魔法使いの悪友

shishamo346

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破滅-四人目

見習い魔法使い

 リンネットの手伝いは、一度では終わらなかった。リンネット、やっぱり出来なくて、吐いたんだ。俺は、リンネットが出来るまで、ルキエルの体内の掃除を手伝った。
 最初だけ、ライホーンが教えるために手伝ってくれたが、二回目からは、自力だ。リンネット、どうにかやろうとするのだが、吐くんだな。可哀想に、リンネット、どんどんと痩せていった。悪循環だ。
「もう、俺がやるから、遠くで見てればいい」
「でも、アタシのせいだから」
「もっと違う償い方を見つけたほうがいい。出来ないって、父親にいうんだ。話してダメだったら、俺が手伝うよ」
 もう、馴れた。最初はルキエルの体の感触やら、甘い声やら、もう、興奮との駆け引きだった。
 だけど、この作業、かなり大変なんだよ。疲れるし、ほら、排泄するトコだから、汚い感じなんだよ。綺麗なんだけど、やっぱり、そう感じてしまう。その嫌悪感が勝ると、とうとう、ただの作業になった。
 馴れてくると、どんどんと素早くこなせるようになる。終盤では、時間を競ったな。本当に、俺はアホだな。
 俺は意識のないルキエルと対面してばかりだった。ルキエルが家出から連れ戻されてからずっと、日中で活動するルキエルとは会っていなかった。
 馴れてくると、その事実に気づいた。こう、ちょくちょく会っている気になっているが、そうじゃないんだよな。俺、友達として、ルキエルに会いたいんだよな。まだ、許嫁紹介してないし。
 というわけで、もうそろそろ会いたいから、とライホーンにお願いした。
「ルキエルは会いたがってないけどな」
「えー、俺はきちんと友達として、許嫁を紹介したいのにー」
「わかったわかった、ルキエルに言ってみる。また次な」
 仲介役ライホーンにお任せして、俺は大人しく帰ったのだ。
 しばらくして、ルキエルの了承が出た。俺は日時をライホーンと決めて、許嫁を連れて、あの屋敷に行った。
 手土産、毎回、持って行くのだけど、全部、貧民に放り投げてるなー。今日こそは、ルキエルに食べさせたい、と最近、出来たばかりの甘味屋の持ち帰りを持って行った。ルキエル、甘いの好きなんだよなー。
「とても綺麗な人なんですよね」
 ずっと、ルキエルに紹介するために付き合わさせている許嫁は、ちょっと楽しみにしていた。ほら、あんな美形ぞろいの兄弟姉妹なんだ。ルキエルはさぞや美形とか想像したのだろう。
「レーリエット様が一番、似てるな」
「あんな感じなんですね。すごい美形でしょうね」
「………」
 美形だけど、その枠に収まらない容姿なんだよな。
 屋敷のドアを叩けば、中から開いた。
 恐る恐ると俺を見るルキエルが出迎えてくれた。服は一応、男物だな。
「久しぶり、ルキエル。また、美人になったな」
「いうなよ!!」
 本気なんだが、からかうように言ってやると、ルキエルは軽く怒った。だけど、すぐに、笑顔を見せる。
「お前なー、しつこい。俺はお前に会いたくないってのに」
「俺はルキエルに会いたかったんだよ。ほら、俺の許嫁」
 いつもだったら、許嫁、元気に自己紹介するのだが、ルキエルを見て、固まってしまった。ここまでの美貌とは、予想外なんだろう。
「大丈夫?」
「は、はい!!」
 顔を真っ赤にして動き出す許嫁。これは、もしかすると、ルキエルに惚れちゃったか? 困ったなー。
 俺の脳裏に、親父と母親のことが横切った。まさか、俺も許嫁に裏切られちゃうのか?
 こういう因果は巡る、という。だけど、ルキエルに限ってはないな、とそういう確信があった。ほら、ルキエルは、性別を越えた存在になってしまっている。俺や許嫁なんて、有象無象だろう。
「ルキエルが好きそうな奴、持ってきた。外で食べよう」
「え、いや、中で」
「天気がいいんだ。せっかくだから、外で食べよう」
 ずっと引きこもっているとライホーンから聞いていた。だから、無理矢理、俺はルキエルを外へ引っ張り出した。
 ルキエルの足は重い。だけど、引っ張れば、きちんと歩くのだ。心の奥底では、外に出たかったんだろう。
「あ、やばい」
 ルキエルの視線の先に、ルキエルの父親がいた。その隣りには、伯爵マクルスがいる。二人並んで、こっちに向かって歩いていた。
 ルキエルは、俺の後ろに隠れた。ルキエルの息遣いを感じて、妙は興奮が湧きあがってきた。小難しいこと考えよう。
「お久しぶりです」
 まずは先手必勝である。俺は笑顔でルキエルの父親に挨拶する。許嫁も慌てて頭を下げる。
 外だし、人前だから、ルキエルの父親は無体なことはしない。黙って、俺の後ろに隠れるルキエルを見ていた。
「それが、君の許嫁か」
 気を利かせて、伯爵マクルスが間に入ってくれた。
「そうなんです。俺には勿体ないほど、素晴らしい許嫁ですよ」
「聞いたよ。学校では十股していたとか」
「濡れ衣です。俺はそのつもりないのに、仲良くしてた女がみんな、俺と付き合ってるっていうんです。俺は誰とも付き合ってなかったのに」
「君は、本当に平民にしておくには、惜しいな」
「平民だから、醜聞も笑い飛ばせるんですよ」
「貴族の男は、その醜聞も栄誉となる」
「聞きましたよ。マクルス様も、随分とたくさんの女性とお付き合いしていたとか」
「私は十股はしなかったな」
「五股はしてましたよね」
「………」
 とても有名な話である。伯爵マクルスは笑顔のまま固まった。この人、とんでもない女好きだな。
「これから、友達と、おやつなんで」
「また、話そう」
「はい、また」
 マクルスが気を利かせて、ルキエルの父親の背中を押した。ルキエルの父親、もの言いたげにルキエルを見ていた。ルキエルは、決して、父親には目をあわせなかった。
 どうにかその場を誤魔化して、俺は適当な木陰に座り込んだ。
「聞いたか? 見習い魔法使いが、なんと、女遊びだって」
 渡した食べ物を持ったまま、ぼーとしていたルキエルは、驚いたように顔をあげた。やっぱり、同じ妖精憑きだから、興味があるんだな。
「魔法使いって、女遊びするのか?」
「そりゃ、するさ。妖精がいなけりゃ、ただの人だ。別に、女遊び、禁止されてないしな。魔法使いは結婚だってするぞ」
「そういえば、そうだな」
 やっとルキエルの目に生気が戻った。手に持った食べ物を一口かじって、目を輝かせた。
「甘い!!」
「好きだよな、甘いの」
「で、見習い魔法使いが女遊びして、悪いのか?」
「よりによって、大魔法使いの側仕えなんだよ。そこら辺の見習い魔法使いなら、何も言われない。だけど、戦争の英雄である大魔法使いアラリーラの側仕えだ。そいつ、戦争にも行ったんだって。本来は見本となって、清廉潔白でいなければいけないのに、て貴族からは苦情が出てるんだってな」
「貴族らしいな」
「けど、平民からは、親しみやすくなった、と好評だ。その見習い魔法使いでは、王都では有名な、平民に育てられた妖精憑きなんだ。だから、感性も平民寄りなんだって」
「ふーん、そうなんだ」
 何か、考えこむルキエル。俺は面白い話題として出したんだけど、ルキエルは何か企んでいる感じだった。この話題、良かったのか、悪かったのか。
 持ってきた土産が綺麗になくなると、ルキエル、やっと笑顔を見せてくれた。
「ダクトはいつ、結婚するんだ?」
「一応、成人してからかな。それまでには、親父を引退出来るように、仕事、頑張るよ」
「仲良くやってるんだな」
「………ルキエルのお陰だ。ありがとう」
「? 何が?」
 ルキエルは何もわかっていない。意識してやったわけではないのだろう。
 だけど、ルキエルのお陰で、親父と伯爵マクルスの縁が繋がったのだ。ルキエルが、親父を伯爵マクルスに紹介しなければ、きっと、俺は親父に見捨てられて、生き残っていても、貧民だったろう。
「ダクトの親父が頑張ったからだよ。今ならわかる。ダクトの親父はすごい奴だって」
「そうだろう!!」
「普通はさ、貧民だった過去を隠すもんだ。なのに、それを隠さず、貧民相手のどうだっていい約束を守らせてくれるなんて、出来るもんじゃないぞ」
「? 約束?」
「俺と遊ぶ約束、守ってくれただろう。俺、貧民から平民になる奴ら、いっぱい見送ったけど、こうやって、俺のトコに来てくれたのは、後にも先にもダクトだけだ」
「そうなんだ」
 照れた。俺は当然のことをしただけだ。ほら、貧民街と家、近かったし。
「今頃、出てって、平民になった奴らは、どこで何やってんだろうな」
「帝国は広いから、王都を出て、どっかに行っちゃったら、わからなくなるよ」
「そうか、王都を出てったんだ。じゃあ、約束、破ったわけじゃないんだな」
 ルキエルはきっと、近くで暮らしていれば、という約束をしたんだろう。王都の外に出てしまっては、子ども一人では、王都にいるルキエルの元に遊びに行けない。
 俺の何気ない言葉に、ルキエルは喜んだ。
「じゃあ、仕方ないな。誰も来ないよな」
「なんだ、俺だけじゃ不満か?」
「すごく嬉しい!! なんと、許嫁まで紹介してくれるなんて。俺は貧民で、お前は平民だってのに、友達扱いしてくれるんだな!!」
「え、もしかして、俺は平民だから、友達扱いしてもらえない?」
「するする!!」
 拳を軽くぶつけあったりして、笑いあった。





 許嫁、帰る道では、妙に静かだった。
「貧民だなんて、知らなかった」
「あれ、話してなかった?」
「普通にしているから、平民だと思っていた」
「もしかして、貧民の友達はイヤ?」
「相手によると、考えを改めました」
 貧民と聞いて、許嫁、ルキエルたち親子に抵抗を持ってしまったようだ。だけど、貧民と知らずに接していた過去を思い返せば、些事だと気づいてくれた。
「俺もさ、一か月だけど、貧民の生活して、色々と学んだ。酷いヤツだっていたさ。だけど、貧民同士、助け合っている奴らもいる。俺は、ガキ同士で助け合ってたトコに入れてもらったんだ。俺、最初は態度最悪だったと思う。ほら、平民なんだぞ、と威張り散らしてたんだ。それで、腕っぷしの強い貧民のガキにボコボコにされたんだ。けど、そんな俺を助けてくれたのも、貧民だった」
「そうですか」
 許嫁の内心はわからない。これで、結婚が白紙になっても、俺は仕方ないと思っている。次を探せばいいんだ。それでもダメなら、養子とればいいんだよ。伯爵マクルスだって、結婚出来なかったから、遠縁から養子をとったという話だ。俺もそうすればいい。
 そんなことを考えながら、俺は許嫁を家まで送っていった。





 学校から直接、店に帰っていけば、来客を告げられた。俺相手だという。俺がいないから、親父が相手にしてくれていた。
 俺は客がいる部屋に行った。
「ルキエル!?」
 驚いた。ルキエルは、目立たない服を着ていた。平民がよく着る服だ。普段はあんなに綺麗な感じなのに、目の前にいるルキエルは、平凡な感じがする。
「それでは、僕はこれで」
 親父が気を利かせて、席を外してくれた。
 俺はルキエルの向かいに座って、残った菓子に手をつける。
「外に出られたんだな」
「見習い魔法使いハガルに会いたい」
「?」
「いつ、どこに行けば会えるか、教えてほしい」
「また、どうして」
 久しぶりに会った時に、話題にしたからだろう。そうはいっても、わざわざ会いに行くような相手ではない。
「どうしても、一度、会ってみたい」
「見習いといえども、魔法使いだからか? だったら、他にもいるぞ。立派な魔法使いがよく出入りしている店があるんだ」
「ハガルがいい」
「どうして?」
 魔法使いに会いたいだけならば、別に、見習い魔法使いハガルである必要はないのだ。特定の人物に会うのは難しい。
「大魔法使いの側仕えに会いたい」
「そっちかー」
 魔法使いに会いたいわけではない。大魔法使いの側仕えに会いたいのだ。それじゃあ、見習い魔法使いハガルしかいない。
「最近では、女遊びの店に入り浸っている、という話はしたんだな。その店も決まっている。けど、見習い魔法使いといえども、ハガルは忙しい立場だ。なかなか会えないぞ」
「店を教えてほしい。日参する」
「お前、女買えるのか? その店では、女と会話するだけじゃないんだぞ。一夜も売ってるんだ」
「別に、一夜を買わなくていいだろう。ただ、金を落とせば、そのうち、ハガルに会える」
「会ったって、話せないぞ。そういう店じゃないんだ」
「その時になったら、どうにかする」
 妙に怖い感じがした。ルキエルは、名前しか知らない見習い魔法使いハガルに、何かを感じていた。
 大魔法使いの側仕えだからか? 確かに、そんな肩書を持つハガルに会いたくて、店には客が溢れているという話だ。
 帝国では魔法使いは憧れの存在だ。生まれた時から神の使いである妖精を憑けて、使役して、魔法を使うのだ。そんな魔法使いが、女遊びで自堕落な生活を送っている、なんて聞いたら、面白半分に見たくなるものだ。
 だが、ルキエルのはそうじゃない。
「じゃあ、一回は、俺と一緒に行こう。ルキエルの女遊び、採点してやるよ」
「許嫁いるのに、女遊びしていいのかよ」
「友達の付き添いだから、許される。俺は金を出すだけだ」
「なんだそれ。金くらい、俺だって持ってる」
「まあまあ、一度は俺がご馳走させてよ。な」
「うん、そういうなら」
 渋々、ルキエルは頷いてくれた。
 ルキエル、一人で行かせるのは心配だった。




 心配はいらなかった。ルキエル、普通に女遊びをしていた。屋敷にいる時のような色香はなく、あの美貌も何故か印象を薄くなる。時々、忘れるんだが、ルキエルは妖精憑きなんだよな。俺はルキエルの口から告げられていないから、俺は知らないふりをしていた。
 ルキエルは妖精憑きの力で、その美貌を隠したのだろう。お陰で、街で会うルキエルには、妙な衝動を起こすことはなかった。それでも、綺麗な男なんだけどな。
 最初の一回、俺と一緒にルキエルは女遊びの店に行ったが、その日は見習い魔法使いハガルは来なかった。
 ルキエルは、女遊びの店で使うだいたいの金額を確認して、次からは、一人で行った。俺が一緒に、と言ったが、ルキエルは一人で行きたがったので、諦めた。
 ルキエルは、それまでは、親父の店に寄って行ってから、女遊びの店に行っていた。だいたい、俺が学校から帰ってくる頃までお邪魔して、俺とちょっとくだらない会話をしてから、女遊びの店に向かっていた。
 ところが、突然、ルキエルは来なくなった。毎日のように来ていたのに。
 理由といえば、見習い魔法使いハガルに会うのを諦めたか、もしかすると、見習い魔法使いハガルに出会えたか、どちらかだ。
 ちょっと興味本位で見習い魔法使いハガルに会いたがっただけだったら、もう、満足しただろう。俺は気にしなかった。
 そうして、いつもの日常を過ごしていたある日、俺は露店を回っているルキエルを見かけた。
 声をかけようとしたが、やめた、ルキエルの隣りに、見習い魔法使いハガルがいたからだ。二人は笑顔で、何か話ながら、露店の商品を手にしたりしていた。
「なんだ、笑いやがって」
 それを遠くから見て、俺は見習い魔法使いハガルに嫉妬した。ルキエルのあんな顔、俺は見たことがなかった。 

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