16 / 24
香り
しおりを挟む
「ラフィエル、教皇と王太子を、目立たない様呼び出す事は出来るか?」
「こちらにですか?……少々時間はかかりますが、可能です。」
「頼めるか?」
「はい…」
それから一週間。俺達は庭でピクニックをしていた。
執事が教皇と王太子を連れてきた。
「皆さまこちらでお待ちです。………どうぞ」
足を進める二人の前に俺がいる………黒銀の俺が。
目を見開き立ち止まった教皇が
「あぁ………黒…銀様……何と!」
その場で跪き頭を下げる。
それに倣い、教皇の隣で王太子が、臣下の礼をとる。
俺はりるを見ながら声をかける。
「リル、あいつらに俺の前へ来て右手の手のひらを見せるように言ってくれ!」
「はい。」
「初めまして、黒銀の乙女に選ばれました、リシュール.メリルです。黒銀様の、お言葉をお伝えします。黒銀様の側へ来て、右手の手のひらを出して下さい」
二人はリルの言葉を聞き、俺の側へきた。
「まだ、遠い。」
「もう少しお側にお願いします。」
側へ来た二人の掌に、鼻先をつける。
「聞こえるか?」
黒銀の声を聞けるのは許された者。
「おぉぉぉ!聞こえます!黒銀様のお声が!!」
そう言って、また泣き出す。その隣で王太子までボロボロ泣いている。
「泣くな、鬱陶しい!」
暫く他愛もない話をした。
「リル、そろそろダンスの時間だろう?」
「はい、行ってまいります。」
そう言って離れて行く。」
護衛に付いて行こうとするマークを呼び止める。
「マーク、お前も残れ。それと、服を取ってくれ!」
それを聞いて、残っていたメイドや侍女達が離れて行く。
それを確かめ、俺は人型をとる。服を着終わると
「リルや侍女達も遠ざけてどうしました?」
「あぁ」
「リルも、もうすぐ12才だな。」
「はい。」
「最近、リルから甘い香りがする……」
「香り………ですか?」
「そうだ、近いうち初潮を迎えるだろう。」
「しょっ………」………ラフィエル
「////」………王太子
「えっ!!!」………マーク
「ほぅ……」………教皇
「リルに初潮が来たら、暫く離れる!」
「何故……?」
「俺は、フェンリル。黒銀と崇められても、やはり獣だ…」
「甘い血の香りがすれば……」
「ありがとうございます。娘を思って………」
「お前の大切な娘だが、俺にも、大切な愛しい乙女だ……傷つけたくは無い…」
「その間、ジェームス、黒銀の館へ行く……お前の顔を見れば落ち着くだろう」
「私の顔で良ければ、いつでもお貸ししましょう」
「こちらにですか?……少々時間はかかりますが、可能です。」
「頼めるか?」
「はい…」
それから一週間。俺達は庭でピクニックをしていた。
執事が教皇と王太子を連れてきた。
「皆さまこちらでお待ちです。………どうぞ」
足を進める二人の前に俺がいる………黒銀の俺が。
目を見開き立ち止まった教皇が
「あぁ………黒…銀様……何と!」
その場で跪き頭を下げる。
それに倣い、教皇の隣で王太子が、臣下の礼をとる。
俺はりるを見ながら声をかける。
「リル、あいつらに俺の前へ来て右手の手のひらを見せるように言ってくれ!」
「はい。」
「初めまして、黒銀の乙女に選ばれました、リシュール.メリルです。黒銀様の、お言葉をお伝えします。黒銀様の側へ来て、右手の手のひらを出して下さい」
二人はリルの言葉を聞き、俺の側へきた。
「まだ、遠い。」
「もう少しお側にお願いします。」
側へ来た二人の掌に、鼻先をつける。
「聞こえるか?」
黒銀の声を聞けるのは許された者。
「おぉぉぉ!聞こえます!黒銀様のお声が!!」
そう言って、また泣き出す。その隣で王太子までボロボロ泣いている。
「泣くな、鬱陶しい!」
暫く他愛もない話をした。
「リル、そろそろダンスの時間だろう?」
「はい、行ってまいります。」
そう言って離れて行く。」
護衛に付いて行こうとするマークを呼び止める。
「マーク、お前も残れ。それと、服を取ってくれ!」
それを聞いて、残っていたメイドや侍女達が離れて行く。
それを確かめ、俺は人型をとる。服を着終わると
「リルや侍女達も遠ざけてどうしました?」
「あぁ」
「リルも、もうすぐ12才だな。」
「はい。」
「最近、リルから甘い香りがする……」
「香り………ですか?」
「そうだ、近いうち初潮を迎えるだろう。」
「しょっ………」………ラフィエル
「////」………王太子
「えっ!!!」………マーク
「ほぅ……」………教皇
「リルに初潮が来たら、暫く離れる!」
「何故……?」
「俺は、フェンリル。黒銀と崇められても、やはり獣だ…」
「甘い血の香りがすれば……」
「ありがとうございます。娘を思って………」
「お前の大切な娘だが、俺にも、大切な愛しい乙女だ……傷つけたくは無い…」
「その間、ジェームス、黒銀の館へ行く……お前の顔を見れば落ち着くだろう」
「私の顔で良ければ、いつでもお貸ししましょう」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
君は番じゃ無かったと言われた王宮からの帰り道、本物の番に拾われました
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ココはフラワーテイル王国と言います。確率は少ないけど、番に出会うと匂いで分かると言います。かく言う、私の両親は番だったみたいで、未だに甘い匂いがするって言って、ラブラブです。私もそんな両親みたいになりたいっ!と思っていたのに、私に番宣言した人からは、甘い匂いがしません。しかも、番じゃなかったなんて言い出しました。番婚約破棄?そんなの聞いた事無いわっ!!
打ちひしがれたライムは王宮からの帰り道、本物の番に出会えちゃいます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる