36 / 83
アーサー、アーシャ、アーサー
女帝レオナへ
しおりを挟む
貴族に発現した皇族アーサーが消息を断って、一年が経過した。アーサーのことを皇帝にするんだ、と言っていた筆頭魔法使いティーレットは、アーサーに置いてかれて、落ち込んだ。そのせいか、随分と真面目な筆頭魔法使いになってしまった。子どもっぽいところもなくなり、皆、筆頭魔法使いらしくなった、とティーレットを誉めた。
「詰まらない男になったな」
「レオナ様」
「アーサーがいなくなってから、平和すぎて、暇だ」
アーサーと出会ってからは、本当に色々とあった。アーサーは、復讐のために、身を削りながら、一つ一つこなしていった。時には、秘密にしていた皇族の身分を利用したりしたのだ。
そうして、アーサーを迫害していた領地民に復讐し、貴族だと言った嘘を暴き、実の父を見捨て、最後は、領地が抱える借金を返済し、どこかに行ってしまった。
最初は、王都に移動する、とわざわざ宣言してくれたから、アーサーのことを探したのだ。ところが、アーサーの妖精憑きキロンが巧妙にアーサーを隠したようだ。筆頭魔法使いティーレットでさえ、探し出せなかった。
そうして、アーサーは王都からどこかに移動したのだろう。もう、誰もアーサーを見つけられなかった。
「あれほどの人です。アーサーのことは、噂にでも流れるでしょう」
「そうだな。でないと、ティーレットが詰まらないままだ」
「いいんですよ、あれで」
「えー」
俺様には、今のティーレットは詰まらないし、足りない。アーサーと出会った頃のティーレットは、面白い男だった。
そうして、今日も、面白味のない作業の繰り返しである。皇帝なんて、やることは決まっている。飽きてきた。俺様じゃなくったっていいんだよ。だけど、皇帝をやめられない。それを賢者ラシフは絶対に許さないのだ。
皇帝なんて、なるつもりはなかった。だが、筆頭魔法使いであったラシフが熱烈に訴えてきたのだ。面倒臭かったが、無能な先帝が俺様を殺そうとしたので、仕方なく、返り討ちにしてやった。そうして、ラシフが都合のいいように、話が進められていって、今、女に戻って、女帝をしている。
「女帝陛下、今日のお仕事です」
すっかり、しおらしくなった筆頭魔法使いティーレットは側仕えに持たせた書類を賢者テラスに渡した。物静かな姿は、女も男も見惚れるほどの美しさだ。
貴族に発現した皇族アーサーを目の前にすると、ティーレットは子どもになったな。その片鱗すら、見られない。
賢者ラシフは、ティーレットの仕事ぶりに、満足そうに頷く。
「さすが、千年の才ですね。完璧です」
「全て、賢者ラシフの指導のお陰です」
「………」
優等生な受け答えに、賢者ラシフも、気持ち悪くなったようだ。ほら見ろ!! 詰まらんだろう。
ところが、突然、ティーレットの表情が、眠りから目覚めたように明るくなった。
「アーサーが戻ってきた!!」
「まさかっ!!」
「レオナ様!!」
ティーレットが叫んで駆けだすから、私は仕事なんか放り投げて、ついていった。その後を、賢者ラシフが溜息をつきながらついてくる。
ティーレットは城の中をすいすいと走っていく。昔のティーレットに戻ったようだ。大人になったね、と見られていたティーレットが走っている姿に、城で働いている者たちは、目を白黒させていた。そして、女帝である私が走っていくと、膝をついてひれ伏したのである。
ティーレットは、城の門へと直進していった。
城の門では、一年前に見たままの姿と恰好をした妖精憑きキロンが、腕に赤ん坊を抱きかかえて、門番につめ寄っていた。
「だからー、ティーレットを呼んでくれればいいんだよ!!」
「お前みたいな奴が、筆頭魔法使い様を気安く名前で呼ぶんじゃない!!」
「俺はいいんだよ!! 妖精憑きなんだから!!!」
「その恰好でか?」
妖精憑きは魔法使いである。キロンは、普通の服を着ている。魔法使いの衣装ではないから、門番はキロンを嘲笑った。
「面倒臭いな!! 城の魔法を吹っ飛ばしたっていいんだぞ!!! 俺が勝手に入ると、妙な警報が発動するから、我慢してやってるってのに」
「やってみろ!! 魔法使いになれない妖精憑きに、そんなこと、出来るわけがないだろう」
「よし、やろう」
「やめろぉーーーーーーー!!!」
そして、筆頭魔法使いティーレットが門番を押しのけて、妖精憑きキロンに抱きついて止めた。
「あー、ティーレット、元気だったか?」
「城の魔法を吹っ飛ばすな!! 大変なことになるぞ。お前も、簡単に、そんなこと言うんじゃない。魔法が吹っ飛ばされたら、責任をとれるのか!?」
「す、すみませんでしたーーーーーーー!!!」
門番は筆頭魔法使いティーレットに叱られ、その場でひれ伏して、大声で謝罪した。
改めて、妖精憑きキロンを俺様の執務室に迎えた。赤ん坊を抱いて歩くキロンは目立った。あれだな、俺様の関係者、と皆、噂してるだろうな。キロンは、力の強い妖精憑きだから、とても綺麗な見た目だ。キロンが抱いている赤ん坊のことも、俺様の子どもか孫みたい言われているかもしれない。
キロンは、腕に抱いていた赤ん坊を筆頭魔法使いティーレットに渡した。
「アーシャの子どもだ」
「やはり、そうか」
ティーレットが赤ん坊相手に大喜びしている様子から、そうじゃないか、と思った。
ティーレットは、赤ん坊を「アーサー」と呼ぶ。何か、妖精憑きなりに、赤ん坊に感じているようだ。
「アーサー、ではなく、アーシャは元気か?」
「アーシャは死んだ」
「………死んだ?」
キロンがあまりに平然というので、俺様は呆然となった。あんなに、妖精憑きキロンは、アーシャに執着していた。失ったなら、相当、辛いことのはずだ。
なのに、キロンは笑顔だ。
「あの赤ん坊は、お前の子でもあるのか?」
「そうだ。あんたたちと別れた時には、アーシャの腹の中にいた」
だから、アーシャは月の物の時のように、不安定だったのだ。
月の物の症状は、妊娠初期に似ていることがある。最後に見て、話したアーシャは、もうすぐ月の物でもくるのだろう、と思われるほど、不安定な感じだった。怒って、泣いて、当たり散らして、といつもの冷静さと落ち着きがなかった。
妊娠していた、というのなら、納得出来た。あんな大変な時に、キロンの子を宿すなんてなー。
アーシャは、お家騒動で、大変な時に妊娠だ。気づいていなかったとはいえ、そんなことしている場合じゃなかったはずだ。そこが、アーシャらしい、と笑ってしまう。
キロンは、ティーレットが赤ん坊をあやすのを笑って見ていた。手放しても、これっぽっちも心配しない。
「アーシャが死んだから、わざわざ、報告のために来たのか」
「そんなことのために、ここに来ない。人が生きようが死のうが、あんたたちはどうだっていいだろう」
「アーシャはそうじゃない。どうしているか、ずっと気になっていた」
「そうなのか」
妖精憑きキロンは首を傾げる。わかっていないな。この男は、幼い頃からずっと、辺境で、小さな小屋に閉じ込められて生きていた。百年近く生きている、と言われているが、そのほとんどを狭い小屋の中で過ごしたのだ。だから、人の感性が理解出来ない。
ただ、欲望のままに生きている。アーシャが欲しいから、アーシャの側にいて、アーシャが持つ物全てを手に入れた。もっとも、妖精に近い男だ。
なのに、血のつながりのある赤ん坊に、妖精憑きキロンは執着を見せない。愛するアーシャとキロンの血の繋がりのある赤ん坊だというのにだ。
「アーシャがいろんな人に、手紙を書いた。俺は、今、それを配ってる」
「遺書か」
「どうだろうな。あと、赤ん坊はティーレットに任せる。俺はもう、行かないと」
「待て!! お前の子なんだから、ここで、一緒に子育てしていけ!!!」
「お前なー、それはやっちゃいけないことだろう」
「アーサーだぞ!! やっと、男に生まれた」
「そうだ、お前のアーサーだ。俺のアーシャじゃない」
「………そういうことか」
ティーレットは、何か、すとんと納得いったようで、腕にいる赤ん坊を見た。
「ラシフ、門まで連れてってくれよ。俺一人だと、また、喧嘩になる」
「いきなり赤ん坊を押し付けて出ていくなんて、無責任なことをするんじゃない。ここにいなさい」
「ラシフ、行かせてやれ」
「しかし」
「いいんだ。キロン、元気でな」
ティーレットは千年の才能ある妖精憑きである。キロンに、何か見たのだろう。
