61 / 83
外伝 凶星の申し子と妖精殺しの蜜月
情緒不安定
しおりを挟む
アーサーが子爵家の実権を握ってから、俺の周囲は静かになった。アーサーの母方の実家が、俺の子や孫を黙らせたという話だ。
正直、俺は、俺の過去の女たちは、諦めないと思っていた。昔は、アーサーの目を盗んで、俺に話しかけたりしていた。きっと、また、俺がアーサーから離れた時を狙って、話しかけてくるものと思っていた。どんなに口約束したって、守らないよ、こいつら。俺のことは裏切ったくせに、今更欲しいといって、すっかり気狂いとなったアーサーを虐めたんだ。あいつらのせいで、アーサーは俺の子を産みたがっているといっていい。
貴族の学校に通っていないから、アーサーは以前と同じ、領地の見回りを続けた。そうすると、俺の子や孫を目に入れてしまう。あいつら、俺を期待したように見てきた。ほら、諦めていない。
そして、アーサーは俺の繋いだ手に爪をたてる。見れば、アーサーは嫉妬の顔で、俺を見上げていた。
「どこを見ているのですか」
「また、おかしなことをやらないか、警戒してるだけだ。俺はアーサーだけだ。他はどうだっていい」
「そういって、家族になる、友達になる、と言われたら、ふらふらとついて行ってしまうでしょう」
「しないから!! 家族も友達も、もういらないって!!!」
「キロン、裏切ったら、絶対に許さない。私は、私が持っているもの、キロンに捧げたんだ。本当は、全て、捧げたいのに、キロンがダメだというから」
アーサーはお腹を撫でて、悔しそうに顔を歪めた。
「絶対に負けるものか」
領地民といえども、俺を奪おうとする者は、アーサーにとっては敵なのだ。アーサーもまた、いつかまたやってくるかもしれない、あの子や孫だと言っている奴らを警戒していた。
「なあ、あいつら、領地から出したらどうだ? 出来るって聞いたぞ」
もう、アーサーの記憶にはいない、アーサーの母マイアの兄は言っていた。頼めば、あの目障りな俺の子や孫を見えない所に移住させると。
「そんなことして、目の届かないところで、キロンの子だ、孫だ、と言いふらしたらどうするのですか!! ここでは、黙らせられます。だけど、領地外では、それが出来ません。ここで、大人しくしているかどうか、監視を続けるしかありません」
「………」
殺してしまえばいいのに。そう思うが、口にしない。アーサーには、そういう考えがないのだ。
あえて、悪い解決方法をアーサーに教えなくていい。そういうことが思いつきもしないのが、アーサーなのだ。それが、俺のアーサーだ。
俺はアーサーを無理矢理、肩車してやった。
「ちょっ」
「ほら、高いだろう!!」
「う、うん、そうだね」
「これくらい、俺がやってやる。アーサーが望むことは全部、俺が叶えてやるからな!!」
「じゃあ、はやくキロンの子を妊娠させて」
「そこは、神の領域だ。妖精憑きでも無理だ」
「………」
不貞腐れるアーサー。どうしても、俺を縛る手段として、俺の子を妊娠したいんだ。
そんなことしなくても、もう、俺はアーサーに縛られてるってのにな。アーサーには、どんなに言葉を重ねても、信じてくれない。
好きだ、とか、愛してる、とか、そんな安っぽい言葉ではない。アーサーの存在は、俺の全てだ。
アーサーは子どもなんだ。大人顔負けなことをいっぱいしているが、やっぱり、子どもなんだ。誰だって、父親に一度はされただろう肩車を目を輝かせて喜んだ。
「アーサー、俺が全部、やってやる!!」
俺の記憶の中には、父親に当然のようにされたことがあった。まだ、妖精憑きだと知られる前だ。俺は、物心がついたばかりのガキだった頃、親兄弟に囲まれて、当然のように家族の愛を受けていた。
その当然が、アーサーにはなかった。アーサーは、はやく大人になれ、と急かされていた。アーサーの望みは、本当は、こんなちっちゃいことなんだ。
「キロン、禁則地が見える!!」
