魔法使いの悪友

shishamo346

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賢者と悪女

皇族殺害未遂

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 私はすぐに、サツキの元に向かった。入学式は午前中で終わる。昼食は家だと知っていた。だから、真っすぐに行ってみれば、まだ、サツキはいなかった。
 だが、部屋は酷いものだった。サツキが学校に行っている間に、色々と荒らされていた。私が贈った勉強道具もなくなっていた。私がサツキのために厳選したものだというのに!?
 机を見れば、固いパンと薄いスープだ。どれも、少し味見するが、最悪だ。だけど、あるだけましなのだ。
 ない時のほうが多い。今日は気まぐれに置かれただけだ。相手にとっては、サツキの勉強道具の代金というつもりだろう。価値が全然、あわないな!!
 明日、新しい道具をサツキに渡せばいい。食事のほうは、一瞬で消し炭だ。皿も焼却処分にしてやりたいが、後で、なくなったとかで大騒ぎすると、サツキがまた、酷い目にあうので、そこは我慢した。
 そうして、時間を潰して待っていると、本棟のほうが賑やかになっていた。また、サツキを置いてきたのか!?
 入学おめでとう、と使用人たちがお祝いする声。腹が立つ。お前たちの真の主は、サツキだというのにな。怒りしかない。
 私は元来、気が短い。すぐに手が出るのだ。それも、魔法使いという立場で許されているだけだ。ここまで我慢することは、これまでなかった。皇帝相手でも、我慢ならない時はあるのだ。
 随分と待たされた。距離があるのだ。仕方がない。だけど、サツキは戻ってくるなり、ベッドに飛び込んだ。
「サツキ、おめでとうございます」
「あ、ありがとう!!」
 サツキ、途端、笑顔で喜んだ。今日、お祝いの言葉を改めて貰うことになるとは、思ってもいなかったのだろう。
「それで、どうして私の妖精を学校に入れなくしたのですか?」
「ふふふふ」
 笑って誤魔化そうとする。最近、サツキのことは綺麗よりも可愛いと感じるようになってきた。重症だな。
 サツキが随分と朝早く登校するものだ、と見ていたら、なんと、学校の敷地内を私のような妖精憑きの妖精が監視とか出来ないような妖精避けをしていたのだ。
 結局、私はサツキの雄姿を妖精を通して見れなくなった。
「あなたの雄姿が見たくて、公務を投げ捨てのですよ!!」
 私はどうしてもサツキの雄姿を見たくて、仕事を放り出して、学校に行ったのだ。偽装までしたのだが、あのアルロにバレてしまい、色々と誤魔化した。その後、ラインハルト様に口裏まであわせさせたのだ。アルロ、なんて邪魔な男だ!?
「わざわざ、来たのですか!?」
「行きました。一生にたったの一度ですよ。見に行きます」
「………うう」
 サツキはボロボロと涙を流して泣き出した。
 まさか、泣くとは思ってもいなかった。私はサツキをベッドから起こして、抱きしめた。
「何かの時は、私が見に行きます。これから、学校では色々とあります。あなたのただ一度の姿を目に焼き付けます」
「テラス、ありがとうございます」
「お礼をいうのは私です。私の前に来てくれて、ここまで頑張って生きてくれて、ありがとうございます」
「はい、はいぃ」
 サツキの泣き出す瞬間はどうしてもわからない。突然、感極まるのだ。
 サツキが泣いてしまう時をきちんと分析しよう。私の前だけ、泣かせたい。
 人がやってきた。私はサツキごと魔法で隠した。どれほど妖精避けをされても、私が本気になれば、魔法は使える。
 サツキの声も聞こえないようにして、抱きしめる。サツキは私の様子に、声を殺して、私の腕の中で動かないように固まっていた。
 使用人だ。いかにも感じの悪い女だ。
「なんだ、帰ってきてるじゃないの。どこいったの、あの女!?」
 私が燃やしたパンとスープのせいで、サツキの帰宅が使用人に知られた。
「クラリッサ様がお呼びですよ!! おめでたいので、お食事にご招待ですって!!!」
 それを聞いて、サツキは緊張させて、震えた。使用人がどれだけ部屋を探し回っても、私とサツキを見つけることは出来ない。認識阻害をかけているので、ベッドには絶対に気づかないのだ。
 どれだけ壁を蹴ったり、棚を蹴ったり、物を落としてもサツキが出てこないので、使用人たちは諦めて出ていった。
 しばらく、サツキは私の腕の中で震えていた。どれほど笑顔で武装しても、怖いし、痛いし、辛いのだ。私の前だけ、サツキは武装が外れてしまう。
 だけど、私から離れると、少し目元が涙で腫れてしまっているが、笑顔に戻っていた。
「夜は大変ですね。あら、わたくしの勉強道具がありませんね」
「私が来た時には、もうなかった」
「そうですか。あと、もう一回、なくなれば、もうなくなることはないでしょうね」
 あの勉強道具、二回盗られると終了する、という意味が、私はよくわからなかった。
 私が全くわからないで、考え込んでいるのを見て、サツキは珍しく少女のように笑う。
「賢者のあなたでも、わからないことがあるのですね」
「サツキのことは、本当にわからない。全てをわかりたい、と努力は重ねているというのに、毎日、会う度に、あなたは変わっていく」
「単純ですよ。わたくしは、複雑そうに見せているだけです。そうすると、強そうに見えますでしょう?」
「そんなこと、私の前では必要ありません!! 私はあなたの味方です」
「わかっていますよ。でも、わたくし、テラスに何も返せません」
「こうしているだけでいいのですよ。毎日、会ってください」
「あら、わたくし、身売りをしているみたい」
「それだったら、こんなのでは足りない。私の残りの人生全てをかけても足りない」
「そんな価値、わたくしにはありませんよ」
 すぐに距離をとられる。私が距離を詰めようとすると、サツキから離れていくのだ。
 まだ時間はある。まだ、出会ってわずかだ。もっと時間をかけて、サツキの内も外も私で満たしてみせる。それには、もっと時間が必要だ。




 私は一日三回、必ずサツキに会いに行く。それは、サツキが学校に通っていても変わらない。
 サツキは学校での食事がない。金も持っていないのだから、食堂も使えないのだ。だから、私は偽装して、直接、サツキに手渡す。
 サツキはもう、私が来るのが当然と思っていてくれるようだ。人が全くいない所に行ってくれる。
「まあ、テラス、何故ここに?」
 違った。サツキは昼は食べられないだろう、と悟って、隠れていただけだ。食事をとっていないで、ただ座っているのは、目立ってしまう。
「お弁当にしました。本当は、家から持たせたほうがいいのでしょうが、直接、あなたに会いたいので」
「嬉しいです」
 私にだけは、サツキは少女のような笑顔を見せてくれる。それだけで、胸が一杯になる。
 だが、隠れて食べているわけにもいかず、サツキは人目がある所で食べることにした。私は偽装して、認識阻害もかけているので、誰も私に気づかない。
 サツキは彩のいいお弁当の内容に、密かに喜んで、大事に食べていた。
 その姿をずっと眺めていたいのに、邪魔が入った。
「あら、お義姉様、随分なお弁当ですね。まさか、使用人に無理矢理、作らせたのですか?」
 サツキの義妹クラリッサが、サツキの婚約者エクルドと、あとは友人らしき数人とやってきて、サツキに声をかけてきた。
「違います。わたくしのために持ってきてくださる方がいるのですよ」
 わざわざ、言わなくていいのに、サツキは自慢するようにいうのだ。
「まあ、また、色目を使ったのですね。汚らわしい」
「お前も、クラリッサのことを少しは見習ったらどうだ。こんなのが婚約者だとは、恥ずかしい」
 話を右に左に聞き流し、サツキは私手製の食事を食べている。その姿は、幸福に満ちている。
「こんな物、食べるな!!」
 それなのに、エクルドは私がサツキのために作った食事を取り上げ、投げ捨てたのだ。
 だが、ここにとんでもないことが起こってしまった。エクルドが投げ捨てた方向が悪かった。ちょうど、食事の席に向かう皇族ご一行が歩いているところだ。ちょうど、皇族ルイ様に向かっていた。
 皇族ルイ様には私の妖精がついている。投げたものはもちろん、粉砕される。そして、投げた相手に復讐するように、エクルドの腕は変異する。
 神はいるんだな。心の底から思った。
 そして、皇族ルイ様についた騎士たちは、エクルドを捕縛する。
「な、何を!?」
「皇族に何か投げたな!? 皇族殺害未遂だ!!!」
 大変なことになっていく。
「ち、違う!! おのれ、サツキぃいいいー---!!!」
 ここまできて、サツキの婚約者は、サツキに恨みをこめて叫ぶ。
 サツキは、目の前にあったお弁当がなくなって、呆然となる。それも、すぐに騒ぎのほうに向かっていくのだ。
「サツキ嬢?」
 皇族ルイ様は、すでに、サツキとは顔見知りになっていた。サツキが向かってくるので、声をかけたにすぎない。
 サツキは、ルイ様の前に拘束される婚約者エクルドを笑顔で見下ろす。
「何をしてる、貴様のせいで」
「煩いですわね。わたくしの大事なお弁当を台無しにしておいて」
 多くの人が見ている前で、サツキはエクルドの頭を力いっぱい、踏みつけた。
「わたくしの大事なお弁当に手を出したから、天罰が下ったのですよ。見てみなさい、その手の変異を」
「サ、サツキ、嬢?」
 何がなんだかわからないルイ様はサツキに説明を求める。
 サツキはルイ様に対して、一度、礼をして、でも、すぐにエクルドを踏みしめる。
