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第六章
ひと息ついて 2
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「それじゃあ休みの気分は味わえないな」
「だろ? ホントに頑固なんだからあの親父」
登校時、偶然梓と佐藤に遭遇したので、僕はついつい愚痴ってしまう。
「こないだお邪魔した時にちょっと挨拶したけど、確かに怖そうな感じだったよな。威厳があるというか…。由紀とはあんまり似てないよな」
「それ、あたしも思った。由紀はお母さん似だよな」
「うん。親父にはあんまり似てないかな」
「それはそうと、昨日どうだった? 小田さんたちは仲良くなれたか?」
「ああ、普通に2人で喋れるようになってたみたいだから、もう後は当人任せで良いんじゃないか?」
「そっか。良かったな」
それならもう、頼られることも無いわけだ。あとは自分たちの事だけ考えられるって事だよな。
「佐藤君」
「何?」
「今度は僕と梓と、佐藤君と姉さんでダブルデートしような」
「えっ!?」
あ、佐藤の顔が赤くなった!
「や、何言って…。まだそんなんじゃないし…」
「何弱気な事言ってんだよ! 押してけよ。男らしく」
「…押せばいいってもんじゃないだろ」
何、この佐藤。これはかなりの脈ありじゃないか!
「佐藤君!」
感極まって僕は思わず佐藤の手を両手でぎゅっと握りしめてしまった。さすがの佐藤もちょっと引き気味だ。
「な、なんだよ。びっくりした」
「姉さんは佐藤が押してくれたら、きっと嬉しいと思う」
「…まあ、それは」
じいっと2人から見つめられて、佐藤も何だかタジタジしている。
だけど、フッと息を吐いてあらためて僕らを真正面から見返した。
「でもやっぱりゆっくり行くわ。千代美さんは確かに良いなと思うし惹かれているけど、2人のペースで進めていくから」
「…そうなのか?」
僕としては早く2人がくっつけばいいと思っているから、何だかもどかしく感じるんだけど。
ん~と思って佐藤をじっと見つめているとデコピンをされてしまった。
「焦んな。こういう過程も楽しかったりするんだから」
「そう言うもの?」
僕が聞き返すと佐藤は意味深に僕と梓を見ながら、「自分たちの時はどうだったんだよ」と、逆に聞いてきた。
僕と梓は思わず2人で顔を見合わせた。
「や…まあ、それは確かに、なあ?」
「…っ、あたしに聞かないでよ」
「だろー? 急かすな、急かすな」
いつの間にか形勢逆転で、佐藤は楽しそうに笑っていた。
「だろ? ホントに頑固なんだからあの親父」
登校時、偶然梓と佐藤に遭遇したので、僕はついつい愚痴ってしまう。
「こないだお邪魔した時にちょっと挨拶したけど、確かに怖そうな感じだったよな。威厳があるというか…。由紀とはあんまり似てないよな」
「それ、あたしも思った。由紀はお母さん似だよな」
「うん。親父にはあんまり似てないかな」
「それはそうと、昨日どうだった? 小田さんたちは仲良くなれたか?」
「ああ、普通に2人で喋れるようになってたみたいだから、もう後は当人任せで良いんじゃないか?」
「そっか。良かったな」
それならもう、頼られることも無いわけだ。あとは自分たちの事だけ考えられるって事だよな。
「佐藤君」
「何?」
「今度は僕と梓と、佐藤君と姉さんでダブルデートしような」
「えっ!?」
あ、佐藤の顔が赤くなった!
「や、何言って…。まだそんなんじゃないし…」
「何弱気な事言ってんだよ! 押してけよ。男らしく」
「…押せばいいってもんじゃないだろ」
何、この佐藤。これはかなりの脈ありじゃないか!
「佐藤君!」
感極まって僕は思わず佐藤の手を両手でぎゅっと握りしめてしまった。さすがの佐藤もちょっと引き気味だ。
「な、なんだよ。びっくりした」
「姉さんは佐藤が押してくれたら、きっと嬉しいと思う」
「…まあ、それは」
じいっと2人から見つめられて、佐藤も何だかタジタジしている。
だけど、フッと息を吐いてあらためて僕らを真正面から見返した。
「でもやっぱりゆっくり行くわ。千代美さんは確かに良いなと思うし惹かれているけど、2人のペースで進めていくから」
「…そうなのか?」
僕としては早く2人がくっつけばいいと思っているから、何だかもどかしく感じるんだけど。
ん~と思って佐藤をじっと見つめているとデコピンをされてしまった。
「焦んな。こういう過程も楽しかったりするんだから」
「そう言うもの?」
僕が聞き返すと佐藤は意味深に僕と梓を見ながら、「自分たちの時はどうだったんだよ」と、逆に聞いてきた。
僕と梓は思わず2人で顔を見合わせた。
「や…まあ、それは確かに、なあ?」
「…っ、あたしに聞かないでよ」
「だろー? 急かすな、急かすな」
いつの間にか形勢逆転で、佐藤は楽しそうに笑っていた。
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