入社した会社でぼくがあたしになる話

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新生活

美容サロン⑧

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それから数日後凛くん親子の来店予約のある日の事だった。

午後2時からの予約だか親子はまだ来店せず私達は待機していた。

「はぁ……遅いなぁ……時間間違えてるのかしら」


「どうしたんですかね……いつもなら20分前にはくるのに…」


それから暫くして、凜君のお母さんがやってきた。

「すみません、遅れちゃって~」

「あ、いらっしゃいませ~」


しかし今日は凛くんは居なかった。


「あれ?今日は凜くんはご一緒では……?」


「……」


(あれ?おかしいなお母様今日は元気ないわね……)


するとお母さんが口を開いた。


「せっかく今日の為にお洋服用意したのにあの子嫌がって着ないどころか外に出ないって部屋から出て来ないのよ……
もう、なんであんな子になっちゃったのかしら……」

どうやら凛ちゃんはお母さんの美容サロン通いについていくのに嫌気がさしたようだった。

「あ、あの……お、お母様……」


私は嫌な予感がしたがお母さんに話しかけた。


「あの…お母様……凛ちゃんはまだ女の子になる気持ちの整理もついて無いのでは……あまり無理にさせるのは…」

「あ、ユウちゃん……」


亜美さんが遮ろうとしたが、お母さんの顔付きが急に変わって激怒してしまった。


「何言ってるの!!」

「あの子は女の子になった方が幸せに決まってるでしょ!!私は凜が可愛い女の子になる為に生きてるのよ!!」

「 それにあの子が女の子にならなきゃ私も不幸になるのよ!!」


(ひぃ!なんか地雷踏んじゃった……)


「あ、ああ……す、すみません……」


(あ~もうダメだ……)


私は今のお母さんに何を言っても無駄だと思ったがひたすら謝罪をした。


「今日は帰ります!!」


「ああ、申し訳ございません…………」


お母さんは大激怒して帰ってしまった。


私は亜美さんにも申し訳なくて涙がこぼれてしまった。


「亜美さん……ごめんなさい…私余計な事を言ってしまって……」


「大丈夫よユウちゃん…ユウちゃんの言ってる事は間違ってなかったわよ‥」


「でも……」


私は泣きながら亜美さんに抱きついていた。

「ユウちゃん…あのお母様はね否定されるとヒステリックになるから言葉選びが難しいのよ…」

亜美さんの言う通りだった…最近穏やかだったからついあのお母様の本質を忘れていた私のミスだった……

「ちょっと辛いけどこれから凛ちゃんのお母様の所へ一緒に行って謝罪しましょ…」


「……グス………はい」


私達の駆け出しの美容サロンとしては凛ちゃん親子はとても貴重なお得意様で亜美さんとしても失うわけにはいかなかった。


「ほらユウちゃん…もう泣かないの…メイク直して行くわよ」


「…はい」


そして私達は凛くん親子の家に向かった。

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