5 / 13
稲荷の過去
しおりを挟む
昔、木野の一族は、村の中ではそれなりの有力者であった。ところが、他所の土地から稲荷神社を引き連れてやってきた有力者によって、没落させられたのだ。
没落した木野の一族は、それまで仲良くやっていた村人たちに石を投げられて、追い出されたという。
追い出されてしまったので、祀っていた神様は村に置いていくしかなかった。
木野の一族がいた屋敷は荒らされ、祀っていた神様の祠も壊されたという。
それから、村では原因不明の病気が流行るようになった。
肌のあちこちに、わけのわからない発疹が出来た。発熱もあり、村人全て、動けなくなったという。
稲荷神社を引き連れてやってきた有力者は、商売全て、失敗した。立派な稲荷神社はあるだけで、誰も祀ることが出来なくなった。
そんな不幸が続いているところに、旅の修験者がやってきていう。
『とんでもない祟り神がいます。この祟り神を鎮めていた一族はどうしたのですか? 祟り神が怒って、災いを振り撒いています。このままでいくと、死人が出てきますよ』
旅の修験者の言葉に、まだ、動ける者たちは、木野の一族を探した。
木野の一族は隣り村で、質素に暮らしていた。石を投げた村人たちは、木野の一族に土下座をしていう。
『どうか、祟り神を鎮めてください』
『もう、こちらで暮らしています。あなたたちで祀ればいい。難しいことではない』
『そんな恐ろしいものを祀るだなんて!?』
『祀るのは、誰でもいい。あんたでも、そこのあんたでもいいんだ。ただ、祀ればいいんだ。それで、満足する』
『どうか、助けてくれ!?』
『私たちはいつもやってきたことだ。それも、もう出来なくなった。我々にも生きていくための生活がある。今更だ』
木野の一族は断った。今更な話だったからだ。
何故、断ったか? 祟り神だけでも持ちだしたかったのだが、それを邪魔したのは村人たちだった。着の身着のままで追い出されたのだ。
そのことを言ってやれば、村人たちは泣くしかない。まさに、その通りなのだ。持ちだすことを許さなかった村人が悪いのだ。
『知らなかったんだ!!』
そこに、子どもが叫んだ。
『あんたたちが、そんなすごいものを祀ってるなんて、誰も知らなかったんだ!!』
子どもは泣いて頭を下げる。
子どもまで出てきてしまったので、木野の一族は、村に戻るしかなかった。
そうして、屋敷も祠も綺麗に戻して、木野の一族は、有力者ではなく、ただの村人としてひっそりと祟り神を鎮め続けたという。
没落した木野の一族は、それまで仲良くやっていた村人たちに石を投げられて、追い出されたという。
追い出されてしまったので、祀っていた神様は村に置いていくしかなかった。
木野の一族がいた屋敷は荒らされ、祀っていた神様の祠も壊されたという。
それから、村では原因不明の病気が流行るようになった。
肌のあちこちに、わけのわからない発疹が出来た。発熱もあり、村人全て、動けなくなったという。
稲荷神社を引き連れてやってきた有力者は、商売全て、失敗した。立派な稲荷神社はあるだけで、誰も祀ることが出来なくなった。
そんな不幸が続いているところに、旅の修験者がやってきていう。
『とんでもない祟り神がいます。この祟り神を鎮めていた一族はどうしたのですか? 祟り神が怒って、災いを振り撒いています。このままでいくと、死人が出てきますよ』
旅の修験者の言葉に、まだ、動ける者たちは、木野の一族を探した。
木野の一族は隣り村で、質素に暮らしていた。石を投げた村人たちは、木野の一族に土下座をしていう。
『どうか、祟り神を鎮めてください』
『もう、こちらで暮らしています。あなたたちで祀ればいい。難しいことではない』
『そんな恐ろしいものを祀るだなんて!?』
『祀るのは、誰でもいい。あんたでも、そこのあんたでもいいんだ。ただ、祀ればいいんだ。それで、満足する』
『どうか、助けてくれ!?』
『私たちはいつもやってきたことだ。それも、もう出来なくなった。我々にも生きていくための生活がある。今更だ』
木野の一族は断った。今更な話だったからだ。
何故、断ったか? 祟り神だけでも持ちだしたかったのだが、それを邪魔したのは村人たちだった。着の身着のままで追い出されたのだ。
そのことを言ってやれば、村人たちは泣くしかない。まさに、その通りなのだ。持ちだすことを許さなかった村人が悪いのだ。
『知らなかったんだ!!』
そこに、子どもが叫んだ。
『あんたたちが、そんなすごいものを祀ってるなんて、誰も知らなかったんだ!!』
子どもは泣いて頭を下げる。
子どもまで出てきてしまったので、木野の一族は、村に戻るしかなかった。
そうして、屋敷も祠も綺麗に戻して、木野の一族は、有力者ではなく、ただの村人としてひっそりと祟り神を鎮め続けたという。
0
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
それなりに怖い話。
只野誠
ホラー
これは創作です。
実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。
本当に、実際に起きた話ではございません。
なので、安心して読むことができます。
オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。
不定期に章を追加していきます。
2026/1/13:『こえ』の章を追加。2026/1/20の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/12:『あけてはいけない』の章を追加。2026/1/19の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/11:『みきさー』の章を追加。2026/1/18の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/10:『つかまれる』の章を追加。2026/1/17の朝8時頃より公開開始予定。
2026/1/9:『ゆうじんのかお』の章を追加。2026/1/16の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/8:『ついてきたもの』の章を追加。2026/1/15の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/7:『かわぞいのみち』の章を追加。2026/1/14の朝4時頃より公開開始予定。
※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる