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外伝 アーサーの円卓
見えない四男
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色々と大変で、俺は四苦八苦している所に、祖父ウラーノに呼び出された。
「俺、学校に騎士団に、むちゃくちゃ忙しいんだけど」
もう、貴族の学校はやめたい気分だった。
俺は、史上最年少で、武道大会を優勝して、騎士となった。優勝といったって、運だよ、運。帝国中の武道大会に出場して、予選突破して、という実力までは身に着けたが、これは、効率が悪いと気づいた。
だから、俺は辺境の武道大会に賭けたのだ。
武道大会で騎士を目指す奴らは大勢いる。だいたい、帝国中の武道大会全てに参加するのだ。その中で、最後に行われるのが、辺境である。だから、辺境の武道大会では、選手はもう疲れ切っているのだ。そこに、無駄な戦いをしなかった俺は出場したわけである。
こういう分析は、母がつけた教師のお陰だ。教師は、俺の相談を受けて、一緒になって、武道大会を分析して、この事に気づいたのである。そして、一か八かで、俺は辺境の武道大会に賭けたのだ。
予選はどうにか突破した。それは、もう、普通に出来るのだ。後は、本戦である。そこが、魑魅魍魎なのだ。
ほとんど、運だった。俺は、貴族の学校の枠で予選突破した選手にばかり当たった。別に、組み合わせに細工をしたわけではない。組み合わせは、クジだ。細工しようがないのだ。そして、その運のお陰で、決勝では、疲れ切った選手と対戦である。一般出場での予選突破で進んだ男は、きっと、帝国中の武道大会に出場したのだろうな。だから、疲れていない俺に負けたのだ。
俺は、騎士になるつもりはなかった。だから、この後は、適当である。ところが、史上最年少の優勝者、ということから、俺は強制的に騎士にされたのだ。
だから、俺は、貴族の学校で学生やって、成績も首席をとっているので生徒会役員をやって、帝国の騎士団でしごかれて、と酷いこととなっていた。俺は騎士だから、王都の貴族の学校に通っている皇族様の騎士候補にも上がっている。もういるから、俺、いらないと思う。まず、学年が違う。
というわけで、俺は日々、大変な事となっていた。武道大会に優勝しただけなのにぃー。
だけど、祖父ウラーノの私室に行けば、俺は反射で膝をついた。
「なーんだ、お行儀がいいな!!」
「アーレイ、立っていいぞ。お忍びだ」
祖父ウラーノに言われても、俺は立つわけにはいかない。
何故か、祖父の私室に、女帝レオナがいたのだ。とんでもない美女だが、生まれ育ちは貧民と、蔑まれる出自である。それも、皇族と認められ、今では帝国で一番の権力者だ。
女帝レオナ、貧民育ちだけあって、暴君だ。帝国では、男しか皇帝になれない、男しか爵位を受け継げない、男しか跡継ぎになれない、と法律で決まっている。それを女帝レオナは、男装して、皇位簒奪して、皇帝を名乗っていたのだ。その腕っぷしで、逆らう皇族を家族ごと処刑し、逆らう貴族を家族ごと処刑し、と血塗られた皇帝となった。そして、何を思ったのか、突然、自らが女だと暴露して、法律を変えたのだ。
女でも皇帝になれる、女でも爵位を受け継げる、女でも跡継ぎになれる、と。
女帝レオナには、帝国最強の魔法使いである賢者ラシフが味方している。もう、誰も、女帝レオナには逆らえないのだ。武力でも勝てない、魔法でも勝てない、政治でも勝てない。
こんな横暴な女帝レオナを前にして、立てるわけがない。気に入らなかったら、俺だって処刑される。俺は勝てるだろうか?
