入社した会社でぼくがあたしになる話

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新生活

美容サロン2

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そしてオープン当日。

私は朝早くから起きて開店の準備をしていた。

亜美さんも既に準備していて、私は店舗のチェックと掃除をしているとあっという間に開店の時間になってしまった。

「亜美さん、そろそろ時間ですよ」

「はいはい、今行くよ」

私は2階の店舗に行くとお客様用のソファーに腰掛けて待っていた。

暫くすると先日近所に配布したチラシを持った方が続々とやってきた。

「おはようございます、今日から宜しくお願いします」

「こちらこそ、オープンおめでとうございます」

「ありがとうございます、今日はどうしましょうか?」

「髪のカラーとトリートメントお願いします」

「かしこましました」

亜美さんはテキパキと施術をして予約のお客様を次々と捌いていく。

私はお待たせしているお客様にお茶を出したりしてサポートをした。

亜美さんが忙しい時には私が接客をしたりして何とか初日を乗り越えることができた。

「亜美さん、お疲れ様です」

「ユウちゃんもお疲れ様、なんとか無事に終わったね」

「そうですね、皆さん喜んでくれていたので良かったです」

こうして私達の新しい仕事は順調にスタートした。


お店の方は大盛況で連日予約がいっぱいである日の事だった。


「今日は貸し切りで予約は1名様だけなのよね~」


「そうなんですね、どんな人なんでしょうね?」

「ね~ヘアからエステ、ネイルまでフルコースで貸し切りたいって言われてね」


すると開店時間になり一組の親子が来店してきた。

少し派手なお母さんと長髪の男の子?だった。


「いらっしゃいませ~」


「こんにちわ~今日はスミマセン貸し切りにしていただいて…」


「いえ、大丈夫です。今日はどのような感じに致しましょうか?」


「今日はこの子なんですけど……」


「あら、綺麗なロングヘアーですね」


「この子を女の子らしく綺麗にして頂きたいんです」


「え?息子さん……ですよね?」


「はい、でも女の子らしくしてほしいんです」


「ママ…僕いやだよ…」


どうやらお母さんの要望で息子(16才)を女の子のようにしてほしいらしい…


「えっとお母様、お子様は学校とかは大丈夫ですか?」


「はい、校則の自由な高校に行ってるので問題はありません」


「あの……もし、ご本人が嫌なら無理しなくても……」


「いえ、お願いします!この子は将来絶対に美人になるので今の内に可愛くしてあげてほしいのです!」


「わ、わかりました。ではこちらへ」



最初にヘアから取り掛かることになり鏡のの前の席へ案内した。


「ほら凜、そこに座りなさい」


「ママ…ぼく今のままでいいよ…」


「ダメよ!これからは女子として生きて行くんだから!」


なんだか凄い気迫だ……。


「さぁ!早く座って!」


「ううぅ……わかったよぉ……」


渋々椅子に座ると私はケープをかけて亜美さんにバトンタッチした。


「お母様どの様な感じに致しますか?」


「そうね、もう16だしカラーとカットは肩にかかるくらいの切りっぱなしのボブにしようかしら?前髪もパツっと切り揃えてやってください」


「かしこまりました。カラーのお色はどうしますか?」


「しっかり色抜いちゃって垢抜けた透明感のあるブラウンがいいかしら」


「ユウちゃん、カラーリングの用意してくれる?」


「はい、了解です」


私は準備に取り掛かりカラー剤を調合していく。その間息子君は不安げに私を見つめていた。


「じゃあ、宜しくお願いします」


そう言うとお母さんは買い物へ出掛けて行った。


亜美さんも手際よく髪を洗ったりトリートメントしたりと着々と準備を進めていった。

そしていよいよカラーの時が来た。


「それじゃあ、染めていきますね」


「はい、お願いします」


亜美さんはカラーの薬剤を塗りながら話しかけた。


「ねぇ、キミ名前はなんていうのかな?」


「……」


「恥ずかしがらないで教えてくれる?」


「……凜」


「素敵な名前ね~凜ちゃんは女の子になりたいの?」


「ママがずーっとぼくを女の子にしたいんだ……だから仕方なく……」


「そっか……大変ね…」


そしてカットが終わりドライヤーで乾かすとそこには明るいブラウンの髪の美少女がいた。


そしてカットも終わりちょうどヘアが終わるタイミングでお母さんも帰ってきた。


「うふっ可愛い♪やっぱり私の目に狂いはなかったわ」


「こんなに変わるとは思いませんでした、凄く似合っていますね」

「あ、もうちょっと前髪短くして下さる?」

「かしこまりました」

そう言うと亜美さんは凜君の前髪を眉上くらいで切り揃えた。

「うんうん♪凜!可愛くなったじゃない。ママの言う通りに間違いは無いのよ」

凜君は恥ずかしそうにしていた。
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