魔法使いの悪友

shishamo346

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嘘つき

過ぎた罰

 普段から、感情に左右されないようにしていた。だが、どうしても、感情を抑制出来ないことがある。
 私は養子オクトの私室に向かった。その日は、ルキエルが一泊でやってきていた。そうでなければ、大きくなった養子の私室にわざわざ足を運ぶようなことはしない。
 その日の仕事も終わり、使用人たちも与えられた部屋で休んでいる。通路は静かなものだ。いつもの癖で、気配も足音も消して、オクトの私室の前に立つ。
 オクトとルキエルは、本当に仲がいい。あまりに仲良しだから、時々、疑ってしまうことだってある。いい年齢だってのに、風呂まで一緒に入るという。そこを疑って、養子オクトに尋問したのだが。
「見てくださいよ、この鳥肌を!! 僕は、ルキエルだけは、絶対にあり得ません。いいですか、頭でも、体術でも、剣術でもルキエルに勝てないんですよ。しかも、あの見た目は、僕の好みの正反対です」
「お前は、性格が悪い女が好きなんだな」
「っ!?」
 オクトはすでに、一人の女に思いを寄せている。確かに、見た目も性格も、ルキエルとは正反対の女だ。
 顔を真っ赤にして黙り込むオクト。普段は、感情をしっかりと隠すのだが、好いた女に関しては、どうしても感情が表に出てしまう。これは、本当は悪いことなのだ。しかし、オクトが好きだという女がどこの誰か、誰も想像すら出来ないだろう。
 というわけで、オクトのことは信じているわけだ。だが、ルキエルのことは信じていない。
 こうして、抜き打ちみたいに、私はオクトの私室に遊びに来ているルキエルを調査である。一応、ノックして、入る。私はオクトの許可なんか無視だ。
 そして、ベッドに仰向けになっている養子オクトの上にルキエルが圧し掛かっている光景を見て、私の中で何かが切れた。
 オクトが何か叫んでいるが、聞こえない。私はルキエルの腕を掴むなり、力づくでオクトの私室から引っ張りだした。
「な、ちょっと、痛いって!!」
 私の気持ちなど、まるで理解していないルキエルは、腕をつかむ私の手の力に苦情を訴える。だけど、そのまま引っ張られるままだ。抵抗はしない。
「義父上、誤解です!!」
 遠くで、オクトが叫ぶが、私は聞く耳を持たない。誤解とか、どうだっていい。あんな光景を見せられて、今後、何もないはずがないのだ。
 私はルキエルを私の私室に押し込んだ。
 ルキエルが私の私室に押し込まれることなど、いつものことだ。ルキエルは、私の怒気に怯えながらも、大人しく、ベッドに座る。いつもの閨事だ、とルキエルは待ち構えている。
「服を脱げばいいか? それとも、あんたが脱がすか?」
 機嫌が悪いルキエルは、わざわざ、そんなことを聞いてくる。オクトとの時間を邪魔されたから、ルキエルも怒っていた。
 だが、あの光景のその後を想像した私は、怒りどころではなかった。
 私は妖精を狂わせる香に火を点ける。途端、部屋中に香が広がる。この香、ただの人には無臭だ。だが、妖精憑きにとっては、それは麻薬のような感じとなるという。
 妖精憑きは病気もしないし、酒を飲んでも酔わないし、毒も薬も効かない。それでも、妖精を狂わせる香には何らかの影響を受ける。常用性のない麻薬のような感じを受けると言われている。
 ルキエルは香を使って、閨事を強要されていた。そのため、香を感じるだけで、ルキエルは従順になる。ルキエルは情欲した目となった。
 ルキエルは私を待っている。荒い息となり、私をじっと見つめる。その視線に、私はいつも惑わされる。
 だが、その日は違う。怒りのほうが勝った。私は道具を持って、ルキエルをベッドに仰向けにさせる。
「あん」
 ただ触れただけで、ルキエルは何かを感じて喜んだ。私がルキエルの両手を拘束するように頭の上に抑え込んでも、ルキエルは大人しく待っている。
 私はルキエルの両手を妖精封じの手枷でベッドに拘束した。この封じにより、妖精憑きとしての抵抗力ががくんと落ちる。そうなると、香の影響が強くなる。
 妖精憑きは香を焚かれ、道具によって力を封じられると、恐怖を抱く。妖精を使えなくなるから、怖くなるのだ。
 だけど、ルキエルはそうではない。こういう道具を使って閨事をされていたので、ルキエルにとっては、これも一つの喜びだ。身もだえして、次の行為をルキエルは待っていた。
 時間が経てば、部屋はどんどんと香で充満する。無臭といえども、煙い。さらに、私は香の数を増やして、いつも吸っているタバコに火をつけた。それを見て、ルキエルは途端、正気になる。
「あんた、いい加減、それをやめろって」
「煩い」
 私は一度吸い込んだタバコの煙を口移しでルキエルの中に吐き出した。
「やめっ」
 それはとんでもない苦痛となった。ルキエルは激しく体を暴れさせた。しかし、私が上手に圧し掛かって動きを封じ、両手は拘束されているから、ルキエルの抵抗なんて可愛いものだ。魔法だって、私の体には届かない。
「オクトに手を出そうとするとは、とんだ性悪だな」
「そんな、違う、のにぃ」
 苦痛で真っ青になるルキエル。私が吸っているタバコは、妖精を狂わせる香の原液のようなものだ。妖精を狂わせる香は少量であれば、大したことはないが、毒だ。あれを受ける私の体は、香によって、毒に侵されている。そんな危ない代物は、妖精憑きにとってもとんでもない代物である。
 麻薬だって、少量であれば、快楽物質を受けるだけだ。それを高濃度で体内に取り込めば、場合によっては、死ぬことだってある。
 これまでで受けたことがないものをルキエルは体内に受けたのだ。苦痛で苦しんでいた。
 私は容赦なくルキエルの口を通して、タバコの煙を吐き出した。抵抗しても、私の下では可愛いものだ。ルキエルは最後は、虚ろな目となっていた。
「しばらく、ここで反省していろ」
 タバコ一本分の煙を与えて、私はルキエルを放置して、部屋を出た。
 部屋の外では、真っ青になっているオクトが立っていた。ドアの開閉の瞬間、とんでもない量の煙を見ただろう。
「義父上、違います。ルキエルは、ただ、転んだだけなんです」
「そんな言い訳はいらない。ルキエルはとんでもない男だ。オクトにも、興味を示したんだろう。これで、ルキエルももう二度と、オクトに妙な事はしない」
「ルキエルは、無事ですよね?」
「タバコの煙を一本、吸わせたからな。しばらくは無事ではないだろう」
「ルキエル!!」
 私には逆らわないオクトが、それを聞いて、私の私室のドアに手をかける。私はすぐに、オクトの腕をとって、それを止めた。
「ルキエルにはお仕置きが必要だ」
「あんなもの、僕だって苦しいというのに、妖精憑きであるルキエルが受けたら、無事では済みません!! ルキエルはただ、転んだだけなんです。本当です!!!」
「部屋に戻りなさい」
「お断りします。ルキエルをすぐ、ここから出してください」
「オクト」
「僕とルキエルがどんな話をしていたか、知っていますか?」
「どうせ、くだらないことだろう」
 オクトの年頃、私だって、くだらないことを友人知人と話していたものだ。同じようなものだと決め込んだ。
「義父上のことです」
「………そんな嘘を」
「本当です。ルキエルは随分と、義父上のことを心配していました。タバコをどうにかやめさせられないか、と言うので、私も吸っている、なんて話をしたんです。それを聞いて、ルキエルは怒ったんです」
「っ!?」
「ルキエルは怒って、僕の上に乗って、タバコをやめるように説得してきたんです。嘘をついて、すみません」
 すっと、私は頭から血の気が落ちた。
「ルキエルは、何も、言い訳しなかった」
「いつもそうです。ルキエルは言い訳なんかしません」
「………部屋に、戻っていなさい。ルキエルは、私がきちんと対応する」
「お手伝いします」
「私だけでやる」
「………もし、手が必要なら、呼んでください。部屋にいます」
 オクトは大人しく、私室に戻って行った。






 覚悟が必要だ。子飼いの妖精憑きに罰を与えることは普通だ。あんなことをしたのだ。同じ妖精憑きであるルキエルは、とんでもないこととなっているだろう。
 恐怖で泣き叫ぶ妖精憑きを見ることもある。
 気が触れたように笑う妖精憑きを見ることもある。
 失禁した妖精憑きを見ることだってある。
 あらゆる姿を私は見てきた。全て、私自身がやったことだ。だけど、そんな姿のルキエルを想像すると、罪悪感で胸が痛くなる。
 ルキエルだけは特別だ。そこら辺の妖精憑きが苦しもうが死のうが気にしないが、ルキエルが苦しんでいると考えるだけで、辛くなる。
 そんな事を私はルキエルにとうとうしてしまった。私なりに、ルキエルを大事に扱ってきたのだ。あそこまで、子飼いの妖精憑きにはしない。養子オクトにだって、しない。
 ルキエルだから、我儘だって聞き入れているし、暴言だって許すのだ。
 時間が経てば経つほど、ルキエルは香によって、苦痛を倍増してしまう。だから、私は苦悩に苛まれているわけにはいかないのだ。
 オクトが私室に戻っただろう頃合いに、私はドアを開けた。もわっととんでもない煙が溢れ出ていた。その白さに、私はぞっと寒さを感じる。
 中にはルキエルしかいないはずだ。そのルキエルは妖精封じの手枷でベッドに拘束されている。それなのに、中から真っ白な手が伸びて、私を部屋の中へと引っ張り込んだ。
 バタンと何かによってドアは堅く閉ざされた。そんな音を背中に聞きながら、私の腕をつかむ手の感触に抵抗出来ない。それは、ルキエルの手だ。見なくても、よく知っている。
 私は引っ張られるままに、ベッドに放り出された。
 おかしなことに、ベッドにルキエルはいない。見上げれば、手首を真っ赤に傷つけたルキエルが私の上に乗ってきた。
「ルキエル、その手首は」
「俺は女みたいに細いから、男物の手枷だと、どうにか抜け出せるんだ」
「すまない」
「………何が?」
「オクトから聞いた」
「………」
 冷たく見下ろすルキエル。ルキエルの女のような指が私の首に触れる。
 私は死ぬ覚悟をした。ルキエルは怒っている。このまま首を絞められても仕方がない。
「くっ、あはははは」
 狂ったように笑うルキエル。
「あんたは貴族様だ。貧民相手に、謝るな」
 ルキエルは自らを卑下した。
 ルキエルは常に、貧民を自覚していた。そう自覚して、全てを諦めたように受け止めていた。それが、私に対してもだ。
「そんなこと、言うんじゃない。私は、ルキエルをそんな風に思っていない」
「あんたは嘘つきだから、信じない」
「嘘なんてっ」
 私が言い訳する口をルキエルは口づけで塞いだ。深く、舌まで挿入する。それに私は抵抗したが、ルキエルは執拗に私の唾液を飲み込んだ。
「あんたのは、本当に癖になるな」
「誤魔化すな。私は、どんな嘘をついたんだ? 教えてくれ」
 見に覚えがない。ルキエルの約束は出来る限り守るし、嘘だってつかないように気を付けている。
 嘘をつかないから、今、ルキエルは私のことを信じてくれないのだが。嘘をつけば、ルキエルも私も円満だ。だが、そんな見せかけの円満を私は求めていない。
 真実を言って、ルキエルを裏切らない。そうすることで、ルキエルに全てを捧げるのが、私なりの愛情だ。
 気分を害されたルキエルは冷たく私を見下ろす。
「忘れたんだ。大した約束じゃなかったんだ」
「教えてくれ」
「今更だろう。守るには遅すぎる約束だ」
「生きているんだ。まだ間に合う」
「どうせ、大した約束とは思ってなかったんだろう。今更だ。もう遅い」
「遅くなんか」
「今、叶えて欲しい約束じゃない!!!」
 怒りで顔を歪めるルキエル。
 ルキエルの胸の内を垣間見た。ルキエルはこれまで、あらゆる感情を押し隠していた。それを私の勘違いによる罰を受けて、感情を抑え込むことが出来なくなって、今、ルキエルは私にぶつけたのだ。
 これほどの怒りを隠し持つほどの約束を私がルキエルにしたという。だが、私は何も思い出せない。
「義体を見つけていないからか?」
 思いつくことは道具だ。ルキエルは道具に目がない。与えれば、だいたい、喜ぶ。そんなルキエルが何故か、義体という道具だけはわざわざ名指しで求めたのだ。
 しかし、義体は保持することを帝国は許さない。それが例え、壊れた義体だとしても、全ての義体は帝国が回収することとなっている。とても危険だから、私は義体を探さなかった。
 さすがに、ルキエルも、私が義体を探していないことに気づいたのだろう。口では探している、とは言っても、実際は嘘だ。
 私の嘘というと、これくらいしか思いつかない。
 それを聞いたルキエルは悔しそうに唇を噛んで、泣きそうに瞳を揺らす。違った。
「わかってた。俺だけが覚えている約束だ。誰も、こんなこと、覚えてもいない」
「すまない、本当に、すまない」
「あんたは悪くない。あんたは貴族だ。貧民相手の約束なんて、守らなくたっていいんだ」
「ルキエルは別だ!!」
「………嘘ばっかりだ」
 ボロボロと泣き出すルキエル。こんなこと、初めてだ。
 ルキエルはどんな目にあっても、私の前では涙を零すことはなかった。苦しい目にあっても、悔しい思いをしても、屈辱にまみれても、私の前では笑っていた。
 ルキエルは体を鍛えていないから、上に圧し掛かったといったって、軽い。私は上体を起こすも、ルキエルを膝に乗せて、抱きしめる。
「悪かった。嘘をついて」
 罪悪感しかない。ルキエルに酷いことをしてしまった。自覚がないだが、その事実は残る。
「嘘つきぃ、マクルスと呼んでいいって言ったくせに、今はダメだってぇ」
「好きなだけ、私を名前で呼びなさい」
「貧民だからダメだってぇ」
「ルキエルはいいんだ。ほら、私の名前で呼んでほしい」
 今更ながら、私はルキエルから名前すら呼んでもらっていない事実に気づく。
 ルキエルは養子オクトのことは名指しする。名前を知る家臣たち、使用人たちにも、名指しで呼ぶことがある。
 なのに、私だけは、いつも”あんた”や”伯爵様”、”貴族様”だ。名前で呼ばれた記憶がない。
 ルキエルは私の胸に顔を埋め、か弱い拳で私を叩いた。
「嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき嘘つき!! もう、あんたのことは信じない!!!」
「オクトのことを疑って悪かった」
「そうじゃない!!」
 ルキエルは私の胸に爪をたてる。さすがにそれにはちょっとした苦痛を感じた。
「どうせ、あんたは俺のことは、これっぽっちも信じてないだろう。だったら、俺もあんたのことは信じない!! 嘘ばっかりつきやがって」
「悪かった。もう、こんなことしない」
「すればいいだろう!! あんたは貴族で俺は貧民だ。好きなようにすればいい、それが俺とあんただ!!!」
「ルキエルっ」
「あんたは俺の許可がなくったって、俺の名前を呼ぶ。それが全てだ」
「っ!?」
 ルキエルの絶望は深い。私の胸から顔をあげた時には、ルキエルはもう泣いていない。ただ、全てを諦めたような目で笑って、私に口づけする。
「こうやって、あんたは俺の体を好きにすればいい。そして、俺はあんたから、道具を貰う。そういう関係だ」
 最初はそうだった。だが、それもどんどんと変わっていた。
 今は、ルキエルが一泊しても、手を出すことはない。ルキエルが人肌欲しさに私の私室で休むが、それだけだ。そうやって、側に置くことで、私は満足できるようになっていた。
 ルキエルは私の過去に嫉妬して、疑って、信じなくて、そういう様子を見て、私は安心する。私はルキエルの中で、特別な何かになっているな、と。
 だけど、それは私が一方的に思っていることだ。ルキエル自身はそうではない。
 私が酷い罰を与えたことで、ルキエルは押し隠していた本音をさらけ出した。それを見た私は、ルキエルに手を出すことなく、部屋を出た。

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