妖精の安息地と呼ばれる、妖精たちのための領地の近くにきたのだ。アーサーは、高い所から見える景色に喜んだ。
俺は、妖精が大嫌いだ。だって、妖精と話したりしていたから、妖精憑きだとバレた。それで、俺は親兄弟から捨てられたんだ。
だけど、俺は妖精とは縁が切れない。死ぬまで、妖精と関わった生き方となる。それが、妖精憑きだ。それがイヤで仕方なかった。どうにかしたかった。
それも、今は、妖精憑きで良かったと思う。妖精憑きのお陰で、アーサーの寿命を伸ばせる。アーサーは、妖精憑きの寿命を奪って生きながらえるのだ。だから、どうしても、妖精憑きが必要なんだ。
そういえば、とふと、俺は過去の、アーサーにとって忌まわしい一年を思い出す。あの頃から、アーサーは、俺を寿命を伸ばすために必要としなくなった。
アーサーと出会ったばかりの頃は、アーサーは、むしろ、俺を遠ざけたがっていた。俺の寿命がアーサーの体質のせいで短くなるからだ。俺は、アーサーの外だけでなく、内側、魂まで、俺のものに染まってくれて嬉しいというのに、アーサーはそれを理解してくれなかった。
今は、アーサーは歪んだが、俺の全てを欲しがった。離すなんて、考えてもいない。誰よりも側に置いて、しがみ付いてくる。
「はやく、月の物がくるといいな」
「そうだね」
アーサーは上から俺に笑顔を向けてくれた。
月の物の時は、色々と不安定になると聞いていたが、ここまでとは、思ってもいなかった。
アーサーは俺に手あたり次第に、物をなげつけた。
「月の物がきたってのに、胸、膨らまなかったじゃないか!!」
アーサー、どうしても胸が平なのが悔しかったのだ。
「俺は別に、胸なんて」
「あんなにキロンに揉ませておいて、ただ、気持ち良かっただけじゃないか!!」
「気持ち良かったなら、いいだろう。アーサーが気持ちいいというのなら、俺も嬉しい」
「バカ!!」
本当に、俺はバカだな。アーサーのこととなると、頭が悪くなる。いや、地頭はいいんだよ。ガキの頃に監禁されてたから、そこから成長してないだけだ。
投げるものさえなくなれば、俺がアーサーの側に行けるようになる。いつもの通り、アーサーを俺の膝に乗せる。ただし、胸を刺激してはいけない。ここ、重要。
アーサーは俺の膝に横座りとなって、俺の胸に顔を埋める。
「くやしぃーーーーー!!! フローラの胸、柔らかかった!!」
「触ったのかよ」
「抱きしめられただけです!! 事故みたいなものですよ!!! 年下のシリアだって、こう、見るからに膨らみがある」
「アーサーはもっと、食べるべきだ!!」
誤魔化した。アーサーの胸は、たぶん、膨らまない。アーサーの胸辺りの骨は、平なんだ。ここが平なのって、男だけなんだよ。つまり、アーサーの胸は胸板だ。
「いえ、諦めてはいけません。月の物が今更、きたんです。こういうのがきてから、胸が成長するのかもしれません。つまり、今まで、キロンがやっていたことは、無駄だったんです。ちくしょー、変態め!!!」
ぐーで殴ってきた!! 俺は耐えた。アーサーは今、月の物で情緒不安定なんだ。下手に口答えしたら、大変なことになる。
「はい、俺が悪いです。間違ったこと言って、すみません」
「どうせ、胸触りたいから、そう言ったんでしょう!!」
「えー、俺は、アーサーの全身、触りたい。胸だけだなんて、我慢出来ないよー」
「絶対にそうだ。そして、胸がない私はいつか、キロンに捨てられちゃうんだ」
「そんなことないって!! アーサー、ずっと一緒だぞ。アーサーがイヤだって言ったって、離れないからなー」
「そう言って、どれだけの女と子作りしたんですか」
「………」
数えちゃダメだ。よくよく思い出せば、アーサーが誕生した頃にも、いた。つまり、アーサーと歳が近い子がいるかもしれないのだ。
俺は笑ったまま、どう誤魔化そうか、なんて考えた。なんで、思い出しちゃうかなー。俺が悪いんだけど。
俺が黙り込んだからか、アーサーは不安そうに俺を見上げてきた。
「お、怒った?」
「怒ってない怒ってない。アーサーは、俺に何やったっていいんだ。俺はアーサーがしてくれること全て、嬉しいから!!」
「その、いっぱい、物を投げつけて、痛かったよね」
「全然、痛くないよ!!」
「け、怪我、してない?」
「ないない!!」
瞬間で、小さい傷を俺は治した。魔法、便利だね。
アーサーは疑うように俺を見上げた。俺の体に触れて、服をめくって、と確認する。
「キロン、ごめん。私のこと、嫌いにならないでね」
「嫌いになんてならないよ!! アーサーは俺の全てだ。アーサーだけがいればいい。アーサーさえ望めば、ここを出て行ってもいいんだよ。それくらい、簡単なんだから。俺が、アーサーを連れてってやるよ!!」
昔と今は違う。昔は、この狭い領地が全てだった。ここを出る事なんて、俺は考えてもいなかった。ちょっと広くなっても、俺は、ここで終わると思っていた。
だけど、今は違う。転移の魔道具を手に入れた。これがあれば、簡単に帝国のあちこちを移動できる。ただ、一度は行かないといけないという。今、行ける場所といったら、王都だ。そこから、どんどんと転移出来る場所を増やしていけばいい。
「うん、もう少しで終わるから、そうしよう。あ、その前に、やらないといけないことがある」
アーサーはそういうと、俺に口づけをしてきた。しかも、舌まで挿入する、深いのだ。
「ちょ、ちょっと、それすると、俺、我慢できなくなる」
俺の下半身がむくむくと盛り上がってくる。すっかり、アーサーは口づけがうまくなっていた。口づけだけで、俺をその気にさせられる。
「ほら、月の物がきたよ。やっと、キロンと最後まで出来るね」
アーサーは俺の手をつかむと、アーサーのお腹に触れさせる。
「キロンが最初で最後だよ。ヘラ………ヘリオスとは、婚約解消した。私は女帝レオナ様のお陰で、女に戻れた。私がキロンの子を産んでも、文句を言わせない。文句をいう奴らは、その頃にはいなくなってるから」
衝動が起こる。アーサーの全てに匂い付けしたかった。
アーサーは、下半身になにか当たるのを感じて、嬉しそうに笑った。
「今日は、口でしよう」
「い、いや、それは」
アーサーを穢すようで、俺はどうしてもイヤだった。
「アーサー、ダメだって。月の物で、貧血が酷いんだから。今日は、大人しく寝よう。倒れてばっかりで、皆、心配してる」
「そんなの、どうだっていい。私は、キロンだけでいい」
「………俺も、そうだ」
アーサーに言われて、気づく。俺は、結局、アーサー以外、どうだっていい。アーサーの周囲には、アーサーを想う人は多い。そのついでで、俺もアーサーの一部のように扱われている。
だけど、俺は、今は、家族はいらないし、友達もいらない。辺境の教皇フーリードは、相変わらず、妖精憑きの友達を作れ、なんて言ってるけど、どうだっていい。むしろ、それを聞いて、笑いそうになる。友達を作れというフーリードは、俺の友達になる、ということを考えてもいなかった。
アーサーは俺を押し倒して、俺の上に跨った。
「私がどうしてもしたいから、します」
「悪い子だ」
月の物が終わってもしばらくは、アーサーの体調は崩れたままだった。なのに、面倒事は終わらない。もう、さっさと殺してしまえばいいのにー、とはいつも思う。
「なあ、リサ親子は、さっさと処刑したほうが、皆、喜ぶぞ」
落ちるところまで落ちたリサ親子。リサはもう、子爵家から籍を抜かれて、平民リサになった。犯罪奴隷にまでなったのに、今だに、子爵の子を産んだ女と威張っている。リサの実家である領主代行一族は、リサの面倒をみることになって、大変そうだ。
リサの子であるリブロとエリザは、一応、まだ、子爵ネロの子として、別邸で幽閉だ。幽閉されていても、一応、貴族の学校には通えたのだ。それも、貴族の学校でやらかして、退学となった。リブロとエリザは、帝国中の貴族の学校が入学すら拒否する処分をされたのだ。貴族の学校を卒業しなければ、貴族になれない。あの二人は、永遠に、貴族になれない。平民だ。
