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伯爵の後悔
生徒会役員
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サツキとの出会いは、本当に強烈だった。見た者全ての記憶に焼きつくように残った。だから、生徒会役員への誘いをしたのだ。
さすがに、生徒会役員のお誘いは、皇族や、生徒会副会長である私が出るわけにはいかない。だいたい、二年生の生徒会役員の仕事である。
よほどの理由がなければ、断られることがない。ただ、サツキは入学式での家族の対応を見るからに、断ってくるだろう。だから、慎重に事を運ばなければならなかった。
サツキには、親同士が決めた婚約者がいた。侯爵家次男エクルドだ。評判は、まあまあである。成績も、普通だ。家が侯爵となると、生徒会役員としては申し分ない。それなりの爵位でないと困ることだってある。サツキだって、婚約者が生徒会役員となるのだから、きっと引き受けてくれるだろう、と皇族ルイと私は予想した。
戻ってきた二年生の生徒会役員から告げられた内容に、ルイは怒り狂った。
「何故、成績が大したことがない、サツキ嬢の義妹を生徒会役員にするんだ!?」
ルイは怒らない。怒鳴ったりなんてしない。ちょっとした失敗でも、笑って許す。大きな失敗でも、怒ったりしない。学生の内だぞ、と許すのだ。
だが、今回のことでは、ルイは許さなかった。よりにもよって、サツキの義妹を生徒会役員にする、と多くの貴族が見ている前で宣言してしまったのだ。
ルイの怒りに、しかし、二年生の生徒会役員は納得いかない。
「噂は聞いています。義妹をいじめ、贅沢三昧の、とんでもない女というではありませんか。あんな女を生徒会役員にしたら、大変なことになります!!」
サツキとその家族のやり取りを見ていない役員たちは、噂をそのまま鵜呑みする。だからこそ、ルイは怒りをさらに募らせる。
「皇族の決定をたかが一貴族が覆すというのか!?」
「っ!?」
ルイの怒りはそこにある。学校といえども、そこは小さな帝国、小さな領地である。表向きは平等のようなことを謳っているが、そうではない。生徒会というものは、小さな帝国の政治である。生徒会長は皇族であれば皇帝、貴族であれば宰相である。責任をとる分、権利も大きい。
二年生の役員は震えあがった。完全な間違いを犯してしまったのだ。生徒会では、ルイは皇帝である。ルイの決定は、よほどの理由がない限り、絶対なのだ。
「僕は言ったはずだ。説得しろ、と。難しいのなら、断る理由を持ち帰ってこい、と。それなのに、勝手に決めてしまうとは。お前たちは、いつ、皇族のように偉くなったんだ?」
「まあ、いいではないですか。まだ、二年生ですよ」
仕方なく、私が間に入って、ルイを止める。こういう時こそ、宰相のような役目を副会長である私がするのだ。
「勝手に宣言してしまったんだろう。仕方がない」
「あ、ありがとうございます」
「何を感謝している。お前たちは責任をとるんだ」
助かったと感謝の声をあげる二年生に、私は容赦なく責任を押し付ける。
「確か、サツキの義妹はクラリッサと言ったか。彼女が問題を起こした場合は、お前たちが責任をとりなさい。後始末も全てだ」
「その程度のことですか」
「心配いりません。クラリッサ嬢は立派な貴族令嬢です。そのようなこと、起こすはずがありません」
「起こした時は、お前たちで後始末だ。いいな」
「わかりました」
「お任せください」
ついでに、書面に残して、二年生役員にサインまでさせた。これで、万が一、クラリッサ嬢が使えなかったら、この二年役員が責任とって、後始末だ。
ルイは、まだ納得いかない、という顔をしている。ここは、皇族教育だな。普段は寛容な分、皇族としては絶対に譲れないものがある。それは、皇族として大事なのだろう。
「ルイ、貴族には、貴族なりの責任の取り方がある。見ていなさい」
「社会勉強と思って、見ていよう」
友人として声をかければ、ルイは機嫌を直した。こういう所が、ルイのいい所だ。兄も、こうだといいんだがな。
そして、サツキの婚約者エクルドとサツキの義妹クラリッサが生徒会役員として華々しく発表されて一週間ほどで、二年の役員は悲鳴をあげた。
まず、どこまで出来るか、と簡単な仕事から与えてみた。普通にやっても、二、三日で出来るような内容だ。簡単だから、一週間の期限を与えた。