キロンは、ただの妖精憑きではない。百年の才能ある賢者ラシフですら敵わない、力の強い妖精憑きだ。ラシフには、キロンが隠していることが見破れないのだろう。
「お前は、話がわかる奴だな。アーサー、元気でいろよ。アーシャは、死ぬまで、お前が元気に成長することを神と妖精、聖域に祈っていた。じゃあな」
キロンは、まるで犬猫を捨てるみたいに、赤ん坊を、本当に置いていってしまった。
「マジか!!」
城にいたのは、ほんのわずかである。何の説明もなく、妖精憑きキロンは、笑顔で去って行ったのだ。それはそれで、妖精憑きらしい。
筆頭魔法使いティーレットは、早速、腕の中にいある赤ん坊をあやした。城の者に、育児関係の道具の準備を命じて、私のそばにいた。
「さっさと、筆頭魔法使いの屋敷に連れて行け」
本当に、そうなんだ。ここは、俺様の執務室だ。育児する場所じゃない。
「アーシャの手紙が見たい」
「これか」
それなりの太さの手紙である。色々と、アーシャは俺様宛に書いたのだろう。よりによって、俺様なんだ。筆頭魔法使いティーレットに書いていないのは、どうなんだろうか。それを口にすると、ティーレットが落ち込んでしまうので、俺様は飲み込んだ。
女帝レオナ様、お元気でしょうか。この手紙が読まれているということは、もう、私はこの世にいないということです。すみません、城に行くと言ったのに、嘘をついてしまって。
私は、最初から、皇族となって、城に行く気はありませんでした。城には絶対に行ってはいけないのです。私は、妖精憑きの寿命を食らう、いわば、妖精殺しだからです。私が城に行けば、帝国が抱えている魔法使いは早死にすることとなります。だから、私は決して、皇族になって、城で暮らすことが許されませんでした。
私の一族の女は、妖精殺しの御業を継承するための予備として存在しました。妖精殺しの御業の正式な継承者は、別にいます。我が家は、その正式な継承者が万が一、継承失敗した時のための予備なんです。だから、女のみが、妖精殺しの御業の全てを受け継いでいました。
妖精殺しの御業を受け継いだ女から生まれた者は、生まれた時から、妖精憑きに好かれる体質になるだけでなく、妖精殺しの御業を生まれた時から持っているため、とても、体が弱くなります。寿命も短いため、その子どもは、体質を使って、妖精憑きから寿命を捧げさせるのです。妖精憑きは、無意識にそれを行うそうです。
妖精殺しの御業を受け継いだ女は、本来、子を作りません。未婚のまま一生を終わらせます。妖精殺しの御業は、女自身の寿命を削るため、短命となります。だから、母は私がまだ、親の保護が必要な頃に、亡くなりました。
母は、私を生かすため、週に一度、神殿に行って、神官やシスターに無意識に寿命を捧げさせ、私を生きながらえさせました。そのことも、母は罪悪感を持っていました。それが、母の心を病むこととなりました。
だから、私は、城で暮らすことが出来ませんでした。嘘をついてしまってすみません。本当のことが、言えませんでした。せっかく、親になってくれる、とレオナ様が言ってくれたのに。私は、そう言ってもらえて、本当に嬉しかったです。ありがとうございます。
私がこんな体質です。ずっと私の側にいる妖精憑きキロンは、もう、寿命がありません。キロンには、私の秘密全てを話しました。このまま、私の側にいたら、キロンは、どんどんと私に寿命を捧げてしまいます。キロンは、百年近く生きているから、かなり力の強い妖精憑きでしょう。それでも、私の側にいれば、あっという間に寿命が尽きてしまいます。だから、神殿に行くように説得しました。だけど、キロンは、偽物かもしれない想いを信じ、私の側にいることを選びました。
私は、この体質から、キロンの心を信じられませんでした。だから、私が捧げられるもの全て、キロンに捧げ、妊娠してしまいました。私が捧げられるものは、私自身だけですから、結果、こうなってしまいます。なのに、私は妖精憑きから寿命を捧げられないと死んでしまいます。育児なんて、不可能なんです。とても、無責任なことをしてしまいました。
きっと、キロンもすぐ、死んでしまうでしょう。キロンは、私と私が産む子のために、たくさんの寿命を使いました。私から生まれる子に、妖精殺しの体質が引き継がれないように、健康に誕生するように、キロンは寿命を使ったのです。だから、キロンも、そんなに生きられません。
本当に、無責任な親ですみません。レオナ様は私の親になってくれると言ってくださいました。でしたら、私の息子の親になってください。
どうか、私の息子を、ティーレットのように育ててください。よろしくお願いします。
横から盗み見る筆頭魔法使いティーレットは、笑顔のままである。なのに、俺様は泣いていた。
「アーサー、女帝陛下がいっぱい、相手してくれるって」
「バカが!! 俺様は、子育て失敗したんだぞ!!! お前を筆頭魔法使いらしくない筆頭魔法使いにしてしまったんだ!!!!」
「この子はただの人だ。筆頭魔法使いにはならないから、それでいいんだよ」
「こ、皇族でなかったら、城に置けないんだぞ!!!」
「アーシャは、貴族に発現した皇族だ。この子はもしかしたら、皇族かもしれない」
たくさん、言い訳した。そのどれも、筆頭魔法使いティーレットに論破された。筆頭魔法使いの儀式がやりたくないからと、長いこと成長を止めていた、情けない奴だってのに、やっぱり、ティーレットは千年の才能持ちだ。
ティーレット、無理矢理、俺様に赤ん坊を抱かせる。
「覚えてないけど、僕も、こうやって、女帝陛下に抱っこしてもらったんだろうなー」
「ラシフと二人で、お前を育てたんだ」
「じゃあ、三人だ。女帝陛下と、ラシフと、僕、三人だ」
「まだ、ラシフを働かせるのか!?」
「ラシフは、女帝陛下が女帝陛下である限り、ずっと、その隣りを誰かに譲らないよ。あなたは、ラシフの皇族だ。僕の皇族は、アーサーだ!!」
赤ん坊アーサーを優しく見下ろすティーレット。詰まらない男から、頼もしい男になっていた。
「それにしても、キロンは、アーシャに話さなかったのかな? それとも、アーシャには、内緒にしてたのかな?」
「何がだ?」
「キロンのことだよ。キロンは、ラシフよりも強い妖精憑きだ。その実力は、僕と変わらない」
「………は? まさか、キロンは、千年の才なのか!?」
「違う、キロンは、一万年に一人、誕生するかどうかの、災いを呼ぶと言われる凶星の申し子だ」
それは、さらに驚く事実であった。私は立ち上がった。
「このまま、キロンを逃がすな!!」
「もうすぐ死ぬ」
「………」
「今覚えば、辺境の禁則地周辺が呪われたのは、妖精憑きを虐待したばかりじゃなかったんだ。キロンがやっていたんだよ。アーシャが一年間、閉じ込められ、虐待された時、あの領地は、大凶作になった。アーシャがされたからって、そんなことが起こるはずがないんだ。妖精だって、アーシャのために、そんなことはしない。かといって、そこら辺の妖精憑きでは、禁則地周辺を呪うなんて不可能だ。それも、キロンが凶星の申し子であれば、可能だ。凶星の申し子が持つ妖精は、僕たちでは視認出来ないんだ。だから、キロンを見ただけでは、僕だって、百年の才の妖精憑き程度だと、見てたんだ。実際、ラシフよりも強いけど、僕ほどではない妖精をキロンは憑けていた。だけど、僕の力では、キロンがアーシャにした匂い付けを消すことが出来なかった」
筆頭魔法使いティーレットは、一つ一つの矛盾や疑問から、キロンが、帝国を滅ぼすほどの災いである凶星の申し子だと見破ったのだ。
そして、さっき、キロンに会って、確信したのだろう。
凶星の申し子は、存在自体、災いを呼び寄せる。ただ、側にいるだけで、運命まで捻じ曲げられるという。そこに善悪はないと言われている。
だけど、凶星の申し子は、必ず邪悪となる。そして、千年の才の筆頭魔法使いの敵となるのだ。筆頭魔法使いは、凶星の申し子を倒すための皇帝の武器なのだ。
「アーシャは、知っていた、のか?」
「もし、知っていたのなら、すごいことだ。だって、アーシャは、凶星の申し子の寿命を盗ったんだ!! 誰にでも出来ることじゃない。アーシャは、帝国を救ったんだ!!!」
手紙には、キロンが凶星の申し子であることは書かれていない。本当は、どうなのか、わからない。
誰にも知られず、帝国を滅ぼす凶星の申し子は、ひっそりと消滅した。