もう、生かしておく価値もないリサ親子。辺境はいわば、治外法権みたいな場所だ。勝手に処刑しても、帝国は何も言わない。
なかなか貧血が治らなくて、俺と閨事出来なくて不機嫌なアーサーは、さらに不機嫌になった。
「そういう話、今、ここでは、聞きたくない。今は、キロンに可愛がってもらいたい」
「これでいい?」
アーサーを胸に抱きしめて、横になる。それだけで、アーサーは笑顔を見せる。
「今、ティーレットに、父上と、リブロとエリザの親子鑑定をしてもらっています。フーリード様が行った親子鑑定は認めない、と言われてしまいますが、さすがに筆頭魔法使いがした親子鑑定は、認めるでしょうね。ついでに、レオナ様のサインもつけてもらおう」
「リブロもエリザも、ネロの子じゃないことなんて、どうだっていいだろう」
「父上は、リブロとエリザを我が子と、随分と可愛がっていました。ただ処刑したら、私を恨むだけです」
「言わせておけばいいだろう」
「私、悪くない」
「………」
アーサーは、そこのところが引っかかっていて、どうしても、最後の手段に出られなかった。
ネロの愛人リサは、本当に酷い女なんだ。リサは、ネロの子だとリブロとエリザを産んだ。ところが、辺境の教皇フーリードに親子鑑定をさせてみれば、リブロとエリザは、ネロとの血のつながりがなかったのだ。
辺境にある領地は閉鎖された空間となっている。領地民たちは、血が似通っているから、親子鑑定をするのはとても難しい、とフーリードは言っていた。しかし、アーサーの父ネロは、外の血筋だ。元々、領主でもある子爵は、王都で暮らしていた。領地が呪われ、実りが緩やかに減っていき、借金を抱えるようになってから、子爵は王都の屋敷を処分して、領地で暮らすこととなったのだ。それが、ネロの父親の代である。だから、領地民とネロは、血が遠いので、親子鑑定の結果に間違いはない。
つまり、リサの子リブロとエリザは、領地民たちに似通っていたのだ。
ネロの子であれば、領地民たちの血筋が薄まるはずだ。外から来た者が父親であっても、そうなる。だけど、リブロとエリザは、領地民たちと血が似通っていたという。
ネロの愛人リサは、領地民の男と浮気をしていたということである。しかも、一人ではない。リブロとエリザの父親は別だという。似通ってはいるが、同じ父親かどうかはわかるとフーリードは言っていた。
それを聞いた時、俺は呆れた。リサは愚かだ。ネロ一人を相手にしていれば、生まれてくる子は必ず、ネロの子だったのだ。それなのに、リサはネロ相手では満足出来なくて、浮気した。
以前、アーサーが俺に話してくれた。田舎は、多産なのは、閨事しかやることがないからだ、と。
リサは、ネロ一人では足りなかった。田舎は暇だから、やることはない。ネロでは満足できなかったリサは、領地民の男たちと浮気したのだ。
こんな田舎とはいえ、貴族の愛人と浮気した、なんて領地民は言えない。万が一、バレたら、貴族の持ち物に手を出した、と処刑されることだってある。だから、領地民たちは黙っていたのだ。
そうして、リサのやらかしは、バレなかった。リサは、ネロの子だと言い張った。ネロは、リサを愛していたから、それを信じた。そして、リサの言いなりだ。
アーサーは何も悪くない。むしろ、リサ親子と仲良くしようとしていた。なのに、リサはアーサーを悪者にしたのだ。そして、アーサーの母マイアが亡くなって、リサは動き出した。
散々、リサはアーサーを悪く言った。素直で優しく、他人に甘いアーサーは、それを素直に受け入れて、悪いと思い込んだ。気狂いにまでなったのだ。
そして、精神だけ巻き戻って、アーサーはやっと気づいた。悪いのはアーサーではない。
「絶対に、許さない。私を悪くいったんだ。滅茶苦茶にしてやる」
