朝靄の歩道橋

ココロボ何某

文字の大きさ
7 / 7
春の終わり

歩道橋~エピローグ

しおりを挟む

雨が降り出した夜の次の日、真弓に会って全部話した。

あの時散々泣いた分・・・ふざけながら話した分・・・感傷的にならずに話せた。



それから数日。
真弓から連絡が来て私の家に来ることになった。




歩道橋ほどうきょう(旧タイトル 朝靄あさもや)

『午前二時
歩道橋の上
君に触れた

意味なんか無くて
体温なんか無くて

君にただ触れた


街は静かに
呼吸して

かすかに響いた
私の声だけ


さよなら…
笑ってたけど
雨の中泣いてたんだ
この顔はやっぱり
君が言うように似合わなかったよね



朝日が
夏風の中触れる

夢なんか無くて
理想なんか無くて


君とただ居たかった




荒くなった
呼吸して


昨日からの大雨は
この恋を溶かしてしまうよ



さよなら…
笑ってたけど
雨の中泣いてたんだ
この顔はやっぱり
君が言うように似合わなかったよね』






私の部屋で真弓が唄ってくれた歌は

真弓には似合わないほど弱い女の子の歌で

それは私で・・・。


聞きながら泣きじゃくった。


「わ、私はこんなにカッコよくない~~・・・みっともない事ばっか言ったんだよ・・・」



歌い終わった真弓は

「よしよし、頑張った頑張った。」
と言った。


うん、ありがとう・・・


何故か気持ちはスッキリしてて、その日はよく眠れた。








「あ~・・・もう夏か~~。まゆみ~~どこかに良い恋落ちてない??」

「落ちてたとしても拾った恋はロクなのじゃないでしょ。前回のもぶっちゃけどっちもどっちだしね。」


「ひ、ひどい!綺麗に思い出にさせてー!!」


「とりあえず私に早くギターの弦を売れ!」

 

終わり
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

不倫の味

麻実
恋愛
夫に裏切られた妻。彼女は家族を大事にしていて見失っていたものに気付く・・・。

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

ある辺境伯の後悔

だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。 父親似だが目元が妻によく似た長女と 目元は自分譲りだが母親似の長男。 愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。 愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。

処理中です...