「詰まらない男になったな」
「レオナ様」
「アーサーがいなくなってから、平和すぎて、暇だ」
アーサーと出会ってからは、本当に色々とあった。アーサーは、復讐のために、身を削りながら、一つ一つこなしていった。時には、秘密にしていた皇族の身分を利用したりしたのだ。
そうして、アーサーを迫害していた領地民に復讐し、貴族だと言った嘘を暴き、実の父を見捨て、最後は、領地が抱える借金を返済し、どこかに行ってしまった。
最初は、王都に移動する、とわざわざ宣言してくれたから、アーサーのことを探したのだ。ところが、アーサーの妖精憑きキロンが巧妙にアーサーを隠したようだ。筆頭魔法使いティーレットでさえ、探し出せなかった。
そうして、アーサーは王都からどこかに移動したのだろう。もう、誰もアーサーを見つけられなかった。
「あれほどの人です。アーサーのことは、噂にでも流れるでしょう」
「そうだな。でないと、ティーレットが詰まらないままだ」
「いいんですよ、あれで」
「えー」
俺様には、今のティーレットは詰まらないし、足りない。アーサーと出会った頃のティーレットは、面白い男だった。
そうして、今日も、面白味のない作業の繰り返しである。皇帝なんて、やることは決まっている。飽きてきた。俺様じゃなくったっていいんだよ。だけど、皇帝をやめられない。それを賢者ラシフは絶対に許さないのだ。
皇帝なんて、なるつもりはなかった。だが、筆頭魔法使いであったラシフが熱烈に訴えてきたのだ。面倒臭かったが、無能な先帝が俺様を殺そうとしたので、仕方なく、返り討ちにしてやった。そうして、ラシフが都合のいいように、話が進められていって、今、女に戻って、女帝をしている。
「女帝陛下、今日のお仕事です」
すっかり、しおらしくなった筆頭魔法使いティーレットは側仕えに持たせた書類を賢者テラスに渡した。物静かな姿は、女も男も見惚れるほどの美しさだ。
貴族に発現した皇族アーサーを目の前にすると、ティーレットは子どもになったな。その片鱗すら、見られない。
賢者ラシフは、ティーレットの仕事ぶりに、満足そうに頷く。
「さすが、千年の才ですね。完璧です」
「全て、賢者ラシフの指導のお陰です」
「………」
優等生な受け答えに、賢者ラシフも、気持ち悪くなったようだ。ほら見ろ!! 詰まらんだろう。
ところが、突然、ティーレットの表情が、眠りから目覚めたように明るくなった。
「アーサーが戻ってきた!!」
「まさかっ!!」
「レオナ様!!」
ティーレットが叫んで駆けだすから、私は仕事なんか放り投げて、ついていった。その後を、賢者ラシフが溜息をつきながらついてくる。
ティーレットは城の中をすいすいと走っていく。昔のティーレットに戻ったようだ。大人になったね、と見られていたティーレットが走っている姿に、城で働いている者たちは、目を白黒させていた。そして、女帝である私が走っていくと、膝をついてひれ伏したのである。
ティーレットは、城の門へと直進していった。
城の門では、一年前に見たままの姿と恰好をした妖精憑きキロンが、腕に赤ん坊を抱きかかえて、門番につめ寄っていた。
「だからー、ティーレットを呼んでくれればいいんだよ!!」
「お前みたいな奴が、筆頭魔法使い様を気安く名前で呼ぶんじゃない!!」
「俺はいいんだよ!! 妖精憑きなんだから!!!」
「その恰好でか?」
妖精憑きは魔法使いである。キロンは、普通の服を着ている。魔法使いの衣装ではないから、門番はキロンを嘲笑った。
「面倒臭いな!! 城の魔法を吹っ飛ばしたっていいんだぞ!!! 俺が勝手に入ると、妙な警報が発動するから、我慢してやってるってのに」
「やってみろ!! 魔法使いになれない妖精憑きに、そんなこと、出来るわけがないだろう」
「よし、やろう」
「やめろぉーーーーーーー!!!」
そして、筆頭魔法使いティーレットが門番を押しのけて、妖精憑きキロンに抱きついて止めた。
「あー、ティーレット、元気だったか?」
「城の魔法を吹っ飛ばすな!! 大変なことになるぞ。お前も、簡単に、そんなこと言うんじゃない。魔法が吹っ飛ばされたら、責任をとれるのか!?」
