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千年に一人の逸材
気味の悪い芙蓉
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医療センターに着くと、早野さんがすでに子供たちの相手をしていた。
「こんにちは、芙蓉さん、紫温さん」
「こんにちは」
「こんにちはー」
あれから俺は、早野さんを事あるごとに気にしてしまう。だけど早野さんが芙蓉に気がある事は確かなようだけれど、あの時の一切の行動は記憶に無い様だった。あの一連の行動が、ユウマに支配されていたという事は、おそらく間違ってはいないだろう。
いつものように紙芝居を終えて子供たちとあやとりをしていると、早野さんがやってきた。
「私も、いいかな?」
「ああ、もちろん!」
「やたーっ! お姉ちゃんも一緒!」
早野さんはあやとりが上手く、ほうきや東京タワーなど次々と披露して子供たちに教えていく。俺はと言えば、試行錯誤の挙句ぐちゃぐちゃにしてしまって、子供たちと大笑いをした。
「いやー、早野さんにはやっぱ、敵わないかー」
結局、俺も一緒に早野さんにあやとりを教えてもらい、いつの間にかここは「早野あやとり教室」にと変貌していた。
「紫温さんって、本当に明るくて楽しい方ですね」
「へ?」
突然の褒め言葉にポケッとする。思わず早野さんの顔をじっと見てしまった。
早野さんは、何故か苦笑するように俺を見返す。
「いえ、芙蓉さんと仲が良いのは紫温さんの人柄かなって思って」
「ああ…」
俺は、ぼりぼりと頭を掻いた。
「よく一緒にいるから仲が良いと思っちゃうかもしれないけど、実際はそうでもないから。芙蓉には…あんまり信用されてないみたいだしね」
「そんな事ないと思いますけど。芙蓉さんって子供たちは別として、私たちボランティア仲間に対してはどちらかと言うと儀礼的で、全然興味ないですよ? 紫温さんだけですよ。芙蓉さんが興味を持っているのは」
早野さんはそう言って、寂しそうに目を伏せた。
だけど早野さんは勘違いをしている。芙蓉が俺に興味を持っているのは特別とかそう言う事では無くて、俺が悪魔で監視対象だからだ。
だけどそのことを話すわけにはいかないから、苦笑いでごまかすことにした。
楽しい子供たちとの時間もそろそろ終了の時間だ。芙蓉の方をちらっと見ると、ちょうど俺の所に歩いてくるところだった。
「帰るか」
「うん」
「じゃあ、さよなら早野さん」
「はい。また、来週」
俺たちは早野さんや奥に居る他のボランティアの人たちに軽く手を振って、出口へと歩いて行った。
医療センターを出た辺りで、芙蓉が話しかけてきた。
「さっきの事だけど」
「さっき?」
「誰かが監視してるって言ってただろ」
「ああ」
「…とばっちりで迷惑かけるかもしれないけど、お前に非はないから、悪態吐かれても気にしないでくれな」
「え?」
芙蓉が珍しく、俺に気を使っている。何だか気味が悪い。
「…悪いな」
続く謝罪の言葉に、思わず俺は芙蓉の顔をまじまじと見てしまった。少し思い詰めたようなその顔に、俺の知らない事がおそらく天界の中で起こっているのだろうという事は、容易に想像できた。
だけどそれに俺がどう係っているのかは、教えてくれる気は無さそうだった。
「こんにちは、芙蓉さん、紫温さん」
「こんにちは」
「こんにちはー」
あれから俺は、早野さんを事あるごとに気にしてしまう。だけど早野さんが芙蓉に気がある事は確かなようだけれど、あの時の一切の行動は記憶に無い様だった。あの一連の行動が、ユウマに支配されていたという事は、おそらく間違ってはいないだろう。
いつものように紙芝居を終えて子供たちとあやとりをしていると、早野さんがやってきた。
「私も、いいかな?」
「ああ、もちろん!」
「やたーっ! お姉ちゃんも一緒!」
早野さんはあやとりが上手く、ほうきや東京タワーなど次々と披露して子供たちに教えていく。俺はと言えば、試行錯誤の挙句ぐちゃぐちゃにしてしまって、子供たちと大笑いをした。
「いやー、早野さんにはやっぱ、敵わないかー」
結局、俺も一緒に早野さんにあやとりを教えてもらい、いつの間にかここは「早野あやとり教室」にと変貌していた。
「紫温さんって、本当に明るくて楽しい方ですね」
「へ?」
突然の褒め言葉にポケッとする。思わず早野さんの顔をじっと見てしまった。
早野さんは、何故か苦笑するように俺を見返す。
「いえ、芙蓉さんと仲が良いのは紫温さんの人柄かなって思って」
「ああ…」
俺は、ぼりぼりと頭を掻いた。
「よく一緒にいるから仲が良いと思っちゃうかもしれないけど、実際はそうでもないから。芙蓉には…あんまり信用されてないみたいだしね」
「そんな事ないと思いますけど。芙蓉さんって子供たちは別として、私たちボランティア仲間に対してはどちらかと言うと儀礼的で、全然興味ないですよ? 紫温さんだけですよ。芙蓉さんが興味を持っているのは」
早野さんはそう言って、寂しそうに目を伏せた。
だけど早野さんは勘違いをしている。芙蓉が俺に興味を持っているのは特別とかそう言う事では無くて、俺が悪魔で監視対象だからだ。
だけどそのことを話すわけにはいかないから、苦笑いでごまかすことにした。
楽しい子供たちとの時間もそろそろ終了の時間だ。芙蓉の方をちらっと見ると、ちょうど俺の所に歩いてくるところだった。
「帰るか」
「うん」
「じゃあ、さよなら早野さん」
「はい。また、来週」
俺たちは早野さんや奥に居る他のボランティアの人たちに軽く手を振って、出口へと歩いて行った。
医療センターを出た辺りで、芙蓉が話しかけてきた。
「さっきの事だけど」
「さっき?」
「誰かが監視してるって言ってただろ」
「ああ」
「…とばっちりで迷惑かけるかもしれないけど、お前に非はないから、悪態吐かれても気にしないでくれな」
「え?」
芙蓉が珍しく、俺に気を使っている。何だか気味が悪い。
「…悪いな」
続く謝罪の言葉に、思わず俺は芙蓉の顔をまじまじと見てしまった。少し思い詰めたようなその顔に、俺の知らない事がおそらく天界の中で起こっているのだろうという事は、容易に想像できた。
だけどそれに俺がどう係っているのかは、教えてくれる気は無さそうだった。
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