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辺境の三大貴族
もう一人の妖精憑きのお気に入り
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まだ、体調が悪いというのに、学校に行けば、すっかり、私の悪評が広がって、生徒たちから距離をとられていた。
どれかなー? 浮気した父親を去勢した話かな? それとも婚約解消した男を泣かせた話かな? それとも、妖精憑きを馬車馬のごとく働かせている話かな? ぱっと思いつくのはこれくらいだけど、私の知らない何かが、他にもあるかもしれない。
こういう悪評が広がる、ということは、義兄リブロと義妹エリザが話したということである。あーいーつーらー、何やってくれたんだよ!!
それで、体調も悪いので、今日の私には余裕がない。お腹はまだ痛いし、食欲がないので、朝食も抜いて、妖精憑きキロンが心配そうに私を見ている。きっと、私の顔は怒っているように見えるかもしれない。
廊下がざわめいてきた。そのざわめきは、私がいる中級クラスに入ってきた。
上位クラスの、いかにも上位貴族っぽいお嬢さんが入ってきた。お嬢さんの傍らには、綺麗な男の子が一緒に行動している。
お嬢さん、まっすぐ、私の元にやってきた。
何かもの言いたげに私を見下ろす。あれか、座ったままだから、立て、というのだな。しかし、立つのが辛いんだよなー。
私が無言で見上げていると、突然、キロンがお嬢さんの隣りいる男の子につかみかかった。
「俺のアーサーに近づくな!!」
「やめなさい、キロン!!!」
この男の子、妖精憑きだ!! キロンの反応は日常茶飯事だ。神殿に行けば、一度は、こういうことするんだ。だから、すぐに反応して、私はキロンと綺麗な男の子の間に入った。
「て、どうして、妖精憑き?」
場所は貴族の学校である。妖精憑きが普通にいるような場所ではない。キロンは、妖精憑きだけど、特別に許可を貰って、私の側にいるのだ。
「子爵のくせに、無礼ね。わたくしの妖精憑きに何をするのよ」
「妖精憑きは、持ち物には出来ないけど」
相手がどこの誰かはともかく、そこは訂正する。たかが貴族が、妖精憑きを所有することは不可能だ。だって、妖精憑きは帝国のものである。
「頭が悪いわね!! わたくしは、魔法使いのお気に入りよ!!!」
「魔法使い? 妖精憑きではなく?」
「妖精憑きは魔法使いのことでしょう!!」
「違います。魔法使いは、選ばれた妖精憑きです。きちんと実力が認められて、魔法使いの衣服を与えられます。その子は、魔法使いの衣装を着ていません。だから、妖精憑きです」
私はそこの所を厳しく訂正する。とても大事なことだ。
魔法使いは、妖精憑きの中でも選ばれた者だ、という自尊心が強い。そこら辺の妖精憑きと一緒にされることを魔法使いは嫌うのだ。
だから、私はキロンのことを妖精憑きと呼ぶ。決して、魔法使いとは呼ばない。
私の訂正に、自尊心を傷つけられたのか、お嬢さんは怒りで顔を歪める。
うう、また気分悪い。私はどっこいせ、と座る。
「どうして座るのよ!!」
「初の月の物がきて、大変なんです。女って、こんなのが毎月くるのかー、大変だー」
「そ、そう、おめでとう」
「ありがとうございます」
お嬢さん、根はいい子なのかもしれない。私はお祝いされて、ちょっと嬉しくなった。
だけど、すぐにお嬢さんは偉そうにふんぞり返った。
「これまでは、妖精憑きのお気に入りはあなただけだったけど、これからは、次席であるわたくしもよ!!」
「そうですか。大変ですねー。妖精憑きは嫉妬深いですから、気をつけてくださいね」
「っ!?」
「アーサー、そんなぁ!?」
お祝いどころか、気の毒に、なんていうから驚くお嬢さん。そして、キロンは半泣きになって、私にしがみついてきた。
「ほら、すぐ、くっついてくる。妖精憑きの扱いは気をつけないと、帝国が大変なこととなります。そこの所、神殿から聞いていますか?」
「え、そ、その、まだ、報告だけで」
「まだ、認定されていないのかー。じゃあ、知らないのは当然ですね」
一応、私は妖精憑きのお気に入りとして、帝国から認定を貰っている。認定を貰うと、面倒くさい講習を受けるのだ。これがまた、眠くなるの。もう、本一冊でいいよ。読むから。
という感じで講習を受けて、無事、卒業である。やっと目出度く、妖精憑きのお気に入りである。妖精憑きのお気に入りになると、色々と優遇されるのだけど、私の領地には何もない。いやー、優遇って、王都中心だから。ど田舎には向かないね!!
