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第四章
初めての訪問
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風呂も済んで、部屋で寝ころびながら今日買ってきた漫画を読んでいたら着信音。梓からの電話だった。
「もしもし梓?」
「あ、由紀。今大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。暇だったから漫画読んでた」
「そっか。明日の事なんだけどさ、やっぱ思った通り「絶対連れておいで」って」
「ホントに? じゃあ喜んでお邪魔させてもらう。あー、そうだ、梓のとこは何人家族なんだ?」
「え、家? 家は5人家族。兄貴が2人いるんだ」
「へー、そうなんだ…」
そっか、お兄さんが2人か…。手土産にケーキでもと思ったけど、男だと甘い物苦手な人もいるかもだよな…。
「ん? 何? あたしの家族構成がどうかしたか?」
「あ、いや、なんでも。初めてお邪魔するからさ、緊張しないようにと思って」
「緊張? 由紀って人見知りする方だっけ?」
「いやいや、初めて招待されるんだから、緊張くらいするだろ」
「あっそっか。大丈夫だよ、家はみんな熱烈歓迎だから」
梓は楽しそうに笑ってる。
もう、分かってないなー。歓迎されてるから余計に緊張もするんだよ。
好きな子の家の人には、自分をより良く見せたいと思っちゃうんだから。
「で、何時ごろ来れそう?」
「えーと、稽古が終わるのが四時頃だから…。五時半ごろには駅に着けるかな」
「そっか。じゃあ、電車に乗る前に電話してくれる? 駅まで迎えに行くから」
「うん、分かった。あー、なんかドキドキするなあ」
「ふふっ。そうだな、あたしは何だかわくわくする。遠足が待ち遠しい小学生みたいだ」
「だよな。梓の家に行くのが楽しみだから、明日の稽古は頑張れそうだ」
「そっか。良かった」
その後、とりとめのない話をして電話を切った。
明日は梓のお家にお邪魔!
僕は緊張と楽しみのために未だドキドキ言い続ける心臓を無視しながら、ベッドに放り投げていたコミックを手に取った。
「もしもし梓?」
「あ、由紀。今大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。暇だったから漫画読んでた」
「そっか。明日の事なんだけどさ、やっぱ思った通り「絶対連れておいで」って」
「ホントに? じゃあ喜んでお邪魔させてもらう。あー、そうだ、梓のとこは何人家族なんだ?」
「え、家? 家は5人家族。兄貴が2人いるんだ」
「へー、そうなんだ…」
そっか、お兄さんが2人か…。手土産にケーキでもと思ったけど、男だと甘い物苦手な人もいるかもだよな…。
「ん? 何? あたしの家族構成がどうかしたか?」
「あ、いや、なんでも。初めてお邪魔するからさ、緊張しないようにと思って」
「緊張? 由紀って人見知りする方だっけ?」
「いやいや、初めて招待されるんだから、緊張くらいするだろ」
「あっそっか。大丈夫だよ、家はみんな熱烈歓迎だから」
梓は楽しそうに笑ってる。
もう、分かってないなー。歓迎されてるから余計に緊張もするんだよ。
好きな子の家の人には、自分をより良く見せたいと思っちゃうんだから。
「で、何時ごろ来れそう?」
「えーと、稽古が終わるのが四時頃だから…。五時半ごろには駅に着けるかな」
「そっか。じゃあ、電車に乗る前に電話してくれる? 駅まで迎えに行くから」
「うん、分かった。あー、なんかドキドキするなあ」
「ふふっ。そうだな、あたしは何だかわくわくする。遠足が待ち遠しい小学生みたいだ」
「だよな。梓の家に行くのが楽しみだから、明日の稽古は頑張れそうだ」
「そっか。良かった」
その後、とりとめのない話をして電話を切った。
明日は梓のお家にお邪魔!
僕は緊張と楽しみのために未だドキドキ言い続ける心臓を無視しながら、ベッドに放り投げていたコミックを手に取った。
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