「す、すみませんでしたーーーーーーー!!!」
門番は筆頭魔法使いティーレットに叱られ、その場でひれ伏して、大声で謝罪した。
改めて、妖精憑きキロンを俺様の執務室に迎えた。赤ん坊を抱いて歩くキロンは目立った。あれだな、俺様の関係者、と皆、噂してるだろうな。キロンは、力の強い妖精憑きだから、とても綺麗な見た目だ。キロンが抱いている赤ん坊のことも、俺様の子どもか孫みたい言われているかもしれない。
キロンは、腕に抱いていた赤ん坊を筆頭魔法使いティーレットに渡した。
「アーシャの子どもだ」
「やはり、そうか」
ティーレットが赤ん坊相手に大喜びしている様子から、そうじゃないか、と思った。
ティーレットは、赤ん坊を「アーサー」と呼ぶ。何か、妖精憑きなりに、赤ん坊に感じているようだ。
「アーサー、ではなく、アーシャは元気か?」
「アーシャは死んだ」
「………死んだ?」
キロンがあまりに平然というので、俺様は呆然となった。あんなに、妖精憑きキロンは、アーシャに執着していた。失ったなら、相当、辛いことのはずだ。
なのに、キロンは笑顔だ。
「あの赤ん坊は、お前の子でもあるのか?」
「そうだ。あんたたちと別れた時には、アーシャの腹の中にいた」
だから、アーシャは月の物の時のように、不安定だったのだ。
月の物の症状は、妊娠初期に似ていることがある。最後に見て、話したアーシャは、もうすぐ月の物でもくるのだろう、と思われるほど、不安定な感じだった。怒って、泣いて、当たり散らして、といつもの冷静さと落ち着きがなかった。
妊娠していた、というのなら、納得出来た。あんな大変な時に、キロンの子を宿すなんてなー。
アーシャは、お家騒動で、大変な時に妊娠だ。気づいていなかったとはいえ、そんなことしている場合じゃなかったはずだ。そこが、アーシャらしい、と笑ってしまう。
キロンは、ティーレットが赤ん坊をあやすのを笑って見ていた。手放しても、これっぽっちも心配しない。
「アーシャが死んだから、わざわざ、報告のために来たのか」
「そんなことのために、ここに来ない。人が生きようが死のうが、あんたたちはどうだっていいだろう」
「アーシャはそうじゃない。どうしているか、ずっと気になっていた」
「そうなのか」
妖精憑きキロンは首を傾げる。わかっていないな。この男は、幼い頃からずっと、辺境で、小さな小屋に閉じ込められて生きていた。百年近く生きている、と言われているが、そのほとんどを狭い小屋の中で過ごしたのだ。だから、人の感性が理解出来ない。
ただ、欲望のままに生きている。アーシャが欲しいから、アーシャの側にいて、アーシャが持つ物全てを手に入れた。もっとも、妖精に近い男だ。
なのに、血のつながりのある赤ん坊に、妖精憑きキロンは執着を見せない。愛するアーシャとキロンの血の繋がりのある赤ん坊だというのにだ。
「アーシャがいろんな人に、手紙を書いた。俺は、今、それを配ってる」
「遺書か」
「どうだろうな。あと、赤ん坊はティーレットに任せる。俺はもう、行かないと」
「待て!! お前の子なんだから、ここで、一緒に子育てしていけ!!!」
「お前なー、それはやっちゃいけないことだろう」
「アーサーだぞ!! やっと、男に生まれた」
「そうだ、お前のアーサーだ。俺のアーシャじゃない」
「………そういうことか」
ティーレットは、何か、すとんと納得いったようで、腕にいる赤ん坊を見た。
「ラシフ、門まで連れてってくれよ。俺一人だと、また、喧嘩になる」
「いきなり赤ん坊を押し付けて出ていくなんて、無責任なことをするんじゃない。ここにいなさい」
「ラシフ、行かせてやれ」
「しかし」
「いいんだ。キロン、元気でな」
ティーレットは千年の才能ある妖精憑きである。キロンに、何か見たのだろう。
キロンは、ただの妖精憑きではない。百年の才能ある賢者ラシフですら敵わない、力の強い妖精憑きだ。ラシフには、キロンが隠していることが見破れないのだろう。
「お前は、話がわかる奴だな。アーサー、元気でいろよ。アーシャは、死ぬまで、お前が元気に成長することを神と妖精、聖域に祈っていた。じゃあな」
キロンは、まるで犬猫を捨てるみたいに、赤ん坊を、本当に置いていってしまった。