正直、俺は、俺の過去の女たちは、諦めないと思っていた。昔は、アーサーの目を盗んで、俺に話しかけたりしていた。きっと、また、俺がアーサーから離れた時を狙って、話しかけてくるものと思っていた。どんなに口約束したって、守らないよ、こいつら。俺のことは裏切ったくせに、今更欲しいといって、すっかり気狂いとなったアーサーを虐めたんだ。あいつらのせいで、アーサーは俺の子を産みたがっているといっていい。
貴族の学校に通っていないから、アーサーは以前と同じ、領地の見回りを続けた。そうすると、俺の子や孫を目に入れてしまう。あいつら、俺を期待したように見てきた。ほら、諦めていない。
そして、アーサーは俺の繋いだ手に爪をたてる。見れば、アーサーは嫉妬の顔で、俺を見上げていた。
「どこを見ているのですか」
「また、おかしなことをやらないか、警戒してるだけだ。俺はアーサーだけだ。他はどうだっていい」
「そういって、家族になる、友達になる、と言われたら、ふらふらとついて行ってしまうでしょう」
「しないから!! 家族も友達も、もういらないって!!!」
「キロン、裏切ったら、絶対に許さない。私は、私が持っているもの、キロンに捧げたんだ。本当は、全て、捧げたいのに、キロンがダメだというから」
アーサーはお腹を撫でて、悔しそうに顔を歪めた。
「絶対に負けるものか」
領地民といえども、俺を奪おうとする者は、アーサーにとっては敵なのだ。アーサーもまた、いつかまたやってくるかもしれない、あの子や孫だと言っている奴らを警戒していた。
「なあ、あいつら、領地から出したらどうだ? 出来るって聞いたぞ」
もう、アーサーの記憶にはいない、アーサーの母マイアの兄は言っていた。頼めば、あの目障りな俺の子や孫を見えない所に移住させると。
「そんなことして、目の届かないところで、キロンの子だ、孫だ、と言いふらしたらどうするのですか!! ここでは、黙らせられます。だけど、領地外では、それが出来ません。ここで、大人しくしているかどうか、監視を続けるしかありません」
「………」
殺してしまえばいいのに。そう思うが、口にしない。アーサーには、そういう考えがないのだ。
あえて、悪い解決方法をアーサーに教えなくていい。そういうことが思いつきもしないのが、アーサーなのだ。それが、俺のアーサーだ。
俺はアーサーを無理矢理、肩車してやった。
「ちょっ」
「ほら、高いだろう!!」
「う、うん、そうだね」
「これくらい、俺がやってやる。アーサーが望むことは全部、俺が叶えてやるからな!!」
「じゃあ、はやくキロンの子を妊娠させて」
「そこは、神の領域だ。妖精憑きでも無理だ」
「………」
不貞腐れるアーサー。どうしても、俺を縛る手段として、俺の子を妊娠したいんだ。
そんなことしなくても、もう、俺はアーサーに縛られてるってのにな。アーサーには、どんなに言葉を重ねても、信じてくれない。
好きだ、とか、愛してる、とか、そんな安っぽい言葉ではない。アーサーの存在は、俺の全てだ。
アーサーは子どもなんだ。大人顔負けなことをいっぱいしているが、やっぱり、子どもなんだ。誰だって、父親に一度はされただろう肩車を目を輝かせて喜んだ。
「アーサー、俺が全部、やってやる!!」
俺の記憶の中には、父親に当然のようにされたことがあった。まだ、妖精憑きだと知られる前だ。俺は、物心がついたばかりのガキだった頃、親兄弟に囲まれて、当然のように家族の愛を受けていた。
その当然が、アーサーにはなかった。アーサーは、はやく大人になれ、と急かされていた。アーサーの望みは、本当は、こんなちっちゃいことなんだ。
「キロン、禁則地が見える!!」
妖精の安息地と呼ばれる、妖精たちのための領地の近くにきたのだ。アーサーは、高い所から見える景色に喜んだ。
俺は、妖精が大嫌いだ。だって、妖精と話したりしていたから、妖精憑きだとバレた。それで、俺は親兄弟から捨てられたんだ。
だけど、俺は妖精とは縁が切れない。死ぬまで、妖精と関わった生き方となる。それが、妖精憑きだ。それがイヤで仕方なかった。どうにかしたかった。
それも、今は、妖精憑きで良かったと思う。妖精憑きのお陰で、アーサーの寿命を伸ばせる。アーサーは、妖精憑きの寿命を奪って生きながらえるのだ。だから、どうしても、妖精憑きが必要なんだ。
そういえば、とふと、俺は過去の、アーサーにとって忌まわしい一年を思い出す。あの頃から、アーサーは、俺を寿命を伸ばすために必要としなくなった。
アーサーと出会ったばかりの頃は、アーサーは、むしろ、俺を遠ざけたがっていた。俺の寿命がアーサーの体質のせいで短くなるからだ。俺は、アーサーの外だけでなく、内側、魂まで、俺のものに染まってくれて嬉しいというのに、アーサーはそれを理解してくれなかった。
今は、アーサーは歪んだが、俺の全てを欲しがった。離すなんて、考えてもいない。誰よりも側に置いて、しがみ付いてくる。
「はやく、月の物がくるといいな」
「そうだね」
アーサーは上から俺に笑顔を向けてくれた。
月の物の時は、色々と不安定になると聞いていたが、ここまでとは、思ってもいなかった。
アーサーは俺に手あたり次第に、物をなげつけた。
「月の物がきたってのに、胸、膨らまなかったじゃないか!!」
アーサー、どうしても胸が平なのが悔しかったのだ。
「俺は別に、胸なんて」
「あんなにキロンに揉ませておいて、ただ、気持ち良かっただけじゃないか!!」
「気持ち良かったなら、いいだろう。アーサーが気持ちいいというのなら、俺も嬉しい」
「バカ!!」
本当に、俺はバカだな。アーサーのこととなると、頭が悪くなる。いや、地頭はいいんだよ。ガキの頃に監禁されてたから、そこから成長してないだけだ。
投げるものさえなくなれば、俺がアーサーの側に行けるようになる。いつもの通り、アーサーを俺の膝に乗せる。ただし、胸を刺激してはいけない。ここ、重要。
アーサーは俺の膝に横座りとなって、俺の胸に顔を埋める。
「くやしぃーーーーー!!! フローラの胸、柔らかかった!!」
「触ったのかよ」
「抱きしめられただけです!! 事故みたいなものですよ!!! 年下のシリアだって、こう、見るからに膨らみがある」
「アーサーはもっと、食べるべきだ!!」
誤魔化した。アーサーの胸は、たぶん、膨らまない。アーサーの胸辺りの骨は、平なんだ。ここが平なのって、男だけなんだよ。つまり、アーサーの胸は胸板だ。
「いえ、諦めてはいけません。月の物が今更、きたんです。こういうのがきてから、胸が成長するのかもしれません。つまり、今まで、キロンがやっていたことは、無駄だったんです。ちくしょー、変態め!!!」
ぐーで殴ってきた!! 俺は耐えた。アーサーは今、月の物で情緒不安定なんだ。下手に口答えしたら、大変なことになる。
「はい、俺が悪いです。間違ったこと言って、すみません」
「どうせ、胸触りたいから、そう言ったんでしょう!!」
「えー、俺は、アーサーの全身、触りたい。胸だけだなんて、我慢出来ないよー」
「絶対にそうだ。そして、胸がない私はいつか、キロンに捨てられちゃうんだ」
「そんなことないって!! アーサー、ずっと一緒だぞ。アーサーがイヤだって言ったって、離れないからなー」
「そう言って、どれだけの女と子作りしたんですか」
「………」
数えちゃダメだ。よくよく思い出せば、アーサーが誕生した頃にも、いた。つまり、アーサーと歳が近い子がいるかもしれないのだ。
俺は笑ったまま、どう誤魔化そうか、なんて考えた。なんで、思い出しちゃうかなー。俺が悪いんだけど。
俺が黙り込んだからか、アーサーは不安そうに俺を見上げてきた。
「お、怒った?」
「怒ってない怒ってない。アーサーは、俺に何やったっていいんだ。俺はアーサーがしてくれること全て、嬉しいから!!」
「その、いっぱい、物を投げつけて、痛かったよね」
「全然、痛くないよ!!」
「け、怪我、してない?」
「ないない!!」
瞬間で、小さい傷を俺は治した。魔法、便利だね。