目の前にいるお嬢さんは、優遇は扱えそうな感じ。見るからに、上位貴族だもん。
「私はアーサー。妖精憑きのことで、わからないことがあったら、聞いて。教皇フーリード様とも長いお付き合いだから、詳しいよ」
「きちんと、魔法使いに聞くわ。もう、妖精憑きのお気に入りだからと、自慢しないように」
「………」
そういう噂も流れているのか。私は笑顔のまま、無言を貫く。下手なことは言わない。こういう時は、無言で笑って誤魔化そう。後で言った言わないと、よくわからない争いになるから。
「わたくしは、一年次席、侯爵のシリアよ!!」
「ご丁寧にありがとうございます。着座のままのご無礼をお許しいただき、ありがとうございます」
あくまで、私は下からの態度である。侯爵令嬢シリアは、ふんと鼻で笑い飛ばして、教室を出ていった。
「なんだ、あの女」
「妖精憑きのお気に入りとなったから、自慢したいんだよ。最初はいいけど、後がねー」
「え、俺のこと、自慢した?」
「我が領地は、妖精憑きが嫌われているから、逆だよ、逆」
「そんなぁ」
情けない声をあげて落ち込むキロン。仕方ない。大昔の妖精憑きは、ただの人を奴隷のように扱ったという。その恨みは口伝で伝わり、今も、妖精憑きを親の仇のように見る教育をされているのだ。
私はきっと、他人に興味がない。それどころではない生活をしているからだ。余裕がないんだよね。手一杯なんだよ。その手一杯の中で、妖精憑きキロンの対応が無理矢理、ねじ込まれているのだ。
移動すると、キロンが何かやったりしないよねー、と目を光らせている。皆さん、妖精憑きキロンが私の面倒を見ている、と思っているでしょう。違うよ、私が妖精憑きキロンを監視してるの。こいつ、ちょっと目を離すと、妖精憑きにつかみかかるから。
そう、妖精憑きが貴族の学校にもう一人いる、ということは、気をつけないといけないのだ。そんな大事なこと、どうして、辺境の教皇フーリード様は教えてくれなかったの!!
お昼休みなんか、大移動である。こうなると、ただの人がちょっとぶつかっただけでも、キロンは攻撃する。ここ数日で、キロンの危険を見たり、聞いたり、身をもって経験をした生徒たちは、背の高いキロンを見ると、すぐに道を開ける。
だけど、侯爵令嬢シリアをお気に入りとする妖精憑きはちっちゃいのと、きっと、お行儀がいいのか、大人しい。いいな、大人しくて。キロンももうちょっとでいいから、大人しくしてほしい。
私は侯爵令嬢シリアとは距離をおいて、適当な席に座って、キロンお手製のお弁当を広げる。キロン、私の胃袋まで掴もうとしているな。美味しいけど。
もりもりとキロンお手製のお弁当を食べて、キロンがもってきてくれたお茶を飲んで、とある意味、一人弁当をしていると、視界の端に、見覚えのある人が横切った。
「フーリード、なんでいるんだ!?」
お前はどうして、妖精憑きがいるとわかると、つかみかかるのかな!!
私は食事も途中に、キロンを追いかけた。
辺境の教皇フーリード様だけではない。教師数人が一緒に、侯爵令嬢シリアの前に立つ。
「何か御用ですか?」
「妖精憑きを連れての登校は許可されていません。それ以前に、あなたは、まだ、妖精憑きのお気に入りの審査中です。今すぐ、妖精憑きと帰宅してください」
物凄く冷たい声でいうフーリード様。いつものフーリード様とは違う。
「きちんと認定を受けているものと思って、そのまま受け入れてしまいました。前例が一例だけと、少ないため、対応を間違えてしまいました。学校側にも責任があります。後で、謝罪に伺います」
教師が侯爵令嬢シリアに頭を下げた。
しかし、侯爵令嬢シリアは納得しない。
「あの女は良くて、どうして、わたくしはダメなの!! わたくしは、辺境の三大貴族の一つ、侯爵家よ!!!」
「帝国での決まり事です。妖精憑きのお気に入りを認定するのは、神殿ではありません。王都から力ある魔法使いを呼び寄せることとなります。魔法使いを動かすことは、簡単なことではありません。だから、認定が決定するまでは、ご自宅で過ごしてください、と言いました」
「いつまでよ!!」
「例え、辺境の三大貴族の一つである侯爵家といえども、帝国の手続きを省略することは許されません。そんなにお急ぎでしたら、侯爵家の権力を駆使してください。王都まで届くといいですね」
「お父様に言いつけてやるんだから!!! そうしたら、神殿への寄付も減額されるわよ」
「どうぞ、ご自由に。神殿は寄付を受けたから、とその者を優遇するわけではありません。また、神殿は寄付を強要することはありません。寄付は、善意です。寄付が出来ないほど貧しい者には、神殿から施しを与えます」
「っ!?」
逆効果だ。これでは、侯爵家は、神殿に寄付が出来ないほど金に困っている、と言われてしまう。侯爵令嬢シリア、次席だというが、勉強が出来るだけで、頭悪いな。
貴族のわかりにく言い回しで、辺境の教皇フーリード様は侯爵令嬢シリアをぼっこぼこにする。
「なあ、フーリード、そんな弱っちい妖精憑き、いちいち、警戒しなくていいだろう。俺がいれば、簡単におさえつけられるぞ。こんなふうに」
妖精憑きキロンは、たくさんの人がいるというのに、妖精憑きの男の子を床におさえつけてしまう。
「何やってんだ、お前は!!」
私は容赦なく、キロンを蹴った。いいとこに入って、キロン、吹っ飛んだ。
「あ、アーサー、あなたは、まがりなりにも、女性ですから」
「フーリード様、お邪魔してしまって、すみません!! キロン、頭を下げろ」
吹っ飛んだキロンの頭を踏みつける。お前は本当に、何やってくれてんだよ!!
「く、くそ、俺、悪くないのに」
「何もしてない妖精憑きにすぐつかみかかるな!! このままだと、神殿出入り禁止になっちゃうだろう!!!」
「それ、いいな」
「悪いわ!!」
私はキロンの頭を踏みつける足に体重をかけた。こいつ、しぶといな。
「アーサー、もういいですよ。アーサーのことは、出入り禁止になんて、絶対にしませんから。いつでも歓迎します」
「すみませんすみませんすみません!!! 次行く時は、いつもの二倍、寄付します!!!」
「そういうこと言わないでぇ!!!」
フーリード様は慌てて、私の口を塞いで、軽々と持ち上げた。
「てめぇ、俺のアーサーだぞ!!」
「キロン、お座り!!」
「いやだーーーーー!!!」
無茶苦茶になった。
この後、私は辺境の教皇フーリード様に説教された。
どんな取引や話し合いが行われたのか、侯爵令嬢シリアは、まだ、妖精憑きのお気に入りの認定を貰ってはいないが、特例として、妖精憑き同伴の登校の許可が出た。
「あー、やってしまったー」
私は周囲の視線と雰囲気で、落ち込んだ。昨日、妖精憑きキロンをぶっ飛ばして、踏みつけて、とても貴族のご令嬢とはほど遠いことをやったので、私のこと、猛獣使いみたいに見られている。ちなみに、猛獣は、妖精憑きキロンである。確かに、制御出来ないよね、こいつ。
でも、仕方がない。ちょっと前まで、男やってたんだ。法律が変わる前は、男しか爵位を受け継げなかった。だから、私は女だけど、男装していたのだ。だけど、法律が変わって、女でも爵位を受け継げるようになったので、私は女であることを正直に申告したのである。
女と申告したって、男として育てられたのだ。出るよ、そういうトコ。
私は下半身が寒く感じるスカートを見下ろす。まだ、これ、着なれないんだよな。帰宅すると、すぐ、男装である。私の女物の服、ないんだよね、今だに。無駄遣い出来ないから、仕方がない。
担任の教師は、もうすっかり、悟りを開いているので、妖精憑きキロンに目をあわせないで話をする。ちょっと前、目があった瞬間、キロンがつかみかかったんだよね。本当に、こいつ、何やってくれてんだよ。
「皆さんもご存知の通り、今月末は、生徒会主催の舞踏会です。絶対ではないが、パートナーがいるなら、パートナーとの入場となる。あと、制服では参加しないように。ドレスがない場合は、学校から貸出するので、早めに申請するように」
………ご存知だけど、まずいことに気づいた。
貴族の学校では、社交の練習とか、親睦を深めるとかで、年に一度、舞踏会を行うのだ。この舞踏会、生徒会の初仕事だという。
一応、貴族の学校なので、正装である。制服は負荷。だから、義兄も義妹も、このために、わざわざ作ったな。今年も作ったんだろうなー。後で請求書、見てみよう。学校で貸してもらえばいいのにね。
私は、貸出はダメなんだ。ほら、次期子爵だから。実は、義兄と義妹はけちっても、私はけちっちゃいけないのだ。
なのに、逆になっている。それもこれも、私が一年遅れて入学したからだ。義妹と同学年であれば、逆に義妹は貸衣装でないといけないのだ。私の顔を潰すこととなる。義兄は、新しく作らず、流行遅れのものを着なければならない。そうして、私の顔を立てないといけないのだ。
というのに、あいつら、好き放題しやがって。私は昨年、入学する予定だったから、一年前に作ってしまっていた。悔しいことに、体は成長していないっぽい。もしかして、キロンによって、体の成長止められてない? だから、胸も小さいのか!?