「マジか!!」
城にいたのは、ほんのわずかである。何の説明もなく、妖精憑きキロンは、笑顔で去って行ったのだ。それはそれで、妖精憑きらしい。
筆頭魔法使いティーレットは、早速、腕の中にいある赤ん坊をあやした。城の者に、育児関係の道具の準備を命じて、私のそばにいた。
「さっさと、筆頭魔法使いの屋敷に連れて行け」
本当に、そうなんだ。ここは、俺様の執務室だ。育児する場所じゃない。
「アーシャの手紙が見たい」
「これか」
それなりの太さの手紙である。色々と、アーシャは俺様宛に書いたのだろう。よりによって、俺様なんだ。筆頭魔法使いティーレットに書いていないのは、どうなんだろうか。それを口にすると、ティーレットが落ち込んでしまうので、俺様は飲み込んだ。
女帝レオナ様、お元気でしょうか。この手紙が読まれているということは、もう、私はこの世にいないということです。すみません、城に行くと言ったのに、嘘をついてしまって。
私は、最初から、皇族となって、城に行く気はありませんでした。城には絶対に行ってはいけないのです。私は、妖精憑きの寿命を食らう、いわば、妖精殺しだからです。私が城に行けば、帝国が抱えている魔法使いは早死にすることとなります。だから、私は決して、皇族になって、城で暮らすことが許されませんでした。
私の一族の女は、妖精殺しの御業を継承するための予備として存在しました。妖精殺しの御業の正式な継承者は、別にいます。我が家は、その正式な継承者が万が一、継承失敗した時のための予備なんです。だから、女のみが、妖精殺しの御業の全てを受け継いでいました。
妖精殺しの御業を受け継いだ女から生まれた者は、生まれた時から、妖精憑きに好かれる体質になるだけでなく、妖精殺しの御業を生まれた時から持っているため、とても、体が弱くなります。寿命も短いため、その子どもは、体質を使って、妖精憑きから寿命を捧げさせるのです。妖精憑きは、無意識にそれを行うそうです。
妖精殺しの御業を受け継いだ女は、本来、子を作りません。未婚のまま一生を終わらせます。妖精殺しの御業は、女自身の寿命を削るため、短命となります。だから、母は私がまだ、親の保護が必要な頃に、亡くなりました。
母は、私を生かすため、週に一度、神殿に行って、神官やシスターに無意識に寿命を捧げさせ、私を生きながらえさせました。そのことも、母は罪悪感を持っていました。それが、母の心を病むこととなりました。
だから、私は、城で暮らすことが出来ませんでした。嘘をついてしまってすみません。本当のことが、言えませんでした。せっかく、親になってくれる、とレオナ様が言ってくれたのに。私は、そう言ってもらえて、本当に嬉しかったです。ありがとうございます。
私がこんな体質です。ずっと私の側にいる妖精憑きキロンは、もう、寿命がありません。キロンには、私の秘密全てを話しました。このまま、私の側にいたら、キロンは、どんどんと私に寿命を捧げてしまいます。キロンは、百年近く生きているから、かなり力の強い妖精憑きでしょう。それでも、私の側にいれば、あっという間に寿命が尽きてしまいます。だから、神殿に行くように説得しました。だけど、キロンは、偽物かもしれない想いを信じ、私の側にいることを選びました。
私は、この体質から、キロンの心を信じられませんでした。だから、私が捧げられるもの全て、キロンに捧げ、妊娠してしまいました。私が捧げられるものは、私自身だけですから、結果、こうなってしまいます。なのに、私は妖精憑きから寿命を捧げられないと死んでしまいます。育児なんて、不可能なんです。とても、無責任なことをしてしまいました。
きっと、キロンもすぐ、死んでしまうでしょう。キロンは、私と私が産む子のために、たくさんの寿命を使いました。私から生まれる子に、妖精殺しの体質が引き継がれないように、健康に誕生するように、キロンは寿命を使ったのです。だから、キロンも、そんなに生きられません。
本当に、無責任な親ですみません。レオナ様は私の親になってくれると言ってくださいました。でしたら、私の息子の親になってください。
どうか、私の息子を、ティーレットのように育ててください。よろしくお願いします。
