魔法使いの悪友

shishamo346

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破滅-二人目

離れられない執着

 支払いは伯爵オクト持ちだった。その日は、お互い、牽制するだけで、何もせず、別れることとなった。
 私はそのまま屋敷に帰る気分ではなかった。意味もなく、ルキエルが身売りする娼館の前に立っていた。
 王都の貧民街が落ち着いても、ルキエルのことは調べられたどうか、わからない。死んだ王都の貧民の支配者には子どもがいることは有名だ。数ははっきりしていないが、男が二人、女が二人いることは確かだ。男二人は、支配者によく似た、腕っぷしもあるという話だ。見たこともある。仕事を伯爵を通して斡旋したことだってあるのだ。ルキエルに似たような所はない。
 女二人の内、一人が有名だ。恐ろしく綺麗な女だ。ただ、性格に難がある。ともかく我儘で身勝手である。だから、いつも男が振り回されていた。
 残る一人の女は、表にはあまり出てこない。見た者がいうには、物凄い美少女だという。清楚華憐を体現したような、そんな女だ。
 私は、ルキエルのことを聞いたことがない。正確な子どもの数をあえて隠したのだろう。そうして、ルキエルは隠された。
 ルキエルの体は、随分と男を喜ばせることに特化していた。あえて、体を鍛えさせないことで、華奢にして、だけど、女よりは力がある。別に鍛えていないわけではない。最低限の筋肉はついていた。それでも、華奢で、抱きしめると、壊れそうに錯覚した。
「あんた、帰ったんじゃないのか」
 何故か、ルキエルがいた。娼館から外に出てきた。
「ルキエルこそ、帰ったんじゃ」
「俺は今日は、そういう気分だからな。オクトたちがいなくなってから、ここに居ただけだ。残念ながら、あんな騒ぎだったから、客が逃げて行ったがな」
「悪かったな」
「別に、よくある事だ。貴族が来たんだ。貧民は逃げるしかない。今日は、もう終わりだ」
「今日は、私もそういう気分なんだが」
「なんだ、俺と同じか」
 無邪気に笑うルキエル。それを見て、私は安堵した。ルキエルは私の手を握って、中へと引っ張っていく。
「初めて会った時も、こうだったな」
「確かに、そうだな」
「………もう、あんたはここに来ないかと思っていた」
 いつもの部屋に入ると、ルキエルはぽつりと呟く。
 ルキエルは顔を上げない。私の胸に縋りつくように抱きついてきた。
「オクトから聞いたんだろう」
「ああ」
「俺、本当に最低なんだ。けど、どうしても、欲しいんだ」
「私は、身代わりの一人か」
「仲悪いってのに、俺、あんたを、マクルスの身代わりにしてた」
「っ!?」
 よりによって、知らない情報をルキエルは吐き出した。それを知っていたら、私は絶対に、ここに来なかった。
 それほど、衝撃的な事実だ。ルキエルは、オクトから、亡き伯爵マクルスとの関係を話されていると思い込んでいる。
 オクトの奴、わざと、話さなかったんだ。ルキエルの性格をオクトはよく知り尽くしている。
 ルキエルにとって、父親との関係は、大した事ではない。知られたって、貧民だから、よくある話だ、と笑っていただろう。実際、私もそう思った。
 しかし、亡き伯爵マクルスとルキエルの関係は、笑えない。貴族と貧民だ。しかも、マクルスは、死んだ王都の貧民の支配者と仲良しときている。それなのに、ルキエルを互いで娼夫にしていたのだ。貧民ではよくある話だ、と言われても、それは、他人事だからだ。ここまでルキエルと近く接した私はもう、他人事ではない。
「あんたさ、マクルスに似すぎだ。体型とか、話し方とか、考え方とか、俺に甘いトコとか、似すぎだ。しかも、タバコまで吸ってて。あんたの体臭含めて、癖になる。あんな道具まで持ってくるし。マクルスのこと、忘れたいのに、忘れられないじゃないか」
「これまでのこと、全て、マクルスにされていたのか?」
「俺に奉仕を教えたのも、マクルスだ。俺の親父は、俺に奉仕なんて絶対にさせなかった」
「あの女好きがな」
「聞いてる。人妻にまで手を出したんだってな」
 マクルスは女との噂で持ち切りだ。伯爵となってからは落ち着いたが、それ以前は、ともかく、すごかったのだ。娼館に日参し、若い貴族の娘にも手を出して、人妻に手を出した時は決闘騒ぎとなった。それほど、女の噂が絶たなかったマクルスが、ルキエルに嵌っていたというのは、信じられない話だ。
 しかし、実際にルキエルを抱いて、接してみれば、納得する。この男には、私でも惹かれてしまう。それほどのものをルキエルは持っている。
「私が先でありたかった」
 続いてきたのは、悔しさだ。それはそうだ。私はマクルスのことが大嫌いだ。ルキエルからいえば、同族嫌悪だろう。
 あのマクルスの後にルキエルを抱いたのだというのが気に入らない。しかも、ルキエルの導きは、マクルスにされたことを私にさせているのだ。その事実に、腹が立った。
 だから、私は乱暴にルキエルを抱き上げると、ベッドに投げ落とした。
「な、何?」
「今日は、私の好きなようにする。あの男と同じことなど、してやらない」
 噛みつくように口づけしてやる。ルキエルは酷く私の唾液を欲しがったが、やらない。
「やぁ、もっと、欲しい」
「やらない」
「怒ると、そうなるのも、マクルスと同じだよ!!」
「言うな!!」
 どこまでいっても、マクルスに似てくると言われると、腹が立つ。
 いつもは丁寧に前戯してやる。しかし、今日は腹が立つので、ルキエルをうつ伏せにして、服を少しずらすだけで、私の一物を挿入してやる。
「いたっ」
「我慢しなさい」
「っ!?」
 耳元でそう言ってやると、ルキエルは抵抗をやめた。
 前戯がなくても、私の一物はすんなり入った。それでも、引っかかる。それはそうだ。蕾は女のように濡れない。だから、ルキエルは酷く痛むだけである。
 時々、苦痛の呻きをする。私だって、そこまで良くない。しかし、このまま、マクルスと同じ行為をしたくない。
 しばらくして、私のほうが白濁を放った。そうすれば、滑りも良くなる。そうなると、ルキエルはうつ伏せのなか喜んだ。
「いっぱいきたぁ」
「どうしようもないな」
「うん、そこ、いいぃ」
 罰にもならない。ルキエルは最奥ではなくても、突かれていい所がある。そこを徹底的に突いてやると、嬉しそうに笑う。
「ん、いい、もっと、そこぉ」
「最奥がいいんじゃないのか?」
「あんたのは、そこがいい。そこ、もっと、欲しい」
 ルキエルを起こして、私の膝に座らせる。すると、ルキエルが喜ぶ最奥を突いた。
「そこじゃない!! 違うぅ」
「私は私だ。マクルスじゃない!!」
「知ってる!! あんたは、あんただぁ」
 平らな胸をなでて、首を舐めて、としていると、ルキエルは狂ったように声をあげて、喜んだ。わざと、いい所を避けて、と続けていると、ルキエルは抵抗した。
「勝手に動くんじゃない」
「だってぇ、いいとこ、当ててくれないからぁ」
「欲しいか?」
 獣のようにはーはーと呼吸して、私を振り返る。もうおかしくなっているルキエル。絶頂したくても、それをさせないから、ルキエルは私だけを求めるように見ていた。そこに、マクルスとの過去は見られない。
「そんな、意地悪しないで、いいとこ、欲しい!!」
 泣きて縋るルキエル。これまで、こんな姿を見せることはなかった。
 私はルキエルの流す涙を舐めとる。
「仕方のない男だ」
「ああ!! そこぉ、いいい!!!!」
 わざと、絶頂させなかったのだ。とんでもなく喜び、私の一物を締めてきた。
 ルキエルは、白濁のない絶頂をした。あまりのことに、ルキエルは全身を痙攣させた。私がちょっと触れるだけで、ルキエルは甘い声をあげた。
「やぁ、おかしぃ」
「もっと、したい」
「やぁ、もう、むりぃ」
 私はルキエルの拒絶など無視した。ルキエルを組み敷くと、容赦なく、ルキエルを蹂躙した。





 それから、私はマクルスの対抗心もあって、ルキエルとは濃厚な関係となった。ただ、伯爵オクトがルキエルに何を話しているか、気になった。
 仕事が被った時、伯爵オクトと話して時間潰しをした。
「相変わらず、ルキエルを抱けないそうだな」
「あいつ、話したな」
「一方的なのは気の毒だから、と言っていた」
 伯爵オクトは、男だって抱けるが、ルキエルだけは鳥肌が出るほど無理だ、という事実をルキエルから聞いた。
 オクトは、何でもそつなくこなす男だ。オクトは養子であるが、伯爵家の遠縁である。それなりに血の繋がりがあるのだ。同じ血筋からわざわざ養子をとったのは、亡き伯爵マクルスは結婚出来なかったからだ。マクルスの兄が散々、邪魔をしたという。それなのに、マクルスの兄は死に、兄の子も気狂いとなった兄の妻によって殺されてしまい、跡継ぎがいなくなってしまった。仕方なく、マクルスは優秀そうな子どもを養子にとったのだ。それが、オクトである。
 たかが養子、と最初は言われていた。しかし、寄宿学校にいれてみれば、常に首席の成績を取り続けた。さすが天才マクルスの血筋、と言われた。頭だけでなく、体術も化け物である。技術が恐ろしく洗練されており、騎士団から熱烈に誘われたほどだ。
 そんな完璧な伯爵オクトだが、なんと、ルキエルと閨事が出来ない。ただ抱きしめあうのもダメだという。それには、ルキエルも男娼としての自尊心が傷つけられたということで、私に暴露したのである。
「別に、ルキエルが抱けなくても、他の男は問題ないし」
「ルキエルに似た感じの女もダメなんだってな」
「あいつ、どこまで言うかな!?」
「それで、私のことは、ルキエルに、どこまで話したんだ?」
 そこが知りたかった。
 私はルキエルの死んだ母親の敵のようなものだ。私がそう仕向けたのだ。父親は妻を失ったことで、狂い、ルキエルを身代わりに閨事の強要である。
 仕事以外のルキエルを見ていれば、男としての自尊心が高いことがわかる。あれほど、男でありたい、と思っているルキエルにとって、父親との閨事は屈辱でしかないだろう。そのせいで、今は男相手に身売りしないと生きていけないのだ。恨みしかない。
 ルキエルの不幸の大本は、私だ。そのことを亡き伯爵マクルスも、目の前にいる伯爵オクトも知っている。私が妻を失った王都の貧民の支配者に復讐されなかったのは、その証拠や証言を始末したからだ。そうだとわかっていても、王都の貧民の支配者は、証拠も証言もないので、私に復讐しなかった。
 だが、実際には、私が元凶だ。証拠も証言もないけど、オクトがそう言えば、ルキエルは信じるだろう。
「あんたも図太いな。ルキエルの母親を死に追いやっておいて、ルキエルを買い続けるのだからな」
「それだけ、ルキエルには惹き付ける力がある」
「ご心配なく。話してないから。せっかく、ルキエルが気に入っているんだ。真実を知ったら、ルキエルを悲しませてしまう。それは、本意ではない」
「随分と甘いな。真実を言って、私の寝首を刈り取らせよう、とか考えなかったのか?」
「ルキエルを怒らせないように。本気になれば、僕だって命がない」
「?」
 おかしな忠告をされた。どういうことか訊き返そうとしたが、オクトは私から離れていった。
 おかしな話だ。ルキエルは見るからに華奢だ。いくら閨事で油断しているとはいえ、あんな華奢なルキエルの攻撃、簡単に防げる。まず、ルキエルからそんなことをされても、私は逆にルキエルを殺せばいい。その程度の実力はある。





 欲が出た。ルキエルを四六時中、手中に置きたくなった。女でも、男でもなく、ルキエルだ。側において、ただ、抱きしめているだけでいい。
 何より、もう、ルキエルに身売りさせたくなかった。
 ルキエルと付き合っていた男は、ルキエルに身売りをやめるように、人前で喧嘩までしていたという。だが、身売りをやめたとして、その先がなかった。貧民の稼ぎなど、たかが知れている。ルキエルが稼ぐ方法は、身売りしかない。そのことをわかっていて、ルキエルは身売りをやめられなかったのだろう。
 金はある、とルキエルは言ったことがあった。しかし、貧民の金など、大した額ではない。貧民は生活に大した金がかからないかもしれないが、最低限だ。平民よりも酷い生活となる。
 このままいけば、ルキエルは短い生涯だろう。あんなに華奢な体だ。ちょっとした事で死んでしまう。
 ルキエルを失う事を私は恐れた。真実を知って離れられても、見つけ出して、閉じ込めてしまえばいいのだ。それよりも、死んで、永遠に失う事を私は恐れた。
 私から、ルキエルに言い出すのは簡単だ。しかし、ルキエルは身の程をわきまえている。それに、貧民だから、いつか、飽きられるとも考えるだろう。
 そうかもしれない。だけど、今、私はルキエルをどうしても手に入れたかった。だから、ルキエルの気持ちを揺さぶった。
 私は、ルキエルが欲しがっていた音を鳴らす魔道具を見せた。
 瞬間、ルキエルは目の色を変えた。無意識だろう。手を伸ばしてきた。もちろん、私は距離をとった。
「まだ、欲しいのか」
「欲しい、けど、くれないんだよな」
「三日、私の屋敷に来てくれるなら、ただでやろう」
「三日、何もしない、わけじゃないよな」
「当然だ。いつも時間が限られているからな。じっくりとやりたい」
「金では、ダメか? 金だったらあるんだ」
「貧民の金なんて、たかが知れてる。たった三日だ。ここに帰すことは約束する」
「このこと、オクトに話していいなら」
「かまわない」
 警戒された。そこは、予想していた。ルキエルは、屋敷に閉じ込められることを恐れていた。
 伯爵オクトに知られることは、何かと横やりを入れられそうな予感がしたが、仕方がなかった。ルキエルは、思ったよりも警戒心が強かった。
 その警戒も、魔道具の前には霧散する。ルキエルは私の膝に座り、私の手の中にある道具を手ごとつかんで、嬉しそうに眺めた。
「今日は、これを鳴らしてほしい」
「無駄な道具だというくせに、随分とご執心だな」
「世の中には、役立つ道具ばかりだと思っていた。無駄な道具があるなんて知らなかったんだ。これは、それを初めて俺に教えてくれた道具だ」
「道具、好きなんだな」
「大嫌いだ」
 口ではそういうが、音が鳴る魔道具を見る目は、とても嬉しそうだ。
 私は道具に夢中になるルキエルに怒りすら覚えた。道具を端に置いて、ルキエルをベッドに押し倒した。
「あんなのが鳴り響いていたら、ルキエルの声が聞こえなくなるじゃないか。ルキエルが私の手で喘ぐ声だけを私が聞きたい」
「三日間、いくらだって聞けるんだから、いいだろう」
「まだ先の話だ。今、じっくりと聞きたいんだ」
「んぅ」
 ちょっとした抵抗も、深く口づけすれば、ルキエルは反射で答えてくる。いつものように舌を絡めて、私の唾液を強く求め、としてきた。
 この行為も、亡きマクルスの代わりだ。そうわかっていても、ルキエルが強く求めているので、どうしても、与えてやりたくなる。
 私はタバコを取り出して、火をつける。それを見て、ルキエルは期待をこめて見ていた。
「体に悪いものだというのに」
「あんたが吐き出す煙が欲しい」
「わかったわかった」
 私は一度、タバコを吸い込み、煙をルキエルの口に吐き出した。決して、美味しいものではない。だけど、それをルキエルは喜んで受け入れた。
「さすが、貴族が吸うタバコは違うな。貧民のだと、変な味するんだよな」
「他の男にもやらせているのか」
「今は、あんただけだ」
 タバコの煙が欲しくて、ルキエルはさらに体を密着してきた。

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