おかしなことを考えてしまうのも、お腹が痛くて、気持ち悪いからだろうね。そうに違いない!!
注意事項だけ話して、担任は退場である。すぐに、教室は賑やかになる。
「アーサーのパートナーは俺で決まりだな!!」
「え、一人で入場するよ。お前は私の後ろで突っ立ってろ」
「アーサー!!」
ちょっと冷たくすると、キロンは泣きついてくる。鬱陶しいなー。
私がキロンを押し離しているところに、侯爵令嬢シリアの妖精憑きがやってきた。可愛い男の子だな。昔のキロンと筆頭魔法使いティーレットを思い出してしまう。つい、この妖精憑きの男の子を違う目で見てしまう。大丈夫、きっと、たぶん、見た目通りの年齢だよ。
「失礼します、アーサー様。お嬢様が、お茶会にお呼びです」
「お茶会には、参加した経験がありませんので、きっと、失礼なことをしてしまいます。すでに、昨日、しましたし」
食堂での出来事で、さすがの侯爵令嬢シリアも、真っ青になって怯えていた。あんなの、日常茶飯事なんだけどね。領地では常識、領地外は非常識、だね!!!
「………」
「あ、はい、行きます、喜んで、行かせてください」
可哀想になってきた。妖精憑きの男の子、今にも泣きそうだ。これは行かないと、妖精憑きの男の子が困ることとなる。
こうして、私は貴重なお昼休みを侯爵令嬢シリアとお茶会することとなった。
お呼ばれしたから、何かお土産を準備するものだが、急なことなので、何もしていない。
私はね。妖精憑きキロンは、材料さえあれば、魔法でお菓子を作ってしまえるのだ。常に材料を持ち歩いているキロン。よくわからないけど、魔法で別空間を作って、そこに収納? しているらしい。聞いたけど、本当にわからないよ。そういうもの、と私は納得することにした。同じことを辺境の教皇フーリード様に話したら、ドン引きされた。キロン、実は変なんだな。
というわけで、手土産持って、お手紙に書かれた場所に行けば、侯爵令嬢シリアだけでなく、何故か、義妹エリザと、もう一人の令嬢がいた。
「お久しぶりです、伯爵令嬢フローラ」
「入学、おめでとう、アーサー。まさか、女だったとは。今年の舞踏会のエスコートをぜひ、アーサーにお願いしようとしたのに」
「まったまたー、フローラなら、どの男性も、大喜びで申し込みますよ」
「男装でエスコートしてもらってもいいんだぞ」
「………」
今、大事なことを思い出したような気がした。だけど、すぐに忘れてしまう。どうにか思い出そうと考え込んで、黙り込んだ。
「フローラとアーサー、お知り合いだったの?」
侯爵令嬢シリアは驚いていた。
「フローラの家の方針で、職業体験をすることとなっているそうです。辺境の食糧庫である我が領地に、一か月ほど、農業体験に来たんですよ」
「あの時は、辛いやら、苦しいやら、酷かった。朝は早く、夜は暗くなるとさっさと就寝。なのに、君は、朝早く起床して、農地の視察をして、同じように農作業をして、夜には領地運営の話し合いをして、とすごかった」
「えー、馴れですよ、馴れー」
物心ついた頃からびしばし教育され、そういうのが普通なんだ。私は笑ってしまう。それを聞いたフローラは、私のことを化け物のように見た。
「男だと思っていたから、そういうものだと思っていたが、女だと知った今、そういうものではない、と思う。確か、剣術と体術も嗜んでいるね」
「まあ、男として貴族の学校に通うこととなっていましたからね。毎日、しごかれてますよ」
「今もやっているのか!?」
「もう、習慣なので、やらないと、物足りなくなっちゃうんです。今は、学校に通っているので、早朝に体術と剣術の稽古をいれています。領地民の皆さんには、お手伝い出来なくて、申し訳ないです」
「君は、すごいな」
えー、普通なのにー。フローラがあまりにも驚くものだから、侯爵令嬢シリアは首を傾げて、義妹エリザを見る。エリザは、気まずい、みたいに俯いた。
どれかなー? 浮気した父親を去勢した話かな? それとも婚約解消した男を泣かせた話かな? それとも、妖精憑きを馬車馬のごとく働かせている話かな? ぱっと思いつくのはこれくらいだけど、私の知らない何かが、他にもあるかもしれない。
こういう悪評が広がる、ということは、義兄リブロと義妹エリザが話したということである。あーいーつーらー、何やってくれたんだよ!!
それで、体調も悪いので、今日の私には余裕がない。お腹はまだ痛いし、食欲がないので、朝食も抜いて、妖精憑きキロンが心配そうに私を見ている。きっと、私の顔は怒っているように見えるかもしれない。
廊下がざわめいてきた。そのざわめきは、私がいる中級クラスに入ってきた。
上位クラスの、いかにも上位貴族っぽいお嬢さんが入ってきた。お嬢さんの傍らには、綺麗な男の子が一緒に行動している。
お嬢さん、まっすぐ、私の元にやってきた。
何かもの言いたげに私を見下ろす。あれか、座ったままだから、立て、というのだな。しかし、立つのが辛いんだよなー。
私が無言で見上げていると、突然、キロンがお嬢さんの隣りいる男の子につかみかかった。
「俺のアーサーに近づくな!!」
「やめなさい、キロン!!!」
この男の子、妖精憑きだ!! キロンの反応は日常茶飯事だ。神殿に行けば、一度は、こういうことするんだ。だから、すぐに反応して、私はキロンと綺麗な男の子の間に入った。
「て、どうして、妖精憑き?」
場所は貴族の学校である。妖精憑きが普通にいるような場所ではない。キロンは、妖精憑きだけど、特別に許可を貰って、私の側にいるのだ。
「子爵のくせに、無礼ね。わたくしの妖精憑きに何をするのよ」
「妖精憑きは、持ち物には出来ないけど」
相手がどこの誰かはともかく、そこは訂正する。たかが貴族が、妖精憑きを所有することは不可能だ。だって、妖精憑きは帝国のものである。
「頭が悪いわね!! わたくしは、魔法使いのお気に入りよ!!!」
「魔法使い? 妖精憑きではなく?」
「妖精憑きは魔法使いのことでしょう!!」
「違います。魔法使いは、選ばれた妖精憑きです。きちんと実力が認められて、魔法使いの衣服を与えられます。その子は、魔法使いの衣装を着ていません。だから、妖精憑きです」
私はそこの所を厳しく訂正する。とても大事なことだ。
魔法使いは、妖精憑きの中でも選ばれた者だ、という自尊心が強い。そこら辺の妖精憑きと一緒にされることを魔法使いは嫌うのだ。
だから、私はキロンのことを妖精憑きと呼ぶ。決して、魔法使いとは呼ばない。
私の訂正に、自尊心を傷つけられたのか、お嬢さんは怒りで顔を歪める。
うう、また気分悪い。私はどっこいせ、と座る。
「どうして座るのよ!!」
「初の月の物がきて、大変なんです。女って、こんなのが毎月くるのかー、大変だー」
「そ、そう、おめでとう」
「ありがとうございます」
お嬢さん、根はいい子なのかもしれない。私はお祝いされて、ちょっと嬉しくなった。
だけど、すぐにお嬢さんは偉そうにふんぞり返った。
「これまでは、妖精憑きのお気に入りはあなただけだったけど、これからは、次席であるわたくしもよ!!」
「そうですか。大変ですねー。妖精憑きは嫉妬深いですから、気をつけてくださいね」
「っ!?」
「アーサー、そんなぁ!?」
お祝いどころか、気の毒に、なんていうから驚くお嬢さん。そして、キロンは半泣きになって、私にしがみついてきた。
「ほら、すぐ、くっついてくる。妖精憑きの扱いは気をつけないと、帝国が大変なこととなります。そこの所、神殿から聞いていますか?」
「え、そ、その、まだ、報告だけで」
「まだ、認定されていないのかー。じゃあ、知らないのは当然ですね」
一応、私は妖精憑きのお気に入りとして、帝国から認定を貰っている。認定を貰うと、面倒くさい講習を受けるのだ。これがまた、眠くなるの。もう、本一冊でいいよ。読むから。
という感じで講習を受けて、無事、卒業である。やっと目出度く、妖精憑きのお気に入りである。妖精憑きのお気に入りになると、色々と優遇されるのだけど、私の領地には何もない。いやー、優遇って、王都中心だから。ど田舎には向かないね!!
目の前にいるお嬢さんは、優遇は扱えそうな感じ。見るからに、上位貴族だもん。
「私はアーサー。妖精憑きのことで、わからないことがあったら、聞いて。教皇フーリード様とも長いお付き合いだから、詳しいよ」
「きちんと、魔法使いに聞くわ。もう、妖精憑きのお気に入りだからと、自慢しないように」
「………」
そういう噂も流れているのか。私は笑顔のまま、無言を貫く。下手なことは言わない。こういう時は、無言で笑って誤魔化そう。後で言った言わないと、よくわからない争いになるから。
「わたくしは、一年次席、侯爵のシリアよ!!」
「ご丁寧にありがとうございます。着座のままのご無礼をお許しいただき、ありがとうございます」
あくまで、私は下からの態度である。侯爵令嬢シリアは、ふんと鼻で笑い飛ばして、教室を出ていった。
「なんだ、あの女」
「妖精憑きのお気に入りとなったから、自慢したいんだよ。最初はいいけど、後がねー」
「え、俺のこと、自慢した?」
「我が領地は、妖精憑きが嫌われているから、逆だよ、逆」
「そんなぁ」
情けない声をあげて落ち込むキロン。仕方ない。大昔の妖精憑きは、ただの人を奴隷のように扱ったという。その恨みは口伝で伝わり、今も、妖精憑きを親の仇のように見る教育をされているのだ。
私はきっと、他人に興味がない。それどころではない生活をしているからだ。余裕がないんだよね。手一杯なんだよ。その手一杯の中で、妖精憑きキロンの対応が無理矢理、ねじ込まれているのだ。
移動すると、キロンが何かやったりしないよねー、と目を光らせている。皆さん、妖精憑きキロンが私の面倒を見ている、と思っているでしょう。違うよ、私が妖精憑きキロンを監視してるの。こいつ、ちょっと目を離すと、妖精憑きにつかみかかるから。
そう、妖精憑きが貴族の学校にもう一人いる、ということは、気をつけないといけないのだ。そんな大事なこと、どうして、辺境の教皇フーリード様は教えてくれなかったの!!
お昼休みなんか、大移動である。こうなると、ただの人がちょっとぶつかっただけでも、キロンは攻撃する。ここ数日で、キロンの危険を見たり、聞いたり、身をもって経験をした生徒たちは、背の高いキロンを見ると、すぐに道を開ける。
だけど、侯爵令嬢シリアをお気に入りとする妖精憑きはちっちゃいのと、きっと、お行儀がいいのか、大人しい。いいな、大人しくて。キロンももうちょっとでいいから、大人しくしてほしい。
私は侯爵令嬢シリアとは距離をおいて、適当な席に座って、キロンお手製のお弁当を広げる。キロン、私の胃袋まで掴もうとしているな。美味しいけど。
もりもりとキロンお手製のお弁当を食べて、キロンがもってきてくれたお茶を飲んで、とある意味、一人弁当をしていると、視界の端に、見覚えのある人が横切った。
「フーリード、なんでいるんだ!?」
お前はどうして、妖精憑きがいるとわかると、つかみかかるのかな!!
私は食事も途中に、キロンを追いかけた。
辺境の教皇フーリード様だけではない。教師数人が一緒に、侯爵令嬢シリアの前に立つ。
「何か御用ですか?」
「妖精憑きを連れての登校は許可されていません。それ以前に、あなたは、まだ、妖精憑きのお気に入りの審査中です。今すぐ、妖精憑きと帰宅してください」
物凄く冷たい声でいうフーリード様。いつものフーリード様とは違う。
「きちんと認定を受けているものと思って、そのまま受け入れてしまいました。前例が一例だけと、少ないため、対応を間違えてしまいました。学校側にも責任があります。後で、謝罪に伺います」
教師が侯爵令嬢シリアに頭を下げた。
しかし、侯爵令嬢シリアは納得しない。
「あの女は良くて、どうして、わたくしはダメなの!! わたくしは、辺境の三大貴族の一つ、侯爵家よ!!!」
「帝国での決まり事です。妖精憑きのお気に入りを認定するのは、神殿ではありません。王都から力ある魔法使いを呼び寄せることとなります。魔法使いを動かすことは、簡単なことではありません。だから、認定が決定するまでは、ご自宅で過ごしてください、と言いました」
「いつまでよ!!」
「例え、辺境の三大貴族の一つである侯爵家といえども、帝国の手続きを省略することは許されません。そんなにお急ぎでしたら、侯爵家の権力を駆使してください。王都まで届くといいですね」
「お父様に言いつけてやるんだから!!! そうしたら、神殿への寄付も減額されるわよ」
「どうぞ、ご自由に。神殿は寄付を受けたから、とその者を優遇するわけではありません。また、神殿は寄付を強要することはありません。寄付は、善意です。寄付が出来ないほど貧しい者には、神殿から施しを与えます」
