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第二章
バレちゃった!2
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ポケーッと見ていると、まどかたち女子がぞろぞろと戻ってきた。
「終わったの?」
「うん、あ、男子たちも引き上げるみたいだね」
引き続き、みんながぞろぞろと引き上げてくる。
「梓は?」
「100m、ちょっと走りたいって言ってたから、もう少し残るみたいよ」
「ふうーん」
「どうする? 由紀ちゃん。まどかたち帰るけど」
「梓の走り、ちょっと見てこっかな」
「そっか、じゃあ先行くね。バイバイ」
「バイバイ」
梓の方に目をやると、たとえ一人でも気にならないようで真剣な顔をしていた。僕は梓に駆け寄った。
「タイム計る?」
「ありがと。あー、でもいいの? もうみんな帰っちゃったよ」
「梓いるじゃない」
「あ、そっか」
梓は笑いながら、「じゃあ、頼もうかな」と言って僕にストップウォッチを手渡した。
「位置について、よーい、スタート!」
梓が地面を蹴り、綺麗なフォームで風を切って走ってくる。
近づいてくる梓の足元をしっかり見て、ラインを踏んだところでストップウォッチを押した。
「16秒28」
「あー、やっぱりあたしじゃこんなもんかあ」
「女子にしたら早い方じゃない?」
「かもしれないけど、陸上部の人たちにはこれじゃ勝てないよな」
「さすがだね」
「何が?」
「何でも一生懸命で格好いい」
「何言ってんの」
さすがの梓も照れたらしい。それを隠すためか、僕の頭を軽くコツンと叩いた。
ポツン、ポツン。上から滴が降ってきた。
「雨だ」
「なんか降り出しそうだね。もう戻らない?」
「そうだね。急ごう」
僕と梓はいったん体育館に寄った。僕は体育館には入らずに外で待っていて梓の着替えを待ち、それから二人で教室へと戻ってきた。
校舎に入った時には、雨足も強くなっていた。
「うわー、土砂降りだねー。梓、傘持ってきた?」
「うん、一応。天気予報雨だったから」
「私も。でもこの雨、今は出たくないね」
「そうだね。もうちょっと待った方が…」
土砂降りの雨の中、暗くなっていた空がカッと明るくなり稲光が走る。次いで、ガラガラガシャーンと、雷が落ちた音が響いた。
「キャアッ!」
悲鳴を上げて、梓が僕に抱き付いてきた。
「終わったの?」
「うん、あ、男子たちも引き上げるみたいだね」
引き続き、みんながぞろぞろと引き上げてくる。
「梓は?」
「100m、ちょっと走りたいって言ってたから、もう少し残るみたいよ」
「ふうーん」
「どうする? 由紀ちゃん。まどかたち帰るけど」
「梓の走り、ちょっと見てこっかな」
「そっか、じゃあ先行くね。バイバイ」
「バイバイ」
梓の方に目をやると、たとえ一人でも気にならないようで真剣な顔をしていた。僕は梓に駆け寄った。
「タイム計る?」
「ありがと。あー、でもいいの? もうみんな帰っちゃったよ」
「梓いるじゃない」
「あ、そっか」
梓は笑いながら、「じゃあ、頼もうかな」と言って僕にストップウォッチを手渡した。
「位置について、よーい、スタート!」
梓が地面を蹴り、綺麗なフォームで風を切って走ってくる。
近づいてくる梓の足元をしっかり見て、ラインを踏んだところでストップウォッチを押した。
「16秒28」
「あー、やっぱりあたしじゃこんなもんかあ」
「女子にしたら早い方じゃない?」
「かもしれないけど、陸上部の人たちにはこれじゃ勝てないよな」
「さすがだね」
「何が?」
「何でも一生懸命で格好いい」
「何言ってんの」
さすがの梓も照れたらしい。それを隠すためか、僕の頭を軽くコツンと叩いた。
ポツン、ポツン。上から滴が降ってきた。
「雨だ」
「なんか降り出しそうだね。もう戻らない?」
「そうだね。急ごう」
僕と梓はいったん体育館に寄った。僕は体育館には入らずに外で待っていて梓の着替えを待ち、それから二人で教室へと戻ってきた。
校舎に入った時には、雨足も強くなっていた。
「うわー、土砂降りだねー。梓、傘持ってきた?」
「うん、一応。天気予報雨だったから」
「私も。でもこの雨、今は出たくないね」
「そうだね。もうちょっと待った方が…」
土砂降りの雨の中、暗くなっていた空がカッと明るくなり稲光が走る。次いで、ガラガラガシャーンと、雷が落ちた音が響いた。
「キャアッ!」
悲鳴を上げて、梓が僕に抱き付いてきた。
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