一日目は。
「今日は家のお手伝いがありますので、帰ります」
「俺は、婚約者と買い物の約束がある」
納得のいく理由なので、そのまま帰ってもらった。大した仕事ではない。
二日目は。
「義姉がはやく帰りなさい、というんです」
「今日も、婚約者に我儘を言われて、行かなければならない。すまない」
サツキは悪名が高い。二人も大変だね、と見送った。
三日目は。
「家に持ち帰ってやってきます」
「俺もそうしたい」
「生徒会の仕事は持ち帰ってはならない決まりだ」
「帰らないといけませんの」
「俺も、婚約者の我儘が」
「………」
手もつけられない仕事は机に置かれたまま、二人は仲良く手をとりあって帰っていく。
ここまできて、二年の役員は怒りに震える。
「なんて我儘な女なんだ!?」
「生徒会の仕事をなんだと思っているんだ!!」
二年の役員は、名前だけ使われるサツキに対して怒りに震える。そして、とうとう、サツキを生徒会室に呼び出したのだ。
「あの、家の仕事の手伝いがありますので、帰らないといけませんの。お話は手短にお願いします」
「何が家の手伝いだ!? クラリッサ嬢にやらせていることだろう!!」
「婚約者を束縛しすぎるのもやめてくれ。生徒会の仕事が滞っているんだ!!」
クラリッサとエクルドが使う机の上にある書類を叩いていう二年の役員。
サツキは、面倒臭そうに息を吐き、一生徒だというのに、生徒会の仕事を手にして、パラパラとめくって、書き込み二年の役員の手に押し付ける。
「終わりです。帰ります」
「こら、勝手に!!」
「痛いではないですか!!」
二年の役員に腕を強く掴まれたのだろう。サツキは悲鳴をあげる。だけど、二年の役員は離さない。
「大袈裟に痛がって」
ところが、サツキは本当に痛がっていた。それには、私が前に出て、二年の役員を止める。
「腕を見せなさい」
「その男がちょっとバカ力なだけですよ。大したことはありません」
「いいから」
かなり失礼なことだが、私は無理矢理、サツキの服の袖をめくった。
腕に物凄い青あざがあった。これは、確かに痛いな。
「そんな、青あざが出来るようなほど、力いっぱい、握ったりなんかしていない!?」
二年の役員は無罪を訴える。しかし、サツキの腕は酷いこととなっている。
サツキは袖を元に戻して、すぐにいつもの笑顔を浮かべる。
「ちょっと、転んだだけですわ。ですが、淑女の体を断りもなく触れるのは、失礼です。今後は、気を付けてください」
「し、しかし」
「わたくしが相手だと、謝罪もしなくていいと思っているのですか? その程度の男が生徒会の役員だなんて、世も末ですわね」
「君のせいで、あの二人は生徒会の仕事が出来ないでいるんだぞ!! そのことはどうなんだ!!!」
「わたくしが謝罪することですか? 結果を見なさい。仕事は終わりました」
「君は生徒会役員ではない!!」
「もう、煩い男ですわね。わたくしは責任をとって仕事を終わらせました。あなたは淑女の体に断りもなく触れて、謝罪もしない。無責任な男ですわね」
「何が淑女だ。噂では、男遊びも酷いと」
「その噂、真実なんだろうな?」
とうとう、皇族ルイが怒りの形相で口を挟んできた。
サツキは相手が皇族なので、黙り込む。礼儀がしっかりしている。
しかし、二年の役員はダメだ。胸をはる。
「はい、確かなことです!!」
「僕も聞いています!!」
二年の役員は、サツキの悪い噂を真実と言い切る。
「実は、サツキ嬢の噂があまりに酷いので、僕の権限で、素行調査をした。噂では、入学してからもずっと、学校の外では噂通りのことが続いているという話だ」
まさか、皇族がたかが一貴族の噂を確かめるために動くとは思ってもいなかった二年の役員たち。しかし、彼らは自信があった。あそこまで悪く噂されるサツキだ。噂通りのことをしているだろう、と。
「サツキ嬢は、行きは早朝から真っすぐ学校に来て、帰りも真っすぐ、家に帰っていると報告を受けている」
「そんな、バカな」
「きっと、彼女に篭絡されたのですよ!!」
「魔法使いにも頼んだ。サツキ嬢のその腕、婚約者がふざけてやったそうだ。妖精の記憶もある。見せてやろうか?」
『………』
まさか、魔法使いまで動いているとは思っていなかった二年の役員はがたがたと震える。噂は、真実ではなかった。
「サツキ嬢、生徒会役員が、大変、失礼なことをした」
「皇族は、謝罪してはなりません!」
