魔法使いの悪友

shishamo346

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破滅-三人目

傾倒

 俺もバカな男となった。
 ルキエルが身売りをする日には、娼館に行って、客待ちをするルキエルの話し相手となった。ルキエルを買う客がいない時は、俺がルキエルを買った。そんな日々を送る俺に、仲間たちは呆れた。
「よりによって、ユーリがルキエルに夢中になるなんてな」
「絶対にユーリは受け入れないと思ったんだけどな」
「ユーリ、真面目だから」
 言われたい放題である。
 実際、そうなってしまった俺自身に驚きだ。
 ルキエルはというと、俺が誰の前でも熱烈に告白し、交際を申し込んで、としているのに、俺のことを避けない。むしろ、見つけると、わざわざ、側まで来てくれる。
「ユーリ、今日は一緒に行こう!!」
 すっかり、俺への警戒心とか、そういうものを解いたルキエルは、俺の腕に甘えていう。
「今日は仕事か」
 行く先は娼館である。ルキエルは、俺と二人で買い物や外食、そういう、恋人同士がするようなことはしない。
「そうしたほうが、お互い、いいだろう」
 ルキエルは俺にだけわかるような意味深なものを含ませていう。



 俺はオクトに拉致された事実を全て、ルキエルに話した。



 俺がルキエルに話せること全て話したのは、伯爵オクトからの助言からだ。
 オクトは自らのことを全て、俺に教えてくれた。
 表向きはただの伯爵だが、裏では妖精殺しの伯爵、と呼ばれていることもだ。それを聞いた俺は生きた心地がしなかった。
 末端の男爵の三男でも、妖精殺しの貴族のことは知っている。まあ、嘘か本当か、伝説のような存在である。
 妖精の魔法は万能である。しかし、妖精殺しの貴族には、妖精の魔法が届かない。そのため、妖精殺しの貴族は、妖精憑きを素手で殺せるのだ。
 平民でも、ちょっとした怖い話として語り継がれている。妖精殺しの貴族は、どこの誰なのかわからないが、貴族には気をつけろ、という意味をこめて、子どもたちに話すのだ。帝国では魔法使いは憧れの存在である。その魔法使いでさえ、妖精殺しの貴族には勝てないのだ。そうして、貴族には気をつけろ、と子どもに言い聞かせるのだ。
 そんな恐ろしい存在である伯爵オクトは、俺に忠告した。
「いいか、ルキエルには下手に隠し事はするな。ルキエルは、裏切りと隠し事が大嫌いだ。一歩間違えると、捨てられるぞ」
「しかし、侯爵のことは、ここでしか話せない」
「そこは話さなくていい。その奴隷化の契約にルキエルが気づいていないのなら、わざわざ、話すことではない。僕が持っている子飼いの妖精憑きでさえ、お前の契約は見えていない。たぶん、それを見破るには、それなりの妖精憑きの格が必要なんだ」
「しかし、拉致されたことを話して、あんたは大丈夫なのか?」
 伯爵オクトとルキエルは友人関係だ。オクトはそう言っている。俺がルキエル関係で拉致された、なんて話したら、ルキエルとオクトの関係が悪くなるかもしれない。
「隠すよりマシだ。それに、どうせ、お前とルキエルが次会った時にはバレてる」
「俺が話さなければ」
「ルキエルはな、鼻がいいんだ。ルキエルと付き合っていた男がいただろう。あの男を拉致した時も、バレたんだ。あの男がいなくなった後、散々、恨み事を言われたよ」
 オクトは自らの鼻をさして表情を歪めた。苦い経験だったのだろう。だから、その後は、拉致ではなく、秘密裡に調査していたのだ。
 俺は、侯爵家の奴隷化をされていたから、オクトは仕方なく、拉致したのだ。そして、事情を聞いて、オクトが考えているような不安は払拭されたのだろう。むしろ、俺が悪くならないように、忠告までしてくれた。
 だから、不思議だった。
「あんたは、ルキエルの友人なのか? 友人相手に、わざわざ隠れて、こんなことしないだろう。普通は、友人なら、正面から忠告するものだ」
 俺はそうだ。調べたりしない。まずは、大丈夫なのか? みたいに忠告する。それだけだ。こんな後ろ暗いことなんかしない。
 オクトはしばらく考え込んでいた。俺の言っていることは理解出来るのだ。だけど、オクトなりに、事情があるのだろう。
「まあ、ここで尋問しているから、話しているとルキエルも考えるだろうな。ルキエルはな、僕の亡くなった養父の娼夫だったんだ。その関係で、俺は知り合ったにすぎない。僕は、友人でありたいが、ルキエルは、貴族に使われる貧民の立場を取り続けている」
「あんたは、ルキエルを娼夫にするんじゃなくて?」
「しない!! 僕は、ルキエルのことを一度もそんなふうには見ていない。だいたい、僕よりも強い男だぞ。知っているだろう」
「それは、まあ」
 オクトに言われて、俺も苦いものを思い出す。
 ルキエルが素振りだけでなく、体術と剣術で対人することを軍神コクーンに請われるようになった。ルキエルは体力がないので、一日の人数を限定して、鍛えられた男たちの相手をしていた。
 俺もした。そして、ルキエルにこてんぱんにやられた。
 それは、オクトもなんだ。付き合いが長いだろうから、散々、ルキエルに負けたのだろう。見ていれば、悔しそうに顔を歪めている。それは、俺も同じだ。
「ルキエルはな、ともかく、技術が化け物なんだ。最初、あの見た目で騙されるんだよ。そこをわかっていて、僕は初手で腕の骨を折られた」
「っ!?」
 ルキエルのあの細腕で、まさか、そんな恐ろしいことをしたとは、ぞっとした。
 ルキエルは貧民生まれの貧民育ちだ。俺や仲間たちとは、倫理感が違う。簡単に人の骨を折れる非情さをルキエルは持っている。
 オクトと話せば話すほど、驚かされる。
「なあ、ルキエルは、貧民街の支配者の元娼夫だというのは、本当なのか?」
 今も嘘か本当かわからない、ルキエルの謳い文句が気になった。妖精殺しの貴族の娼夫なのだから、本当かもしれない。
「そこの所は、ルキエルが話すまで待つんだな。物凄く複雑で、難しいんだ。あと、さっき、ルキエルは僕の養父の娼夫と言ったが、実際は逆だ。僕の養父が、ルキエルの情夫だ。養父は、死ぬまで、ルキエルに尽くした」
 過去を思い出したのか、オクトは泣きそうな顔をした。




 そうして、俺はオクトの忠告に従って、話せることは全て、ルキエルに話した。
 俺の奴隷化の契約は、軍部の潜入調査のことは話せなくしていた。たぶん、侯爵が軍部に関わっているからだろう。だから、契約に触れる部分を除いて話した。
 この奴隷化の契約は、なかなか難しい。なんと、俺が男爵の出であることも話せないのだ。どこの誰か、ということも話せないし、秘密にしている、ということも口に出来ないのだ。それを話そうとすると、まず、声も出ない。
 奴隷化の契約を誤魔化すためにも、俺は必死に話した。それを見て、聞いて、ルキエルなりに納得していた。
「オクトの奴、心配しすぎだ。タリムの時も、勝手に拉致して、尋問したんだよ。もう、俺みたいな貧民がどうなったって、気にするような立場じゃないってのにな」
 ルキエルは呆れていた。そして、オクトの立場を心配していた。
「ルキエルは、随分とあの貴族と距離をとるな」
 オクトは週に一度はルキエルに会いに、わざわざ貧民街にやってくるというのに、ルキエルはオクトを突き放している。
「仕方ないだろう。俺は貧民で、オクトは貴族だ。もともと、俺はオクトに使われる貧民になるつもりだったんだ。きちんと、お互い、わきまえないと」
「あの貴族は言ってたぞ。ルキエルを貴族にしたい、と」
「まだ言ってるのか!! 俺はこのままでも十分だってのに」
「友人とも言ってるぞ」
「………」
 ルキエルが無言になったので見てみれば、顔を真っ赤にして照れていた。ルキエル、口ではなんだかんだ言っても、オクトに友人扱いされて、嬉しいのだ。
 顔にも出てしまうから、ルキエルは気合をいれるように、頬を叩いた。
「ユーリも気をつけろよ。オクト、あんなに無害そうな顔してるけど、怒らせると怖いヤツだからな」
「わかってる」
 オクト、無害そうではないけどな。ルキエルの前では無害そうに装っているだけだ。そこのところ、ルキエルはわかっていない。
 そうやって話していれば、すぐに娼館である。
 娼館の前には、伯爵オクトが待ち構えていた。
「今日はお前かー」
「今日は譲ってもらったんだ」
「あっちが良かった!!」
「まあまあ」
 心底、イヤそうな顔をするルキエルに、まるで気にしないオクトはルキエルの背中を押した。ルキエルの前では笑顔だが、ルキエルの視界の外では、俺に対して冷たい視線を送る。本当に人によって態度違うな。
 ルキエルは仕方なく、オクトから金を受け取り、オクトの家臣の誰かと部屋へ消えていく。それから、オクトの家臣たちは、店でまだ客をとれていない娼婦たちを買って、客待ちをする娼婦たちを消した。娼館の店主すらいなくなった。
 そうして、店の中と外をオクトの家臣たちで囲む。
 オクトは適当な椅子に座るので、俺はそこに近い椅子に座った。
「今日は、誰の番だったんですか?」
「今日は、ルキエルに夢中になってる貴族の番だった。それを邪魔してやったんだ。ざまあみろ」
 ルキエルの常連には、貴族が一人いる。
 ルキエルを買うには、順番がある。まずは貴族が優先される。その貴族がいない時は、興味本位の貧民や平民か、常連客である。ルキエルは週に二回から三回、店に立つことは決まっている。伯爵オクトは、ルキエルとただ談笑するために、週一回、娼館に足を運びに来るのだ。そこに、もう一人の貴族がやってきたら、その後はあるかないかの残り一回の争奪戦である。
 ルキエルの身売りの金額は高い。貴族にとってははした金だ。だが、平民でも高いと感じるほどだ。貧民相手にあの金額は詐欺かと訴えられてもおかしくないのだ。しかし、ルキエルを買った客は、誰も苦情を言わない。悪くも言わない。買えばわかる、という話しかしないのだ。
 貴族相手でも、ルキエルを独占したいと考えるだろう。俺がそうだ。だが、常連に伯爵オクトという貴族がそれを許さないのだ。ルキエルを買うだけでなく、あぶれた娼婦まで家臣に買わせて、娼館を懐柔しているのだ。
 だから、オクトは俺に対して呆れていた。
「普通は、ルキエルを諦めるものなのに、お前はべったりだな。聞いたぞ。振られてるって」
「覚悟したんだ。簡単に諦めない。振られたくらいで諦めるのなら、まず、交際を申し込まない」
「僕という存在がいるのにか?」
「俺が側にいたほうが、あんたも都合がいいだろう」
 逆に、俺はオクトの存在を利用した。
 オクトとしても、俺のように理由をつけてはくっついている男がいたほうが、いい虫よけになるだろう。公然とルキエルに交際を申し込んでいるのだ。しかも、俺は海の貧民街の支配者に従う軍勢の一人だ。側にいても、誰からも文句が出ない。
 苦々しく、オクトは俺を見た。オクトにとっては、ルキエルの側に俺を置いておきたくないのだろう。俺も、そう思う。だけど、理性と気持ちは別だ。俺は気持ちの上で、ルキエルから離れたくなかった。
「貴様も、図太くなったな。そういうところ、ルキエルから影響を受けたな。その調子で、上手にルキエルを口説き落としてくれ。お前から離れられなくなった所で、我が家もそれなりに貴様に協力してやるよ」
「そんなつもりでルキエルの側にいるわけじゃない。俺は、ただ、ルキエルとずっといたいだけだ。その誠意が伝われば、それだけでいい」
「そういうのがなかなか通じないから、義父上も、最後まで、酷い扱いだったけどな。誰が見たって、義父上はルキエルに全てを捧げていたというのに、ルキエルは最後まで信じなかった。気をつけろ。油断しているところで、とんでもないことをするのが、ルキエルだ」
「ああ、気を付ける」
 気を付ける部分がよくわからないが、頷いた。話してみれば、オクトは、そこまで恐ろしい男ではない。そう見せているが、俺がルキエルにとって無害だとわかると、妙な警戒心も解いてくれた。
 しばらく、俺はオクトから質問攻めだ。ルキエルがどうしていたか、貧民街はどうだ、といつも同じことを質問してくる。それを俺はわかっている事を答えるだけだ。どうせ、俺が知っている情報なんて、たかが知れている。
 だいたい、同じような答えに、オクトは腕を組んで、首を傾げる。
「侯爵は一体、何を考えているのやら」
 侯爵の話となると、俺は声も出せない。だから、オクトは一方的に話すだけだ。
「貴様が海の貧民街配属となった理由は侯爵の一押しだ。そこまではわかった。何故、海の貧民街に貴様を送って、今も引き揚げさせないのか」
 俺は一方的に話を聞くだけだが、驚くことばかりだ。
 俺が貧民街の潜入調査の任務に当てられることが決定した時、侯爵は俺を海の貧民街へ、と押したのだ。理由は、俺が将軍から聞いた通りだ。頷ける理由から、反対はなかった。それから、何度か、俺は騎士に戻す話が出ているが、侯爵が何かと理由をつけては、俺を貧民街の遺留させているのだ。
「ルキエルのことは、報告しているが、僕とルキエルの関係は報告していないな」
「嘘か本当かわからない妖精殺しの貴族を報告するはずないだろう」
 苦笑した。目の前にいる男が、子どもたちを怖がらされるために語り継がれている妖精殺しの貴族だといっても、誰も信じないだろう。
「だったら、僕の名前だけでも報告すればいいじゃないか」
「もう、貴族がルキエルの常連客になった、という報告はされている。貴族が身分を明かすことは、ここではない。調べるのは、軍部の仕事だ。俺たちの仕事は報告まで。指示もないのだから、それ以上は何もしない。そう、指示されている」
 貧民街に潜入する前に、任務に対する心得を教えられた。深追いはせず、指示のないことはしてはいけない。指示のないことをして、万が一、軍部の関与が知られてはいけないからだ。だから、迂闊なことはしてはいけない。
 貴族の素性を調べるなど、迂闊なことだ。相手が大物だった場合、軍部のほうが大変なこととなる。だから、深追いはせず、報告で終わりだ。
 伯爵オクトのこともそうだ。こちらは、逆に名前まで報告したら、俺のほうが疑われてしまう。だから、あえて、報告しなかった。
 深く説明はしないが、伯爵オクトなりに、考えて、答えを出したようだ。納得するように頷いた。
「確かに、そうだな。ルキエルのことは、実りがないというのなら、さっさと諦めるように」
「どうせ、ここから撤退する命令は俺には来ない。万が一の時は、報告を怠ればいいんだ」
 すでに、俺は騎士という輝かしい身分を捨て去るつもりだった。
 軍部では、報告を怠った時、死亡扱いされることとなっている。そうなったら、俺は晴れて貧民だ。
 それを聞いたオクトは目を丸くして驚いた。
「ルキエルのために、騎士を捨てるのか」
「別に、軍神コクーンの元で戦っていてもいいんだ。コクーンの考えは素晴らしい。その力になれれば、とは考えている」
「そうなったら、我が家もそれなりに支援してやろう。こき使ってやる」
「お手やらかに頼む」
 すっかり、俺とオクトは打ち解けあっていた。
 軍神コクーンの思想は深い。表向きは貴族の政争に負けたと言われているが、実際はそうではない。コクーンは身分を捨てたのだ。貴族として、色々と蟠りもあった。それ以上に、戦争を失くした帝国のその後をコクーンは憂いたのだ。
 戦争がなくなることは、いい事ばかりではない。これまで、戦争によって儲けていた商売だってある。また、戦争のための武力を帝国は抱えていたのだ。そのための予算もあった。だが、戦争がなくなれば、予算も減らされる。武力だって減らされていくのだ。そうなると、それまで戦争で生きていた者たちが行き所がなくなるのだ。
 コクーンは、戦争がなくなって、行き所がなくなった者たちの受け入れ先として、貧民の支配者となったのだ。汚れ仕事がほとんどだが、そういうものを与えることで、生きる術を与えたのである。
 そうすることで、コクーンは、内戦を防いだと言える。あぶれた武力は一歩間違えれば、内戦の火種となっていただろう。
 そういうコクーンの思想を知ったから、猶更、俺は騎士を捨てる決意が出来ていた。あとは、いつ、捨てるか、である。
「しばらくは、軍部の金を使わせてもらうよ」
「貴様も悪くなったな」
「そりゃ、長いこと貧民としていたんだ。そうなる」
 そうやって、悪いことをいっては、俺はルキエルの側に居続けた。





 俺も伯爵オクトも、少し、油断していた。ルキエルが来たことで、色々と吹っ切れて、わかったような気になっていたのだ。
 ルキエルの周囲は、一年で騒がしくなっていた。王都の貧民街から、新しい支配者となったナナキと、ルキエルの妹レーリエットがやってきた。ルキエルの噂を聞き付け、わざわざ、海の貧民街までやってきたのだ。
 ルキエルを王都の貧民街に連れ戻そうとするナナキとレーリエット。だが、ルキエルの怒りは凄まじいものだった。
「誰が、あそこに戻るものか!! あんな所、二度と戻るものか。もし、連れ戻したいというのなら、俺の両腕両足を斬り落として連れて行け。俺は大人しくしていないからな」
 あまりの激情に、先ほどまでルキエルに甘やかされたレーリエットでさえ突き放された。
 ルキエルとよく似たレーリエット。血のつながりが見ただけでわかる二人。ルキエルはレーリエットのことを人前でも可愛がっていたというのに、王都の貧民街のことを口にしただけで、容赦なく突き放したのだ。
「ご、ごめんなさい、お兄ちゃん、レーリエットのこと捨てないでぇ」
 レーリエットはボロボロと泣いてルキエルに縋りついた。ルキエルは仕方なくレーリエットを抱きとめるが、怒りはおさまっていない。レーリエットの側にいるナナキを睨んだ。
「レーリエットを使ったって、同じだ。俺は絶対にあそこには戻らない。俺の側にいたいなら、お前たちが来い。わかったな」
「………はい、ルキエル様」
 ナナキはルキエルの前に膝をおると、ルキエルの靴を舐めて、服従を示した。
 こんな光景を俺は遠巻きに見て、思い知る。ルキエルは、ただの貧民ではない。ただの娼夫でもなかっただろう。
 この時のルキエルは、支配者のたたずまいをしていた。

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