バグスラ!バグった世界でハック&スラッシュ

東雲はち

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これが醍醐味ってワケ

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初めての戦闘を終えた悠はまだ始まりの草原をゆっくりと歩いていた。

「さてと...村っぽい所に向かうついでにほかのモンスターも倒してレベル上げとアイテムを集めてみたいが...倒せそうな奴はいるかな...」

草や花が生い茂る草原を歩きながら辺りを見回しながら先へと進む。
道すがらスライムがまたポップしていたので倒してみたが、同じくスライムゼリーしかドロップしなかった。
どうやらインベントリの中で上限は分からないが同じアイテムはスタックして持てるようなのでそこはありがたい。

「うーん、アナライズを見た限りスライムの固有ドロップアイテムがもう一つあるみたいなんだけどレアドロなのか落とさないな」

地面にドロップしたキューブを拾い集めながら悠はそんなことをぼんやりと考えていた。
レアドロがあるなら落ちるまで粘りたい、しかしまずは村に向かうべきか。
そんな葛藤をしながらも草原を冒険していく。

「にしてもちょっと休めばHPもMPも回復してくれて助かったよ、戦闘中は回復しないみたいだけどね...」

その為効率は少し落ちるがスライムを倒しては休み、倒しては休みという感じで悠は冒険を続けていた。
それで10匹ぐらいのブルースライムを倒したが、今のところスライムゼリー以外はドロップしていない。

「まぁ歩いてて分かったけどスライムはそこら中にいるし、ドロップ率低くてもおかしくないか」

どういう仕組みなのかは分からないが丘の上から見た時は草原はなにも居なく広いだけに見えたが、実際に歩いているとスライムがよく飛び跳ねているを見かけている。
ゲームのような世界と言っていたし、ポップ方法などや処理落ち対策などそういうのも考えられているのだろうか。

「にしても一向にレベルも上がらないし村も遠いな...スライム10匹で経験値半分ぐらいか」

ステータス画面を開き眺めながら悠は経験値バーを確認する。
次のレベルまで150/300と表示されている、スライム一匹で15経験値なのだろうか。

「村まで行きたい所だけどレアドロかもしれない物があるとゲーマーの本能が疼く!頑張ってスライム倒すかぁ!」

パジャマ姿のデバッカーはそう決意をして歩きスライム狩りを続行するのであった。
そうしてレベルが2に上がった時ーーー。

「【スラッシュ】!【スラッシュ】!ふぅ、これで30匹目でレベルも2に上がるはず...お!さっきまでのスライムゼリーのドロップキューブは全面灰色だったけど、このキューブは白色だな...もしや!」

悠は白キューブを拾い上げて握りしめ、拾ったアイテムをインベントリ画面で確認する。

「えーっと、『スライムコア:低級スライム系モンスターのレアドロップ。レアと記載したがスライム系を狩っていれば自然と集まっているだろう。使用用途は装備へのエンチャント媒体で特性【スライムボディ】を一定確率で付与することが出来る』...まぁそこらへんにうじゃうじゃ居たしな、でもこれでアナライズの項目が埋まったな!それにレベル上がったからスキルポイントを振らないと...!」

悠はついでにスキルツリーを開いてポイントが1増えていることを確認して、どのスキルに振ろうか考える。

「んー、【スラッシュ】をこのまま上げていくかほか二つを取るかだよな...スキルツリーの先にある【ハイ・スラッシュ】を習得するには【スラッシュ】に3ポイント振る必要がある...か、とりあえず一つのスキルを極めるのが強いと思うから【スラッシュ】をレベル2に上げようかな」

表示されているスキルツリー画面で【スラッシュ】のスキルアイコンを選択してポイントを割り振る。
レベル2に上がったことで威力が上がったが同時に消費MPも少し増えたようだ。

「よし、にしてもスライムしかいないんだけど確か最初に周りを見たとき鹿みたいなモンスターも居たと思うんだけど...見つからないな」

スライム狩りにひとまず満足した悠は草原に降り立った時に見た記憶がある別のモンスターを探すことにした。
スライムとは違い攻撃性能も高そうな、悠の元々いた世界にも居た野生動物のように襲ってきそうな気がするがどうなのだろうか。

「スライムを30匹狩ってる時に出会えないということは出現確率が低いレアモンスターなのか?それとも条件が設定されていて満たさないと出てこないとか...うーん、とりあえず目を凝らして歩き回って見るか」

悠は草原を走り回って調べてみることにした。
どうやらこの世界のモンスターの出現は何パターンかあるようで、遠くからも確認できる固定で湧いているモンスター、自分の周りに定期的に表れるモンスター、そのほかにも様々なパターンがあるようだ。

「歩けども歩けども、ブルースライムばかりだな...俺が見たあのモンスターは幻影だったのか...?」

そうして悠が一息吐こうと生えていた木に寄りかかり、座ってインベントリなどを確認していると。

「ん、なんかインベントリのタブのこれは...メール?の所が1って光ってるけど確認するか。えーっと『件名:説明書バグを修正致しました 本文:アルカディアシステムサポートデスク、アーゼンと申します。この度は当システムのバグ報告にご協力して頂きありがとうございます、つきましては件の説明書の表示が出来ない問題を解決致しましたのでそのご連絡になります。このメールを開いた時点で自動的に修正パッチが適応されていますのご安心ください。また何かバグを発見いたしましたらご報告をお待ちしております。そしてバグ修正のお礼としてスタージェム100個を付与しておきましたのでそちらも合わせてご確認ください』」

メールは転生するときに応接室の様な所で出会った仕事の出来そうな金髪イケメンの神からだった。
内容は説明書が直ったというのと課金通貨の様なスタージェムを送って置いたとの事。

「どれどれ...っと、おぉ!本当に説明書も戻ってるしなんかステータスの所にスタージェム100って書いてあるな、とりあえずインベントリを大きくするかどうするかなだな。この感じだと使い道は多そうだし、取って置くのもありか...」

悠はステータス画面とにらめっこしながら使い道をどうしようか悩んでいる。
1000Gで100スタージェムだったのでその価値がまだ分からないのも悠を悩ませる要因だ。

「とりあえず取って置くか、さて直った説明書とやらに何が書いてあるか確かめてみるか...」





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