横から盗み見る筆頭魔法使いティーレットは、笑顔のままである。なのに、俺様は泣いていた。
「アーサー、女帝陛下がいっぱい、相手してくれるって」
「バカが!! 俺様は、子育て失敗したんだぞ!!! お前を筆頭魔法使いらしくない筆頭魔法使いにしてしまったんだ!!!!」
「この子はただの人だ。筆頭魔法使いにはならないから、それでいいんだよ」
「こ、皇族でなかったら、城に置けないんだぞ!!!」
「アーシャは、貴族に発現した皇族だ。この子はもしかしたら、皇族かもしれない」
たくさん、言い訳した。そのどれも、筆頭魔法使いティーレットに論破された。筆頭魔法使いの儀式がやりたくないからと、長いこと成長を止めていた、情けない奴だってのに、やっぱり、ティーレットは千年の才能持ちだ。
ティーレット、無理矢理、俺様に赤ん坊を抱かせる。
「覚えてないけど、僕も、こうやって、女帝陛下に抱っこしてもらったんだろうなー」
「ラシフと二人で、お前を育てたんだ」
「じゃあ、三人だ。女帝陛下と、ラシフと、僕、三人だ」
「まだ、ラシフを働かせるのか!?」
「ラシフは、女帝陛下が女帝陛下である限り、ずっと、その隣りを誰かに譲らないよ。あなたは、ラシフの皇族だ。僕の皇族は、アーサーだ!!」
赤ん坊アーサーを優しく見下ろすティーレット。詰まらない男から、頼もしい男になっていた。
「それにしても、キロンは、アーシャに話さなかったのかな? それとも、アーシャには、内緒にしてたのかな?」
「何がだ?」
「キロンのことだよ。キロンは、ラシフよりも強い妖精憑きだ。その実力は、僕と変わらない」
「………は? まさか、キロンは、千年の才なのか!?」
「違う、キロンは、一万年に一人、誕生するかどうかの、災いを呼ぶと言われる凶星の申し子だ」
それは、さらに驚く事実であった。私は立ち上がった。
「このまま、キロンを逃がすな!!」
「もうすぐ死ぬ」
「………」
「今覚えば、辺境の禁則地周辺が呪われたのは、妖精憑きを虐待したばかりじゃなかったんだ。キロンがやっていたんだよ。アーシャが一年間、閉じ込められ、虐待された時、あの領地は、大凶作になった。アーシャがされたからって、そんなことが起こるはずがないんだ。妖精だって、アーシャのために、そんなことはしない。かといって、そこら辺の妖精憑きでは、禁則地周辺を呪うなんて不可能だ。それも、キロンが凶星の申し子であれば、可能だ。凶星の申し子が持つ妖精は、僕たちでは視認出来ないんだ。だから、キロンを見ただけでは、僕だって、百年の才の妖精憑き程度だと、見てたんだ。実際、ラシフよりも強いけど、僕ほどではない妖精をキロンは憑けていた。だけど、僕の力では、キロンがアーシャにした匂い付けを消すことが出来なかった」
筆頭魔法使いティーレットは、一つ一つの矛盾や疑問から、キロンが、帝国を滅ぼすほどの災いである凶星の申し子だと見破ったのだ。
そして、さっき、キロンに会って、確信したのだろう。
凶星の申し子は、存在自体、災いを呼び寄せる。ただ、側にいるだけで、運命まで捻じ曲げられるという。そこに善悪はないと言われている。
だけど、凶星の申し子は、必ず邪悪となる。そして、千年の才の筆頭魔法使いの敵となるのだ。筆頭魔法使いは、凶星の申し子を倒すための皇帝の武器なのだ。
「アーシャは、知っていた、のか?」
「もし、知っていたのなら、すごいことだ。だって、アーシャは、凶星の申し子の寿命を盗ったんだ!! 誰にでも出来ることじゃない。アーシャは、帝国を救ったんだ!!!」
手紙には、キロンが凶星の申し子であることは書かれていない。本当は、どうなのか、わからない。
誰にも知られず、帝国を滅ぼす凶星の申し子は、ひっそりと消滅した。
1
あなたにおすすめの小説
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜
ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。
死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる