Tokyo2100

文字の大きさ
1 / 1

西暦2100年

しおりを挟む
ここは西暦2100年東京


今や、その人口も300万人を下回るというところだ。

しかし、かつてのこの国の首都ではない。


何事も不平等だと言う声が高まり首都という概念すら無くなった。


男女も、もちろん平等でそもそも「性別」という言葉自体差別用語だという世の中。


日本はもはや先進国でも無くなり周りの国の顔色を伺う弱気な国になっていた。


そして、この国の総理大臣は存在するが特別な権利はなく他の政治家も平等で皆平均的に同じ権利を有する。全て多数決をとり物事を決めている。


他国に比べ法律も厳しい。


特に平等に反する行動、言動は厳しくとりしまれる。

2000年前後から見ると


例えば学校での部活動


シュ!


ズバン!


「ストライク!バッターアウト!」


生徒A「おーい…下手だなあ、何やってんだよ」


生徒B「お、おい言い過ぎにも程があるだろ……」


教師「おい!誹謗中傷発言だぞ!こっち来い!」


夜のニュースです。

○×高校で誹謗中傷発言があったとして教育委員会はこの部活動の停止を勧告しました。


このように一言で大問題になる。


全ての人が全ての人を監視し合う世の中で通信機器、家電、車、街灯、自販機、などのありとあらゆる場所、物にカメラ、マイクが設置されている。


歩行者信号が点滅し始めてから横断なんかしようものなら大炎上である。

動画サイト、朝のニュースでとりあげられ家に報道陣、配信者が押し寄せてくる。


平等という観点を達成するため税率も高く消費税は40%、所得税は50%を越え最低賃金は時給4800円。

国からの手当は子供手当、大人手当、生活手当、独身手当、失業手当、仕事手当、病気手当、健康手当などなど、手当だけで20項目は越える。


稼ぐと平均値まで税金で取られ足りないと税金で補填さらる。


恋愛に関してもお互い発言に気を付けながら告白し返事をしなくてはいけない。


告白されOKする分には問題は起こりにくいが、問題は断る時である。


「ごめんなさい」

「な、なんで?」

「わ、私のタイプでは無いので…」

「差別だあー」


このやり取りで大炎上である。

断り方ひとつでSNSでは批判殺到、テレビの報道合戦が始まる。

「また断ったのかよ」

「なんで断るんだ?」

「見た目で差別するな!」

などと批判される。

恋愛に関しての発言一つでも命に関わるような世の中なのだ。


国民は6000万人で2000年前期と比べると

減少し続けている。

それは何故なのか? 

婚姻率は断ると大炎上するので高いのだが出産率は低い。これは少子化に繋がる原因でもある。

子供が産まれないと人口は減り続ける一方だ。


2000年代中期に資産を保有する多くの国民が海外へ移住したのも原因と見られている。


かつての先進国の姿は無く大国の言いなりの国である。


国土も狭くなり北海道はロシア、沖縄は中国、佐渡島は韓国に侵略された。


こんな冷え切った日本ではあまりにも税率が高いせいか物々交換が流行していた。

最初は農家同士が自分の所で作っていない野菜を交換し始めたのがきっかけで話題になりそれに注目した会社が物々交換サイト、アプリを立ち上げた。

鶏肉500gと牛乳3L

靴下3足と石鹸

など生活必需品に広がり中には食料品での支払い可能な洋服屋、美容室など現金を使わず税金を収めない人々が増えていった。


このような国民の動きもあり税収は減り足りなくなると税率を上げるという


悪循環に陥り政府への信頼度も低下していった。


そして、ついに政府はある決断をする事になる。

その日、世界のメディアが一斉に日本のトップニュースを流した。

日本政府は国民の少子化を謳う為 多夫多妻制の導入を発表した。


多夫多妻制とはその名の通り重婚を合法可したのだ。これにより出生率が上がる事を期待しているという発表だった。

当然反発もあったが賛成派も多く結局は可決された。


ただトラブルも多くなる事が予想されていたので政府が管理しやすいように法律を整備して3人以上とは結婚出来ないようにした。


しかし家庭という形は無くなり夫婦で育児を押し付け合うように

なっていく。

これが日本を衰退させていった原因の一つだとも言われている。


専門家によると100年以内に日本が無くなる可能性は98.69%とも言われている……
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ボディチェンジウォッチ

廣瀬純七
SF
体を交換できる腕時計で体を交換する男女の話

リボーン&リライフ

廣瀬純七
SF
性別を変えて過去に戻って人生をやり直す男の話

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

リアルメイドドール

廣瀬純七
SF
リアルなメイドドールが届いた西山健太の不思議な共同生活の話

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

処理中です...