リサが子爵夫人となったので、そのおこぼれが貰える、と考えただけである。
現実を知れば、きちんと反省する。すぐに、リサの兄弟姉妹は、反省して、私に深く謝罪した。今では、私を見ると、笑顔で挨拶して、頭を下げる。
だけど、リサだけは、私に深い恨みを抱いている。態度だって改めない。自分は特別だ、とでもいうように、下働きを拒否する。そうして、年季が伸びていくのだ。
「もしかすると、リサだけ、違うのかもしれない。そういう噂が、流れたことがある。妻が浮気したんじゃないか、と」
それを聞いて、ふと思いつくのは、妖精憑きキロンである。
キロンは長年、領地内にある、妖精封じを施された小屋に閉じ込められていた。後で確認したのだが、あの小屋、鍵なんかされていないのだ。誰もが、あの小屋は出入り出来た。
亡き母と辺境の教皇フーリード様が、領地民一人一人を呼び出し、聞き取り調査したのだ。その結果は、私には伏せられたが、母とフーリード様は、キロンの扱いに、とても悩んでいた。
キロンを保護するために小屋に行った時、父が素っ裸でキロンの上に圧し掛かっていた。キロンは抵抗らしい抵抗をしていなかった。
つまり、そういうことだ。私は、キロンの過去をなんとなく、悟った。発見されたばかりのキロンは、見た目、子どもではあったが、実際は大人なんだ。しかも、百年近く生きていると予想している。もしかすると、キロンの子や孫が、どこかにいるかもしれないのだ。
そこまで考えて、私は口をおさえた。
「アーサー!!」
すぐに私の異変を察知したキロンが私を抱きかかえた。キロンの胸に顔を埋め、胸の鼓動を聞くと、少しだけ、落ち着いた。
「アーサー様、働きすぎです。今日は休んでください」
私が真っ青に見えたのだろう。領主代行は、慌てて、屋敷から出て行った。
有言実行をすることにした。なんだかんだと言い訳する義兄リブロを無理矢理、禁則地付近の農地に連れて来た。体だけは一人前だから、妖精憑きキロンにお願いした。あんなんで、騎士を目指すって、触ってみたけど、ぶよぶよだよ!!
「アーサー様、女性なんですから、わかっていますね」
「………」
返事をしない。まだ、女と知られてなかった昨年は、上半身素っ裸で作業したよ。上半身、こんがり、真っ黒になったね。
とりあえず、日焼けして、見苦しくないように、袖を肩までまくって、作業を始める。今日は、草むしりと土おこしである。
「なんで、貴族の俺が」
「口だけでなく、手も足も動かせー。義兄上はそこ一帯ですからねー。終わるまで、作業ですー」
「こんなに!?」
「女の私も同じだけやるのに、何言ってるんですか。ほら、やる」
もう、ちょっとやっただけで動かなくなる義兄リブロ。どんだけダメなの、こいつ!!
私は、こつとかわかっているので、無駄な体力を使わず、作業する。経験が違うよ、経験が。
二人一組での作業である。私はもちろん、妖精憑きキロンである。キロンは、こういうトコも、器用にこなすんだよ。私が草むしりを半分終わる頃には、土おこしするキロンに追いつかれる。
「アーサー、少し休んだらどうだ? ほら、体調悪そうだし」
「うん、なんか、お腹痛い」
数日前から、気分が悪い感じだ。何か悪いもの食べたかなー? 腐ったものでも、私、お腹壊したことがないのになー。
「先日も、顔色が良くなかったですよ。一人で無理しすぎです。おい、リブロ、アーサー様の分もやれ!!」
「そんなぁー」
領主代行はリブロにとっては、祖父である。いくらリブロが貴族扱いといえども、領主代行は孫だからと厳しい。私の母方の祖父も、昔はこんな感じだったな。孫だから、と世の中全ての祖父が優しくなるわけではない。
キロンは、私を木陰に連れて行ってくれた。シートをひいて、その上に私を座らせてくれる。
「アーサー、無理するな。あれくらい、俺一人であっという間に終わらせる」
「妖精憑きの力を使っちゃいけないんだよ」
「どうにかなるだろう」
こいつ、使うつもりだな。
あまり知られていないが、禁則地周辺では、妖精憑きの魔法を使うことは禁止されている。魔道具や魔法具を使わないのは、そのためである。使えない、と私は言っているが、実際は、使わせないのだ。
禁則地で魔法を使うことは、妖精にとっては無礼なことである。いくら、妖精憑きといえども、禁則地にいる妖精たちは許さない。とんでもない復讐を行うのだ。だから、禁則地周辺では、妖精憑きの力で動く魔道具や魔法具を使わず、手作業なのだ。
キロンは、何かと会話しているようで、宙を見ている。妖精とお話してるんだな。きっと、妖精と交渉してるんだ。
私は痛むお腹に、どんどんと気持ち悪くなってくる。ううう、頭も痛いし、病気なのかな? そんなものがぐるぐると頭の中を回っていると、気づいたら、寝てた。
気づいたら、屋敷で眠っていた。起きるとすぐ、妖精憑きキロンが部屋に入ってきた。
「作業はどうなった?」
「起きてすぐ、領主するのやめてー!!!」
「大事なことだから」
だって、まだ代理だけど、領主だから。体調崩したって、領主の仕事を去勢しちゃった父ネロにやらせるわけにはいかない。
私が倒れたことで、心配だったのか、領主代行と数名の領地民が部屋に入ってきた。
「今日の分は終わらせましたから、心配いりません。それよりも、おめでとうございます」
「聞きましたよ」
「月のものがきたとか」
「………胸がなくても、妊娠出来るのか。授乳はどうするんだろう」
『………』
その場にいる全員が、笑顔のまま沈黙する。え、子育てで胸って、重要だよ!!
「アーサー様は、そのー、貴族ですから、乳母を雇えば」
「そうですよ!! 同じ頃に子を産んだ者たちで、アーサー様のお子様を面倒みますよ」
「でも、成長するかもしれません」
きっと、これまで、体が女の準備中だったからだ。これから、胸が成長するかも、なんて期待して見て、触ってしまう。私の唯一といっていい欠点であり、汚点といえば、この平べったい胸である。
「アーサー、俺が聞いた話だと、揉んでもらうと大きくなるって」
「キロンっ」
「このバカ!!」
「なんて事をいうの!!」
相手は妖精憑きだってのに、全員で、キロンを床におさえこんで、口まで塞いだ。
私は、無言で、領地民たちの下敷きにされるキロンを見下ろした。
「知ってる。さすがに、やってもらうのは無理だから、自分でやってみた。でも、効果なかった」
「だから、誰かに」
「変態」
「っ!?」
「やっぱり、私の側にくる妖精憑きは皆、変態だ!! キロンの変態!!!」
私のトラウマを見事刺激するキロン。とうとう、私は半泣きになって、キロンに手あたりしだい、つかめる物をなげつけた。
目出度いことは目出度いことである。何故か、その日の内に、王都にいるはずの女帝レオナ様がお祝いに、と美味しいケーキを持ってきてくれた。一人で食べきれないくらい大きなホールである。
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