「まあまあ、立て立て。俺様が許す。だいたい、このままだと、俺様の首が痛いだろう。さっさと座れ」
「はっ」
そう言われてしまっては、俺は立つしかない。しかし、俺は祖父ウラーノの後ろに立った。座るなんてダメだ。ほら、座った途端、ばっさりされちゃうかもしれない。いつでも逃げられるようにしよう。
俺がものすごく警戒していることが女帝レオナに伝わったのだろう。女帝レオナは面白そうに俺を見上げた。
「さすが、武道大会優勝者だな。そこら辺の見習い騎士とは、危機管理が違うな。これなら、アーサーの監視も出来るだろう」
「?」
アーサーと聞くと、辺境にいるアーサーを連想する。だが、アーサーと女帝レオナの繋がりがわからない。
俺が首を傾げていると、何かの力で、俺は無理矢理、椅子に座らせられた。
「大事な話をするのだから、もっと、近づきなさい」
賢者ラシフが俺を強制的に座らせたのだ。俺は、覚悟を決めた。
「アーサーは、貴族に発現した皇族なんだが、我儘な娘で、皇族を隠したいんだと」
それは、確かに、外に漏れては大変な内容だった。
「アーサーは、あの裏切った家族と領地民どもに復讐したいんだ。帝国が手伝ってやろう、と言ったんだが、自分の手でやりたい、と言い張った。横から獲物をとるなと言われてしまったよ。俺様も、随分と甘っちょろい人になったんだな。それを聞いて、色々と思い出した。だから、アーサーのお願いをきくことにしたんだ。だが、皇族を野放しは危険だ。そこで、帝国から監視をつけることにした。お前だ」
「しかし、俺は、学生で」
行きたいは行きたいが、俺は、まだ学生の身分なのが引っかかった。
「もう騎士なんだから、卒業しなくていいだろう。貴族になるのか?」
「資格ぐらいは持っておきたいと」
「そうか。なら、これから卒業試験だ。作らせた」
賢者ラシフが、俺の前に数年分の試験をどんと置いてくれた。これ全部、今から解けという。
「わざわざ、騎士だというのを隠して学生をしているのは大変だろう。だったら、学生をなくせ」
「………はい」
逆らってはいけない。女帝レオナは、別名、皇族殺しの皇帝と呼ばれるほどの暴君である。俺なんか、簡単に処刑されちゃうよ。
それに、これはいい機会だった。ある意味、堂々とアーサーの側に行けるのだ。
たぶん、アーサーの親戚である俺だから、この任務に選ばれたのだろう。アーサーが秘密の皇族であることを知っても問題ないと判断されたのだ。
だから、祖父ウラーノがこの場にいるのだ。ウラーノは、俺が問題を解くのを睨んでいた。この人も、アーサーのことが心配なんだな。
「そうだ、お祖父様、アーサーとヘリオスの婚約、さっさと解消しろよ。あんたに言われた通り、俺は武道大会で優勝したんだからな」
「………」
「この、クソジジイが」
祖父ウラーノ、武道大会に優勝したらアーサーと婚約させてやる、なんて言っておいて、いざ、俺が武道大会で優勝したら、渋りやがった。
それを聞いて、女帝レオナは面白がった。
「へー、そんな話があるのかー。え、お前がアーサーと婚約するのか?」
「俺はしない」
「お前、そのために武道大会で優勝したんじゃないのか!?」
まさかの返答に、祖父ウラーノは驚いた。俺がアーサーと婚約したいと思って、邪魔してたから、驚くよな。
「アーサー………アーシャが好きなのは、キロンだ。なのに、好きでも何でもない、役立たずなヘリオスと婚約で縛るなんて、アーシャが可哀想だ。アーシャのためにも、この婚約はさっさと解消するべきだ」
「アーサーは、続けると」
「外野が煩くなってきている。学校に通っているからこそ、聞こえてくるんだ」
バカなヘリオスは、実は男であることを告白したのだ。それから、女装をやめて、男として過ごしてはいるが、それが悪目立ちした。
皇族がヘリオスに目をつけたのだ。
「ヘリオスも婚約者でいたいなら、それなりに努力すべきだってのに、何もかも中途半端だ。そのくせ、アーサーに守られている。あんなやつとの婚約はさっさとやめさせろ」
騎士になったのだ。それなりの情報が俺にも入ってくる。