「っ!?」
逆効果だ。これでは、侯爵家は、神殿に寄付が出来ないほど金に困っている、と言われてしまう。侯爵令嬢シリア、次席だというが、勉強が出来るだけで、頭悪いな。
貴族のわかりにく言い回しで、辺境の教皇フーリード様は侯爵令嬢シリアをぼっこぼこにする。
「なあ、フーリード、そんな弱っちい妖精憑き、いちいち、警戒しなくていいだろう。俺がいれば、簡単におさえつけられるぞ。こんなふうに」
妖精憑きキロンは、たくさんの人がいるというのに、妖精憑きの男の子を床におさえつけてしまう。
「何やってんだ、お前は!!」
私は容赦なく、キロンを蹴った。いいとこに入って、キロン、吹っ飛んだ。
「あ、アーサー、あなたは、まがりなりにも、女性ですから」
「フーリード様、お邪魔してしまって、すみません!! キロン、頭を下げろ」
吹っ飛んだキロンの頭を踏みつける。お前は本当に、何やってくれてんだよ!!
「く、くそ、俺、悪くないのに」
「何もしてない妖精憑きにすぐつかみかかるな!! このままだと、神殿出入り禁止になっちゃうだろう!!!」
「それ、いいな」
「悪いわ!!」
私はキロンの頭を踏みつける足に体重をかけた。こいつ、しぶといな。
「アーサー、もういいですよ。アーサーのことは、出入り禁止になんて、絶対にしませんから。いつでも歓迎します」
「すみませんすみませんすみません!!! 次行く時は、いつもの二倍、寄付します!!!」
「そういうこと言わないでぇ!!!」
フーリード様は慌てて、私の口を塞いで、軽々と持ち上げた。
「てめぇ、俺のアーサーだぞ!!」
「キロン、お座り!!」
「いやだーーーーー!!!」
無茶苦茶になった。
この後、私は辺境の教皇フーリード様に説教された。
どんな取引や話し合いが行われたのか、侯爵令嬢シリアは、まだ、妖精憑きのお気に入りの認定を貰ってはいないが、特例として、妖精憑き同伴の登校の許可が出た。
「あー、やってしまったー」
私は周囲の視線と雰囲気で、落ち込んだ。昨日、妖精憑きキロンをぶっ飛ばして、踏みつけて、とても貴族のご令嬢とはほど遠いことをやったので、私のこと、猛獣使いみたいに見られている。ちなみに、猛獣は、妖精憑きキロンである。確かに、制御出来ないよね、こいつ。
でも、仕方がない。ちょっと前まで、男やってたんだ。法律が変わる前は、男しか爵位を受け継げなかった。だから、私は女だけど、男装していたのだ。だけど、法律が変わって、女でも爵位を受け継げるようになったので、私は女であることを正直に申告したのである。
女と申告したって、男として育てられたのだ。出るよ、そういうトコ。
私は下半身が寒く感じるスカートを見下ろす。まだ、これ、着なれないんだよな。帰宅すると、すぐ、男装である。私の女物の服、ないんだよね、今だに。無駄遣い出来ないから、仕方がない。
担任の教師は、もうすっかり、悟りを開いているので、妖精憑きキロンに目をあわせないで話をする。ちょっと前、目があった瞬間、キロンがつかみかかったんだよね。本当に、こいつ、何やってくれてんだよ。
「皆さんもご存知の通り、今月末は、生徒会主催の舞踏会です。絶対ではないが、パートナーがいるなら、パートナーとの入場となる。あと、制服では参加しないように。ドレスがない場合は、学校から貸出するので、早めに申請するように」
………ご存知だけど、まずいことに気づいた。
貴族の学校では、社交の練習とか、親睦を深めるとかで、年に一度、舞踏会を行うのだ。この舞踏会、生徒会の初仕事だという。
一応、貴族の学校なので、正装である。制服は負荷。だから、義兄も義妹も、このために、わざわざ作ったな。今年も作ったんだろうなー。後で請求書、見てみよう。学校で貸してもらえばいいのにね。
私は、貸出はダメなんだ。ほら、次期子爵だから。実は、義兄と義妹はけちっても、私はけちっちゃいけないのだ。
なのに、逆になっている。それもこれも、私が一年遅れて入学したからだ。義妹と同学年であれば、逆に義妹は貸衣装でないといけないのだ。私の顔を潰すこととなる。義兄は、新しく作らず、流行遅れのものを着なければならない。そうして、私の顔を立てないといけないのだ。
というのに、あいつら、好き放題しやがって。私は昨年、入学する予定だったから、一年前に作ってしまっていた。悔しいことに、体は成長していないっぽい。もしかして、キロンによって、体の成長止められてない? だから、胸も小さいのか!?
おかしなことを考えてしまうのも、お腹が痛くて、気持ち悪いからだろうね。そうに違いない!!
注意事項だけ話して、担任は退場である。すぐに、教室は賑やかになる。
「アーサーのパートナーは俺で決まりだな!!」
「え、一人で入場するよ。お前は私の後ろで突っ立ってろ」
「アーサー!!」
ちょっと冷たくすると、キロンは泣きついてくる。鬱陶しいなー。
私がキロンを押し離しているところに、侯爵令嬢シリアの妖精憑きがやってきた。可愛い男の子だな。昔のキロンと筆頭魔法使いティーレットを思い出してしまう。つい、この妖精憑きの男の子を違う目で見てしまう。大丈夫、きっと、たぶん、見た目通りの年齢だよ。
「失礼します、アーサー様。お嬢様が、お茶会にお呼びです」
「お茶会には、参加した経験がありませんので、きっと、失礼なことをしてしまいます。すでに、昨日、しましたし」
食堂での出来事で、さすがの侯爵令嬢シリアも、真っ青になって怯えていた。あんなの、日常茶飯事なんだけどね。領地では常識、領地外は非常識、だね!!!
「………」
「あ、はい、行きます、喜んで、行かせてください」
可哀想になってきた。妖精憑きの男の子、今にも泣きそうだ。これは行かないと、妖精憑きの男の子が困ることとなる。
こうして、私は貴重なお昼休みを侯爵令嬢シリアとお茶会することとなった。
お呼ばれしたから、何かお土産を準備するものだが、急なことなので、何もしていない。
私はね。妖精憑きキロンは、材料さえあれば、魔法でお菓子を作ってしまえるのだ。常に材料を持ち歩いているキロン。よくわからないけど、魔法で別空間を作って、そこに収納? しているらしい。聞いたけど、本当にわからないよ。そういうもの、と私は納得することにした。同じことを辺境の教皇フーリード様に話したら、ドン引きされた。キロン、実は変なんだな。
というわけで、手土産持って、お手紙に書かれた場所に行けば、侯爵令嬢シリアだけでなく、何故か、義妹エリザと、もう一人の令嬢がいた。
「お久しぶりです、伯爵令嬢フローラ」
「入学、おめでとう、アーサー。まさか、女だったとは。今年の舞踏会のエスコートをぜひ、アーサーにお願いしようとしたのに」
「まったまたー、フローラなら、どの男性も、大喜びで申し込みますよ」
「男装でエスコートしてもらってもいいんだぞ」
「………」
今、大事なことを思い出したような気がした。だけど、すぐに忘れてしまう。どうにか思い出そうと考え込んで、黙り込んだ。
「フローラとアーサー、お知り合いだったの?」
侯爵令嬢シリアは驚いていた。
「フローラの家の方針で、職業体験をすることとなっているそうです。辺境の食糧庫である我が領地に、一か月ほど、農業体験に来たんですよ」
「あの時は、辛いやら、苦しいやら、酷かった。朝は早く、夜は暗くなるとさっさと就寝。なのに、君は、朝早く起床して、農地の視察をして、同じように農作業をして、夜には領地運営の話し合いをして、とすごかった」
「えー、馴れですよ、馴れー」
物心ついた頃からびしばし教育され、そういうのが普通なんだ。私は笑ってしまう。それを聞いたフローラは、私のことを化け物のように見た。
「男だと思っていたから、そういうものだと思っていたが、女だと知った今、そういうものではない、と思う。確か、剣術と体術も嗜んでいるね」
「まあ、男として貴族の学校に通うこととなっていましたからね。毎日、しごかれてますよ」
「今もやっているのか!?」
「もう、習慣なので、やらないと、物足りなくなっちゃうんです。今は、学校に通っているので、早朝に体術と剣術の稽古をいれています。領地民の皆さんには、お手伝い出来なくて、申し訳ないです」
「君は、すごいな」
えー、普通なのにー。フローラがあまりにも驚くものだから、侯爵令嬢シリアは首を傾げて、義妹エリザを見る。エリザは、気まずい、みたいに俯いた。
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