魔法使いの悪友

shishamo346

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伯爵の養子

妖精憑きの教育

 妖精憑きは帝国の持ち物である。赤ん坊が生まれると、お祝いの儀式を行う。その時、妖精憑きだとわかると、帝国に召し上げられるのだ。だけど、ここには落とし穴がある。この儀式、絶対受けないといけないわけではならない。
 平民は、金目当てで、貴族は義務として受ける。儀式を受けることは、お祝い金が貰える。儀式で妖精憑きが生まれたとわかれば、貴族にとっては名誉である。だけど、それは必須なことではないので、受けさせない親もいる。
 儀式を受けさせない親というと、だいたいは貧民だ。貧民は教育を受けていないので、儀式のことを知らない。儀式を受けたからといって、貧民がお祝いをもらえないわけではない。帝国は妖精憑きが欲しいので、貧民にも受けてほしいのだ。しかも、儀式を受ければ、子どもには平民の身分が与えられるのだ。悪いことはない。だけど、教育を受けていないのもあるが、貧民を悪用する者たちがそれを妨害するのが。
 それが、貴族だったり、悪徳商人だったりする。そういう過程から、貧民はなくならない。ついでに、貧民の中に野良の妖精憑きが残る。それを上手に集めるのは、貧民の支配者だったり、貴族だったり、悪徳商人だったりする。
 我が家は、代々、野良の妖精憑きを見つけては、捕獲し、洗脳教育を施し、手足のごとく使役する貴族だ。その秘伝を持つのは、当主のみである。
 義父マクルスは敵も多いが、絶対に手を出してはいけない人なのだ。なにせ、妖精を狂わせる香の作り方を知っているのは、マクルスのみだ。家臣たち、近い血縁ですら知らない。一子相伝である。
 僕は、マクルスの跡継ぎと決まった時から、少しずつ、妖精憑きや、香に関わることとなった。
 なかなか衝撃的なのは、妖精憑きだ。
 もう、僕もそれなりにガタイもしっかりしてきたというのに、マクルスは僕を抱き上げて、捕縛したばかりの妖精憑きの元に連れて行く。
 物語りの中でしか知らない妖精憑きである。どんなものか、僕は色々と想像していた。妖精憑きは、神の使いである妖精を持って誕生するという。妖精に溺愛される妖精憑きは、普通の人とは違うだろう。
「この、はなしやがれ!!」
 顔は綺麗なんだ。服は安っぽいのに、綺麗だ。
「この、クズが!! 卑怯なモン使いやがって!!!」
 そこから、とんでもない悪口雑言を義父マクルスに吐き出す。
 妖精憑きは獣が入れられるような檻に閉じ込められていた。この檻自体、特別製だという。妖精憑きは色々とやっているが、檻はびくともしない。
「見た目はいいんだが、この下品なのは、幻滅だな」
 僕が思っていることをマクルスは呟く。本当に、そうだ。幻滅だ。
 僕がこれまで持っていた妖精憑きの想像は帝国が作り出した魔法使いだ。魔法使いは、物語りでは、神の使いらしく、優雅な存在として語られていた。
 しかし、実際に見た妖精憑きは、とんでもない下劣だ。僕の生家でも、ここまで下劣なことを言われたことはない。やはり、貴族だから、上品な表現を使うからだろう。
 相手が下劣だからか、それとも、こういうふうに教育されたのか、マクルスは檻を思いっきり蹴とばす。その力はすごく、檻が横倒しとなったのだ。
「耳が腐る。たく、妖精憑きの教育が一番、面倒くさい。オクトを見てみろ。素直で可愛い」
「仕方がありません。妖精憑きの教育は、当主の仕事です」
 家臣の一人が檻の鍵をマクルスに渡す。マクルスは僕を腕に抱きあげたまま、檻の鍵をあける。途端、妖精憑きは獣のように飛び出し、マクルスに襲い掛かった。
 僕のせいで片腕が使えないというのに、マクルスは片手で妖精憑きの顔を鷲掴みすると、汚れた床に落とし、足で踏みつける。
「まだ、学習していないのか。私に貴様の妖精はきかない」
「くそっ!!」
「どんなことをしても、妖精は私を忌避する。こうして、私が側にいるだけで、魔法すら使えなくなる。貴様の力など、その程度ということだ。オクト、枷をつけなさい」
 もう、僕自身にも、教育等が施されている。だから、僕もまた、妖精憑きにとっては、忌避する存在のはずだ。それがどこまでなのか、確かめるために、マクルスは僕に妖精憑きの拘束をやらせるのだ。
 マクルスの腕から下ろされ、家臣が持つ妖精封じの枷を受け取る。
 両手両足をバタバタと暴れさせる妖精憑き。これはちょっと、と僕が困っていると、僕のために、マクルスは片腕を踏みしめる。その手首に僕は枷をはめて離れる。
 途端、妖精憑きは顔色を悪くする。妖精が封じられたのだ。だけど、まだ、抵抗している。仕方なく、僕はもう片方の腕にも枷を嵌める。
「うああああああー-----!!!」
 とんでもない声をあげて震える妖精憑き。マクルスが離れても、地面に丸くなったまま震える。
「枷二つ分の力か。その程度で、私に逆らおうとはな!!」
 すっかり弱った妖精憑きをマクルスは力いっぱい蹴った。
「檻に戻して、香を焚け」
「やだ、ここ、怖い」
「貴様が逆らったせいで、私の大事な部下が怪我をした。もう二度と、逆らえないようにお仕置きだ」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」
 妖精を封じられた妖精憑きは、家臣たちの手によって、また、檻に入れられる。暴れればいいのだが、それをしない。
 あまりに呆気なく閉じ込められる妖精憑き。僕はそれを疑問を持って見てしまう。
「走って逃げればいいのに」
 場所は地下室だが、大した場所ではない。部屋自体には、妖精封じみたいなことはされていない。鍵だってされていないのだ。この妖精憑きは、まだ成人前ではあるが、それなりに体躯が出来ている。隙をついて、走って逃げればいいのだ。
 それ以前に、隙をつくために、従順なふりくらいすればいいのに、それをしない。そこが疑問だ。頭が悪すぎる。
 マクルスが地下室を出るので、僕は慌ててついていく。
「義父上、妖精憑きは才能がすごいと聞くのですが」
 初めて見た妖精憑きには、それらしいものが見られない。教育のなってない、最低な人だ。ずる賢さもない。ただ、自尊心が高いだけだ。
「妖精憑きは才能がある。だから、苦労知らずだ。その上、神の使いである妖精を使役出来る。そのため、自尊心だけ高くなる。それは、帝国所有の妖精憑きでも同じだ。だから、何も教育をされていないと、ああなる」
「あの妖精憑きは、どこにいたのですか?」
「王都の貧民街の支配者に喧嘩を売ったんだ。せっかくなので、私が捕縛させてもらった。金がかからなかったな」
 普段は、妖精憑きは金で買うのだが、あの妖精憑きはそれ以前だった。たまたま、表に出てきたところを義父マクルスの耳に入ったので、喜んで捕縛したのだ。久しぶりの捕り物は楽しかったのだろう。マクルスは思い出し笑いをしている。
 しかし、これをそのまま受け止めてはいけない。王都の貧民街の支配者に喧嘩を売った、ということは、それなりの勢力だった、ということである。ただの捕り物ではない。貧民街で起こった内戦だ。それにマクルスは参加したというのだ。血みどろだったのだろう。楽しかったのは、きっと、そっちだ。あー、こわっ!