アーサーは疑うように俺を見上げた。俺の体に触れて、服をめくって、と確認する。
「キロン、ごめん。私のこと、嫌いにならないでね」
「嫌いになんてならないよ!! アーサーは俺の全てだ。アーサーだけがいればいい。アーサーさえ望めば、ここを出て行ってもいいんだよ。それくらい、簡単なんだから。俺が、アーサーを連れてってやるよ!!」
昔と今は違う。昔は、この狭い領地が全てだった。ここを出る事なんて、俺は考えてもいなかった。ちょっと広くなっても、俺は、ここで終わると思っていた。
だけど、今は違う。転移の魔道具を手に入れた。これがあれば、簡単に帝国のあちこちを移動できる。ただ、一度は行かないといけないという。今、行ける場所といったら、王都だ。そこから、どんどんと転移出来る場所を増やしていけばいい。
「うん、もう少しで終わるから、そうしよう。あ、その前に、やらないといけないことがある」
アーサーはそういうと、俺に口づけをしてきた。しかも、舌まで挿入する、深いのだ。
「ちょ、ちょっと、それすると、俺、我慢できなくなる」
俺の下半身がむくむくと盛り上がってくる。すっかり、アーサーは口づけがうまくなっていた。口づけだけで、俺をその気にさせられる。
「ほら、月の物がきたよ。やっと、キロンと最後まで出来るね」
アーサーは俺の手をつかむと、アーサーのお腹に触れさせる。
「キロンが最初で最後だよ。ヘラ………ヘリオスとは、婚約解消した。私は女帝レオナ様のお陰で、女に戻れた。私がキロンの子を産んでも、文句を言わせない。文句をいう奴らは、その頃にはいなくなってるから」
衝動が起こる。アーサーの全てに匂い付けしたかった。
アーサーは、下半身になにか当たるのを感じて、嬉しそうに笑った。
「今日は、口でしよう」
「い、いや、それは」
アーサーを穢すようで、俺はどうしてもイヤだった。
「アーサー、ダメだって。月の物で、貧血が酷いんだから。今日は、大人しく寝よう。倒れてばっかりで、皆、心配してる」
「そんなの、どうだっていい。私は、キロンだけでいい」
「………俺も、そうだ」
アーサーに言われて、気づく。俺は、結局、アーサー以外、どうだっていい。アーサーの周囲には、アーサーを想う人は多い。そのついでで、俺もアーサーの一部のように扱われている。
だけど、俺は、今は、家族はいらないし、友達もいらない。辺境の教皇フーリードは、相変わらず、妖精憑きの友達を作れ、なんて言ってるけど、どうだっていい。むしろ、それを聞いて、笑いそうになる。友達を作れというフーリードは、俺の友達になる、ということを考えてもいなかった。
アーサーは俺を押し倒して、俺の上に跨った。
「私がどうしてもしたいから、します」
「悪い子だ」
月の物が終わってもしばらくは、アーサーの体調は崩れたままだった。なのに、面倒事は終わらない。もう、さっさと殺してしまえばいいのにー、とはいつも思う。
「なあ、リサ親子は、さっさと処刑したほうが、皆、喜ぶぞ」
落ちるところまで落ちたリサ親子。リサはもう、子爵家から籍を抜かれて、平民リサになった。犯罪奴隷にまでなったのに、今だに、子爵の子を産んだ女と威張っている。リサの実家である領主代行一族は、リサの面倒をみることになって、大変そうだ。
リサの子であるリブロとエリザは、一応、まだ、子爵ネロの子として、別邸で幽閉だ。幽閉されていても、一応、貴族の学校には通えたのだ。それも、貴族の学校でやらかして、退学となった。リブロとエリザは、帝国中の貴族の学校が入学すら拒否する処分をされたのだ。貴族の学校を卒業しなければ、貴族になれない。あの二人は、永遠に、貴族になれない。平民だ。
もう、生かしておく価値もないリサ親子。辺境はいわば、治外法権みたいな場所だ。勝手に処刑しても、帝国は何も言わない。
なかなか貧血が治らなくて、俺と閨事出来なくて不機嫌なアーサーは、さらに不機嫌になった。
「そういう話、今、ここでは、聞きたくない。今は、キロンに可愛がってもらいたい」
「これでいい?」
アーサーを胸に抱きしめて、横になる。それだけで、アーサーは笑顔を見せる。
「今、ティーレットに、父上と、リブロとエリザの親子鑑定をしてもらっています。フーリード様が行った親子鑑定は認めない、と言われてしまいますが、さすがに筆頭魔法使いがした親子鑑定は、認めるでしょうね。ついでに、レオナ様のサインもつけてもらおう」
「リブロもエリザも、ネロの子じゃないことなんて、どうだっていいだろう」
「父上は、リブロとエリザを我が子と、随分と可愛がっていました。ただ処刑したら、私を恨むだけです」
「言わせておけばいいだろう」
「私、悪くない」
「………」
アーサーは、そこのところが引っかかっていて、どうしても、最後の手段に出られなかった。
ネロの愛人リサは、本当に酷い女なんだ。リサは、ネロの子だとリブロとエリザを産んだ。ところが、辺境の教皇フーリードに親子鑑定をさせてみれば、リブロとエリザは、ネロとの血のつながりがなかったのだ。
辺境にある領地は閉鎖された空間となっている。領地民たちは、血が似通っているから、親子鑑定をするのはとても難しい、とフーリードは言っていた。しかし、アーサーの父ネロは、外の血筋だ。元々、領主でもある子爵は、王都で暮らしていた。領地が呪われ、実りが緩やかに減っていき、借金を抱えるようになってから、子爵は王都の屋敷を処分して、領地で暮らすこととなったのだ。それが、ネロの父親の代である。だから、領地民とネロは、血が遠いので、親子鑑定の結果に間違いはない。
つまり、リサの子リブロとエリザは、領地民たちに似通っていたのだ。
ネロの子であれば、領地民たちの血筋が薄まるはずだ。外から来た者が父親であっても、そうなる。だけど、リブロとエリザは、領地民たちと血が似通っていたという。
ネロの愛人リサは、領地民の男と浮気をしていたということである。しかも、一人ではない。リブロとエリザの父親は別だという。似通ってはいるが、同じ父親かどうかはわかるとフーリードは言っていた。
それを聞いた時、俺は呆れた。リサは愚かだ。ネロ一人を相手にしていれば、生まれてくる子は必ず、ネロの子だったのだ。それなのに、リサはネロ相手では満足出来なくて、浮気した。
以前、アーサーが俺に話してくれた。田舎は、多産なのは、閨事しかやることがないからだ、と。
リサは、ネロ一人では足りなかった。田舎は暇だから、やることはない。ネロでは満足できなかったリサは、領地民の男たちと浮気したのだ。
こんな田舎とはいえ、貴族の愛人と浮気した、なんて領地民は言えない。万が一、バレたら、貴族の持ち物に手を出した、と処刑されることだってある。だから、領地民たちは黙っていたのだ。
そうして、リサのやらかしは、バレなかった。リサは、ネロの子だと言い張った。ネロは、リサを愛していたから、それを信じた。そして、リサの言いなりだ。
アーサーは何も悪くない。むしろ、リサ親子と仲良くしようとしていた。なのに、リサはアーサーを悪者にしたのだ。そして、アーサーの母マイアが亡くなって、リサは動き出した。
散々、リサはアーサーを悪く言った。素直で優しく、他人に甘いアーサーは、それを素直に受け入れて、悪いと思い込んだ。気狂いにまでなったのだ。
そして、精神だけ巻き戻って、アーサーはやっと気づいた。悪いのはアーサーではない。
「絶対に、許さない。私を悪くいったんだ。滅茶苦茶にしてやる」
0
あなたにおすすめの小説
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜
ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。
死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる