妖精の支配者

shishamo346

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続く因縁

文化祭一日目から忙しい

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「二日酔いにはならなかったなー」
 昨夜、あんなに飲んだというのに、よく眠れただけである。目覚めも爽快だ。
「身だしなみ!!」
 が、俺の姿は残念である。ほら、ちょっと寝坊したから、整える暇がなかったんだなー、ごめん。
「私が手伝いましょう」
 今回、特別に演劇に参加する筆頭魔法使いハガルが、一瞬で俺の身だしなみを整えてくれた。
「えー、貧民出の騎士だから、身だしなみ、あれでいいだろう」
「真実味よりも脚色ですよ」
 ハガルに言われては、俺もこれ以上、口答え出来ない。どうせ、ハガルには言いくるめられてしまうのだ。
「ロイドは童顔ですが、筆頭魔法使い様も若作りですね」
 ここまで間近に筆頭魔法使いハガルを見ることはない貴族の子息令嬢は、ハガルの若い見た目に驚く。学生といっても通じるぐらい、若作りだ。
「俺とハガル様、同い年なんだぜ」
「ええええーーーーーー!!!!」
 俺が悪戯心で暴露してやれば、聞いていた奴らは大声をあげて驚いた。
「ロイドって、本当は妖精憑きなんじゃないか?」
「違うよ!! そういう血筋なんだよ。俺の母親、むちゃくちゃ若作りだったんだ。そっちの血が出たんだよ」
 覚えていないけど。話では、とても子ども五人を産んだとは思えないほど、綺麗で若々しい女だったという。
 身内に妖精憑きはいるけど。俺が妖精憑きだったら、それなりの顔だし、才能ももっとあるよ。
「ロイドはただの人です。それは私が証明します。私も時々、あなたと同い年だということ、忘れそうになります」
「ハガル様と仲良しだったの、俺の兄貴だからな。だから、時々、俺のこと弟扱いするんだよな」
「そうですね。あなたは手のかかる弟みたいに思っています」
「頼りにしてるよ、お兄ちゃん!!」
「はいはい」
 調子に乗って言ってやると、ハガルはちょっと嬉しそうに笑う。ハガル、家族愛に飢えてるからな。冗談でも、嬉しいのだろう。
「こんな兄がいるなんて、羨ましい!!」
「兄の全てがいいわけじゃないけどな」
 俺には兄が二人いるが、兄だからいいわけではないのだ。ちょっと考えると憂鬱になる。俺は長兄には、どうしても会いたくないのだ。
 俺は騎士役なんだが、使われる衣装は本物である。特別に、帝国が貸してくれるという。きっと、本物使わせて、騎士の制服を喧伝するのだろう。騎士になると、色々と大変そうだなー。
「うーわー、ぴったりだ」
 ちなみに、これ、親父が使っていたという代物である。わざと、それを騎士団のほうが出してきたのだ。俺がどこの誰か、騎士団、知ってるからな。嫌味かよ。
 ハガルから貰った認識阻害の魔道具を身に着けているから、俺が親父に似ている、ということに気づく奴はいないだろう。だが、騎士服を着て、鏡に映っている俺は、ありし日の親父だろう。
 一度、騎士時代の親父のことを騎士団の古株に訊ねたことがある。どんな感じだったか、気になった。
「今のお前みたいだ」
「嘘だろう!?」
「いやいや、本当に。お前に会って、こうやって話して、剣術と体術の稽古をしていると、あの頃に戻ったような、そんな錯覚を感じる。もう、俺も年寄ということだな」
 俺の知らない親父だった。俺の知ってる親父、こんな軽い感じじゃないぞ。むしろ、口数は少なく、寡黙だ。
 というわけで、話の元になった貧民出の騎士を参考に演じるのは断念した。絶対に、兄ライホーンに殴られるな。真面目にやれって。
 お嬢さんサリーは主人公である。出番もいっぱいだ。台本だって完璧に覚えている。しかも、演じるのがうまいときている。誰も、サリーが失敗するなんて思ってもいない。まあ、失敗しても、この演劇は許してもらえる。これは、慈善事業の一環でしかないのだ。
 最初は、講堂である。入学式から始まるのだ。さすがに、入学式場面は、舞台で行われる。この時は、俺、立ってるだけだ。
 魔法使い役である筆頭魔法使いハガルは、まだ出番ではない。ほら、最後のほうだから。俺は皇族の護衛の騎士だから、暇だ。皇族役は本物の皇族セキラなんだが、この入学式からセリフがあるという。もう、真っ青になっていたが、どうにか大きな声でセリフが言えた。
 ほら、観客席には、セキラの父である皇族サイ様が笑顔で見ている。これから、ずっと、息子の初舞台を観劇するんだろうな。いい話なんだけど、どうしてか、怖い感じがする。そんな皇族サイの近くに、筆頭魔法使いハガルは笑顔で舞台を見ていた。
 ハガルの傍らに、見覚えのない魔法使いがいた。変な感じだ。こういうこと、前にもあった。
 いつだっただろう、と思い返した。そう、皇族の保養地にハガルの力で転移してもらう時、ハガルから少し離れた所に、魔法使いがいた。別に、魔法使いがハガルの側にいても、おかしくないのだ。
 ただ、俺がハガルと話す時、ハガルの側には誰もいない。ハガルは普段、誰かを側に置いていないような気がした。
 なのに、今、ハガルは側に魔法使いを置いている。何故、今、魔法使いがハガルの側にいるのか、考えた。
 人前だからだ。
 普段、俺とハガルは秘密裡に会っていた。だが、あの魔法使いが側にいる時は、人前である。だから、あの魔法使いが側についているのだろう。
 そう予想しても、気持ち悪さは変わらない。どうして、こんなに気持ち悪く感じるのか、わからなかった。






 演劇の合間は、クラスの手伝いと生徒会役員の雑用をこなして、となかなか忙しい。そこに、皇族の護衛である。文化祭を楽しむ暇はない。
「次は、食堂ですか。食事中に、サツキの婚約者が、皇族に食事を投げつけたとか」
 俺は筆頭魔法使いハガルの案内をしている。ほら、この人、ちょい役といえども、出演者だから。この人の世話が出来るのは、俺だけだよ。
 今日は、一般公開しているから、食堂も平民が使える。ただし、額が高いんだけどねー。俺はハガルからお小遣いもらっているから、それて食べてる。
 俺はハガルに食堂のおススメを給仕する。
「へー、こういうのを食べているのですね。まあまあの味付けですね」
「貴族全員が喜ぶ、平均的な味付けだからな。ハガル様の口には、足りないかもしれないけど」
「私の口は平民寄りですから、美味しいですよ。私の好みは、家庭の味ですね」
 そっかー、ハガル、平民に育てられた妖精憑きだー。味の好みは平民寄りだったー。
「ラインハルト様には、この味はイマイチですね。私なら、こうします」
 何かやったんだろう。ハガルは、俺の料理と交換する。このメニュー、俺はよく食べるから、味付けもわかりきっている。食べてみた。
「うまっ!」
「それが、ラインハルト様が好む味付けです。肉は固いほうが好みなので、あえて、そういう肉を使っていました。デザートは、塩気が好んでいましたね。甘いのが苦手でしたから、使う砂糖はほんのわずかに調整されていました。わずかでも、甘味を感じたそうです」
「これが、賢帝ラインハルトが好んだ味ねー」
 甘味は確かに、砂糖は感じるかどうかのわずかだ。食べられないことはないな。
 皇帝ラインハルトのことを話す時のハガルは、とても機嫌がいい。ハガルにとって、ラインハルトは特別なんだろう。妖精憑きには、そういうのがある。
 俺にはわからない感情のはずだ。だけど、同じようなもの、俺は今も持っている。ハガルのこの執着、俺は理解出来る。だから、俺はハガルのために頷く。
 そして、俺は周囲を見回す。
「なあ、そいつ、誰?」
「驚きました。ロイド、見えるのですね」
 ハガルから少し離れた所に立っている魔法使いが軽く頭を下げる。
「彼は、私に万が一の時があった場合の予備です。ハサンといいます。筆頭魔法使いと共に過ごして、筆頭魔法使いというものを学ぶのですよ。私に万が一なことが起こった時は、彼が臨時の筆頭魔法使いです」
「次の筆頭魔法使いじゃないのか?」
 表現に引っかかりを感じた。この魔法使いハサンが、ハガルの跡継ぎかと思ったが、違う感じだ。
「私の後継はまだ誕生していません。ですが、私は万能でありませんに、次の筆頭魔法使いの誕生は、神の判断です」
「その、ハサン様は違うのか?」
「筆頭魔法使いとなるためには、いくつかの条件があります。第一に、その才能です。最低でも、百年に一人、生まれるかどうかの才能ある妖精憑きでないといけません。ハサンは、百年に一人、生まれるかどうかの才能ある妖精憑きです」
「じゃあ、筆頭魔法使いになれるじゃん」
「性格が、足りません」
 笑うハガル。そう言われて、悔しそうに顔を歪める魔法使いハサン。
「ハサンは、私が誕生するよりも前から存在する魔法使いです。一度は、テラスの後継に、と教育を受けましたが、足りなかったのですよ」
「つまり、まともなんだな」
「それじゃあ、私はまともじゃない、ということですか!?」
「えーと、口が滑った」
 言っちゃったー。ここで、下手に言い訳はしない。素直に認めてしまったほうが、楽だ。
「ハガル様に向かって、なんてことを」
 ハサン、驚いてるよ。ハガルより年上なんだから、ハガルのこと、もっと諫めないと。
「私にそんなこといってしまえるのは、ロイドくらいですよ」
「俺はまあ、責任のある立場じゃないからな。何も背負っていない。だから、簡単に口が滑る。それだけだよ。気を付けないと、兄貴にまた説教くらう」
「聞いてる」
 遅かった。背後とられた!?
 俺は全身からだらだらと汗を流して、恐る恐ると振り返る。長兄ライホーンいた!!
「兄貴ー、来てくれるなんて、嬉しいよー」
 人前だから、大丈夫。俺は笑顔で誤魔化す。今日は保護者扱いすればいい。
 今日のライホーンは一人ではない。いや、本来、貴族の学校の文化祭といえども、ライホーンは敷地には入れないのだ。ほら、貧民だから。ここに入れるのは平民までである。それなりの権力者同伴だから、入れたのだ。
 ライホーンの隣りには、笑顔で伯爵令嬢エリッサがエスコートされている。
「エリッサ嬢、お久しぶり。学校の下見で来たの?」
「お久しぶりです、ロイド様。こちらには、来年には通いますし、色々と見て回っています。一人ですし、護衛がいませんので、ライホーン様にお願いしました」
 頬を染めていうエリッサ。
 護衛いないって、そんなわけないだろう。どうせ、ライホーンと一緒に文化祭を回るために、そう言ったんだろうな。いくら、辺境を領地としているからって、ここで小娘一人で伯爵ブンガロが行かせるわけがない。
 それ以前に、伯爵ブンガロもいるはずなんだが。俺はちょっと周囲を探る。いるよ。きちんと護衛連れて、ライホーンとエリッサの様子を伺ってる。ライホーンには、それバレてるよ!!
 ライホーン、俺と目があうと、苦笑している。茶番に付き合っているだけだな。ライホーンも丸くなったよなー。
「お前は、ハガル様に失礼な口をきくんじゃない。この方は、帝国で一番、偉大な方なんだから」
「そんなこと言わないでください。私は、ライホーンとは普通にお付き合いしたいです。偉大なんて言われてしまうと、距離をとられてしまったようで、寂しいです」
「そんなことありません!! いつも、愚弟がお世話になっています。何かやらかした時は、俺に言ってください。叱っておきます」
「はい、頼りにしています」
 何、これ。俺、ハガルに告げ口されて、ライホーンに叱られちゃうの!! 本当に、ハガルの前でも気を付けないといけないな。すでに、さっきの失言はライホーンに聞かれちゃってるし。
「もうそろそろ、ロイドの出番ですね。しっかり、汚れてきてくださいね」
「ソウダネ」
 これから、皇族にぶちまけられる昼食を貧民出の騎士が受ける、という大事な役である。本当にやるんだよ!! 練習では、ぶちまけられるフリなんだよ。だけど、本番では、本当に昼食がぶつけられるんだ。あ、サツキの婚約者役ナッシュ、いい笑顔だね。優しく投げてね。
「汚れても大丈夫ですよ。私が魔法で綺麗にしますから」
 ありがたくないなー!! 筆頭魔法使いハガルという協力者がいるので、服だけでなく、床も綺麗にしてもらえるから、学校側も大助かりだよね。
 俺は現場に立って、始まる三文芝居に潜り込む。それでも、俺は外野が気になった。
 魔法使いハサンだ。ハサンは、何故か長兄ライホーンを見ている。気になる理由は、その名前だ。
 不幸な伯爵令嬢サツキが貴族の学校に入学する前後、魔法使いが姪を養女にした、という話が王都で広がった。姪を養女にした魔法使いの名はハサンという。





 生徒会室で、サツキの義妹と婚約者が役員を辞任することとなる、という場面もどうにか終わった。そこからが大変だ。文化祭一日目が終わりに近づいている。最後は、馬車乗り場で、俺が馬に乗って、サツキ役のお嬢さんサリーのお迎えである。外はもう、夕暮れ時となっていた。
 もう、観客も少なくなっているだろう、と予想していた。が、なんか、いっぱいなんだよなー。生暖かい目で、演技を見ている感じだ。
 俺がお嬢さんを片腕で抱き上げ、馬に乗って去っていけば、今日の演劇は終了である。
「わざわざ、この馬にしなくてもいいのに」
 男爵家所有の、気難しい馬が、このためだけに連れて来られたのだ。馬ぐらい、どっかの馬車にくっついている馬でいいだろう!! また、ご機嫌悪くて、俺の肩、噛んできたよ。
「サリー、頑張った!!」
 そして、男爵マイツナイトが、わざわざ馬に乗ってやってきた。毎日、俺がサリーと一緒で馬で登校と聞いて、マイツナイト、今日は馬で来たんだよ。そんな頑張らなくていいのにー。
「ほら、マイツナイトのトコに行けよ」
「イヤです!!」
「俺はまだ、終わってないから」
「ロイド様と馬に乗るのは、わたくしだけなのにー」
「毎年、恒例なんだと」
「サリー、ほら、こっちに来なさい」
 膨れるサリーを俺は力づくでマイツナイトに渡した。サリー、不機嫌だけど、抵抗はしない。
 俺はまた、馬車乗り場に行く。そこには、きらっきらと目を輝かせる女子がいっぱいだ。
 不幸な伯爵令嬢サツキの話が帝国中に広がってから、この馬車乗り場で恋人と馬に乗って帰る、というのが流行したのだ。今も、文化祭の後に、そういう光景がよく見られるという。
 そして、文化祭では、貧民出の騎士役が、希望者と一緒に馬に乗って歩く、という催しが行われるのだ。これ、一応、有料なんだよ。募金してからとなっている。その額は、わずかでいいのだ。
「なんか、多くない?」
 茶番だ、と昨日まで笑っていた。そんなに集まらないよ、と俺は思っていた。
 だけど、実際は、とんでもない行列である。なんと、整理券まで配られた。
「君は少し、その見た目を自覚したほうがいい。君はね、誰が見ても、美男子だよ。いいか、言葉には気をつけなさい」
「はい」
 生徒会長に厳しい注意を受けたから、俺は真面目に返事する。だけど、生徒会長、俺を疑わしそうに見てくるんだな。
 女だけかと思っていたら、子どもから、なんと男までいる。これ、婦女子限定の催しじゃないのか?
 本来なら、馬を引く人がいて、ゆっくりと歩かせるのだ。ほら、貴族の子息って、馬車に乗ことが多いから、乗馬はそんなにうまくないんだ。だけど、俺は長距離の馬での移動を平気で行うから、逆に馬の引手が邪魔だ。
 それに、今、俺が乗っている馬は、ともかく気難しい。引手を蹴るだろうな。
「明日も頑張ってくれよ」
 馬の撫でて頼む。馬は人の言葉なんて通じない、と皆、笑う。実際、そうだろう。だけど、察してはくれるんだ。
 普段は気難しくて、機嫌が悪いと、俺の肩を噛むのだが、今日は大人しく、茶番劇に付き合ってくれた。ともかく、体力のある馬だから、駆け足で回ってくれた。それでも、時間内で終わらせられなかったので、翌日に持ち越しとなった。予想通りだ。後で馬のご機嫌とりだな。
「えー、明日は私、出番なのにー」
 何故か、筆頭魔法使いハガルが真面目に順番待ちしてた。
「あんたが乗りたいなら、いくらだって乗せるのに」
「こういうものは、きちんと並んで乗るのがいいんですよ。私、馬に乗れないですから、楽しみです」
「もしかして、乗ったことない?」
「私の移動手段は、道具での転移か、聖域間の移動か、馬車ですから。馬車だって、よほどのことがない限り、使いません。戦争もありませんから、馬に乗ることはありませんね」
 子どもみたいに楽しみにしているハガル。もう、乗せてやりたい。だから、ハガルの腕をつかんで引っ張り上げた。
「せっかくだから、城まで送るよ」
「わわ、た、高い」
 経験したことがない高さと不安定さに、ハガル、馬にしがみつく。足腰はそれなりに鍛えているのに、初めてだから、わからないんだな。
「支えてやるから、大丈夫だって」
「ちょ、速い速い!!」
 ハガルの苦情なんて無視だ。俺は馬を城に向かって走らせた。
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