 地下から出ると、さっきまで、とんでもない光景を見せられていたというのに、食事である。そこは、時間通りだ。
 食欲を失せるような光景を見せられたというのに、肉料理である。食べないと、後が大変だから、しっかりと食べる。午後は、剣術と体術の授業だな。
「あの妖精憑きの教育は、オクトに任せる。失敗したら、妖精憑きは殺処分だ」
「あ、はい」
 そうだろうなー、とは思っていました。
 妖精憑きの洗脳等は、当主であるマクルスから直接、教育を受けている。もう、香の吸引もさせられている。あれ、本当に体を悪くするものだね。だけど、香の吸引をしながら、妖精の薬も定期的に飲まされているから、すぐに体調は良くなる。マクルスは皇族のお友達だから、妖精の薬はただ同然で手に入っていたが、そうでなかったら、随分と金のかかる投資だ。
 口頭で妖精憑きの洗脳等を教えられても、現実は言葉通りにいかない。それは、僕自身もわかっている。何せ、現実の妖精憑きは、物語りの魔法使いとは違うのだ。神の使いである妖精を憑けているが、所詮、人である。
「早めだが、寄宿学校が決まった。そこで、側近をつけることとなった。入れ」
 マクルスの命令で、僕とそう歳の変わらない子どもが入ってくる。常に笑顔を顔にへばりつかせている、気持ち悪い子どもだ。
 この子どもも、不幸な子どもなんだろうな。なんとはなしに気づく。僕の家臣となるために紹介される子どもたちは、皆、何かしら影を持っている。養子だったり、養子だったり、養子だったり、ともかく、血筋はしっかりしているが、血のつながらない子を家臣から紹介されるのだ。それを聞いて、見ていればわかる。マクルスは、皇族ルイに言った通り、一族の中で迫害を受けている子どもたちを救い出し、育て、教育して、僕の家臣にするのだ。そのために、マクルスは側近に近い家臣とかに無理矢理、養子として引き取らせたのだ。本当に、無茶苦茶だな。
 ただ、養子として引き取られた先では、別に迫害を受けるとか、そういうことはない。マクルスの家臣たちは、分別をきちんとつけている。養子は、僕のための裏切らない家臣として育て、自らの子は跡継ぎとして、そちらも僕の家臣となるように育てた。跡継ぎは跡継ぎ、養子は養子である。だけど、その先は僕の家臣であることは変わらないのだ。
 ただ、家臣としての立場が違う。跡継ぎは、伯爵家の家臣だ。養子は、僕自身の家臣だ。
 そんな僕自身の家臣として、かなり優秀なんだろう。男爵家の養子セコンは、笑顔を崩さず、一礼する。
 僕自身につけられる家臣は、一通り、紹介されていた。だから、セコンのことも知っていた。
「セコン、久しぶりですね。義妹は相変わらずですか?」
「お久しぶりです、オクト様。はい、義妹は相変わらず、僕と結婚する、と夢物語を語っています」
 途端、マクルスでさえ、顔を歪めるのだ。血の繋がりがないとはいえ、セコンの義妹は、セコンに恋していた。
「趣味が悪いな」
 マクルスは失礼なことをいう。それでは、セコンは最低最悪な男みたいじゃないか。
「そんな、男が好きなだけではないですか」
 どん引きだった。そうだった、そういう男だったな、セコンは。
 セコンは、生家で随分な虐待を受けていた。僕は生きるか死ぬか、という虐待だ。セコンはそこに身売りまがいのことまでされていたという。その後遺症からか、女嫌いとなり、男好きとなった。
 僕はもの言いたげにマクルスを見てしまう。さすがに、寄宿学校というものが、どういうところか、僕も学んだ。そして、セコンを側近につける、ということは、僕は昼夜、セコンと過ごすことになる、ということだ。
「セコン、私の大事な養子だ。手を出すな」
「そんな恐れ多いことしません。僕にも選ぶ権利があります。だいたい、僕とオクト様、同じ男側ではないですか。交わることすらありません」