失礼なことだというのに、サツキは叫ぶようにいう。
それを聞いた皇族ルイは嬉しそうに笑う。
「そう、皇族は貴族に対して謝罪をしてはいけない。君は、よく知っているね。さすが、新入生代表になるだけのことはある。こちらも完璧だ」
サツキが一瞬で終わらせたという書類を確認するルイ。私も受け取るが、綺麗な字で、完璧に出来上がっている。
「子どものお遊びですわ。義妹と婚約者がわたくしのせいで、生徒会のお仕事が終わらせられなくて、ご迷惑をおかけしたそうですね」
「あなたのせいではない。それは証明された」
「情けは結構です。もう、魔法使いを使っての素行調査はおやめください。年頃の娘なのですよ。隠したいことだってあります」
「その腕の怪我とか?」
「転んだだけです」
「妖精の記憶をここで見せようか?」
「もう、いいではありませんか。過ぎ去った過去のことを蒸し返すのは、男らしくありませんわ。それよりも、人としての正しい事を指導してください。謝罪一つ出来ないなんて、生徒会役員として、恥ずかしい限りです」
サツキは、謝罪を求めるだけで、それ以上のことは何も言わない。
だが、この謝罪が難しいのだ。サツキの言い方が良くない。だから、二年の役員は、謝罪が出来ない。
サツキは嫣然と微笑む。
「わたくし、正しい行いをする方には、正しい行いで返しますわ。ですが、間違ったことをする方には、死よりも苦しい目にあわせると、決めています。出来ないとお思いですか? わたくし、頭だけはいいんです。いつか、あなたは死よりも苦しい目にあわせてみせます」
「き、脅迫とは、噂通りの」
「謝罪一つできないお前は、今、役員から下ろす。出ていけ」
もう、ルイは許さない。
生徒会役員となることは、名誉なことである。それを取り上げられるということは、不名誉なことだ。しかも、皇族が生徒会長である時だ。この二年は、もう、将来は真っ暗だ。
「まあまあ、ルイ様、そのようなこと言わなくてもいいではないですか。頭一つ下げることくらい、五歳の子どもでも出来ることですよ。人として、とても大事なことです。それが出来ない、ということは、あなたのご両親の子育てに問題があったということになりますよ。あなたのご両親は、そういう方なのですか?」
「そんな人たちではない!! お前のせいで、こんなことに」
「やったことの責任をとれないような男に育てられたのですか? わたくしは、あなた方がいうので、仕方なく、責任をとるように、婚約者と義妹が残した生徒会のお仕事を終わらせました。あなたがたのは、ただの言いがかりではないですか。わたくしは、あなた方の言いがかりを認めたわけではありません。忙しいのに、足止めされたので、仕方なくです。あなたとわたくしでは、時の長さが違います。同じにしないでいただきたい」
本当に、サツキは言い方がよくない。もっと、優しい言い方がある。だから、二年の役員も謝罪できないのだ。
仕方なく、私は二年の足を蹴って転ばせ、無理矢理、土下座させる。
「不出来な役員を選んだのは、こちらだ。すまなかった。ほら、ごめんなさいしろ」
「わ、悪かった」
「詰まらない自尊心ですわね」
「このっ」
心底、軽蔑するように、サツキは二年を見下ろした。たかが謝罪だ。それ一つ出来ない、この男に、サツキはさっさと背中を向けて、部屋を出て行った。
私は二年を解放した。二年は縋るように私を見る。
「あ、謝り、ました」
「サツキ嬢は、謝罪を受け入れていない。お前のそれは、謝罪じゃない。一度、死んで生まれ変わってこい。今生のお前は、終わりだ」
この二年は、サツキがせっかく機会を与えたというのに、無駄にした。いくら私でも、もう、救いようがない。
残る二年の役員は、目を合わせない。震えて、距離をとる。それを見て、役員をやめさせられた二年は走り去っていた。
その後、この二年は、街を歩いている婦女子に暴力をふるったところを通りかかった騎士に捕らえられることとなった。犯罪者となり、二度と、貴族に戻ることはなかった。
このようなやり取りをした翌日、皇族ルイは、サツキの婚約者エクルドと義妹クラリッサが帰ろうとするのを止めた。
「昨日、サツキ嬢に、生徒会役員の仕事の邪魔をするようなことをしないでほしい、とお願いした」
「でも、わたくしは、家の手伝いが」
「サツキ嬢が代わりにやると言っていた」
嘘だ。そんなこと、言っていない。しかし、皇族ルイの怒りを買いたくないので、役員全員、沈黙する。
