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アーサー、アーシャ、アーサー
一生一緒
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アーサーの祖父ウラーノは、本当にどうしようもない男だ。アーサーを散々、泣かせ、怯えさせて、としただけでなく、余計ことをアーサーにいうのだ。ちょっと、俺がアーサーから離れると、その隙に、とウラーノはアーサーに近づくのだ。
そして、大泣きするアーサーに、俺はすぐに戻る。
「やっと寝たとこに、何やってんだよ!!」
「起きたじゃないか」
「ちょっとした物音でも目を覚ますんだ」
「お前が離れるからだろう」
「こんな玩具、持ってくるな!! 食い物もだ。花だって、ダメだ」
「ど、どうして。子どもはこういうものが好きだと」
どうしようもじいさんだが、心を入れ替えて、アーサーに優しくしようとしていた。
「玩具は、アーサー自身を傷つける。今のアーサーは赤ん坊と同じだ」
ちょっと目を離した隙に、アーサーは持っている道具で目を突こうとしていた。死にたい、とか、そういうわけではない。わからないんだ。
「菓子はまだダメだ。体が戻ってない」
「お前はそういって、口移しで食べさせてるだろう!!」
「そうしないと、腐ってるって、吐き出すんだ」
アーサーが監禁されて、気が触れてからずっと、俺が口移しで食べさせていた。道具を使っても、うまく食べられなかったのだ。最初は甘えてだった。それも、弱って、そうしないと食べられないほど、弱ってしまったんだ。
「きつい匂いの花は、あの女を思い出す」
女ってのは、きつい匂いをつける。子爵ネロの妻となったリサは、とんでもない香水をふりつけてやってきた。あの匂いを思い出すのか、吐いたこともあった。
「そ、それじゃあ、どうすれば」
「特別なことなんてない。ただ、アーサーよりも低い目線で、笑いかけてやればいいんだ。簡単だ」
「ワシは年寄なんじゃぞ!! こう、足腰が痛いんじゃ」
「アーサーは病気なんだ。あんたのは、ただ、歳食って、体にガタがきてるだけだ。手遅れなんだから、我慢しろ!!」
どんなことしたって、年寄の体はどんどんと悪くなっていく。アーサーは、心の病気だが、上手につきあえば、良くなるのだ。
年寄に向かって、とじじいはいうが、実際は、俺のほうが年上なんだ。俺のほうがジジイなんだよ。妖精憑きだから、見た目が若いだけだ。
そういう事実を知っているから、ウラーノは結局、俺に従うしかなかった。何度も、バカなことを繰り返して、とうとう、ウラーノはアーサーよりも低い目線で笑ったのだ。
ぎこちないウラーノの笑顔。それを見て、アーサーは花のように笑った。
「おい、笑った、笑ったぞ!! アーシャ、アーシャ!!」
この頃には、もう、アーサーと呼ぶのは、俺だけだ。皆、アーサーのことをアーシャと呼び、女扱いした。用意される服は全て、女物で、新品だ。
もう、アーサーも大丈夫だろう、となった頃に、俺はアーサーの母マイアの兄と話した。
「実は、隠し財産を俺が持っているんだ」
俺は、マイアから、多額の金貨を預かっていた。そのまま見えるところに置いておくと、子爵ネロが使ってしまうから、俺に預けたのだ。俺は、妖精憑きの力で、別の空間を作り、そこに金貨を保管していたの。
そういう話をすると、マイアの兄は驚いて、声もなく、何か飲んで、落ち着いた。
「君は、魔法使いになるべきだ!!」
「アーサーから離れたくないし、離れられない」
ここは、アーサーにとって安全だ。だが、アーサーはやっぱり、俺に縋っていた。俺が離れたら、アーサーはまた壊れる。俺に捨てられたと思ったら、もう、アーサーは立ち直れないだろう。
「勿体ない!! きっと、すごい魔法使いになれる」
「そんなの、いらん。俺は、アーサーだけがいればいいんだ。他はどうだっていい」
「妖精憑きなんだな。だが、もし、なりたい時は、声をかけてくれ。力になる」
「わかった。それで、金はどうする? あと少しで、昔の借金分は返済出来るところまできた」
「借金が増えたんだ」
「………」
俺が怒り任せにやったことで、また、借金を増やすこととなった。だけど、その怒り任せで、アーサーは救われた。仕方のないことだった。
俺が落ち込んでいると、マイアの兄は笑った。
「いや、だから、返さなくていいんだ。もう、いらない。子爵家とは縁を切ろう。アーシャは我が家が引き取る。あんな家、潰れてしまえばいいんだ」
「けど、じいさんが」
「もう言わないし、言わせない。その金は、元気になったアーシャが使えばいい。これから、自由なんだ。やりたいことをやればいい。一生、遊んで暮らせるだけの金だ」
「金がかかってるって、言ってた。俺はよくわからなけど、大金なんだろう。捨てるもんじゃない」
「アーシャの価値は、金で表せられない。帝国中の金貨を集めたって、足りない。アーシャのほうが大事なんだ。世の中では、大金だ。だけど、アーシャの価値から見れば、はした金だ。もう、何も考えなくていいんだ。好きにしなさい。それよりも、君には随分と世話になりっぱなしだ。我が家から、何かお礼をしたいんだが」
「アーサーをくれればいい」
「………あの領地の奴らは、どうしようもないな。こんないい子を閉じ込め、散々なことをして、挙句、アーシャから奪おうとするなんてな」
マイアの兄が、始めて、怖い顔をした。ぽんと机の上に、ここ数年、よく見た、親子鑑定の書類を広げた。
俺のだけじゃない。なんと、子爵リブロと、愛人リサの子の親子鑑定の書類もあった。俺のは、全て、親子だと証明されていた。
子爵リブロと愛人リサの子は親子でない、とされていた親子鑑定だ。
「どうして、これがここに」
「君も知っていたのか」
「マイアから聞いていた。マイア、アーサーを連れて行けないと言ったんだ。それで、アーサーは傷ついて、大変だった」
「離婚するつもりだったんだな」
話の流れで、マイアの兄は、マイアが生前、やろうとしていたことを読み取った。
「あのクソジジイのせいで、マイアには可哀想なことをした。その挙句、可愛いアーシャまで、酷いことになって。あのクソジジイ、もう一発、殴ってやる」
「もう、やめてやれ。殴ったって、アーサーはそのままだ。年寄だから、ぽっくりいっちゃうぞ」
「そんな軟な鍛え方してない」
この親子は、極端だな。俺はちょっと身震いした。話し合いでは決着つかないと、手が出るんだな。アーサーのトコではなかった話だ。
「話は逸れてしまったね。君の家族はどうする? こんなことをするんだ。諦めていないだろう」
「俺を裏切ったんだ。今更だろう。俺はアーサーさえいればいい。邪魔なら、殺せばいい」
もう、俺の中では、俺の子、孫だという奴ら全て、殺すつもりだった。俺にはそれが出来る。
ただ、それをやらなかったのは、アーサーの側にいたいからだ。不自然に人死にが続いたら、アーサーに気づかれる。アーサーは、神と妖精、聖域の教えを強く信じている。俺が血のつながりのある子や孫を殺したら、側に置いてくれないだろう。
だけど、今なら、アーサーは気づかない、気づいても、きっと、喜んでくれる。もう、アーサーは神と妖精、聖域の教えを捨て去った。
「そこのところは、こちらで話をつけよう。もう二度と、アーサーと君の前に名乗り出ないようにさせよう。借金まみれだ。簡単だ」
今、子爵家だけでなく、領地民たちすら、マイアの兄には逆らえないのだ。それほどの借金を男爵家は立て替えたのだろう。
「アーシャが望むなら、君を側に置けるようにしよう。全ては、アーシャ次第だ」
「わかった」
「アーシャは、これからうんと幸せにならないといけない。マイアだって、ここにいる間は、人並の生活を送っていたんだ。俺たちは、不幸じゃなかった。クソジジイだが、あの人のお陰で、俺たちは、今がある。借金も作らず、むしろ、手玉に取って、としている。アーシャには、人並の幸福をこれから送れるよう、我々が支えよう」
「俺が、アーサーを、アーシャを元気にする」
俺はやっと、アーサーをアーシャと呼んだ。
アーシャが保護されて半月が経った。外は綺麗な満月だ。暗いと怖がるアーシャだが、月明りが好きだから、窓をあけて、部屋を暗くして、外を眺めていた。
アーシャが椅子に座って、外を眺めているから、俺はよく眠れるお茶を作っていた。
空気が変わった。俺はアーシャを見た。
窓の向こうは、真昼ように明るい。木々が生い茂る景色となっていた。そこから、いくつもの手が伸びて、アーシャの体を引っ張った。
「アーシャ!!」
俺は茶器を壊れる音を聞きながらもアーシャの元に駆け寄った。アーシャを引き寄せようとするが、窓の向こうの力が強い。俺ごと、それはアーシャを引っ張っていったのだ。
幻じゃなかった。地面を感じた。俺は手酷く落とされたが、アーシャはいくつもの手に支えられ、綺麗な光る女も元に連れて行かれた。アーシャ、意識を失っていて、されるがままだった。
アーシャは見えない机に乗せられた。そのアーシャの上に、光る天秤を掲げる女。それは、片方に傾いていた。
「や、やめろっ」
それをさせてはいけない。俺は予感した。これは、アーシャにとって、悪いことなんだ!!
俺は妖精憑きの力で飛んだ。高く飛んで、アーシャの元に行ったが、見えない壁がそれを邪魔した。
天秤が少しずつ傾き、どんどんと、真横になろうとしていた。
「やめろ!! アーシャに、もう、何もするな!!!」
見えない壁を叩いて、アーシャを呼ぶ。目を覚まさないアーシャ。そうして、とうとう、天秤が真横になった。
『救ってくれて、ありがとう』
笑って、女は消えた。そして、アーシャはゆっくりと地面に下ろされた。
俺の目の前の壁はなくなった。すぐにアーシャに駆け寄った。
「アーシャ、アーシャ!!」
「う、うーん、何?」
目をこすって、目を覚ますアーシャ。だけど、そこには、気狂いが見られない。
「アーシャ?」
「違う、アーサーだ。アーシャなんて呼んじゃダメだろう」
「………そ、そんな」
「私は小屋から救い出されたんだね。どういうことか、教えて、キロン」
アーシャはアーサーに戻っていた。気が触れてからの事は、夢を見ていたみたいに、曖昧にしか覚えていなかった。
呆然と座り込む俺をアーサーは抱きしめる。
「これだけは覚えている。キロン、私を捨てるなよ。私は、全てを差し出したんだ。お前だけなんだからな」
「あ、ああ、離れない、アーサーは、俺のものだ!!」
ただ一つ、大事なことだけをアーサーは覚えていた。
「で、ここ、どこ?」
見知らぬ場所である。俺も知らないから、わからない。
そこが、禁則地の奥底であることを知るのは、そこを抜け出してからだった。
アーサーは結局、領地の禁則地から離れることは出来なかった。精神はまともに戻ったように見える。しかし、狂ったままだ。
俺が離れると思うと、アーサーは壊れた。
アーサーの祖父ウラーノが、どんなに言葉を重ねても、アーサーには聞こえていなかった。
たった一年、一年もされたことを恨み、アーサーは復讐を計画していた。
領地民全て、めちゃくちゃにしたい、その憎悪は消えることがなかった。
それがアーサーだ。もう、誰も止められない。アーサーの母マイアの兄でさえ、無理だと言ってしまうほどだった。
「こんなに、言葉が届かないなんて」
アーシャとして迎えに来たマイアの兄のこと、アーサーは見えていなかった。何を言っても、聞こえていない。
まともに見えるのに、実は、気狂いを起こしている。アーサーのことをよく見ている人は気づくのだが。おかしなことに、それに気づいているのは、アーサーの記憶にいない、母マイアの兄弟姉妹だけだった。
俺は、アーサーが望むままにいるだけだ。復讐だって手伝う。俺はバカだから、ちょっと遠回りとかさせたけど、アーサーのためのことしかしない。
復讐が終わると、やっと、アーサーは、母マイアの兄が見えるようになった。マイアの兄は、本当に有能な人だ。アーサーがおかしいままなのを知っていながら、マイアの兄は、物腰も柔らかく、優しい姿勢を崩さなかった。
こんなにアーサーのことを大事に思って、側で手助けしようとしていたのに、アーサーの中には、最後まで、マイアの兄弟姉妹の存在は残らなかった。
復讐が終わって、アーサーの中に残ったのは、結局、俺への執着だ。
アーサーがアーシャとして、帝国中を旅して回る予定だった。俺は、色々と調べて、アーシャが行きたい場所には、どうやって行けばいいか、頭に叩き込んでいた。
アーシャは、しばらく、体調を崩していたから、宿屋から出られなかった。それも、禁則地に行きたい、と言い出すから、俺はイヤな予感を覚えながらも、それに従った。
それから、アーシャは禁則地から動けなくなった。
アーシャの体調が悪かったのは、妊娠していたからだ。俺の子だ。そのことを教えてやると、アーシャは旅を諦めた。
「赤ん坊が生まれれば、また、どっか行けるよ」
内心では、無理だとわかっていたが、俺は嘘をついた。アーシャか、腹の子か、どちらかを選ばないといけないほど、俺の寿命は限られていた。
俺は、アーシャを選んでいた。腹の子はいらない。アーシャには、もっと外の世界を見せてやりたかった。そのためには、両方を選べない。腹の子は切り捨てるしかなかった。
気分の悪いアーシャは、神の恵みを少しずつ食べて、飲んで、としていた。それ以外は、受け付けなったのだ。妊娠初期には、よく聞く話だ。
「この子、私みたいになるのかな」
アーシャは腹を撫でた。俺は切り捨てたけど、アーシャはそうじゃない。
「そこは、生まれてみたいと、わからないな」
「私みたいな体質だと、また、妖精憑きの寿命を盗らないといけないね。妖精憑きに好かれる体質だから、きっと、悩むだろうな」
俺をじっと見るアーシャ。アーシャは、俺の好意を信じていない。アーシャの体質が、俺に好意を抱かせていると思っていた。
最初は、確かにそうだった。きっかけは、アーシャの体質だ。当時は、アーシャのことはよく知らなかった。
だけど、今はよく知っている。俺には、変な妖精たちがいた。ともかく、俺に悪い事をさせようとするのだ。それが、禁則地を呪うことだ。何事かあると、あの妖精たちは、俺に禁則地を呪わせた。俺は、野良の妖精たちが大嫌いだから、喜んでした。
そんな悪い言葉を囁く妖精は、アーシャと出会ってから、見えなくなった。いなくなったと思った頃に、突然、俺の前に姿をあらわしたんだ。
『やっと、体を元に戻した』
『あの子どもの側にいてはいけない』
『あの子どもは妖精殺しだ。妖精の魔法を壊し、妖精の魔法が届かない、妖精憑きを殺す女だ』
俺が、どうして、あの小屋から出られたのか? それは、アーシャが小屋にかけられた魔法を壊したからだ。生まれ持った体質で、アーシャはあらゆる魔法を打ち消した。それは、いい魔法も、悪い魔法も、関係ない。
そして、妖精の力も奪ったのだ。そのせいで、俺の妖精たちは、力を失い、しばらく、姿を見せなかった。
それも、俺が領地を呪い、大凶作を起こすという悪行をしたことで、妖精たちの力を取り戻したのだ。
ここまで話を聞いていれば、さすがに、俺も、俺自身が何者か、わかった。
俺は、帝国を破滅させる、神が試練として与えた凶星の申し子だ。
万年に一人、生まれるかどうかの存在だという。それを俺は神殿で習った。だから、妖精たちは、俺が保護された時、俺の名前を言わせないようにしたのだ。俺は、妖精たちに、凶星、と呼ばれていた。これを言えば、俺はただちに殺されていただろう。
凶星の申し子だとわかった途端、俺は、アーシャの不幸の元凶が俺であることに気づかされた。俺は、存在するだけで、関わる者すべての運命を捻じ曲げるのだ。
俺のせいで、アーサーの運命は不幸へと捻じ曲げられたのだろう。
その事を知っていながら、俺はずっと黙っていた。話したら、きっと、アーシャは俺を責めて、捨てる。捨てられたくなかったし、俺は、アーシャが大事なんだ。
卑怯な俺は、妊娠して悩むアーシャに、俺の秘密をまだ話せないでいた。これ以上、アーシャに悩みを増やしても、なんて言い訳までしていた。
アーシャは子どもを産むつもりだ。俺の気持ちは信じていない。
「ここで、私が子を産めば、キロンは私のものだと、堂々と言える」
過去に、俺の子や孫が言ったことをアーシャは気にしていた。
「そうだ、頑張って、元気な子を産もう。そうして、私にも権利がある、とあの人たちに言ってやるんだ」
「アーシャがいうなら、全部、俺が叶えよう」
もう、名前も顔すら覚えていない、家族を名乗る奴らのことなんて、どうだっていい。だけど、アーシャの気が済むのなら、寿命をかけてでも、叶えてやりたかった。
「それだと、孫までいないといけないな」
中途半端なことは出来ないな。俺は、アーシャの腹の子を視た。
見事に、アーシャの体質を引き継いでいた。このままでは、アーシャの二の舞だ。
俺は、残った寿命から、色々と計算した。なんだ、俺の寿命を全てかければ、この赤ん坊は元気な普通の子になるじゃないか。
だけど、これでは、アーシャは赤ん坊を産んでしばらくして、死ぬこととなる。アーシャは、妖精憑きの寿命を盗って、生きてるんだ。今は、俺の寿命で、健康に、生きながらえているだけだ。
「アーシャ、実は、話さなきゃいけないことがあるんだ」
「もうそろそろ、キロンの寿命が尽きるの?」
「赤ん坊が生まれてから、しばらくはどうにかなるけどな。けど、その後、アーシャが」
「じゃあ、一緒に死のう」
「………は?」
「赤ん坊は、そうだ、レオナ様にお願いしよう。レオナ様、私の親になってくれるって言ってた。だったら、この子の親になってもらおう」
「し、神殿に、行けば」
「私は、浮気した父親を嫉妬で去勢した女、なんて言われてるんだよ。浮気はしない。私の妖精憑きは、キロンだけ」
「アーシャは、俺の、俺だけのものだ」
「そうだよ。私は、私が持っているもの、全て、キロンに捧げたんだ。私の物はもう、残っていない。全て、キロンのものだ」
俺は、泣いていた。嬉しい、やっと、やっとだ。
散々、裏切られた。裏切られ過ぎて、馴れてしまっていた。だから、いつか、アーシャも、と思っていた。
俺は、アーシャの腹を撫でた。
「元気に生まれるように、神と妖精、聖域に祈ろう」
「うん、そうだね」
アーシャは再び、神と妖精、聖域の信仰を拾った。
そして、大泣きするアーサーに、俺はすぐに戻る。
「やっと寝たとこに、何やってんだよ!!」
「起きたじゃないか」
「ちょっとした物音でも目を覚ますんだ」
「お前が離れるからだろう」
「こんな玩具、持ってくるな!! 食い物もだ。花だって、ダメだ」
「ど、どうして。子どもはこういうものが好きだと」
どうしようもじいさんだが、心を入れ替えて、アーサーに優しくしようとしていた。
「玩具は、アーサー自身を傷つける。今のアーサーは赤ん坊と同じだ」
ちょっと目を離した隙に、アーサーは持っている道具で目を突こうとしていた。死にたい、とか、そういうわけではない。わからないんだ。
「菓子はまだダメだ。体が戻ってない」
「お前はそういって、口移しで食べさせてるだろう!!」
「そうしないと、腐ってるって、吐き出すんだ」
アーサーが監禁されて、気が触れてからずっと、俺が口移しで食べさせていた。道具を使っても、うまく食べられなかったのだ。最初は甘えてだった。それも、弱って、そうしないと食べられないほど、弱ってしまったんだ。
「きつい匂いの花は、あの女を思い出す」
女ってのは、きつい匂いをつける。子爵ネロの妻となったリサは、とんでもない香水をふりつけてやってきた。あの匂いを思い出すのか、吐いたこともあった。
「そ、それじゃあ、どうすれば」
「特別なことなんてない。ただ、アーサーよりも低い目線で、笑いかけてやればいいんだ。簡単だ」
「ワシは年寄なんじゃぞ!! こう、足腰が痛いんじゃ」
「アーサーは病気なんだ。あんたのは、ただ、歳食って、体にガタがきてるだけだ。手遅れなんだから、我慢しろ!!」
どんなことしたって、年寄の体はどんどんと悪くなっていく。アーサーは、心の病気だが、上手につきあえば、良くなるのだ。
年寄に向かって、とじじいはいうが、実際は、俺のほうが年上なんだ。俺のほうがジジイなんだよ。妖精憑きだから、見た目が若いだけだ。
そういう事実を知っているから、ウラーノは結局、俺に従うしかなかった。何度も、バカなことを繰り返して、とうとう、ウラーノはアーサーよりも低い目線で笑ったのだ。
ぎこちないウラーノの笑顔。それを見て、アーサーは花のように笑った。
「おい、笑った、笑ったぞ!! アーシャ、アーシャ!!」
この頃には、もう、アーサーと呼ぶのは、俺だけだ。皆、アーサーのことをアーシャと呼び、女扱いした。用意される服は全て、女物で、新品だ。
もう、アーサーも大丈夫だろう、となった頃に、俺はアーサーの母マイアの兄と話した。
「実は、隠し財産を俺が持っているんだ」
俺は、マイアから、多額の金貨を預かっていた。そのまま見えるところに置いておくと、子爵ネロが使ってしまうから、俺に預けたのだ。俺は、妖精憑きの力で、別の空間を作り、そこに金貨を保管していたの。
そういう話をすると、マイアの兄は驚いて、声もなく、何か飲んで、落ち着いた。
「君は、魔法使いになるべきだ!!」
「アーサーから離れたくないし、離れられない」
ここは、アーサーにとって安全だ。だが、アーサーはやっぱり、俺に縋っていた。俺が離れたら、アーサーはまた壊れる。俺に捨てられたと思ったら、もう、アーサーは立ち直れないだろう。
「勿体ない!! きっと、すごい魔法使いになれる」
「そんなの、いらん。俺は、アーサーだけがいればいいんだ。他はどうだっていい」
「妖精憑きなんだな。だが、もし、なりたい時は、声をかけてくれ。力になる」
「わかった。それで、金はどうする? あと少しで、昔の借金分は返済出来るところまできた」
「借金が増えたんだ」
「………」
俺が怒り任せにやったことで、また、借金を増やすこととなった。だけど、その怒り任せで、アーサーは救われた。仕方のないことだった。
俺が落ち込んでいると、マイアの兄は笑った。
「いや、だから、返さなくていいんだ。もう、いらない。子爵家とは縁を切ろう。アーシャは我が家が引き取る。あんな家、潰れてしまえばいいんだ」
「けど、じいさんが」
「もう言わないし、言わせない。その金は、元気になったアーシャが使えばいい。これから、自由なんだ。やりたいことをやればいい。一生、遊んで暮らせるだけの金だ」
「金がかかってるって、言ってた。俺はよくわからなけど、大金なんだろう。捨てるもんじゃない」
「アーシャの価値は、金で表せられない。帝国中の金貨を集めたって、足りない。アーシャのほうが大事なんだ。世の中では、大金だ。だけど、アーシャの価値から見れば、はした金だ。もう、何も考えなくていいんだ。好きにしなさい。それよりも、君には随分と世話になりっぱなしだ。我が家から、何かお礼をしたいんだが」
「アーサーをくれればいい」
「………あの領地の奴らは、どうしようもないな。こんないい子を閉じ込め、散々なことをして、挙句、アーシャから奪おうとするなんてな」
マイアの兄が、始めて、怖い顔をした。ぽんと机の上に、ここ数年、よく見た、親子鑑定の書類を広げた。
俺のだけじゃない。なんと、子爵リブロと、愛人リサの子の親子鑑定の書類もあった。俺のは、全て、親子だと証明されていた。
子爵リブロと愛人リサの子は親子でない、とされていた親子鑑定だ。
「どうして、これがここに」
「君も知っていたのか」
「マイアから聞いていた。マイア、アーサーを連れて行けないと言ったんだ。それで、アーサーは傷ついて、大変だった」
「離婚するつもりだったんだな」
話の流れで、マイアの兄は、マイアが生前、やろうとしていたことを読み取った。
「あのクソジジイのせいで、マイアには可哀想なことをした。その挙句、可愛いアーシャまで、酷いことになって。あのクソジジイ、もう一発、殴ってやる」
「もう、やめてやれ。殴ったって、アーサーはそのままだ。年寄だから、ぽっくりいっちゃうぞ」
「そんな軟な鍛え方してない」
この親子は、極端だな。俺はちょっと身震いした。話し合いでは決着つかないと、手が出るんだな。アーサーのトコではなかった話だ。
「話は逸れてしまったね。君の家族はどうする? こんなことをするんだ。諦めていないだろう」
「俺を裏切ったんだ。今更だろう。俺はアーサーさえいればいい。邪魔なら、殺せばいい」
もう、俺の中では、俺の子、孫だという奴ら全て、殺すつもりだった。俺にはそれが出来る。
ただ、それをやらなかったのは、アーサーの側にいたいからだ。不自然に人死にが続いたら、アーサーに気づかれる。アーサーは、神と妖精、聖域の教えを強く信じている。俺が血のつながりのある子や孫を殺したら、側に置いてくれないだろう。
だけど、今なら、アーサーは気づかない、気づいても、きっと、喜んでくれる。もう、アーサーは神と妖精、聖域の教えを捨て去った。
「そこのところは、こちらで話をつけよう。もう二度と、アーサーと君の前に名乗り出ないようにさせよう。借金まみれだ。簡単だ」
今、子爵家だけでなく、領地民たちすら、マイアの兄には逆らえないのだ。それほどの借金を男爵家は立て替えたのだろう。
「アーシャが望むなら、君を側に置けるようにしよう。全ては、アーシャ次第だ」
「わかった」
「アーシャは、これからうんと幸せにならないといけない。マイアだって、ここにいる間は、人並の生活を送っていたんだ。俺たちは、不幸じゃなかった。クソジジイだが、あの人のお陰で、俺たちは、今がある。借金も作らず、むしろ、手玉に取って、としている。アーシャには、人並の幸福をこれから送れるよう、我々が支えよう」
「俺が、アーサーを、アーシャを元気にする」
俺はやっと、アーサーをアーシャと呼んだ。
アーシャが保護されて半月が経った。外は綺麗な満月だ。暗いと怖がるアーシャだが、月明りが好きだから、窓をあけて、部屋を暗くして、外を眺めていた。
アーシャが椅子に座って、外を眺めているから、俺はよく眠れるお茶を作っていた。
空気が変わった。俺はアーシャを見た。
窓の向こうは、真昼ように明るい。木々が生い茂る景色となっていた。そこから、いくつもの手が伸びて、アーシャの体を引っ張った。
「アーシャ!!」
俺は茶器を壊れる音を聞きながらもアーシャの元に駆け寄った。アーシャを引き寄せようとするが、窓の向こうの力が強い。俺ごと、それはアーシャを引っ張っていったのだ。
幻じゃなかった。地面を感じた。俺は手酷く落とされたが、アーシャはいくつもの手に支えられ、綺麗な光る女も元に連れて行かれた。アーシャ、意識を失っていて、されるがままだった。
アーシャは見えない机に乗せられた。そのアーシャの上に、光る天秤を掲げる女。それは、片方に傾いていた。
「や、やめろっ」
それをさせてはいけない。俺は予感した。これは、アーシャにとって、悪いことなんだ!!
俺は妖精憑きの力で飛んだ。高く飛んで、アーシャの元に行ったが、見えない壁がそれを邪魔した。
天秤が少しずつ傾き、どんどんと、真横になろうとしていた。
「やめろ!! アーシャに、もう、何もするな!!!」
見えない壁を叩いて、アーシャを呼ぶ。目を覚まさないアーシャ。そうして、とうとう、天秤が真横になった。
『救ってくれて、ありがとう』
笑って、女は消えた。そして、アーシャはゆっくりと地面に下ろされた。
俺の目の前の壁はなくなった。すぐにアーシャに駆け寄った。
「アーシャ、アーシャ!!」
「う、うーん、何?」
目をこすって、目を覚ますアーシャ。だけど、そこには、気狂いが見られない。
「アーシャ?」
「違う、アーサーだ。アーシャなんて呼んじゃダメだろう」
「………そ、そんな」
「私は小屋から救い出されたんだね。どういうことか、教えて、キロン」
アーシャはアーサーに戻っていた。気が触れてからの事は、夢を見ていたみたいに、曖昧にしか覚えていなかった。
呆然と座り込む俺をアーサーは抱きしめる。
「これだけは覚えている。キロン、私を捨てるなよ。私は、全てを差し出したんだ。お前だけなんだからな」
「あ、ああ、離れない、アーサーは、俺のものだ!!」
ただ一つ、大事なことだけをアーサーは覚えていた。
「で、ここ、どこ?」
見知らぬ場所である。俺も知らないから、わからない。
そこが、禁則地の奥底であることを知るのは、そこを抜け出してからだった。
アーサーは結局、領地の禁則地から離れることは出来なかった。精神はまともに戻ったように見える。しかし、狂ったままだ。
俺が離れると思うと、アーサーは壊れた。
アーサーの祖父ウラーノが、どんなに言葉を重ねても、アーサーには聞こえていなかった。
たった一年、一年もされたことを恨み、アーサーは復讐を計画していた。
領地民全て、めちゃくちゃにしたい、その憎悪は消えることがなかった。
それがアーサーだ。もう、誰も止められない。アーサーの母マイアの兄でさえ、無理だと言ってしまうほどだった。
「こんなに、言葉が届かないなんて」
アーシャとして迎えに来たマイアの兄のこと、アーサーは見えていなかった。何を言っても、聞こえていない。
まともに見えるのに、実は、気狂いを起こしている。アーサーのことをよく見ている人は気づくのだが。おかしなことに、それに気づいているのは、アーサーの記憶にいない、母マイアの兄弟姉妹だけだった。
俺は、アーサーが望むままにいるだけだ。復讐だって手伝う。俺はバカだから、ちょっと遠回りとかさせたけど、アーサーのためのことしかしない。
復讐が終わると、やっと、アーサーは、母マイアの兄が見えるようになった。マイアの兄は、本当に有能な人だ。アーサーがおかしいままなのを知っていながら、マイアの兄は、物腰も柔らかく、優しい姿勢を崩さなかった。
こんなにアーサーのことを大事に思って、側で手助けしようとしていたのに、アーサーの中には、最後まで、マイアの兄弟姉妹の存在は残らなかった。
復讐が終わって、アーサーの中に残ったのは、結局、俺への執着だ。
アーサーがアーシャとして、帝国中を旅して回る予定だった。俺は、色々と調べて、アーシャが行きたい場所には、どうやって行けばいいか、頭に叩き込んでいた。
アーシャは、しばらく、体調を崩していたから、宿屋から出られなかった。それも、禁則地に行きたい、と言い出すから、俺はイヤな予感を覚えながらも、それに従った。
それから、アーシャは禁則地から動けなくなった。
アーシャの体調が悪かったのは、妊娠していたからだ。俺の子だ。そのことを教えてやると、アーシャは旅を諦めた。
「赤ん坊が生まれれば、また、どっか行けるよ」
内心では、無理だとわかっていたが、俺は嘘をついた。アーシャか、腹の子か、どちらかを選ばないといけないほど、俺の寿命は限られていた。
俺は、アーシャを選んでいた。腹の子はいらない。アーシャには、もっと外の世界を見せてやりたかった。そのためには、両方を選べない。腹の子は切り捨てるしかなかった。
気分の悪いアーシャは、神の恵みを少しずつ食べて、飲んで、としていた。それ以外は、受け付けなったのだ。妊娠初期には、よく聞く話だ。
「この子、私みたいになるのかな」
アーシャは腹を撫でた。俺は切り捨てたけど、アーシャはそうじゃない。
「そこは、生まれてみたいと、わからないな」
「私みたいな体質だと、また、妖精憑きの寿命を盗らないといけないね。妖精憑きに好かれる体質だから、きっと、悩むだろうな」
俺をじっと見るアーシャ。アーシャは、俺の好意を信じていない。アーシャの体質が、俺に好意を抱かせていると思っていた。
最初は、確かにそうだった。きっかけは、アーシャの体質だ。当時は、アーシャのことはよく知らなかった。
だけど、今はよく知っている。俺には、変な妖精たちがいた。ともかく、俺に悪い事をさせようとするのだ。それが、禁則地を呪うことだ。何事かあると、あの妖精たちは、俺に禁則地を呪わせた。俺は、野良の妖精たちが大嫌いだから、喜んでした。
そんな悪い言葉を囁く妖精は、アーシャと出会ってから、見えなくなった。いなくなったと思った頃に、突然、俺の前に姿をあらわしたんだ。
『やっと、体を元に戻した』
『あの子どもの側にいてはいけない』
『あの子どもは妖精殺しだ。妖精の魔法を壊し、妖精の魔法が届かない、妖精憑きを殺す女だ』
俺が、どうして、あの小屋から出られたのか? それは、アーシャが小屋にかけられた魔法を壊したからだ。生まれ持った体質で、アーシャはあらゆる魔法を打ち消した。それは、いい魔法も、悪い魔法も、関係ない。
そして、妖精の力も奪ったのだ。そのせいで、俺の妖精たちは、力を失い、しばらく、姿を見せなかった。
それも、俺が領地を呪い、大凶作を起こすという悪行をしたことで、妖精たちの力を取り戻したのだ。
ここまで話を聞いていれば、さすがに、俺も、俺自身が何者か、わかった。
俺は、帝国を破滅させる、神が試練として与えた凶星の申し子だ。
万年に一人、生まれるかどうかの存在だという。それを俺は神殿で習った。だから、妖精たちは、俺が保護された時、俺の名前を言わせないようにしたのだ。俺は、妖精たちに、凶星、と呼ばれていた。これを言えば、俺はただちに殺されていただろう。
凶星の申し子だとわかった途端、俺は、アーシャの不幸の元凶が俺であることに気づかされた。俺は、存在するだけで、関わる者すべての運命を捻じ曲げるのだ。
俺のせいで、アーサーの運命は不幸へと捻じ曲げられたのだろう。
その事を知っていながら、俺はずっと黙っていた。話したら、きっと、アーシャは俺を責めて、捨てる。捨てられたくなかったし、俺は、アーシャが大事なんだ。
卑怯な俺は、妊娠して悩むアーシャに、俺の秘密をまだ話せないでいた。これ以上、アーシャに悩みを増やしても、なんて言い訳までしていた。
アーシャは子どもを産むつもりだ。俺の気持ちは信じていない。
「ここで、私が子を産めば、キロンは私のものだと、堂々と言える」
過去に、俺の子や孫が言ったことをアーシャは気にしていた。
「そうだ、頑張って、元気な子を産もう。そうして、私にも権利がある、とあの人たちに言ってやるんだ」
「アーシャがいうなら、全部、俺が叶えよう」
もう、名前も顔すら覚えていない、家族を名乗る奴らのことなんて、どうだっていい。だけど、アーシャの気が済むのなら、寿命をかけてでも、叶えてやりたかった。
「それだと、孫までいないといけないな」
中途半端なことは出来ないな。俺は、アーシャの腹の子を視た。
見事に、アーシャの体質を引き継いでいた。このままでは、アーシャの二の舞だ。
俺は、残った寿命から、色々と計算した。なんだ、俺の寿命を全てかければ、この赤ん坊は元気な普通の子になるじゃないか。
だけど、これでは、アーシャは赤ん坊を産んでしばらくして、死ぬこととなる。アーシャは、妖精憑きの寿命を盗って、生きてるんだ。今は、俺の寿命で、健康に、生きながらえているだけだ。
「アーシャ、実は、話さなきゃいけないことがあるんだ」
「もうそろそろ、キロンの寿命が尽きるの?」
「赤ん坊が生まれてから、しばらくはどうにかなるけどな。けど、その後、アーシャが」
「じゃあ、一緒に死のう」
「………は?」
「赤ん坊は、そうだ、レオナ様にお願いしよう。レオナ様、私の親になってくれるって言ってた。だったら、この子の親になってもらおう」
「し、神殿に、行けば」
「私は、浮気した父親を嫉妬で去勢した女、なんて言われてるんだよ。浮気はしない。私の妖精憑きは、キロンだけ」
「アーシャは、俺の、俺だけのものだ」
「そうだよ。私は、私が持っているもの、全て、キロンに捧げたんだ。私の物はもう、残っていない。全て、キロンのものだ」
俺は、泣いていた。嬉しい、やっと、やっとだ。
散々、裏切られた。裏切られ過ぎて、馴れてしまっていた。だから、いつか、アーシャも、と思っていた。
俺は、アーシャの腹を撫でた。
「元気に生まれるように、神と妖精、聖域に祈ろう」
「うん、そうだね」
アーシャは再び、神と妖精、聖域の信仰を拾った。
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