 また、どん引きするようなことをいうセコン。もう、黙らせないといけない。
「それで、セコンはこれから、僕の荷物持ちということですか」
「そうだ。これから、セコンは、道具を色々と持ち歩いてもらう。オクトが必要とする時は、すぐ、出すんだ」
「わかりました」
 道具というのは、妖精を封じる道具だ。妖精憑きを子飼いにする一族だ。そういう道具はたくさん所有している。だが、それらを持つのは当主ではない。当主の側近の役割だ。
 当主の側近は、そう簡単になれるわけではない。血筋だけではないのだ。当主を裏切らないことが最重要である。しかし、我が家は裏切られても、痛くも痒くもない。だって、僕自身が妖精憑きの天敵だ。側近が裏切ってもいいように、体術と剣術も騎士団に入団出来るなりに鍛えられる。
 セコンを僕につけるのは、これもまた試験だ。いかにセコンを裏切らない側近にするか、それを見ている。そして、失敗したら、セコンはただの家臣に戻されて、次の側近がつけられるのだろう。
 今のところ、僕は義父マクルスから合格を貰っている。だけど、机の上、体術や剣術のみだ。対人は、まだ、試験されていない。
 なかなか、最難関な試験を与えてくれたな。妖精憑きの教育から、側近育てまで、マクルスは次から次へと容赦なく進めていく。
「セコン、後で、妖精憑きを見に行こう」
 まずは、妖精憑きだな。僕の午後の予定は変更となった。手っ取り早いとこから始めよう。




 午後は、体術と剣術の授業であるが、それを中止の連絡をいれた。それも、セコンの役割である。セコン、大変だな。これも、セコンがしっかりと僕の側近として仕事をしているかどうか、確認するためである。教師の元にどのように連絡をしたのか、後で確認だ。
 そして、地下へと僕はセコンと降りる。僕の側近となったので、セコンはすでに、妖精封じの道具を持たされている。あの手枷はなかなか重いだろうにな。
 無駄な会話はしない。足音だけを響かせ、妖精憑きが入った檻がある地下室に入る。
「大変なことになってるな」
 あれほど強がっていた妖精憑きは、とんでもないこととなっていた。汚物まみれで、部屋全体の悪臭がすごいのだ。妖精を狂わせる香は、人の嗅覚には何も感じないのだ。そのため、汚臭の酷さが鼻につく。
 が、僕は馴れている。ほら、僕も以前は、酷い扱いをされていた。汚臭なんて、気にならない。
 しかし、セコンはそうではない。身売りみたいなことをさせられていたのだ。それなりに綺麗にされていたのだろう。部屋に入ったのだが、嫌悪感が笑顔を消し去る。
「鍵」
「あ、は、はい」
 僕が平然としているので、セコンは驚いていた。むしろ、セコンがそんな顔をするほうが、僕には驚きだよ。
 檻の鍵をあける。妖精憑きは、僕を恐怖の対象みたいに見上げる。それはそうだ。僕もまた、妖精を狂わせる香に体の奥が犯されているのだ。妖精憑きにとっては、恐怖でしかない。
「やだ、来るな!!」
 妖精の力を使っているのだろう。必死な顔をして、僕から距離をとろうと檻の端に逃げるのだが、僕自身には何も起きない。その事実に妖精憑きは恐怖する。
「ば、化け物っ」
「失礼な。僕は人とっては無害だ。お前たち妖精憑きにとっては有害なだけだ。ほら、出てこい」
「い、いやだ、触るな!!」
 力いっぱい、抵抗するが、僕は容赦ない。妖精の力に頼りきったこの妖精憑き、体術は大したことがないんだよな。簡単に僕は妖精憑きを檻から引きずりだした。お陰で、僕の服も汚れたな。
 僕は妖精憑きの手枷を一つだけ外してやる。
「自分でやったことだ。ほら、掃除しろ」
 命じつつ、僕は汚物の上に妖精憑きの顔を押し付ける。物凄いことをされて、妖精憑きは力いっぱい、抵抗するが、非力だ。