「何かあったのか?」
「ヘリオスを愛でる会から、アーサーへ、嫌がらせの手紙が送られている。アーサーは、ヘリオスには相応しくないんだと」
「逆だろう」
女帝レオナは呆れたように言った。その返答に驚いた。
「あそこまでいかれた奴は、男でも女でも、アーサーが初めてだ。俺様でも、アーサーにはいいように操られるな。あんな女の隣りに立てるのは、同じ、頭がいかれた男だ。なあ、ラシフ」
「その通りです。レオナ様の隣りに立つのは私だけのように」
賢者ラシフは、女帝レオナのことを貧民から見つけてからずっと、付き従っているという。それは、狂愛だ。レオナに先帝を殺すように仕向けたのは、当時、筆頭魔法使いであったラシフでは、と噂されるが、それは、本当だろう。
賢者ラシフと女帝レオナは、妖精憑きキロンとアーサーの関係と同じだろう。ただし、アーサーの執着は、賢者ラシフに近いものを感じた。
たった半月だが、俺は妖精憑きキロンとアーシャの間に立って、キロンへのアーシャの狂った執着を垣間見た。
せっかく、祖父ウラーノもアーサーが皇族であることを知っているから、ということで、俺は男爵家から派遣される使用人に紛れこまされることとなった。無難に、庭師にされた。
実は、ど田舎の辺境に行くのは、これが初めてだった。行って、あまりの田舎っぷりに、戸惑った。
ほら、日が出たら働き、日が沈んだら休むって、本当にやってる所、初めて見たよ!! それを俺がするとは、思ってもいなかったけど。
だけど、この潜入で、難関がいた。妖精憑きキロンだ。キロンは、俺が何者か知っているのだ。
久しぶりに対面した時は、俺はどうなるかと、戦々恐々としていた。アーサーは、どうせ、俺のことは見えていないから心配していない。俺は、気狂いを起こしているアーシャだった頃に接しているから、魔法によって、認識出来ない扱いになっているはずだ。
アーサーは、予想通り、俺の前を素通りしていた。だけど、妖精憑きキロンは、俺を二度見した。お前、隠すとか、出来ない奴だな!!
だから、こっそりと俺は妖精憑きキロンとお話することとなったのだ。
「お前、ここで何やってるんだ。貴族の学校はどうした」
「アーサーにはいうなよ。実は」
全部、話した。こういうことは、下手に秘密にすると失敗するのだ。だったら、妖精憑きキロンを俺側に引き入れたほうがいい。
そして、キロンは両耳を塞いだ。
「なんで俺に話しちゃうんだよ!!」
「腹芸くらい出来るようになれよ!!」
「まさか、騎士になっちゃうとはなー。知らなかったよ」
「武道大会って、匿名でも出場できるんだよ。だから、俺が貴族子息のアーレイとは知られずに優勝だよ」
「あっぶなー。それじゃあ、騎士の中に、敵が紛れ込むこととなっちゃうだろう」
「そこからは、きちんと調査される。俺も調査されて、騎士になったんだ。優勝したからって、誰もが騎士になれるわけがない。実力がー、と表向きでは言っているが、実際は、調査によって弾かれただけだ」
実際に騎士になれば、内部事情がわかる。俺は、男爵家のきちんとした身の上だから、騎士になれたのだ。
「アーサーは一人で大丈夫か?」
「そこは、まあ、妖精をつけてるから。何かあったら、すぐに駆けつける。しっかし、庭師かー。ここで一番いらない閑職だぞ」
「そうだな」
庭師として派遣されたけど、庭ってどこ? と言いたい。庭、あるにはあるが、あれは、ただ、除草しただけである。
「ここでは茶会とか、そういうことはしない。元々、そういう文化がない場所なんだ。先々代までは、王都に行ったっきりで、ここは、平民の領主代行に任せてたからな。社交の場は、王都だったんだよ」
「詳しいな」
「一応、アーサーの執事とか、家令とか、そういうのをやってる。そのために、色々と身に着けた。さて、ここの管理は使用人が交代でやってただけだからなー。専任を置く理由がないなー」
「どうせ、俺はアーサーには認識されないからな。のんびり過ごすよ」
「こんな所で、何が起こるというんだか」
見るからにど田舎である。王都の喧噪を経験している身としては、ここはのどかで、何もない。女帝レオナが警戒するようなことはないように見えた。
「そう思って、アーサーが一年、酷いこととなった。そういうものだ」
アーサーは、母を亡くして一年、無事だと思われていた。家族なんだから、仲良く過ごしているだろう、と。
そうじゃなかった。皆、外側から見ていたから知らなかったのだ。アーサーを取り巻く周囲は、アーサーを敵と見ていた。
「こんなど田舎だから、考えるんだろう。暇なんだ」
「………アーサーも、そういうこと、言ってたな」
日々、忙しくしていれば、そんな考えところではない。平民だって、生きるのは大変なのだ。
ところが、この領地民は、生きるのは大変なわけではなかったのだろう。この閉鎖された領地で、変化のない日常を過ごしていたのだ。そこに、ちょっとした刺激を求めた。それが、アーサーの虐待である。
一度、アーサーを裏切った領地民たち。大した罪に問われることなく、いつもの日常を過ごしている。そういう奴らは、反省しない。また、同じことをするんだ。
そして、本当にした。アーサーの父ネロたちの甘言に刺激を受けた領地民たちは、また、刺激を求めて、アーサーを裏切った。内乱に参加して、アーサーを屋敷から追い出したのだ。
それも、アーサーに味方する領主代行によって、あっけなく、覆された。また、アーサーに許されて、領地民たちはバカみたいに喜んだのだ。そして、また、反省しなかった。
まさか、俺が子爵の領地に来て一年も経たないうちに、アーサーが出奔するなんて、思ってもいなかった。俺は、子爵家も、領地も、滅茶苦茶になっている所に、後始末に奔走することとなった。
「あ、いたな」
祖父ウラーノに指示を仰ぎに行ってみれば、酷い扱いをされた。どうせ、四男だから、記憶の端っこにしかいないんだろうな。いいけど。
「いやー、報告、読んでるぞー」
とってつけたように言う女帝レオナ。絶対に俺のこと、忘れてるよな。祖父ウラーノと女帝レオナは仲良しっぽいが、俺の話題なんて、一回もあがってないのは、想像出来た。どうせ、報告書だって、平和だから、部下が読んで終わりだろうな。そう思って、書いてるよ、俺は!!
長年、四男だから、ぞんざいな扱いをされていた。だから、俺は馴れていた。
「俺はこれから、どうすればいいですか? 学校は無理矢理、卒業させられたし、任務でここにいたけど、監視対象のアーサーもいなくなったし」
王都に戻って、平騎士になるのかな、程度に予想していた。もう、アーサーは自由になった。ここで俺がやれることなんてない。
「ウラーノ、ほら、領地のことをそれなりに知ってる孫がいる」
「それなら、アーシャの元婚約者ヘリオスも詳しいといえば詳しいが」
「いやー、あいつは無理だなー。口ばっかりで、実力がない」
「アーレイだって、大した奴じゃないぞ」
「アーサーと同い年で、貴族の学校を卒業出来る実力があって、頭使って武道大会も優勝した、その実力は本物だ。こいつなら出来る!!」
俺の肩をばんばんと叩く女帝レオナ。一体、何を話し合っているのやら、俺は、この場に指示を仰ぎに来たばっかりなので、何も知らない。
「しばらくは、ワシがここにいるから、どうにかなるか」
「何が?」
「後始末じゃよ。これから、この領地を大改革する」
無茶苦茶、面倒臭い感じだ。聞いていて、俺は、どうにか逃げられないかなー、なんて考えた。いや、無理だよ!! 俺の両肩を女帝レオナと祖父ウラーノをつかんで離さない。俺が逃げると読んだな。
俺は、跡形もなくなった、屋敷のほうを見た。
「せめて、あそこに収蔵されていた過去の資料があれば楽だったのにー」
「ティーレット、何やってくれてんだよ!!」
「えへへへへ」
女帝レオナは、俺のぼやきに、筆頭魔法使いティーレットを叱った。本当に、こいつ、何やってくれたんだよ。しかも、反省してないよ、こいつ。本当に、妖精憑きって、我儘で滅茶苦茶で、自分勝手だな。
そんな妖精憑きも、ただの人に振り回されていた。