「しかし、今日は約束を」
「婚約者の邪魔はしない、と言ってくれたんだが、サツキ嬢を呼んで聞いてみようか」
「あの女は、すぐ約束を忘れるし、気分でころころと変わる」
「呼んでくれ」
言い訳ばかりのエクルドに、業を煮やしたルイが二年の役員に命じる。ルイが怒らせると怖いことを知ってしまった二年の役員は走って、サツキを引っ張ってくる。
サツキは、あまり体力がないようだ。引っ張られてやってきたサツキは、失礼なことながら、その場に座り込む。
「サツキ、皇族の前でなんて態度だ!?」
「許す。サツキ嬢、ほら、こちらに座りなさい」
「ご親切にありがとうございます」
婚約者は責めるというのに、皇族ルイは優しくサツキの手を引っ張り、椅子に座らせる。
「相変わらず、人を誑かすのがお上手ですこと」
「この僕が、彼女に誑かされたというのか?」
余計なことをいうクラリッサに、ルイは剣呑となる。皇族としての誇りが高いルイは、それを貶める言葉や行為には容赦ない。
「そうです! お義姉様は、そうやって、すぐに男にすり寄るのですよ」
「黙りなさい!」
珍しく、サツキがクラリッサを叱るようにいう。それに、クラリッサだけでなく、エクルドまで、サツキを睨む。
「お義姉様のせいで、わたくしたちは、時間がないのですよ!!」
「そうだ、貴様のせいで、満足に時間がとれないというのに」
「生徒会役員をやめたらどうですか。だいたい、わたくしのせいで時間がないというのは、どういうことですか? 昨日も、同じことを生徒会役員の皆さんから責められました。身に覚えのないことで、困りました」
サツキは、はっきりと婚約者エクルドと義妹クラリッサの批難を否定した。
「お義姉様のせいです。全て、悪いことは、お義姉様のせいなんです!!」
「そうだ、全て、サツキのせいだ!!」
あまりにも酷い言い方だ。クラリッサとエクルドは、全ての悪事をサツキのせい、と二人がかりで責めている。
サツキは否定しても一人だ。肯定者が二人となると、サツキには勝ち目はない。だから、入学式でも、家族の言いなりだったのだ。
そして、二年の役員は、このやり取りを聞いて、怒りで真っ赤になる。どちらに対して怒っているのか、この場ではわからない。何せ、迂闊に口を開くわけにはいかないのだ。
皇族ルイが怒りに震えている。冷たい眼差しで、事の成り行きを見ている。
「エクルドとは約束自体していません。買い物を手伝わせた、といいますが、具体的にどのような買い物をしたのですか? クラリッサに家の手伝いをお願いした、と言いますが、具体的におっしゃってください。どういう手伝いですか? 全て、ここで、おっしゃってください」
黙り込む婚約者と義妹。サツキは悪女のようにふんぞり返って、鞄から、いくつかの紙を取り出す。
「学校帰りに、随分と無駄な買い物をされていますね。こちら、エクルドの字で、こちらはクラリッサの字で、わたくしの名前を使ってサインされています。これらの請求は全て、伯爵家となっています。わたくしに全てを押し付けるのなら、サインくらい、上手に偽造しなさい。情けなくて、笑うしかありませんでした」
「し、知らない」
「わたくしではありません!!」
「もういいです!! 面倒臭い!!! 言い訳ばかりで、うんざりです。あなたがたの素行調査は、わたくしがルイ様にお願いしました。わたくしの事情を知ったルイ様が親切に、申し出てくださいました。お陰で、この使い込みの証拠もしっかりととれました。もう、同じ店では、二度と、買い物は出来ません。皇族の調査が入ったのです。店側は、あなたがたの出入りを今後、断ると念書まで書いてくださいました。立会人は、ルイ様です」
とんでもない話だ。たかが伯爵家の内輪もめが、皇族まで巻き込む大問題となっていく。
「わたくしは忙しいのです。エクルドもクラリッサも、好きなだけ、生徒会のお仕事をしてから帰ってきてください。むしろ、遅く帰ってきてください。あなたがたがいると、わたくしの仕事が増やされます!!」
サツキの怒りは相当なものだった。偽造された請求書をエクルドとクラリッサに叩きつけ、部屋から出ていった。
怒りやら羞恥やらで真っ赤になって震えるエクルドとクラリッサ。その二人を放置して、皇族ルイは、二年の役員にいう。
「サツキ嬢の義妹が問題を犯した時は、お前が責任をとることとなっている。きちんと、手綱をとるんだな」
