入社した会社でぼくがあたしになる話

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新生活

美容サロン⑨

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サロンのカルテに記載してもらった住所に到着すると二人で暮らしているには大き過ぎる一軒家だった。


「ここね…」

「はい…立派な御宅ですね……」


ピンポーン……

「はーい、どなたでしょうか?」

インターフォンから凛君のお母さんの声が聞こえた。

「すみません、美容サロンの仁科亜美と申しますが……」

亜美さんは恐る恐る言った。
するとドアが勢いよく開いた。

ガチャッ……

「もう、なんですか!!」


(うわ……やっぱり怒ってるし……)


しかし亜美さんが話し出した。


「本日は大変失礼な事を言ってしまって申し訳ございませんでした」


亜美さんは深々と頭を下げた。私も一緒に頭を下げた。

「もう、それで?なんの用ですか?!」

「あの……実はですね……」

亜美さんは、あくまでお母様のご希望を叶えたいと話した。
すると意外にお母さんの態度が変わってきた。

「そ、そう……私また悪い癖が出てしまったみたいね……あの子の事になるとついカッとなってしまって……」

亜美さんが優しく諭した。


「いえ、凛ちゃんの事を大事に思っていらっしゃるならきっと凛ちゃんも、わかってくれますし、もっと可愛らしい娘さんになると思いますよ」


(ん?なんか急にお母様の表情が変わったな)


「そうね……あの子は息子から私の大事な可愛い一人娘になるんだものね……」


そう言うと凛ちゃんのお母さんが家に招き入れリビングに案内され、亜美さんは凛ちゃんの事は触れずに他愛もない話をしながらお母さんのご機嫌を取ることにした。


「それにしてもお母様お肌がどんどん綺麗になられて~」


「ふふっ、本当?嬉しいわ」


それから暫くすると凛くんがリビングにやってきた。


「あら、凛………」


「ママ……ゴメンナサイ…」


「凛ちゃん、こんにち……」


私と亜美さんが凛ちゃんに挨拶しようとした瞬間…


「いいのよ!凛!ママの気持ちわかってくれたのね!!」


と凛ちゃんを抱きしめ頭を撫で、私と亜美さんは唖然としてしまった。

「マ、ママ……」

「仁科さん今からでもサロンお願いしていいかしら?」


「え、ええ…もちろん大丈夫です」


「じゃあちょっと準備してきます!」


そう言うとお母さんは凛ちゃんを連れて二階へ行った。

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