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おぉ冒険者よ、まだ冒険を始められないとは情けない
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何とかバグレポートを送信し終えた悠はふぅと一息吐いて画面を閉じる。
「にしても説明書、これすぐ直るのかな...?とりあえず手探りで先へ進むしかないか、死んでも大丈夫って言われてるしな」
バグっている説明書をインベントリに戻した後、開いていた様々な画面を閉じて目の前に広がる草原を眺めてみる。
ただ平面に広いだけではなく丘になっていたり、岩場や草木の生い茂る場所があったり遠くには川のような場所も見ることが出来る。
「さて、どこに向かえばいいのかと。夜になって野宿は嫌だからよくある最初の町にたどり着けるなら良いけど。ていうかチュートリアルで一本道じゃないのは大丈夫なのか...」
立ち止まっていても仕方がないので初心者装備セット(パジャマ姿)のまま草原を歩いていく。
スリッパを履いているが装備システムのおかげなのか身体にフィットして走っても脱げる気配がない。
「普通チュートリアル戦闘とかあるべきだよな、それか戦いになったら何か表示されるとか?」
悠は草原を見渡しつつ遠くまで見通せるだろうと丘になっている部分を上りながら進んでいく。
丘を登り切った悠の眼前には草原の様々なエリアが広がっていた。
「おぉ...大自然って感じだな!あっちのほうには川が見えるし、んー遠くに見えるのは村か...?大分遠いけど建物のような気もする」
手のひらを水平におでこに当てて遠くまできょろきょろと地形を確認している。
他にも最初に見えていた謎の生物たちがまばらに存在しているのも見えた。
「とにかくここから真っ直ぐか、あの村っぽいところまで行ってみよう」
緩やかに下っている坂道を下りながら悠は村だと思った場所へと進んでいく。
遠くに見えただけなのでどれくらいかかるか分からないが、当てもなくフラフラするよりは良いだろう。
「にしてもこうやって身体を動かすこともあまりなかったはずだけど、息も上がらないし元気だな。ゲームを基にした世界だからスタミナとか概念がありそうだけど...まぁ、ゲームで操作キャラが疲れる事なんてあまりないし考えなくてもいいか」
そんなことを考えながら丘の下まで降りてきた悠はついに初めての戦闘になりそうな雰囲気を感じ取った。
「...水色で弾力のありそうでバランスボールぐらいの大きさ球体が二つ目の前で意志を持つように跳ねている、これはまさか最初のステージにいるモンスターナンバーワン!スライムか!」
そのスライムだろうと思われる生物は草原の草の上で何をするわけでもなく、ぽよんぽよんと二匹で跳ねている。
暫くその動きを観察したあと、思い出したように悠はアナライズでスライムを調べてみる。
「えーっと『ブルースライム HP10 MP5 攻撃方法 体当たり 使用スキル プチヒール 固有ドロップアイテム【???(未確認のため未表示)】【???】モンスター説明:魔力の存在する場所で気が付くと生まれているモンスター、攻撃されない限りは襲ってこないが体当たりでぶつかってくる以外してこない。傷ついた仲間をプチヒールで回復することがある』なるほど...」
アナライズはめちゃくちゃ有能なスキルだと感心しながら悠はブルースライム二匹が跳ねている様を眺めている。
「襲ってこないとは書いてあったけど戦闘してみたいし戦ってみるか...!」
悠は木の剣と木の盾を構えながらじりじりとスライムに近づいていく。
「ごめんなスライム...!【スラッシュ】!」
悠はスラッシュと叫ぶと木の初心者剣が淡く発光して、その後の悠のぎこちない攻撃でもブルースライム1匹はべちゃりと身体を保てなくなってその後消滅してしまった。
「おお...倒せたぞ!」
そんな達成感を感じているともう一匹のスライムが悠に体当たりで攻撃してきた。
「おわっ!こっちは通常攻撃で倒してやる!」
そう言って悠はぎこちない攻撃とぎこちない防御を盾でしながらも初めての戦闘は終わった。
するとスライムが消滅した場所には、初心者装備が入っていた宝箱の中身と同じようなキューブがドロップしていた。
「やれやれ...実際に剣で攻撃するのは難しいな...っとこれがドロップアイテムかな?」
落ちているキューブを拾い上げてインベントリへと収納する。
「えーっと拾ったのは【スライムゼリー:素材アイテム 塗り薬や軟膏などに少量使われる素材 沢山手に入るので買取は安い】か。まぁそうだよな、装備とか手に入る訳はないか」
そう言って次はステータス画面を眺めてみる、HPが少し減っているのとスラッシュを使用したからかMPも減っている。
代わりに経験値と書かれていたゲージが少しだけ埋まっていた。
「今のちょっとした戦闘でも意外と大変だったな、これがもっと好戦的なモンスターとかだったら戦っていけるのか...!」
そんな不安を感じながらも、ふぅと息を吐いて剣と盾を背中にしまって悠は一息つく。
「でも怖がらないでちらっと見えた鹿みたいなモンスターも倒さないとな、とりあえずレベル上げしつつ村に向かおう!」
まだまだ村は遠い場所に見えるが悠は草原を期待と不安を感じながらも進んでいくことにした。
「にしても説明書、これすぐ直るのかな...?とりあえず手探りで先へ進むしかないか、死んでも大丈夫って言われてるしな」
バグっている説明書をインベントリに戻した後、開いていた様々な画面を閉じて目の前に広がる草原を眺めてみる。
ただ平面に広いだけではなく丘になっていたり、岩場や草木の生い茂る場所があったり遠くには川のような場所も見ることが出来る。
「さて、どこに向かえばいいのかと。夜になって野宿は嫌だからよくある最初の町にたどり着けるなら良いけど。ていうかチュートリアルで一本道じゃないのは大丈夫なのか...」
立ち止まっていても仕方がないので初心者装備セット(パジャマ姿)のまま草原を歩いていく。
スリッパを履いているが装備システムのおかげなのか身体にフィットして走っても脱げる気配がない。
「普通チュートリアル戦闘とかあるべきだよな、それか戦いになったら何か表示されるとか?」
悠は草原を見渡しつつ遠くまで見通せるだろうと丘になっている部分を上りながら進んでいく。
丘を登り切った悠の眼前には草原の様々なエリアが広がっていた。
「おぉ...大自然って感じだな!あっちのほうには川が見えるし、んー遠くに見えるのは村か...?大分遠いけど建物のような気もする」
手のひらを水平におでこに当てて遠くまできょろきょろと地形を確認している。
他にも最初に見えていた謎の生物たちがまばらに存在しているのも見えた。
「とにかくここから真っ直ぐか、あの村っぽいところまで行ってみよう」
緩やかに下っている坂道を下りながら悠は村だと思った場所へと進んでいく。
遠くに見えただけなのでどれくらいかかるか分からないが、当てもなくフラフラするよりは良いだろう。
「にしてもこうやって身体を動かすこともあまりなかったはずだけど、息も上がらないし元気だな。ゲームを基にした世界だからスタミナとか概念がありそうだけど...まぁ、ゲームで操作キャラが疲れる事なんてあまりないし考えなくてもいいか」
そんなことを考えながら丘の下まで降りてきた悠はついに初めての戦闘になりそうな雰囲気を感じ取った。
「...水色で弾力のありそうでバランスボールぐらいの大きさ球体が二つ目の前で意志を持つように跳ねている、これはまさか最初のステージにいるモンスターナンバーワン!スライムか!」
そのスライムだろうと思われる生物は草原の草の上で何をするわけでもなく、ぽよんぽよんと二匹で跳ねている。
暫くその動きを観察したあと、思い出したように悠はアナライズでスライムを調べてみる。
「えーっと『ブルースライム HP10 MP5 攻撃方法 体当たり 使用スキル プチヒール 固有ドロップアイテム【???(未確認のため未表示)】【???】モンスター説明:魔力の存在する場所で気が付くと生まれているモンスター、攻撃されない限りは襲ってこないが体当たりでぶつかってくる以外してこない。傷ついた仲間をプチヒールで回復することがある』なるほど...」
アナライズはめちゃくちゃ有能なスキルだと感心しながら悠はブルースライム二匹が跳ねている様を眺めている。
「襲ってこないとは書いてあったけど戦闘してみたいし戦ってみるか...!」
悠は木の剣と木の盾を構えながらじりじりとスライムに近づいていく。
「ごめんなスライム...!【スラッシュ】!」
悠はスラッシュと叫ぶと木の初心者剣が淡く発光して、その後の悠のぎこちない攻撃でもブルースライム1匹はべちゃりと身体を保てなくなってその後消滅してしまった。
「おお...倒せたぞ!」
そんな達成感を感じているともう一匹のスライムが悠に体当たりで攻撃してきた。
「おわっ!こっちは通常攻撃で倒してやる!」
そう言って悠はぎこちない攻撃とぎこちない防御を盾でしながらも初めての戦闘は終わった。
するとスライムが消滅した場所には、初心者装備が入っていた宝箱の中身と同じようなキューブがドロップしていた。
「やれやれ...実際に剣で攻撃するのは難しいな...っとこれがドロップアイテムかな?」
落ちているキューブを拾い上げてインベントリへと収納する。
「えーっと拾ったのは【スライムゼリー:素材アイテム 塗り薬や軟膏などに少量使われる素材 沢山手に入るので買取は安い】か。まぁそうだよな、装備とか手に入る訳はないか」
そう言って次はステータス画面を眺めてみる、HPが少し減っているのとスラッシュを使用したからかMPも減っている。
代わりに経験値と書かれていたゲージが少しだけ埋まっていた。
「今のちょっとした戦闘でも意外と大変だったな、これがもっと好戦的なモンスターとかだったら戦っていけるのか...!」
そんな不安を感じながらも、ふぅと息を吐いて剣と盾を背中にしまって悠は一息つく。
「でも怖がらないでちらっと見えた鹿みたいなモンスターも倒さないとな、とりあえずレベル上げしつつ村に向かおう!」
まだまだ村は遠い場所に見えるが悠は草原を期待と不安を感じながらも進んでいくことにした。
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