ルイに言われ、二年の役員は過去、やってしまった約束を思い出し、真っ青になる。皇族に向かって、この二年は口答えしたのだ。この二年も、もう明るい未来はなかった。
さすがに、生徒会役員のお誘いは、皇族や、生徒会副会長である私が出るわけにはいかない。だいたい、二年生の生徒会役員の仕事である。
よほどの理由がなければ、断られることがない。ただ、サツキは入学式での家族の対応を見るからに、断ってくるだろう。だから、慎重に事を運ばなければならなかった。
サツキには、親同士が決めた婚約者がいた。侯爵家次男エクルドだ。評判は、まあまあである。成績も、普通だ。家が侯爵となると、生徒会役員としては申し分ない。それなりの爵位でないと困ることだってある。サツキだって、婚約者が生徒会役員となるのだから、きっと引き受けてくれるだろう、と皇族ルイと私は予想した。
戻ってきた二年生の生徒会役員から告げられた内容に、ルイは怒り狂った。
「何故、成績が大したことがない、サツキ嬢の義妹を生徒会役員にするんだ!?」
ルイは怒らない。怒鳴ったりなんてしない。ちょっとした失敗でも、笑って許す。大きな失敗でも、怒ったりしない。学生の内だぞ、と許すのだ。
だが、今回のことでは、ルイは許さなかった。よりにもよって、サツキの義妹を生徒会役員にする、と多くの貴族が見ている前で宣言してしまったのだ。
ルイの怒りに、しかし、二年生の生徒会役員は納得いかない。
「噂は聞いています。義妹をいじめ、贅沢三昧の、とんでもない女というではありませんか。あんな女を生徒会役員にしたら、大変なことになります!!」
サツキとその家族のやり取りを見ていない役員たちは、噂をそのまま鵜呑みする。だからこそ、ルイは怒りをさらに募らせる。
「皇族の決定をたかが一貴族が覆すというのか!?」
「っ!?」
ルイの怒りはそこにある。学校といえども、そこは小さな帝国、小さな領地である。表向きは平等のようなことを謳っているが、そうではない。生徒会というものは、小さな帝国の政治である。生徒会長は皇族であれば皇帝、貴族であれば宰相である。責任をとる分、権利も大きい。
二年生の役員は震えあがった。完全な間違いを犯してしまったのだ。生徒会では、ルイは皇帝である。ルイの決定は、よほどの理由がない限り、絶対なのだ。
「僕は言ったはずだ。説得しろ、と。難しいのなら、断る理由を持ち帰ってこい、と。それなのに、勝手に決めてしまうとは。お前たちは、いつ、皇族のように偉くなったんだ?」
「まあ、いいではないですか。まだ、二年生ですよ」
仕方なく、私が間に入って、ルイを止める。こういう時こそ、宰相のような役目を副会長である私がするのだ。
「勝手に宣言してしまったんだろう。仕方がない」
「あ、ありがとうございます」
「何を感謝している。お前たちは責任をとるんだ」
助かったと感謝の声をあげる二年生に、私は容赦なく責任を押し付ける。
「確か、サツキの義妹はクラリッサと言ったか。彼女が問題を起こした場合は、お前たちが責任をとりなさい。後始末も全てだ」
「その程度のことですか」
「心配いりません。クラリッサ嬢は立派な貴族令嬢です。そのようなこと、起こすはずがありません」
「起こした時は、お前たちで後始末だ。いいな」
「わかりました」
「お任せください」
ついでに、書面に残して、二年生役員にサインまでさせた。これで、万が一、クラリッサ嬢が使えなかったら、この二年役員が責任とって、後始末だ。
ルイは、まだ納得いかない、という顔をしている。ここは、皇族教育だな。普段は寛容な分、皇族としては絶対に譲れないものがある。それは、皇族として大事なのだろう。
「ルイ、貴族には、貴族なりの責任の取り方がある。見ていなさい」
「社会勉強と思って、見ていよう」
友人として声をかければ、ルイは機嫌を直した。こういう所が、ルイのいい所だ。兄も、こうだといいんだがな。
そして、サツキの婚約者エクルドとサツキの義妹クラリッサが生徒会役員として華々しく発表されて一週間ほどで、二年の役員は悲鳴をあげた。
まず、どこまで出来るか、と簡単な仕事から与えてみた。普通にやっても、二、三日で出来るような内容だ。簡単だから、一週間の期限を与えた。
一日目は。
「今日は家のお手伝いがありますので、帰ります」
「俺は、婚約者と買い物の約束がある」
納得のいく理由なので、そのまま帰ってもらった。大した仕事ではない。
二日目は。
「義姉がはやく帰りなさい、というんです」
