実はこっそりあいつに溺れてますが、何か?

らいち

文字の大きさ
19 / 47
第二章

学園祭の出し物が決まりました

しおりを挟む
   もう、ため息が出る。神ってば、他の子達といる時はちっとも私を優先してくれないんだから。さっきだって約束しても簡単に破っちゃってさ。しっかり確認してあれなんだもん、嫌になる。

 チラリと神の席に視線を向けてみた。今はLHRの時間ということもあって教室内は少し騒がしい。神も例にもれず、近くの女子達と楽しそうにおしゃべりをしている。
 嬉しそうな顔。腹立つなあ、もう。

「今日は、来月の四日から始まる学園祭の出し物について話し合いたいと思います。何か提案はありませんか?」

 委員長の問いかけに、また教室内はざわざわとし始めた。手間が掛からない方がいいとか稼げる物は何かないかとか、そんな声があちらこちらから聞こえて来る。

「模擬店がいいんじゃない?」
「幽霊屋敷とかは?」

 飛び交う声を聞き取った書記が、黒板に一つ一つ書いていく。そんな中、「神のカッコイイ姿がみたいな……」と誰かがポツリと呟いた。
 その一言を聞き逃さなかった女子の表情が一変する。今までどうでもいいというような表情だった子達までが、目をキラキラと輝かせた。

「それいい、見たい!」
「じゃあさ、神に格好いいウエーター姿になってもらって、チュロス売るのとかどう?」

 ハアッ? 何言ってるのよ! そんな事したら、みんな神に触り放題じゃないの!
 一人焦る私をよそに、話はどんどん広がっていく。

「それよりさあ、手作りアクセサリーの販売とかは? それでアクセサリー作り体験をする人には、神が教えますとか言ってさ」
「ダメだよ絶対、絶対ダメ!」

 バカなこと言わないでって気持ちで、私は思わず立ち上がって叫んだ。

「そうだよ、これは加代子の言う通り、絶対ダメ! だってそんなんじゃ、お客さんしかいい想い出来ないじゃん」
「私も反対! 知らない子が神の横で楽しんでるとこなんて見たくない!」

 キャアキャアと騒ぎだした私達を見て、今度は男子までが騒ぎ出した。

「おい、お前らさっきから何だよ! 女子が楽しむ為のイベントじゃねえぞ」
「そうだ、そうだ! そんなん言うんなら、加代子ちゃんに可愛い衣装着けさせて接客させてくれ!」

 ハアアッ? 何でそこで私が出てくるの!

 それからはもう皆ヒートアップして、言いたい放題で騒がしくなってきた。収拾がつかなくなり始めた頃、委員長がパンパンと大きく手を鳴らした。

「静かに、静かにして下さい!」
「はい、委員長!」

 いきなり琴が手を挙げて立ち上がった。

「はい、田島さん」
「男装女装コンテストがいいと思います」

 今までと全く違う方向性の提案に、一瞬みんなキョトンとした。だけど言っている意味を理解して、また皆はすぐに騒ぎだす。

「それいい、いいよ。神の女装見てみたい!」
「うんうん、見たい、見たい!」
「加代子ちゃんの男装だってよ。ゾクゾクするな」

 みんなすごい勝手なこと言ってる。しかも男子! 私は男装するなんて一言も言ってないんですけど!
  ……でも、神の女装はちょっと興味あるかも。

「それでは、男装女装コンテストがいいと思う人は手を挙げて下さい」

 委員長の呼び掛けに、みんなどんどん手を挙げていく。私も、神の女装に興味があってついつい手を挙げてしまった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。

石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。 自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。 そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。 好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。 この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

拝啓~私に婚約破棄を宣告した公爵様へ~

岡暁舟
恋愛
公爵様に宣言された婚約破棄……。あなたは正気ですか?そうですか。ならば、私も全力で行きましょう。全力で!!!

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

優しい雨が降る夜は

葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン 無自覚にモテる地味子に 余裕もなく翻弄されるイケメン 二人の恋は一筋縄ではいかなくて…… 雨降る夜に心に届いた 優しい恋の物語 ⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡ 風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格 雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン

処理中です...