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伯爵の養子
制裁
何故か、貴族の学校、最終学年だけ、近くの学校に転校させられる。何を考えているのか、本当にわからないよ!?
転校して、すぐに、理由が皇族関係だとわからされる。義父関係ですでに皇族と繋がりがあるのだから、僕はいらないだろうに。
僕は仕方なく、といった感じで、僕は残りの一年を皇族サイのご学友に抜擢される。
皇族サイ、なかなかの見た目である。一目見て、ルキエルを思い出してしまった。そう、綺麗系な人なのだ。だけど、性別は男。大丈夫、こういう人に、僕は間違いなんて起こさない!!
というわけで、僕は完全完璧に安全ということから、皇族サイのご学友になったわけだよ。笑うしかない。
「何故か、僕の側にいる者は皆、皇族相手に不埒なことをするのだよ。どうしてかな?」
流し目しといて、説得力ないですよ!! それされても、僕は鳥肌だけど。悪いが、好みじゃないんだ。むしろ、ルキエルを思い出して、ぞっとする。
僕の反応を見て、少し呆然となる皇族サイ。続いて、華が咲くような笑顔だ。
「そういう顔を誰にでもするから、間違いが起こるんですよ!!」
「君はそうではない」
「僕は側に、もっとすごいのがいたんです。見た目は女みたいだけど、物凄く頭がよくて、物凄く強い男が!! それに比べれば、サイ様は可愛いですよ」
「その男がいいのか」
「逆です。そいつのことをそういう対象に見れないんです!! どいつもこいつも、ちょっと綺麗目だからって、すぐに恋愛対象で見るのは、変な本の読みすぎだ」
心底、そう思っていた。だから、貴族の学校での、色恋沙汰での問題事は、冷めた目で見ていた。
寄宿学校と違って、家からの通いの学校は、なかなか自由だ。帰りに寄り道したり、ちょっとしたお茶会したり、と寄宿学校で培ってきた常識をぶち壊してくれる。
僕は転校生である。どうせ、何もすることはないだろう、と思っていたのだが、何故か生徒会役員にさせられていた。
「私の相方が、壊れてしまったんだよ」
艶やかに笑っていう皇族サイ。お前が壊したんだよね、それ。
壊れたというのは、その貴族子息の人生だろう。こんな見た目も中身もとんでもない皇族に関わったばかりに、気の毒に。
残った生徒会役員は、皇族サイとはそれなりに距離をとるようにしている。と言っても、サイは生徒会長である。指示をする側だから、接してしまう。それを防ぐのが、皇族サイに気持ち悪さしか持っていない僕だ。
「君のお陰で、色々と片付くね。助かるよ」
「普段はどうしているのですか?」
「私が指示を出すと、そこから動けなくなる者ばかりだね。メモで指示というのも、なんだか変な感じだからね。本当に困っていたんだよ」
「………」
困っているように見えないんだけどね。こいつは質が悪い。
ルキエルは天性のものだ。無意識もある。貧民だから、どうしても、そういう対象に見られがちだ。そこに、悪意が混ざって、結果、大変なこととなっている。
皇族サイは、たぶん、皇族といえども、暗部の類なんだろう。義父の友達である皇族ルイは、貴族の罠的存在として、貴族の学校に通わされていたという。サイもそうなんだろう。ただ、サイはわざと悪化させている。貴族の人生を壊して、遊んでいる感じだ。
「僕の前では、遊ばないように」
「君が相手をしてくれるのかな?」
「もしかして、男が好きなんですか?」
失礼なことなんだけど、ついつい、聞いてしまう。発言が怪しい。だから、僕は皇族サイから距離をとる。
「男でも女でも好きだよ」
さらに質が悪かった!! 僕はさらに距離をとった。やっぱり、わざとだな。
「私は皇族だから、結婚は絶対だけどね」
「そのまま、卒業後は城の奥で大人しくしてください」
「私は出来る皇族だ。末永く、よろしく頼む」
大人しくしてくれない。皇族からの申し出に、僕から拒否なんて出来ないよ!!
「わかっていると思うけど、僕は魔法使いの天敵だよ」
「見ても、わからないものだね。普通なのに」
「魔法使いだけわかるんだよ。もう、離れてください。気持ち悪い」
「君、意外と無礼だな」
僕はこうして、皇族サイと末永いお付き合いを強要されるのだった。
貴族の学校を通いとなったので、色々と手伝わされる。僕は夜中に起こされることも普通だ。
「貧民街に行くぞ」
物凄い怖い顔、声、空気を持つ義父マクルスに起こされた。いや、使用人を使ってよ、それ。
僕は防具を身に着けたりする。だって、マクルスも防具やら武器やら身に着けている。外に出れば、腕のある家臣や兵が準備万端で待っていた。僕が最後かー。
そのまま、無言で進軍である。昼間だと、あれだ、内戦でも仕掛けようとしているのかな、なんて勘違いされそうだ。それも夜、人目を避けて走っていくのだ。
王都の貧民街の中に入り、そのまま、どこかの建物を強襲する。中からは、若い男の貧民たちが武器を持ってやってきたのだが、実力がいまいちである。すぐに、家臣たち、兵士たちによって捕らえられた。
そして、建物にいた者たちは、逃げた者も含めて、全て、捕縛される。
その中に、よりによって、ルキエルの姉リンネットがいた。リンネットは、勝気な顔で義父マクルスを睨んでいる。
しばらくして、王都の貧民街の支配者アルロがやってきた。アルロは、マクルスの隣りに立ち、拘束された面々を見下ろす。
「言っただろう。あの娘をどうにかしろ、と」
「………」
「ルキエルを使って、扇動した。もう、あの娘は排除するべきだ」
リンネット、とんでもないことを仕出かしていた。ルキエルに狂った男たちを使って、父親であるアルロへの対抗戦力を作ったのだ。
蔑むように見下ろすマクルス。マクルスにとって、リンネットは邪魔な存在でしかない。
しかし、アルロにとっては、娘だ。どんな性悪といえども、アルロはどうしても、リンネットを見捨てられないのだ。
「義父上、とりあえず、男どもは処刑しましょう」
僕はまず、リンネットから目を反らさせるために、ルキエルに狂った男どもの始末を提案する。
「確かに、そちらが先だな」
「そうだな」
すごいな。ルキエルに手を出したという事実に、マクルスだけでなく、アルロまでそっちに集中だ。ルキエル、とんでもないな、お前。
しかし、義父マクルスは容赦のない男だ。男どもは全て処刑で決定だが、リンネットの処分がなしというわけにはいかない。
マクルスはリンネットの腕をつかむと、何故が僕の前に引きずってくる。
「ルキエルの初めては、痛かったそうだ。前戯もなしに、アルロを受け入れさせられて、恐怖でしかなった、と言っていた」
「………」
リンネットに聞かせているが、側で聞いているアルロも流れ矢を受けてるよ!! アルロ、物凄く傷ついた顔になる。
マクルスは気づかず、リンネットの顔を乱暴につかんだ。そして、もの言いたげに僕を見上げる。
「オクト、やってくれるな?」
「義父上がやればいいでしょう」
「触るのもイヤだ。汚らわしい」
義父マクルスだってやりたくない事を僕にやらせようとするなんて、酷いな!?
だけど、僕は義父に絶対服従だ。別に、死ぬわけでもないんだし。ちょっと横にいるアルロを見てみれば、リンネットが目の前で僕に凌辱されるという事実に、何かをこらえている。ほら、止めることが出来るのは、アルロだけだよ!!
「せ、せめて、女として優しくしてほしい」
「何言ってるのよ、父さん!?」
「お前はやり過ぎた。いくら俺の娘といえども、反乱を起こそうとしたのは、許すわけにはいかない。死ぬわけではない」
「初めてでなければ、痛いことなんてないだろう。ここまでの男の中にいたんだから。まさか、純潔ということはないだろう」
「っ!?」
真っ青になるリンネット。まさかの純潔か。
その反応に、マクルスは嘲笑う。
「なんだ、こんなに男がいたというのに、ルキエルに負けたのか!! ざまあないな!!!」
うわっ、酷っ!! さらに追い込む義父マクルス。リンネットの所業に、マクルスは腹に据えかねていたのだ。コケ落とせる材料があれば、散々、こけ落としたいのだ。
マクルスは乱暴にリンネットを離して、さっさと、捕縛した貧民の男どもの元へと行く。ルキエルに手を出した男は、マクルス、許せないんだ。もう、マクルスはルキエルに魅入られて、まともではない。
両手が使えないだけだ。リンネット、足は自由だから、走って逃げられる。それも、伯爵家の家臣やら兵士やらが地面に縫い付けるように抑え込んでしまう。
「いや!! 誰か、助けてぇえええー-----!!!」
「煩い女だ」
暴れて叫んで、と往生際の悪いリンネットの口は簡単に塞がれる。
アルロは娘がこれから凌辱されるのを見ていられなくて、その場を離れた。義父マクロスのように、ルキエルに手を出した貧民たちを殺すのにも参加しない。
阿鼻叫喚の光景の片隅で、泣きながら、縋るように僕を見上げるリンネット。
「仕方がない。僕もまた、第二の伯爵だ」
前戯なしに、という命令だ。僕はリンネットの下の服だけをはぎとり。両足もしっかり拘束されているのだ。抵抗しても無駄だ。
なにか言っているが、無視だ。相手はリンネットだ。大丈夫、出来る。僕の下半身は、準備万端だ。
「大丈夫、ルキエルよりは小さいから」
「っ!?」
一時期は一緒に風呂にも入っていたのだ。裸の付き合いで、色々と話していた。そのついでに、互いの下半身だって見たものだ。ルキエルよりは、僕なんて、可愛いものだよ。
一物の先で、リンネットの下半身に触れる。残念、濡れてないな。なんと、自慰の経験もなさそうだ。ぴったりと閉じているよ。これで無理矢理だと、相当、痛いだろうな。
口づけしようとして、思いとどまる。ほら、口、塞がれているから、出来ない。
「台無しだな」
雰囲気がもう殺伐だ。本当に、閨事を作業のようにするだけだ。
僕はリンネットの足をこれでもか、と開かせ、腰をつかみ、一気に、僕の一物を挿入した。
気の毒に、色々と引っかかった。あまりの痛みに、リンネットは大暴れだ。それも計算ずくなんだろう。誰も、リンネットの拘束を緩めない。リンネット一人に対して、なんと八人で拘束だ。どんなにリンネットが暴れても、拘束を緩めることは不可能だ。両手はまだ、背中に紐で拘束したままだな、なんて、思い出す。
奥をどんと突いても、苦痛しかないリンネット。痛みやら何やら、一杯で、泣いて、塞がれた口で叫んでいるようだが、よくわからない。
僕は、リンネットの耳を舐めてやる。ちょっとした刺激となるだろうが、痛みのほうが勝っているのだから、感じるなんて出来ない。
「本当に、初めてだ!!」
僕は流血を見て笑ってしまう。この顔だし、男どもに囲まれていたんだ。その身はもう、純潔でないと思っていた。
ところが、やってしまえば、初めてだ。僕が腰を動かしてやると、悲鳴のような呻きをあげる。痛いんだろうな。
それでも、容赦なく、奥をついてやる。苦痛やら何やらで、リンネットは諦めていた。拘束を足だけ外させると、抵抗がない。僕は足を持ち上げたり、角度を変えたりしてみるも、リンネットは泣いて呻くだけだ。気持ち良いとか、そういう感じではない。
リンネットの中は濡れていない。流血で滑りがよくなっているだけだ。それでも、僕は中に白濁を吐き出し、滑りをよくして、散々、突いてやった。
頃合いを見て、口のほうを自由にしてみる。
「どう?」
虚ろな目をしていたリンネットだが、僕が感想を聞くと、怒りに目を輝かせる。
「下手くそ!! 抜いてちょうだい!!!」
その感想に、僕は笑ってしまう。リンネットの頭を無理矢理、地面に押し付ける。
「最悪な初体験だな!! 良かったじゃないか。ここまで下手な男に当たったんだ。今後は、どの男も気持ちよくなるぞ!!!」
「抜けって言ってるのよ!!」
「まだ、やめていい、とは言われていない」
僕は義父の命令で動いている。ちょっと見れば、義父マクルスは、一人ずつ、男の首を斬り落としてご満悦である。こわっ。
それでも、まだ、腹にすえかねているのだろう。全ての男どもの首を斬り落としたというのに、僕とリンネットのほうを見てくる。
リンネットは、血で汚れたマクルスを見て、物凄く怯える。僕の一物なんて、もう感じてもいないのだろう。
僕に凌辱されているリンネットをマクルスは見下ろして笑う。
「本当に、純潔だったんだな。てっきり、ふりかと思っていたが、意外と身持ちが堅かったんだな。そこは、サツキに似たな」
ここまできて、マクルスはルキエルの母の名を出す。
「サツキは最初から最後まで、アルロ一筋だ。ハーレムに行っても、上手に皇帝を退けたそうだ。さて、お前は今後、どうなるのかな? もうやめていい。見ていて、気持ち悪くなってきた」
終わりを告げられたので、僕はリンネットから離れる。
屈辱やら怒りやらに震えるリンネット。マクルスだけでなく、僕に対しても、憎悪しかないだろう。そこに追い打ちをかけるように、マクルスはリンネットを蹴って転がす。背中に拘束された両腕は、紐に擦れたり、爪が手に食い込んだり、大変なこととなっていた。
あれほど怒りに震え、嘲笑っていたマクルスは、リンネットが見ていないとなると、表情をすっと消した。家臣に命じて、リンネットの拘束を外させると、さっさと貧民街を出て行った。
家に帰って、一息ついている僕を義父マクルスが執務室に呼んだ。あれかな、まだ気に入らないことがあるのかな?
満足いくことをやったというのに、マクルスは何やら難しい顔をしている。ルキエルに手を出した男は全て殺し、リンネットには痛い目にあわせた。もう十分にやっただろう。
「何か用ですか? このままでいくと、僕、徹夜明けで登校になるのですが」
「一晩、寝てなくても、大したことがないだろう。そんな軟な教育をしていない」
「そうですね」
座るように手で指示されたので、僕は大人しく座った。その向かいにマクルスが座る。ついでにお茶までマクルスからふるまわれる。飲んでみれば、美味しかった。これも出来るようにならないといけないんだろうな。
「どうだ、初めてを奪って。良かっただろう」
「何の話ですか?」
「ああいう女が好きなんだろう」
「………」
僕は目を反らす。マクルスが、リンネットの相手をわざわざ僕にしたのは、そういうことだ。僕は態度にすら示していないというのに、義父にはバレていた。
悪あがきするように、僕は黙り込む。
「悪趣味め。もっと気立てのいい女はいくらだっているだろう」
「………」
「忘れていい、と言っただろう」
「奥様は、哀れな女でした」
忘れろ、と言われても、簡単に忘れられる女ではない。
僕が奥様、と呼ぶのはただ一人だ。僕の元の生家にいた義母のことだ。義母は跡継ぎが生まれると、僕のことを蔑み、虐待までしてきた。最後は、義弟の玩具だ。
ああいう女はいくらだっている。貴族ではよくある話だ。同じような女を側近セコンも相手取ったのだ。よくいるんだ。
「お前を虐待し、傷つけ、死の一歩手前までした女だぞ。むしろ、憎むべき相手だろう。セコンだって、似たリンネットを見て、過去の女への憎悪を蘇らせていた」
「奥様にも優しい時がありました。哀れだっただけです。義弟を身ごもる前までは、僕の前で哀れにも泣きました。我が子であれば良かったのに、と泣いていました。哀れな女だったんです」
「死にそうになったのにか?」
「義弟は出来が悪かった。深夜になると、僕に食事やら飲み水やら持ってきて、泣いていました。我が子であればいいのに、と」
「………」
「僕を殺したかったのは、祖父母だ。卑しい平民の血が流れているのが我慢ならなかった。だから、閉じ込めたんですよ。奥様は、生家は立派ですが、あの家では立場は低かった。なにせ、子がなかなか出来なかったから、産まず女と罵られていた。僕が生まれた時も、酷い扱ったんでしょう。さらに、僕は出来が良かった。祖父母は奥様に対して言ったんです。これで両親ともに貴族であれば、もっと優秀だったろう、と。可哀想な女だったんです」
「そうか」
「義父上のことを責めているわけではありません。義父上のやったことは正しい。奥様の内面を知っていたのは、きっと、僕だけです。祖父母も、父も、義弟すら、知らないでしょう」
義母に似たところがあるリンネット。ただそれだけだ。リンネットの内面なんて、酷いものだ。口だって貧民だから悪い。
ルキエルもリンネットも性悪だ。だが、性悪にも種類がある。
ルキエルは可愛らしい性悪だ。男を弄ぶ、そういう性悪さだ。そして、義父の手によって、酷いお仕置きをされるのだ。
リンネットは、頭の悪い性悪だ。リンネットは性格が悪い。何もかも、中心でなければ気が済まないのだ。だから、告げ口だってするし、人のものを横取りするし、弟ルキエルだって利用する。全て、裏目に出て、リンネットはどんどんと嫌われていく。
「母親が生きて、側にいれば、リンネットももっといい意味での性悪になっていたでしょうね」
「どうだろうな。サツキもまた、性悪だ」
「ルキエルは母親に似ていると聞いています。それは、見た目だけでなく、内面もでしょう」
「………」
「リンネットもまた、可哀想な女だ。僕みたいな歪んだ男に好かれて、気の毒に」
性格の悪い、性悪女が好きな男なんて、リンネットだってイヤだろうに。
「きっかけは作った。後は上手に口説くんだな」
「忘れてください。僕には、その資格がない」
「………」
義父がよく使い言葉で返してやった。
転校して、すぐに、理由が皇族関係だとわからされる。義父関係ですでに皇族と繋がりがあるのだから、僕はいらないだろうに。
僕は仕方なく、といった感じで、僕は残りの一年を皇族サイのご学友に抜擢される。
皇族サイ、なかなかの見た目である。一目見て、ルキエルを思い出してしまった。そう、綺麗系な人なのだ。だけど、性別は男。大丈夫、こういう人に、僕は間違いなんて起こさない!!
というわけで、僕は完全完璧に安全ということから、皇族サイのご学友になったわけだよ。笑うしかない。
「何故か、僕の側にいる者は皆、皇族相手に不埒なことをするのだよ。どうしてかな?」
流し目しといて、説得力ないですよ!! それされても、僕は鳥肌だけど。悪いが、好みじゃないんだ。むしろ、ルキエルを思い出して、ぞっとする。
僕の反応を見て、少し呆然となる皇族サイ。続いて、華が咲くような笑顔だ。
「そういう顔を誰にでもするから、間違いが起こるんですよ!!」
「君はそうではない」
「僕は側に、もっとすごいのがいたんです。見た目は女みたいだけど、物凄く頭がよくて、物凄く強い男が!! それに比べれば、サイ様は可愛いですよ」
「その男がいいのか」
「逆です。そいつのことをそういう対象に見れないんです!! どいつもこいつも、ちょっと綺麗目だからって、すぐに恋愛対象で見るのは、変な本の読みすぎだ」
心底、そう思っていた。だから、貴族の学校での、色恋沙汰での問題事は、冷めた目で見ていた。
寄宿学校と違って、家からの通いの学校は、なかなか自由だ。帰りに寄り道したり、ちょっとしたお茶会したり、と寄宿学校で培ってきた常識をぶち壊してくれる。
僕は転校生である。どうせ、何もすることはないだろう、と思っていたのだが、何故か生徒会役員にさせられていた。
「私の相方が、壊れてしまったんだよ」
艶やかに笑っていう皇族サイ。お前が壊したんだよね、それ。
壊れたというのは、その貴族子息の人生だろう。こんな見た目も中身もとんでもない皇族に関わったばかりに、気の毒に。
残った生徒会役員は、皇族サイとはそれなりに距離をとるようにしている。と言っても、サイは生徒会長である。指示をする側だから、接してしまう。それを防ぐのが、皇族サイに気持ち悪さしか持っていない僕だ。
「君のお陰で、色々と片付くね。助かるよ」
「普段はどうしているのですか?」
「私が指示を出すと、そこから動けなくなる者ばかりだね。メモで指示というのも、なんだか変な感じだからね。本当に困っていたんだよ」
「………」
困っているように見えないんだけどね。こいつは質が悪い。
ルキエルは天性のものだ。無意識もある。貧民だから、どうしても、そういう対象に見られがちだ。そこに、悪意が混ざって、結果、大変なこととなっている。
皇族サイは、たぶん、皇族といえども、暗部の類なんだろう。義父の友達である皇族ルイは、貴族の罠的存在として、貴族の学校に通わされていたという。サイもそうなんだろう。ただ、サイはわざと悪化させている。貴族の人生を壊して、遊んでいる感じだ。
「僕の前では、遊ばないように」
「君が相手をしてくれるのかな?」
「もしかして、男が好きなんですか?」
失礼なことなんだけど、ついつい、聞いてしまう。発言が怪しい。だから、僕は皇族サイから距離をとる。
「男でも女でも好きだよ」
さらに質が悪かった!! 僕はさらに距離をとった。やっぱり、わざとだな。
「私は皇族だから、結婚は絶対だけどね」
「そのまま、卒業後は城の奥で大人しくしてください」
「私は出来る皇族だ。末永く、よろしく頼む」
大人しくしてくれない。皇族からの申し出に、僕から拒否なんて出来ないよ!!
「わかっていると思うけど、僕は魔法使いの天敵だよ」
「見ても、わからないものだね。普通なのに」
「魔法使いだけわかるんだよ。もう、離れてください。気持ち悪い」
「君、意外と無礼だな」
僕はこうして、皇族サイと末永いお付き合いを強要されるのだった。
貴族の学校を通いとなったので、色々と手伝わされる。僕は夜中に起こされることも普通だ。
「貧民街に行くぞ」
物凄い怖い顔、声、空気を持つ義父マクルスに起こされた。いや、使用人を使ってよ、それ。
僕は防具を身に着けたりする。だって、マクルスも防具やら武器やら身に着けている。外に出れば、腕のある家臣や兵が準備万端で待っていた。僕が最後かー。
そのまま、無言で進軍である。昼間だと、あれだ、内戦でも仕掛けようとしているのかな、なんて勘違いされそうだ。それも夜、人目を避けて走っていくのだ。
王都の貧民街の中に入り、そのまま、どこかの建物を強襲する。中からは、若い男の貧民たちが武器を持ってやってきたのだが、実力がいまいちである。すぐに、家臣たち、兵士たちによって捕らえられた。
そして、建物にいた者たちは、逃げた者も含めて、全て、捕縛される。
その中に、よりによって、ルキエルの姉リンネットがいた。リンネットは、勝気な顔で義父マクルスを睨んでいる。
しばらくして、王都の貧民街の支配者アルロがやってきた。アルロは、マクルスの隣りに立ち、拘束された面々を見下ろす。
「言っただろう。あの娘をどうにかしろ、と」
「………」
「ルキエルを使って、扇動した。もう、あの娘は排除するべきだ」
リンネット、とんでもないことを仕出かしていた。ルキエルに狂った男たちを使って、父親であるアルロへの対抗戦力を作ったのだ。
蔑むように見下ろすマクルス。マクルスにとって、リンネットは邪魔な存在でしかない。
しかし、アルロにとっては、娘だ。どんな性悪といえども、アルロはどうしても、リンネットを見捨てられないのだ。
「義父上、とりあえず、男どもは処刑しましょう」
僕はまず、リンネットから目を反らさせるために、ルキエルに狂った男どもの始末を提案する。
「確かに、そちらが先だな」
「そうだな」
すごいな。ルキエルに手を出したという事実に、マクルスだけでなく、アルロまでそっちに集中だ。ルキエル、とんでもないな、お前。
しかし、義父マクルスは容赦のない男だ。男どもは全て処刑で決定だが、リンネットの処分がなしというわけにはいかない。
マクルスはリンネットの腕をつかむと、何故が僕の前に引きずってくる。
「ルキエルの初めては、痛かったそうだ。前戯もなしに、アルロを受け入れさせられて、恐怖でしかなった、と言っていた」
「………」
リンネットに聞かせているが、側で聞いているアルロも流れ矢を受けてるよ!! アルロ、物凄く傷ついた顔になる。
マクルスは気づかず、リンネットの顔を乱暴につかんだ。そして、もの言いたげに僕を見上げる。
「オクト、やってくれるな?」
「義父上がやればいいでしょう」
「触るのもイヤだ。汚らわしい」
義父マクルスだってやりたくない事を僕にやらせようとするなんて、酷いな!?
だけど、僕は義父に絶対服従だ。別に、死ぬわけでもないんだし。ちょっと横にいるアルロを見てみれば、リンネットが目の前で僕に凌辱されるという事実に、何かをこらえている。ほら、止めることが出来るのは、アルロだけだよ!!
「せ、せめて、女として優しくしてほしい」
「何言ってるのよ、父さん!?」
「お前はやり過ぎた。いくら俺の娘といえども、反乱を起こそうとしたのは、許すわけにはいかない。死ぬわけではない」
「初めてでなければ、痛いことなんてないだろう。ここまでの男の中にいたんだから。まさか、純潔ということはないだろう」
「っ!?」
真っ青になるリンネット。まさかの純潔か。
その反応に、マクルスは嘲笑う。
「なんだ、こんなに男がいたというのに、ルキエルに負けたのか!! ざまあないな!!!」
うわっ、酷っ!! さらに追い込む義父マクルス。リンネットの所業に、マクルスは腹に据えかねていたのだ。コケ落とせる材料があれば、散々、こけ落としたいのだ。
マクルスは乱暴にリンネットを離して、さっさと、捕縛した貧民の男どもの元へと行く。ルキエルに手を出した男は、マクルス、許せないんだ。もう、マクルスはルキエルに魅入られて、まともではない。
両手が使えないだけだ。リンネット、足は自由だから、走って逃げられる。それも、伯爵家の家臣やら兵士やらが地面に縫い付けるように抑え込んでしまう。
「いや!! 誰か、助けてぇえええー-----!!!」
「煩い女だ」
暴れて叫んで、と往生際の悪いリンネットの口は簡単に塞がれる。
アルロは娘がこれから凌辱されるのを見ていられなくて、その場を離れた。義父マクロスのように、ルキエルに手を出した貧民たちを殺すのにも参加しない。
阿鼻叫喚の光景の片隅で、泣きながら、縋るように僕を見上げるリンネット。
「仕方がない。僕もまた、第二の伯爵だ」
前戯なしに、という命令だ。僕はリンネットの下の服だけをはぎとり。両足もしっかり拘束されているのだ。抵抗しても無駄だ。
なにか言っているが、無視だ。相手はリンネットだ。大丈夫、出来る。僕の下半身は、準備万端だ。
「大丈夫、ルキエルよりは小さいから」
「っ!?」
一時期は一緒に風呂にも入っていたのだ。裸の付き合いで、色々と話していた。そのついでに、互いの下半身だって見たものだ。ルキエルよりは、僕なんて、可愛いものだよ。
一物の先で、リンネットの下半身に触れる。残念、濡れてないな。なんと、自慰の経験もなさそうだ。ぴったりと閉じているよ。これで無理矢理だと、相当、痛いだろうな。
口づけしようとして、思いとどまる。ほら、口、塞がれているから、出来ない。
「台無しだな」
雰囲気がもう殺伐だ。本当に、閨事を作業のようにするだけだ。
僕はリンネットの足をこれでもか、と開かせ、腰をつかみ、一気に、僕の一物を挿入した。
気の毒に、色々と引っかかった。あまりの痛みに、リンネットは大暴れだ。それも計算ずくなんだろう。誰も、リンネットの拘束を緩めない。リンネット一人に対して、なんと八人で拘束だ。どんなにリンネットが暴れても、拘束を緩めることは不可能だ。両手はまだ、背中に紐で拘束したままだな、なんて、思い出す。
奥をどんと突いても、苦痛しかないリンネット。痛みやら何やら、一杯で、泣いて、塞がれた口で叫んでいるようだが、よくわからない。
僕は、リンネットの耳を舐めてやる。ちょっとした刺激となるだろうが、痛みのほうが勝っているのだから、感じるなんて出来ない。
「本当に、初めてだ!!」
僕は流血を見て笑ってしまう。この顔だし、男どもに囲まれていたんだ。その身はもう、純潔でないと思っていた。
ところが、やってしまえば、初めてだ。僕が腰を動かしてやると、悲鳴のような呻きをあげる。痛いんだろうな。
それでも、容赦なく、奥をついてやる。苦痛やら何やらで、リンネットは諦めていた。拘束を足だけ外させると、抵抗がない。僕は足を持ち上げたり、角度を変えたりしてみるも、リンネットは泣いて呻くだけだ。気持ち良いとか、そういう感じではない。
リンネットの中は濡れていない。流血で滑りがよくなっているだけだ。それでも、僕は中に白濁を吐き出し、滑りをよくして、散々、突いてやった。
頃合いを見て、口のほうを自由にしてみる。
「どう?」
虚ろな目をしていたリンネットだが、僕が感想を聞くと、怒りに目を輝かせる。
「下手くそ!! 抜いてちょうだい!!!」
その感想に、僕は笑ってしまう。リンネットの頭を無理矢理、地面に押し付ける。
「最悪な初体験だな!! 良かったじゃないか。ここまで下手な男に当たったんだ。今後は、どの男も気持ちよくなるぞ!!!」
「抜けって言ってるのよ!!」
「まだ、やめていい、とは言われていない」
僕は義父の命令で動いている。ちょっと見れば、義父マクルスは、一人ずつ、男の首を斬り落としてご満悦である。こわっ。
それでも、まだ、腹にすえかねているのだろう。全ての男どもの首を斬り落としたというのに、僕とリンネットのほうを見てくる。
リンネットは、血で汚れたマクルスを見て、物凄く怯える。僕の一物なんて、もう感じてもいないのだろう。
僕に凌辱されているリンネットをマクルスは見下ろして笑う。
「本当に、純潔だったんだな。てっきり、ふりかと思っていたが、意外と身持ちが堅かったんだな。そこは、サツキに似たな」
ここまできて、マクルスはルキエルの母の名を出す。
「サツキは最初から最後まで、アルロ一筋だ。ハーレムに行っても、上手に皇帝を退けたそうだ。さて、お前は今後、どうなるのかな? もうやめていい。見ていて、気持ち悪くなってきた」
終わりを告げられたので、僕はリンネットから離れる。
屈辱やら怒りやらに震えるリンネット。マクルスだけでなく、僕に対しても、憎悪しかないだろう。そこに追い打ちをかけるように、マクルスはリンネットを蹴って転がす。背中に拘束された両腕は、紐に擦れたり、爪が手に食い込んだり、大変なこととなっていた。
あれほど怒りに震え、嘲笑っていたマクルスは、リンネットが見ていないとなると、表情をすっと消した。家臣に命じて、リンネットの拘束を外させると、さっさと貧民街を出て行った。
家に帰って、一息ついている僕を義父マクルスが執務室に呼んだ。あれかな、まだ気に入らないことがあるのかな?
満足いくことをやったというのに、マクルスは何やら難しい顔をしている。ルキエルに手を出した男は全て殺し、リンネットには痛い目にあわせた。もう十分にやっただろう。
「何か用ですか? このままでいくと、僕、徹夜明けで登校になるのですが」
「一晩、寝てなくても、大したことがないだろう。そんな軟な教育をしていない」
「そうですね」
座るように手で指示されたので、僕は大人しく座った。その向かいにマクルスが座る。ついでにお茶までマクルスからふるまわれる。飲んでみれば、美味しかった。これも出来るようにならないといけないんだろうな。
「どうだ、初めてを奪って。良かっただろう」
「何の話ですか?」
「ああいう女が好きなんだろう」
「………」
僕は目を反らす。マクルスが、リンネットの相手をわざわざ僕にしたのは、そういうことだ。僕は態度にすら示していないというのに、義父にはバレていた。
悪あがきするように、僕は黙り込む。
「悪趣味め。もっと気立てのいい女はいくらだっているだろう」
「………」
「忘れていい、と言っただろう」
「奥様は、哀れな女でした」
忘れろ、と言われても、簡単に忘れられる女ではない。
僕が奥様、と呼ぶのはただ一人だ。僕の元の生家にいた義母のことだ。義母は跡継ぎが生まれると、僕のことを蔑み、虐待までしてきた。最後は、義弟の玩具だ。
ああいう女はいくらだっている。貴族ではよくある話だ。同じような女を側近セコンも相手取ったのだ。よくいるんだ。
「お前を虐待し、傷つけ、死の一歩手前までした女だぞ。むしろ、憎むべき相手だろう。セコンだって、似たリンネットを見て、過去の女への憎悪を蘇らせていた」
「奥様にも優しい時がありました。哀れだっただけです。義弟を身ごもる前までは、僕の前で哀れにも泣きました。我が子であれば良かったのに、と泣いていました。哀れな女だったんです」
「死にそうになったのにか?」
「義弟は出来が悪かった。深夜になると、僕に食事やら飲み水やら持ってきて、泣いていました。我が子であればいいのに、と」
「………」
「僕を殺したかったのは、祖父母だ。卑しい平民の血が流れているのが我慢ならなかった。だから、閉じ込めたんですよ。奥様は、生家は立派ですが、あの家では立場は低かった。なにせ、子がなかなか出来なかったから、産まず女と罵られていた。僕が生まれた時も、酷い扱ったんでしょう。さらに、僕は出来が良かった。祖父母は奥様に対して言ったんです。これで両親ともに貴族であれば、もっと優秀だったろう、と。可哀想な女だったんです」
「そうか」
「義父上のことを責めているわけではありません。義父上のやったことは正しい。奥様の内面を知っていたのは、きっと、僕だけです。祖父母も、父も、義弟すら、知らないでしょう」
義母に似たところがあるリンネット。ただそれだけだ。リンネットの内面なんて、酷いものだ。口だって貧民だから悪い。
ルキエルもリンネットも性悪だ。だが、性悪にも種類がある。
ルキエルは可愛らしい性悪だ。男を弄ぶ、そういう性悪さだ。そして、義父の手によって、酷いお仕置きをされるのだ。
リンネットは、頭の悪い性悪だ。リンネットは性格が悪い。何もかも、中心でなければ気が済まないのだ。だから、告げ口だってするし、人のものを横取りするし、弟ルキエルだって利用する。全て、裏目に出て、リンネットはどんどんと嫌われていく。
「母親が生きて、側にいれば、リンネットももっといい意味での性悪になっていたでしょうね」
「どうだろうな。サツキもまた、性悪だ」
「ルキエルは母親に似ていると聞いています。それは、見た目だけでなく、内面もでしょう」
「………」
「リンネットもまた、可哀想な女だ。僕みたいな歪んだ男に好かれて、気の毒に」
性格の悪い、性悪女が好きな男なんて、リンネットだってイヤだろうに。
「きっかけは作った。後は上手に口説くんだな」
「忘れてください。僕には、その資格がない」
「………」
義父がよく使い言葉で返してやった。
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