「今日も、婚約者に我儘を言われて、行かなければならない。すまない」
サツキは悪名が高い。二人も大変だね、と見送った。
三日目は。
「家に持ち帰ってやってきます」
「俺もそうしたい」
「生徒会の仕事は持ち帰ってはならない決まりだ」
「帰らないといけませんの」
「俺も、婚約者の我儘が」
「………」
手もつけられない仕事は机に置かれたまま、二人は仲良く手をとりあって帰っていく。
ここまできて、二年の役員は怒りに震える。
「なんて我儘な女なんだ!?」
「生徒会の仕事をなんだと思っているんだ!!」
二年の役員は、名前だけ使われるサツキに対して怒りに震える。そして、とうとう、サツキを生徒会室に呼び出したのだ。
「あの、家の仕事の手伝いがありますので、帰らないといけませんの。お話は手短にお願いします」
「何が家の手伝いだ!? クラリッサ嬢にやらせていることだろう!!」
「婚約者を束縛しすぎるのもやめてくれ。生徒会の仕事が滞っているんだ!!」
クラリッサとエクルドが使う机の上にある書類を叩いていう二年の役員。
サツキは、面倒臭そうに息を吐き、一生徒だというのに、生徒会の仕事を手にして、パラパラとめくって、書き込み二年の役員の手に押し付ける。
「終わりです。帰ります」
「こら、勝手に!!」
「痛いではないですか!!」
二年の役員に腕を強く掴まれたのだろう。サツキは悲鳴をあげる。だけど、二年の役員は離さない。
「大袈裟に痛がって」
ところが、サツキは本当に痛がっていた。それには、私が前に出て、二年の役員を止める。
「腕を見せなさい」
「その男がちょっとバカ力なだけですよ。大したことはありません」
「いいから」
かなり失礼なことだが、私は無理矢理、サツキの服の袖をめくった。
腕に物凄い青あざがあった。これは、確かに痛いな。
「そんな、青あざが出来るようなほど、力いっぱい、握ったりなんかしていない!?」
二年の役員は無罪を訴える。しかし、サツキの腕は酷いこととなっている。
サツキは袖を元に戻して、すぐにいつもの笑顔を浮かべる。
「ちょっと、転んだだけですわ。ですが、淑女の体を断りもなく触れるのは、失礼です。今後は、気を付けてください」
「し、しかし」
「わたくしが相手だと、謝罪もしなくていいと思っているのですか? その程度の男が生徒会の役員だなんて、世も末ですわね」
「君のせいで、あの二人は生徒会の仕事が出来ないでいるんだぞ!! そのことはどうなんだ!!!」
「わたくしが謝罪することですか? 結果を見なさい。仕事は終わりました」
「君は生徒会役員ではない!!」
「もう、煩い男ですわね。わたくしは責任をとって仕事を終わらせました。あなたは淑女の体に断りもなく触れて、謝罪もしない。無責任な男ですわね」
「何が淑女だ。噂では、男遊びも酷いと」
「その噂、真実なんだろうな?」
とうとう、皇族ルイが怒りの形相で口を挟んできた。
サツキは相手が皇族なので、黙り込む。礼儀がしっかりしている。
しかし、二年の役員はダメだ。胸をはる。
「はい、確かなことです!!」
「僕も聞いています!!」
二年の役員は、サツキの悪い噂を真実と言い切る。
「実は、サツキ嬢の噂があまりに酷いので、僕の権限で、素行調査をした。噂では、入学してからもずっと、学校の外では噂通りのことが続いているという話だ」
まさか、皇族がたかが一貴族の噂を確かめるために動くとは思ってもいなかった二年の役員たち。しかし、彼らは自信があった。あそこまで悪く噂されるサツキだ。噂通りのことをしているだろう、と。
「サツキ嬢は、行きは早朝から真っすぐ学校に来て、帰りも真っすぐ、家に帰っていると報告を受けている」
「そんな、バカな」
「きっと、彼女に篭絡されたのですよ!!」
「魔法使いにも頼んだ。サツキ嬢のその腕、婚約者がふざけてやったそうだ。妖精の記憶もある。見せてやろうか?」
『………』
まさか、魔法使いまで動いているとは思っていなかった二年の役員はがたがたと震える。噂は、真実ではなかった。
「サツキ嬢、生徒会役員が、大変、失礼なことをした」
「皇族は、謝罪してはなりません!」
失礼なことだというのに、サツキは叫ぶようにいう。
それを聞いた皇族ルイは嬉しそうに笑う。
「そう、皇族は貴族に対して謝罪をしてはいけない。君は、よく知っているね。さすが、新入生代表になるだけのことはある。こちらも完璧だ」