アーサーの妖精憑きキロンだ。領地に戻ったアーサーは、常に妖精憑きキロンを側に置いては、振り回していた。本来は逆であるのだが、アーサーは気狂いが酷くて、キロンはアーサーに合わせていた。
そういう話を俺は妖精憑きキロンからよく聞いていた。あいつ、俺のこと、友達か何かと都合よく使っていたな。お陰で、俺が見ていない所のアーサーのことを教えてもらって、報告書を書くのは楽だった。
アーサーを同じく唯一を見ている筆頭魔法使いティーレットは、遠いどこかへと視線を飛ばした。千年の才能持ちであるティーレットは、帝国中、どこにでも目を届かせられるほどの実力があると言われている。
「ちぇ。また、キロンはアーサーを隠した。王都のどこにも見つからないよー」
帝国最強である筆頭魔法使いティーレットでも、妖精憑きキロンに隠されたアーサーを見つけることは出来なかった。
「俺、学校に騎士団に、むちゃくちゃ忙しいんだけど」
もう、貴族の学校はやめたい気分だった。
俺は、史上最年少で、武道大会を優勝して、騎士となった。優勝といったって、運だよ、運。帝国中の武道大会に出場して、予選突破して、という実力までは身に着けたが、これは、効率が悪いと気づいた。
だから、俺は辺境の武道大会に賭けたのだ。
武道大会で騎士を目指す奴らは大勢いる。だいたい、帝国中の武道大会全てに参加するのだ。その中で、最後に行われるのが、辺境である。だから、辺境の武道大会では、選手はもう疲れ切っているのだ。そこに、無駄な戦いをしなかった俺は出場したわけである。
こういう分析は、母がつけた教師のお陰だ。教師は、俺の相談を受けて、一緒になって、武道大会を分析して、この事に気づいたのである。そして、一か八かで、俺は辺境の武道大会に賭けたのだ。
予選はどうにか突破した。それは、もう、普通に出来るのだ。後は、本戦である。そこが、魑魅魍魎なのだ。
ほとんど、運だった。俺は、貴族の学校の枠で予選突破した選手にばかり当たった。別に、組み合わせに細工をしたわけではない。組み合わせは、クジだ。細工しようがないのだ。そして、その運のお陰で、決勝では、疲れ切った選手と対戦である。一般出場での予選突破で進んだ男は、きっと、帝国中の武道大会に出場したのだろうな。だから、疲れていない俺に負けたのだ。
俺は、騎士になるつもりはなかった。だから、この後は、適当である。ところが、史上最年少の優勝者、ということから、俺は強制的に騎士にされたのだ。
だから、俺は、貴族の学校で学生やって、成績も首席をとっているので生徒会役員をやって、帝国の騎士団でしごかれて、と酷いこととなっていた。俺は騎士だから、王都の貴族の学校に通っている皇族様の騎士候補にも上がっている。もういるから、俺、いらないと思う。まず、学年が違う。
というわけで、俺は日々、大変な事となっていた。武道大会に優勝しただけなのにぃー。
だけど、祖父ウラーノの私室に行けば、俺は反射で膝をついた。
「なーんだ、お行儀がいいな!!」
「アーレイ、立っていいぞ。お忍びだ」
祖父ウラーノに言われても、俺は立つわけにはいかない。
何故か、祖父の私室に、女帝レオナがいたのだ。とんでもない美女だが、生まれ育ちは貧民と、蔑まれる出自である。それも、皇族と認められ、今では帝国で一番の権力者だ。
女帝レオナ、貧民育ちだけあって、暴君だ。帝国では、男しか皇帝になれない、男しか爵位を受け継げない、男しか跡継ぎになれない、と法律で決まっている。それを女帝レオナは、男装して、皇位簒奪して、皇帝を名乗っていたのだ。その腕っぷしで、逆らう皇族を家族ごと処刑し、逆らう貴族を家族ごと処刑し、と血塗られた皇帝となった。そして、何を思ったのか、突然、自らが女だと暴露して、法律を変えたのだ。
女でも皇帝になれる、女でも爵位を受け継げる、女でも跡継ぎになれる、と。
女帝レオナには、帝国最強の魔法使いである賢者ラシフが味方している。もう、誰も、女帝レオナには逆らえないのだ。武力でも勝てない、魔法でも勝てない、政治でも勝てない。
こんな横暴な女帝レオナを前にして、立てるわけがない。気に入らなかったら、俺だって処刑される。俺は勝てるだろうか?
「まあまあ、立て立て。俺様が許す。だいたい、このままだと、俺様の首が痛いだろう。さっさと座れ」
「はっ」
そう言われてしまっては、俺は立つしかない。しかし、俺は祖父ウラーノの後ろに立った。座るなんてダメだ。ほら、座った途端、ばっさりされちゃうかもしれない。いつでも逃げられるようにしよう。
俺がものすごく警戒していることが女帝レオナに伝わったのだろう。女帝レオナは面白そうに俺を見上げた。
「さすが、武道大会優勝者だな。そこら辺の見習い騎士とは、危機管理が違うな。これなら、アーサーの監視も出来るだろう」
「?」
アーサーと聞くと、辺境にいるアーサーを連想する。だが、アーサーと女帝レオナの繋がりがわからない。
俺が首を傾げていると、何かの力で、俺は無理矢理、椅子に座らせられた。
「大事な話をするのだから、もっと、近づきなさい」
賢者ラシフが俺を強制的に座らせたのだ。俺は、覚悟を決めた。
「アーサーは、貴族に発現した皇族なんだが、我儘な娘で、皇族を隠したいんだと」
それは、確かに、外に漏れては大変な内容だった。
「アーサーは、あの裏切った家族と領地民どもに復讐したいんだ。帝国が手伝ってやろう、と言ったんだが、自分の手でやりたい、と言い張った。横から獲物をとるなと言われてしまったよ。俺様も、随分と甘っちょろい人になったんだな。それを聞いて、色々と思い出した。だから、アーサーのお願いをきくことにしたんだ。だが、皇族を野放しは危険だ。そこで、帝国から監視をつけることにした。お前だ」
「しかし、俺は、学生で」
行きたいは行きたいが、俺は、まだ学生の身分なのが引っかかった。
「もう騎士なんだから、卒業しなくていいだろう。貴族になるのか?」
「資格ぐらいは持っておきたいと」
「そうか。なら、これから卒業試験だ。作らせた」
賢者ラシフが、俺の前に数年分の試験をどんと置いてくれた。これ全部、今から解けという。
「わざわざ、騎士だというのを隠して学生をしているのは大変だろう。だったら、学生をなくせ」
「………はい」
逆らってはいけない。女帝レオナは、別名、皇族殺しの皇帝と呼ばれるほどの暴君である。俺なんか、簡単に処刑されちゃうよ。
それに、これはいい機会だった。ある意味、堂々とアーサーの側に行けるのだ。
たぶん、アーサーの親戚である俺だから、この任務に選ばれたのだろう。アーサーが秘密の皇族であることを知っても問題ないと判断されたのだ。
だから、祖父ウラーノがこの場にいるのだ。ウラーノは、俺が問題を解くのを睨んでいた。この人も、アーサーのことが心配なんだな。
「そうだ、お祖父様、アーサーとヘリオスの婚約、さっさと解消しろよ。あんたに言われた通り、俺は武道大会で優勝したんだからな」
「………」
「この、クソジジイが」
祖父ウラーノ、武道大会に優勝したらアーサーと婚約させてやる、なんて言っておいて、いざ、俺が武道大会で優勝したら、渋りやがった。
それを聞いて、女帝レオナは面白がった。
「へー、そんな話があるのかー。え、お前がアーサーと婚約するのか?」
「俺はしない」
「お前、そのために武道大会で優勝したんじゃないのか!?」
まさかの返答に、祖父ウラーノは驚いた。俺がアーサーと婚約したいと思って、邪魔してたから、驚くよな。
「アーサー………アーシャが好きなのは、キロンだ。なのに、好きでも何でもない、役立たずなヘリオスと婚約で縛るなんて、アーシャが可哀想だ。アーシャのためにも、この婚約はさっさと解消するべきだ」
「アーサーは、続けると」
「外野が煩くなってきている。学校に通っているからこそ、聞こえてくるんだ」
バカなヘリオスは、実は男であることを告白したのだ。それから、女装をやめて、男として過ごしてはいるが、それが悪目立ちした。
皇族がヘリオスに目をつけたのだ。
「ヘリオスも婚約者でいたいなら、それなりに努力すべきだってのに、何もかも中途半端だ。そのくせ、アーサーに守られている。あんなやつとの婚約はさっさとやめさせろ」
騎士になったのだ。それなりの情報が俺にも入ってくる。
「何かあったのか?」
「ヘリオスを愛でる会から、アーサーへ、嫌がらせの手紙が送られている。アーサーは、ヘリオスには相応しくないんだと」
「逆だろう」
女帝レオナは呆れたように言った。その返答に驚いた。
「あそこまでいかれた奴は、男でも女でも、アーサーが初めてだ。俺様でも、アーサーにはいいように操られるな。あんな女の隣りに立てるのは、同じ、頭がいかれた男だ。なあ、ラシフ」
「その通りです。レオナ様の隣りに立つのは私だけのように」
賢者ラシフは、女帝レオナのことを貧民から見つけてからずっと、付き従っているという。それは、狂愛だ。レオナに先帝を殺すように仕向けたのは、当時、筆頭魔法使いであったラシフでは、と噂されるが、それは、本当だろう。
賢者ラシフと女帝レオナは、妖精憑きキロンとアーサーの関係と同じだろう。ただし、アーサーの執着は、賢者ラシフに近いものを感じた。
たった半月だが、俺は妖精憑きキロンとアーシャの間に立って、キロンへのアーシャの狂った執着を垣間見た。
せっかく、祖父ウラーノもアーサーが皇族であることを知っているから、ということで、俺は男爵家から派遣される使用人に紛れこまされることとなった。無難に、庭師にされた。
実は、ど田舎の辺境に行くのは、これが初めてだった。行って、あまりの田舎っぷりに、戸惑った。
ほら、日が出たら働き、日が沈んだら休むって、本当にやってる所、初めて見たよ!! それを俺がするとは、思ってもいなかったけど。
だけど、この潜入で、難関がいた。妖精憑きキロンだ。キロンは、俺が何者か知っているのだ。
久しぶりに対面した時は、俺はどうなるかと、戦々恐々としていた。アーサーは、どうせ、俺のことは見えていないから心配していない。俺は、気狂いを起こしているアーシャだった頃に接しているから、魔法によって、認識出来ない扱いになっているはずだ。
アーサーは、予想通り、俺の前を素通りしていた。だけど、妖精憑きキロンは、俺を二度見した。お前、隠すとか、出来ない奴だな!!
だから、こっそりと俺は妖精憑きキロンとお話することとなったのだ。
「お前、ここで何やってるんだ。貴族の学校はどうした」
「アーサーにはいうなよ。実は」
全部、話した。こういうことは、下手に秘密にすると失敗するのだ。だったら、妖精憑きキロンを俺側に引き入れたほうがいい。
そして、キロンは両耳を塞いだ。
「なんで俺に話しちゃうんだよ!!」
「腹芸くらい出来るようになれよ!!」
「まさか、騎士になっちゃうとはなー。知らなかったよ」
「武道大会って、匿名でも出場できるんだよ。だから、俺が貴族子息のアーレイとは知られずに優勝だよ」
「あっぶなー。それじゃあ、騎士の中に、敵が紛れ込むこととなっちゃうだろう」
「そこからは、きちんと調査される。俺も調査されて、騎士になったんだ。優勝したからって、誰もが騎士になれるわけがない。実力がー、と表向きでは言っているが、実際は、調査によって弾かれただけだ」
実際に騎士になれば、内部事情がわかる。俺は、男爵家のきちんとした身の上だから、騎士になれたのだ。
「アーサーは一人で大丈夫か?」
「そこは、まあ、妖精をつけてるから。何かあったら、すぐに駆けつける。しっかし、庭師かー。ここで一番いらない閑職だぞ」
「そうだな」
庭師として派遣されたけど、庭ってどこ? と言いたい。庭、あるにはあるが、あれは、ただ、除草しただけである。
「ここでは茶会とか、そういうことはしない。元々、そういう文化がない場所なんだ。先々代までは、王都に行ったっきりで、ここは、平民の領主代行に任せてたからな。社交の場は、王都だったんだよ」
「詳しいな」
「一応、アーサーの執事とか、家令とか、そういうのをやってる。そのために、色々と身に着けた。さて、ここの管理は使用人が交代でやってただけだからなー。専任を置く理由がないなー」
「どうせ、俺はアーサーには認識されないからな。のんびり過ごすよ」
「こんな所で、何が起こるというんだか」
見るからにど田舎である。王都の喧噪を経験している身としては、ここはのどかで、何もない。女帝レオナが警戒するようなことはないように見えた。
「そう思って、アーサーが一年、酷いこととなった。そういうものだ」
アーサーは、母を亡くして一年、無事だと思われていた。家族なんだから、仲良く過ごしているだろう、と。
そうじゃなかった。皆、外側から見ていたから知らなかったのだ。アーサーを取り巻く周囲は、アーサーを敵と見ていた。
「こんなど田舎だから、考えるんだろう。暇なんだ」
「………アーサーも、そういうこと、言ってたな」
日々、忙しくしていれば、そんな考えところではない。平民だって、生きるのは大変なのだ。
ところが、この領地民は、生きるのは大変なわけではなかったのだろう。この閉鎖された領地で、変化のない日常を過ごしていたのだ。そこに、ちょっとした刺激を求めた。それが、アーサーの虐待である。
一度、アーサーを裏切った領地民たち。大した罪に問われることなく、いつもの日常を過ごしている。そういう奴らは、反省しない。また、同じことをするんだ。
そして、本当にした。アーサーの父ネロたちの甘言に刺激を受けた領地民たちは、また、刺激を求めて、アーサーを裏切った。内乱に参加して、アーサーを屋敷から追い出したのだ。
それも、アーサーに味方する領主代行によって、あっけなく、覆された。また、アーサーに許されて、領地民たちはバカみたいに喜んだのだ。そして、また、反省しなかった。
まさか、俺が子爵の領地に来て一年も経たないうちに、アーサーが出奔するなんて、思ってもいなかった。俺は、子爵家も、領地も、滅茶苦茶になっている所に、後始末に奔走することとなった。
「あ、いたな」
祖父ウラーノに指示を仰ぎに行ってみれば、酷い扱いをされた。どうせ、四男だから、記憶の端っこにしかいないんだろうな。いいけど。
「いやー、報告、読んでるぞー」
とってつけたように言う女帝レオナ。絶対に俺のこと、忘れてるよな。祖父ウラーノと女帝レオナは仲良しっぽいが、俺の話題なんて、一回もあがってないのは、想像出来た。どうせ、報告書だって、平和だから、部下が読んで終わりだろうな。そう思って、書いてるよ、俺は!!
長年、四男だから、ぞんざいな扱いをされていた。だから、俺は馴れていた。
「俺はこれから、どうすればいいですか? 学校は無理矢理、卒業させられたし、任務でここにいたけど、監視対象のアーサーもいなくなったし」
王都に戻って、平騎士になるのかな、程度に予想していた。もう、アーサーは自由になった。ここで俺がやれることなんてない。
「ウラーノ、ほら、領地のことをそれなりに知ってる孫がいる」
「それなら、アーシャの元婚約者ヘリオスも詳しいといえば詳しいが」
「いやー、あいつは無理だなー。口ばっかりで、実力がない」
「アーレイだって、大した奴じゃないぞ」
「アーサーと同い年で、貴族の学校を卒業出来る実力があって、頭使って武道大会も優勝した、その実力は本物だ。こいつなら出来る!!」
俺の肩をばんばんと叩く女帝レオナ。一体、何を話し合っているのやら、俺は、この場に指示を仰ぎに来たばっかりなので、何も知らない。
「しばらくは、ワシがここにいるから、どうにかなるか」
「何が?」
「後始末じゃよ。これから、この領地を大改革する」
無茶苦茶、面倒臭い感じだ。聞いていて、俺は、どうにか逃げられないかなー、なんて考えた。いや、無理だよ!! 俺の両肩を女帝レオナと祖父ウラーノをつかんで離さない。俺が逃げると読んだな。
俺は、跡形もなくなった、屋敷のほうを見た。
「せめて、あそこに収蔵されていた過去の資料があれば楽だったのにー」
「ティーレット、何やってくれてんだよ!!」
「えへへへへ」
女帝レオナは、俺のぼやきに、筆頭魔法使いティーレットを叱った。本当に、こいつ、何やってくれたんだよ。しかも、反省してないよ、こいつ。本当に、妖精憑きって、我儘で滅茶苦茶で、自分勝手だな。
そんな妖精憑きも、ただの人に振り回されていた。
アーサーの妖精憑きキロンだ。領地に戻ったアーサーは、常に妖精憑きキロンを側に置いては、振り回していた。本来は逆であるのだが、アーサーは気狂いが酷くて、キロンはアーサーに合わせていた。
そういう話を俺は妖精憑きキロンからよく聞いていた。あいつ、俺のこと、友達か何かと都合よく使っていたな。お陰で、俺が見ていない所のアーサーのことを教えてもらって、報告書を書くのは楽だった。
アーサーを同じく唯一を見ている筆頭魔法使いティーレットは、遠いどこかへと視線を飛ばした。千年の才能持ちであるティーレットは、帝国中、どこにでも目を届かせられるほどの実力があると言われている。
「ちぇ。また、キロンはアーサーを隠した。王都のどこにも見つからないよー」
帝国最強である筆頭魔法使いティーレットでも、妖精憑きキロンに隠されたアーサーを見つけることは出来なかった。
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