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狐の悪戯
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そんな話だった。
聞いて、僕はこの綺麗な人と距離をとった。こいつ、人じゃないな!!
「こらこら、私はれっきとした人だ。ここに出てくる綺麗な男は私の先祖だ。この後、長者の家で娘と再会する締めとなっているんだが、そこは蛇足なので、話さないことにしている」
「紛らわしいな!!」
「ちょっと怖い感じがして面白いだろう」
確かに、とついつい頷いてしまう。その蛇足がなければ、車を捨てて、ここから逃げ出していただろう。
「というわけで、こういう話がいくつもあるんだ」
「ただの悪戯、というわけではないのか。じゃあ、ここで一泊するしかないか」
「そうだが、子どもを車に寝かせたままは、よくないだろう。布団を用意するから、子どもだけでも、部屋に寝かせてあげなさい」
「子ども?」
おかしなことをいわれて、僕は後ろを見る。子どもなんて、いない。
あの綺麗な人は、タバコの火を消して、家に戻っていく。あの人には、子どもが見えているという。
車内灯をつけても、どこにも子どもなんていない。先ほどの話に照らし合わせてみる。
年寄りには、綺麗な男の姿が見えていなかった。
僕には、子どもの姿は見えていない。
地蔵の後ろに隠れていた長者の娘を年寄りは見つけられなかった。
符合のようなものを感じた。僕は子どもを探した。いるのだ、どこかに。
僕はトランクをあけた。いた!!
いつからいたのだろうか。顔を真っ赤にさせている子どもだ。昼の車の中は暑い。熱中症となっていた。
その後、あの綺麗な人の対処がよく、子どもの命は助かった。
子どもは、ちょっとした遊びで、トランクが開いていた僕の車に隠れて、出られなくなったのだ。助けを呼んではいたが、助けはなく、その内、暑さで意識を失ってしまったという。
その日から、車を運転する時は、トランクの中も確認するようになった。
聞いて、僕はこの綺麗な人と距離をとった。こいつ、人じゃないな!!
「こらこら、私はれっきとした人だ。ここに出てくる綺麗な男は私の先祖だ。この後、長者の家で娘と再会する締めとなっているんだが、そこは蛇足なので、話さないことにしている」
「紛らわしいな!!」
「ちょっと怖い感じがして面白いだろう」
確かに、とついつい頷いてしまう。その蛇足がなければ、車を捨てて、ここから逃げ出していただろう。
「というわけで、こういう話がいくつもあるんだ」
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「そうだが、子どもを車に寝かせたままは、よくないだろう。布団を用意するから、子どもだけでも、部屋に寝かせてあげなさい」
「子ども?」
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