サツキが一瞬で終わらせたという書類を確認するルイ。私も受け取るが、綺麗な字で、完璧に出来上がっている。
「子どものお遊びですわ。義妹と婚約者がわたくしのせいで、生徒会のお仕事が終わらせられなくて、ご迷惑をおかけしたそうですね」
「あなたのせいではない。それは証明された」
「情けは結構です。もう、魔法使いを使っての素行調査はおやめください。年頃の娘なのですよ。隠したいことだってあります」
「その腕の怪我とか?」
「転んだだけです」
「妖精の記憶をここで見せようか?」
「もう、いいではありませんか。過ぎ去った過去のことを蒸し返すのは、男らしくありませんわ。それよりも、人としての正しい事を指導してください。謝罪一つ出来ないなんて、生徒会役員として、恥ずかしい限りです」
サツキは、謝罪を求めるだけで、それ以上のことは何も言わない。
だが、この謝罪が難しいのだ。サツキの言い方が良くない。だから、二年の役員は、謝罪が出来ない。
サツキは嫣然と微笑む。
「わたくし、正しい行いをする方には、正しい行いで返しますわ。ですが、間違ったことをする方には、死よりも苦しい目にあわせると、決めています。出来ないとお思いですか? わたくし、頭だけはいいんです。いつか、あなたは死よりも苦しい目にあわせてみせます」
「き、脅迫とは、噂通りの」
「謝罪一つできないお前は、今、役員から下ろす。出ていけ」
もう、ルイは許さない。
生徒会役員となることは、名誉なことである。それを取り上げられるということは、不名誉なことだ。しかも、皇族が生徒会長である時だ。この二年は、もう、将来は真っ暗だ。
「まあまあ、ルイ様、そのようなこと言わなくてもいいではないですか。頭一つ下げることくらい、五歳の子どもでも出来ることですよ。人として、とても大事なことです。それが出来ない、ということは、あなたのご両親の子育てに問題があったということになりますよ。あなたのご両親は、そういう方なのですか?」
「そんな人たちではない!! お前のせいで、こんなことに」
「やったことの責任をとれないような男に育てられたのですか? わたくしは、あなた方がいうので、仕方なく、責任をとるように、婚約者と義妹が残した生徒会のお仕事を終わらせました。あなたがたのは、ただの言いがかりではないですか。わたくしは、あなた方の言いがかりを認めたわけではありません。忙しいのに、足止めされたので、仕方なくです。あなたとわたくしでは、時の長さが違います。同じにしないでいただきたい」
本当に、サツキは言い方がよくない。もっと、優しい言い方がある。だから、二年の役員も謝罪できないのだ。
仕方なく、私は二年の足を蹴って転ばせ、無理矢理、土下座させる。
「不出来な役員を選んだのは、こちらだ。すまなかった。ほら、ごめんなさいしろ」
「わ、悪かった」
「詰まらない自尊心ですわね」
「このっ」
心底、軽蔑するように、サツキは二年を見下ろした。たかが謝罪だ。それ一つ出来ない、この男に、サツキはさっさと背中を向けて、部屋を出て行った。
私は二年を解放した。二年は縋るように私を見る。
「あ、謝り、ました」
「サツキ嬢は、謝罪を受け入れていない。お前のそれは、謝罪じゃない。一度、死んで生まれ変わってこい。今生のお前は、終わりだ」
この二年は、サツキがせっかく機会を与えたというのに、無駄にした。いくら私でも、もう、救いようがない。
残る二年の役員は、目を合わせない。震えて、距離をとる。それを見て、役員をやめさせられた二年は走り去っていた。
その後、この二年は、街を歩いている婦女子に暴力をふるったところを通りかかった騎士に捕らえられることとなった。犯罪者となり、二度と、貴族に戻ることはなかった。
このようなやり取りをした翌日、皇族ルイは、サツキの婚約者エクルドと義妹クラリッサが帰ろうとするのを止めた。
「昨日、サツキ嬢に、生徒会役員の仕事の邪魔をするようなことをしないでほしい、とお願いした」
「でも、わたくしは、家の手伝いが」
「サツキ嬢が代わりにやると言っていた」
嘘だ。そんなこと、言っていない。しかし、皇族ルイの怒りを買いたくないので、役員全員、沈黙する。
「しかし、今日は約束を」
「婚約者の邪魔はしない、と言ってくれたんだが、サツキ嬢を呼んで聞いてみようか」
「あの女は、すぐ約束を忘れるし、気分でころころと変わる」
「呼んでくれ」
言い訳ばかりのエクルドに、業を煮やしたルイが二年の役員に命じる。ルイが怒らせると怖いことを知ってしまった二年の役員は走って、サツキを引っ張ってくる。
サツキは、あまり体力がないようだ。引っ張られてやってきたサツキは、失礼なことながら、その場に座り込む。
「サツキ、皇族の前でなんて態度だ!?」
「許す。サツキ嬢、ほら、こちらに座りなさい」
「ご親切にありがとうございます」
婚約者は責めるというのに、皇族ルイは優しくサツキの手を引っ張り、椅子に座らせる。
「相変わらず、人を誑かすのがお上手ですこと」
「この僕が、彼女に誑かされたというのか?」
余計なことをいうクラリッサに、ルイは剣呑となる。皇族としての誇りが高いルイは、それを貶める言葉や行為には容赦ない。
「そうです! お義姉様は、そうやって、すぐに男にすり寄るのですよ」
「黙りなさい!」
珍しく、サツキがクラリッサを叱るようにいう。それに、クラリッサだけでなく、エクルドまで、サツキを睨む。
「お義姉様のせいで、わたくしたちは、時間がないのですよ!!」
「そうだ、貴様のせいで、満足に時間がとれないというのに」
「生徒会役員をやめたらどうですか。だいたい、わたくしのせいで時間がないというのは、どういうことですか? 昨日も、同じことを生徒会役員の皆さんから責められました。身に覚えのないことで、困りました」
サツキは、はっきりと婚約者エクルドと義妹クラリッサの批難を否定した。
「お義姉様のせいです。全て、悪いことは、お義姉様のせいなんです!!」
「そうだ、全て、サツキのせいだ!!」
あまりにも酷い言い方だ。クラリッサとエクルドは、全ての悪事をサツキのせい、と二人がかりで責めている。
サツキは否定しても一人だ。肯定者が二人となると、サツキには勝ち目はない。だから、入学式でも、家族の言いなりだったのだ。
そして、二年の役員は、このやり取りを聞いて、怒りで真っ赤になる。どちらに対して怒っているのか、この場ではわからない。何せ、迂闊に口を開くわけにはいかないのだ。
皇族ルイが怒りに震えている。冷たい眼差しで、事の成り行きを見ている。
「エクルドとは約束自体していません。買い物を手伝わせた、といいますが、具体的にどのような買い物をしたのですか? クラリッサに家の手伝いをお願いした、と言いますが、具体的におっしゃってください。どういう手伝いですか? 全て、ここで、おっしゃってください」
黙り込む婚約者と義妹。サツキは悪女のようにふんぞり返って、鞄から、いくつかの紙を取り出す。
「学校帰りに、随分と無駄な買い物をされていますね。こちら、エクルドの字で、こちらはクラリッサの字で、わたくしの名前を使ってサインされています。これらの請求は全て、伯爵家となっています。わたくしに全てを押し付けるのなら、サインくらい、上手に偽造しなさい。情けなくて、笑うしかありませんでした」
「し、知らない」
「わたくしではありません!!」
「もういいです!! 面倒臭い!!! 言い訳ばかりで、うんざりです。あなたがたの素行調査は、わたくしがルイ様にお願いしました。わたくしの事情を知ったルイ様が親切に、申し出てくださいました。お陰で、この使い込みの証拠もしっかりととれました。もう、同じ店では、二度と、買い物は出来ません。皇族の調査が入ったのです。店側は、あなたがたの出入りを今後、断ると念書まで書いてくださいました。立会人は、ルイ様です」
とんでもない話だ。たかが伯爵家の内輪もめが、皇族まで巻き込む大問題となっていく。
「わたくしは忙しいのです。エクルドもクラリッサも、好きなだけ、生徒会のお仕事をしてから帰ってきてください。むしろ、遅く帰ってきてください。あなたがたがいると、わたくしの仕事が増やされます!!」
サツキの怒りは相当なものだった。偽造された請求書をエクルドとクラリッサに叩きつけ、部屋から出ていった。
怒りやら羞恥やらで真っ赤になって震えるエクルドとクラリッサ。その二人を放置して、皇族ルイは、二年の役員にいう。
「サツキ嬢の義妹が問題を犯した時は、お前が責任をとることとなっている。きちんと、手綱をとるんだな」
ルイに言われ、二年の役員は過去、やってしまった約束を思い出し、真っ青になる。皇族に向かって、この二年は口答えしたのだ。この二年も、もう明るい未来はなかった。
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