会談道中

shishamo346

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狐の悪戯

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 そんな話だった。

 聞いて、僕はこの綺麗な人と距離をとった。こいつ、人じゃないな!!


「こらこら、私はれっきとした人だ。ここに出てくる綺麗な男は私の先祖だ。この後、長者の家で娘と再会する締めとなっているんだが、そこは蛇足なので、話さないことにしている」

「紛らわしいな!!」

「ちょっと怖い感じがして面白いだろう」


 確かに、とついつい頷いてしまう。その蛇足がなければ、車を捨てて、ここから逃げ出していただろう。


「というわけで、こういう話がいくつもあるんだ」

「ただの悪戯、というわけではないのか。じゃあ、ここで一泊するしかないか」

「そうだが、子どもを車に寝かせたままは、よくないだろう。布団を用意するから、子どもだけでも、部屋に寝かせてあげなさい」

「子ども?」


 おかしなことをいわれて、僕は後ろを見る。子どもなんて、いない。

 あの綺麗な人は、タバコの火を消して、家に戻っていく。あの人には、子どもが見えているという。

 車内灯をつけても、どこにも子どもなんていない。先ほどの話に照らし合わせてみる。





 年寄りには、綺麗な男の姿が見えていなかった。

 僕には、子どもの姿は見えていない。

 地蔵の後ろに隠れていた長者の娘を年寄りは見つけられなかった。





 符合のようなものを感じた。僕は子どもを探した。いるのだ、どこかに。

 僕はトランクをあけた。いた!!

 いつからいたのだろうか。顔を真っ赤にさせている子どもだ。昼の車の中は暑い。熱中症となっていた。









 その後、あの綺麗な人の対処がよく、子どもの命は助かった。

 子どもは、ちょっとした遊びで、トランクが開いていた僕の車に隠れて、出られなくなったのだ。助けを呼んではいたが、助けはなく、その内、暑さで意識を失ってしまったという。

 その日から、車を運転する時は、トランクの中も確認するようになった。
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