「申し訳ございません。わたくしの婚約者が、何を思ったのか、わたくしが貰ったお弁当を投げたのですよ。まさか、わたくしにお弁当を贈る相手に嫉妬するなんて、そんな甲斐性が、お前にあるとは知りませんでした。ですが、食べ物の恨みは恐ろしいのですよ。謝罪しなさい」
 完全な痴話げんかのような話だ。
 皇族殺害未遂かに見えたが、まさか、婚約者同士の痴話げんかか、と知った騎士たちは呆然となる。だけど、拘束を外さない。
「お前の、せいで!!」
「わたくしに謝罪すれば、その腕、治るかもしれませんよ。一生、そのままで生きていきますか? 妖精に体の一部が呪われたままだと、神殿送りですよね」
 妖精に呪われたのだ。エクルドはもう二度と、貴族として生きていけない。神殿で一生、過ごすこととなる。
 どうしても謝罪したくないエクルド。それを味方するように、義妹クラリッサがやってくる。
「酷いですわ、お義姉様!! お義姉様が浮気するから、エクルド様はいつも、心を傷めているのですよ!!!」
「黙りなさい。皇族殺害未遂で捕縛されたいのですか?」
「何を」
「黙れと言っているのよ。お前も同罪で捕縛されたいのならば、囀っていなさい」
 悔しそうに顔を歪めながらも、クラリッサは黙るしかなかった。それでも、サツキに憎悪を向ける。
 理解出来ない。サツキは実は何もやっていない。ただ、言われるままに動いてやっているだけだ。家でも外でも、嫌がらせを受けるような、悪事なんてやっていないのだ。
「謝罪しなさい、エクルド。それとも、そのまま、神殿に行きますか? 別に、わたくしの婚約者はお前でなくてもいいのですよ」
「ひどいっ!?」
「黙りなさい」
 冷たく見下ろすサツキ。
 エクルドは、もう、観念した。
「わ、わる、かった」
 だが、最低最悪な謝罪だ。それを聞いて、サツキは呆れたように見下ろすしかない。
「お前には、最初から、何も期待していない」
 サツキは私を見る。治せというのだ。あの程度の謝罪にもあたらないというのに!?
 しかし、サツキの願いは絶対だ。私は不承不承、エクルドの呪われた腕を元に戻した。
 サツキは、改めて、ルイ様に向き合った。深く頭を下げる。
「わたくしの婚約者が、大変、無体なことをしてしまいました。それもこれも、わたくしへの嫉妬です。どうか、寛大な心で、お許しを下さい」
「サツキ嬢は、嫉妬深い婚約者がいて、良かったですね。愛のない結婚は、貴族では普通だと聞いています。今回は、不問とします。物を投げるのは危険です。二度とやらないように」
 優しい声で許す皇族ルイ様。それで、エクルドの拘束は解かれた。
 屈辱に震えるエクルド。ぎっとサツキを睨み上げる。とても、愛のある婚約関係ではない。ルイ様もそれはわかっていて、わざと言ったのだ。
 解放されたエクルドの傍らでは、義妹クラリッサが寄り添い、憎々しいとばかりにサツキを睨み上げている。
 どちらも、とんだ逆恨みだ。本来ならば、サツキは感謝されなければならない。この状況では、間違いなく、エクルドは牢屋に入れられていただろう。そして、腕の変異は治らず、そのまま神殿送りだ。
 さらに、エクルドを庇ったクラリッサだって、無事ではない。皇族殺人未遂犯の味方をしたのだ。その場で捕縛され、それなりの罪状を読み上げられ、貴族令嬢でなくなるのだ。
 サツキがわからない。サツキは、何故か、エクルドとクラリッサを助けている。それも、恨みを買うような救い方だ。これでは、さらに逆恨みされるだけだ。
 サツキの願いは絶対だ。だが、もうそろそろ、私の我慢の限界が近い。私は、短気なのだ。

 だが、私は単純でもある。

 夜、サツキの部屋に行けば、サツキは笑顔で抱きついてきた。
「テラス、ありがとうございます!!」
 体全体で感謝されて、私の我慢の限界は一気に中和されてしまった。
「もう、悩みました!! 一生、エクルドを神殿送りにするかどうか、物凄く悩んだんです。ですが、神殿送りをしたって、どうせ、金で何事か解決されそうですから、やめました」
「そうだったのですか」
「あの男もわたくしの復讐対象ですよ。これから、どんどんと信用を皇族の前でなくしてやります」
「皇族の、前? どうして?」
「テラスはやはり、魔法使いですよね。貴族の学校の裏事情とか、よくわかっていませんよね」
「皇帝は貴族の学校に通っていましたが、女遊びをするためでしたからね。随分な貴族の女が、皇帝のお手付きとなりましたよ」
「最低ですね、皇帝ラインハルト様」
「あなたは、あの男に敬称なんてつけなくていいです」
「もう、わたくしが皇族なのは、二人だけの秘密ですよ。いいですか、秘密を続けるこつは、日頃から、細かいことに気を配ることです。ここで、わたくしが皇帝の敬称をなくしてしまったら、あの妙に勘の良さそうな皇帝に気づかれてしまいますよ」
「私のことはどうするのですか?」
 そう、私のことはすっかり、敬称なしで呼ぶのに馴れてしまっている。
 サツキは私に抱きついたまま、随分と考え込んで、そして、離れてしまう。
「その時は、ほら、恋人としましょう。秘密の恋人、素敵です!!」
「こい、びと?」
「やはり、イヤですよね。わたくし、もう悪評がひど過ぎますから、もう学校でも嫌われ者ですよ。もう、初日から一人です。誰もわたくしに話しかけてきません。わたくしからも話しかけませんけどね」
「いえ、恋人、恋人にしましょう」
「後悔しますよ?」
「しません!! むしろ、恋人と公言しますか?」
 そうして、堂々と囲ってしまえばいい。私とサツキが恋人となれば、もうサツキを囲う口実が出来る。それはいい。
「もう、悪い顔をしていますよ。距離をとりましょう。もう、わたくし、テラス相手だと、距離が間違ってしまいます」
 急に距離をとりだすサツキ。だけど、一度、体全体で抱きしめられたので、私はそれだけで満足だ。こう、距離をとっても、サツキが私との関係に戸惑いを感じていると思えば、嬉しい。意識しているということだ。
 皇帝ラインハルト様の若いころの話なんかしたので、話がずれてしまった。
「それで、どうして、皇族が出るのですか?」
「身分ですよ、身分。貴族の中でも身分があります。上は公爵、侯爵から、下は男爵までいっぱいですよ。この身分を完全に無視なのが皇族です。わたくしの婚約者エクルドは、あんなにダメな男ですが、侯爵家次男なのですよ」
「サツキよりは一つ上なのか。それで、どうして、婚約者に?」
「次男だからですよ。我が家は女しかいません。結果、跡取りは婿をとらなければなりません。侯爵家次男は、スペアとして用なしとなりましたら、行く所がありません。頭がいい、とか、腕っぷしがある、とか、そういうものがあれば、外でも生きていけるでしょう。ですが、エクルドはあの通り、頭も中途半端、腕っぷしも中途半端です。そうなると、どこかに寄生して生きていくしかありません。それは可哀想、とエクルドのご両親は、良い寄生先として、我が家に無理矢理、婚約を申し込んできたのです。その時、わたくしの母が亡くなったばかりで、後ろ盾が欲しかった父は、この婚約話に飛びついたのですよ。クラリッサは母親違いの同い年ですが、長女はわたくしです。跡取りはわたくしですから、エクルドはわたくしと婚約するしかありませんでした」
「身の程を知らない奴らめ。見ていなさい。復讐の後、それらは散々な目に合わせて見せます」
「テラスが手を出さなくても、どうせ、勝手に落ちていきますよ。見ていてください。最高に面白いものを見せてさしあげます」
 サツキは、復讐を最高の遊びとしていた。
 サツキはこれから、ひどい目にあうだろう。外で馬車が止まった。きっと、あの最低な婚約者が来たのだ。
 はやく、復讐を終わらせてくれ。サツキが傷つくのをこれ以上、見たくない。
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