「何をしている。妖精を使って掃除するんだ。なんだ、まだ出来ないのか? その程度で、随分なことをしたな」
 妖精の香はそのままだが、枷が一つ残っている。檻から出してやったというのに、妖精憑きの力はまだ、封じられたままのようだ。
 恐怖の中に、まだ、抵抗が見える。王都の貧民街の支配者になろうとした妖精憑きである。そりゃ、並大抵の自尊心ではないだろう。
 僕は笑うしかない。
「掃除も出来ない程度の力で、まだ、反抗的だな」
「このっ!」
 だけど、妖精憑きもそれなりに頭を使う。僕がダメなら、次は側近セコンだ。無防備に、嫌悪感を募られていたセコンは妖精憑きの力によって、吹き飛ばされた。
「ざまぁみろ」
「お前ね、僕相手に出来ないのなら、意味がないだろう」
 僕はまた、妖精憑きの腕に枷をつける。途端、妖精憑きは悲鳴をあげ、丸くなる。妖精を封じる檻の外でも、それだけで、妖精は封じられるのだろう。
 セコンは、吹き飛ばされた先で震えていた。
「すまん。外で待たせていれば良かったな」
「来るな!?」
 僕の服がなかなかすごいことになっているのだから、セコンの嫌悪感はすごい。もう、取り繕うことも出来なくなっていた。
「もう、出ていきなさい」
 僕が距離をとれば、セコンは震えながらも、地下室から出ていく。外で待っているが、僕への認識を随分と変えてしまったな。
 僕は丸くなった妖精憑きを足で軽くつついた。
「まずは、僕の服を綺麗にしてもらおう。でないと、側近に嫌われたままだ」
 僕の命令に、妖精憑きはにやりと笑う。檻の外だから、抵抗がある。
 妖精憑きは、僕を除くすべてを綺麗にしてくれた。瞬きをしている間だ。
「ざまぁみろ」
「知っているか? 妖精憑きの回復力は常人以上だと。しかし、痛いものは痛いんだ」
 僕は妖精憑きの指を一本、つかんだ。
 義父の教育は、当主の伝統だ。拷問だって、出来るようにさせられる。




 身ぎれいになって、地下室から出られた。ちょっと時間がかかったな。外に出れば、セコンは真っ青になって、階段のところに立っていた。
「ほら、綺麗になった。もう臭いもしないから、近づいても問題ないだろう」
「お前もおかしい!!」
 違う意味で、僕はセコンから距離をとられる。えー、服は綺麗になったというのにぃ。
「あの男の悲鳴やら、何やら、地下に響いてたんだぞ!! お前がまともでないことをしていたと、僕だってわかる!!!」
「伝統だから、仕方がない。あの妖精憑きだって、しっかり躾出来ないと、殺処分だよ。可哀想だろう」
「生き地獄味合わせておいてか」
「セコンは生家では、随分と可愛がられていたんだってな。そのままが良かったんだな」
 図星だった。セコンは、生家での扱いを受け入れていたのだ。身売りをさせられても、それで良い、と折り合いをつけていた。そんな所に、伯爵マクルスが割り込んできたのだ。恩なんて感じてもいない。
 僕とセコンは違う。僕もまた、あの立場を受け入れていたが、戻りたくない。セコンは受け入れて、戻りたいのだ。
 僕がセコンの腕をつかむと、セコンは震える。恐怖を感じたのだろう。
「大人しく、僕の側近をしていなさい。義父上は容赦がない。セコンがいつか、牙をむくことに気づいていて、僕の側近にしたんだ。生家、まだ、無事なんだろう」
「っ!?」
 離されても、セコンはまだ、生家に支配されている。だから、マクルスは生家をまだ無事、残している。どうせ、反勢力でなかったのだろう。味方には優しいんだ。
「明日も、ここに来る。付いてきなさい」
 僕も大概だな。セコンの教育もついでに行うために、そこは、容赦しなかった。

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